カテゴリー: ウィリアムズ・レーシング

  • ウィリアムズF1 カナダGPで再び入賞 サインツ9位もアルボンは不運のリタイア

    ウィリアムズF1 カナダGPで再び入賞 サインツ9位もアルボンは不運のリタイア

    ウィリアムズF1は2026年F1カナダGP決勝で、カルロス・サインツJr.が9位入賞を果たし、チームに貴重なポイントをもたらした。一方、アレクサンダー・アルボンは序盤の接触によるダメージでリタイアに終わった。

    サインツは15番手からインターミディエイトタイヤでギャンブル戦略を選択。序盤は苦しい展開となったが、スリックタイヤ交換後に強力なペースを発揮し、ミッドフィールド争いを勝ち抜いてポイント圏内へ浮上した。

    ジェームス・ボウルズ「着実に前進している」
    チーム代表のジェームス・ボウルズは、2戦連続でマシン性能向上が見えていると語った。

    「カルロスは本当によくやってくれた。また貴重なポイントを加えることができましたし、マイアミとモントリオールを通して、我々がクルマのパフォーマンスを向上させ、安定してポイント争いができる位置へ近づいていることを確認できたのは非常に喜ばしいことです」

    「今日はすべてを完璧にできたわけではありませんし、アレックスについては気の毒に思っています。彼にも十分なペースがあり、あの位置からならポイント獲得の可能性がありました」

    「いつも通り、何を違う形でできたかを振り返り、そこから学んでいきます。ただ、最優先なのはクルマのパフォーマンスをさらに向上させ、グリッド上位争いを続けることです」

    サインツ「ミッドフィールド最速の場面もあった」
    カルロス・サインツJr.は、戦略ギャンブルは外れたものの、レースペースには手応えを感じていた。

    「今日は複雑な気持ちだ。こういうコンディションで走るのはいつも好きだし、自分はクルマからすべてを引き出せる感覚がある。15番手スタートだったので、インターミディエイトでギャンブルする価値はあると思っていたし、コンディションも少し不安定だった。追加のフォーメーションラップは助けにならなかったし、残念ながら今日はその判断が明確に裏目に出た」

    「ただ、ミディアムに履き替えてからの第2スティントは本当に強力で、時にはミッドフィールド最速だった。良いリカバリーはできたが、前の3台と戦えたら面白かったと思う」

    「とはいえ、チームにまたポイントを持ち帰れたので、その点はうれしい。最終的には、コンスタントにトップ8争いをするにはまだペースが必要だが、レースごとに良い流れを築けている」

    アルボン「また不運だった」
    アレクサンダー・アルボンは、オスカー・ピアストリとの接触によるリタイアを悔やんだ。

    「今週末は全体的についていなかった。今日もまた不運だった。オスカーに悪感情はないし、彼がオーバーテイクを少し見誤っただけだと思う。こういうことは起きるし、それがレースだ」

    「レース序盤のペースは良かったし、クルマにも良い感触があった。アルピーヌ勢と争い、十分ポイント圏内にいたと思う」

    「結局のところ、今季は走行時間が不足しているし、自分としてもリズムに乗ってスムーズな週末を過ごす必要がある。それはいずれ来るはずだ。モナコは通常僕たちに合うコースだし、ドライバーとしての自分にも合っているので、リセットしてチームとしてさらに強く戻ってくるのを楽しみにしている」

    ウィリアムズF1はアルボンのリタイアという痛手を負いながらも、サインツが再びポイントを持ち帰り、マシン性能向上の兆しを示した。チームはヨーロッパラウンド開幕戦となるモナコGPで、さらなる上位進出を目指す。

  • ウィリアムズF1が“マクラーレンのキーマン”獲得 再建計画が新段階へ

    ウィリアムズF1が“マクラーレンのキーマン”獲得 再建計画が新段階へ

    ウィリアムズF1は、マクラーレンの元最高執行責任者であるピアーズ・シンを新設ポジションに迎えることを発表し、グローブの再建計画が新たな段階に入ったことを示した。

    2026年F1シーズン序盤は苦戦が続き、FW48は速さと重量面で課題を抱えている。それでも、ジェームス・ボウルズ代表の下で進む組織改革は止まっておらず、チームはライバル陣営から実績ある人材を積極的に引き抜いている。

    マクラーレン復活を支えた幹部が8月に加入
    ピアーズ・シンは8月から、ウィリアムズF1のチーフ・オプティマイゼーション&プランニング・オフィサーに就任する。この役職は、組織全体の業務効率と戦略的発展を強化するために新設されたものだ。

    シンは、マクラーレンが再びトップ争いへ戻る過程を支えた人物のひとりであり、ウィリアムズにとっては単なる補強ではなく、長期的なタイトル争いを見据えた組織設計の一部といえる。

    「アトラシアン・ウィリアムズF1チームに加わることができて嬉しく思っている。今は本当にエキサイティングな瞬間だ。ウィリアムズには、あらゆる分野でチャンピオンシップレベルになり、このスポーツで新たな基準を打ち立てるという明確な野心がある。シニア・リーダーシップ・グループの一員として、その一翼を担えることを楽しみにしている」とシンはコメントした。

    「マクラーレンでは素晴らしい時間を過ごし、チームをトップへ戻す手助けをしてきた。ウィリアムズでも同じことができることを願っている」

    ウィリアムズ・レーシング

    メルセデスとアルピーヌからも技術人材を補強
    ウィリアムズはシンの加入に加え、メルセデスからクレア・シンプソンとフレッド・ジャッド、アルピーヌの元チーフエンジニアであるスティーブ・ブースも獲得した。

    3人は主要な技術職に就く予定で、チャンピオンシップを制した環境で培った経験をグローブにもたらす。新加入のメンバーは合計で12台のタイトル獲得マシンに関わっており、60年以上の経験をウィリアムズにもたらすことになる。

    ジェームス・ボウルズは、今回の人事がチームの長期改革において重要な意味を持つことを隠さなかった。

    「F1の最前線で戦うために、人材、プロセス、テクノロジーへの投資を続ける中で、ピアーズをアトラシアン・ウィリアムズF1チームに迎えられることを非常に嬉しく思っている」とジェームス・ボウルズは語った。

    「我々は、ワールドチャンピオンシップを勝てるチームを作るという野心を明確にしている。ピアーズには、それを実際に成し遂げた比類なき最新の経験がある」

    「クレア、フレッド、スティーブを迎えられることも嬉しく思っている。我々はパドック全体から非常に優秀な戦略的人材を引き寄せており、彼らはこの数年で築いてきた基盤に加わり、我々を次のレベルへ引き上げる助けになる」

    成績不振の裏で進む“勝てる組織”への転換
    ウィリアムズは現在、コンストラクターズ選手権で8位にとどまり、開幕数戦でわずか5ポイントしか獲得できていない。現行マシンは絶対的なペースと軽量化の両面で苦しんでおり、短期的な成績だけを見れば厳しい状況にある。

    しかし、今回の人事は、ウィリアムズが現在の順位だけで評価される段階を抜け出そうとしていることを示している。ジェームス・ボウルズは、マシン開発だけでなく、組織の意思決定、作業効率、技術部門の厚みそのものを作り直そうとしている。

    マクラーレン、メルセデス、アルピーヌからの人材獲得は、ウィリアムズがもはや過去の名門という看板だけに頼るチームではなく、再び勝つための構造を本気で整え始めたことを意味している。今季の苦戦は痛みを伴うものだが、その裏側で進む再建プロジェクトは、確実に勢いを増している。

  • アレクサンダー・アルボン F1カナダGPで“マーモット事故” スプリント予選を欠場

    アレクサンダー・アルボン F1カナダGPで“マーモット事故” スプリント予選を欠場

    アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)は、2026年F1カナダGPのスプリント予選を欠場することになった。FP1でコース上の野生動物と接触し、マシンに想定以上の大きなダメージを負ったためだ。

    ウィリアムズは修復作業を進めたものの、損傷はギアボックスとパワーユニットの交換を必要とする規模に及び、同日午後のスプリント予選までに作業を完了できないと判断した。

    マーモットとの接触でFP1が終了
    アルボンのカナダGPは、週末唯一のプラクティスでいきなり困難に見舞われた。金曜午後のFP1でマーモットと接触し、その衝撃によってウィリアムズのマシンは大きなダメージを受けた。

    この接触により、アルボンはFP1の残り時間を走行できず、マシンはガレージへ戻された。チームはすぐに修復作業に取りかかったが、損傷の範囲は当初の想定を大きく上回っていた。

    ギアボックスとパワーユニット交換でスプリント予選欠場
    ウィリアムズは声明で、アルボンがスプリント予選に出走しないことを明らかにした。

    「FP1でコース上の野生動物が関係したインシデントを受け、アレックスは今日午後のスプリント予選には出走しない」

    「チームはマシンを修復するために最善を尽くしたが、受けたダメージは当初考えられていたよりもはるかに大きく、ギアボックスとPUを交換する必要がある」

    「アレックスにとっては不運だが、明日のセッションに向けて可能な限り準備できるよう、カルロス側のガレージから得られるすべての学びを生かしていく」

    スプリント週末で重い代償
    カナダGPはスプリントフォーマットで行われており、FP1は各チームにとってセットアップを煮詰める貴重な走行機会だった。アルボンはその走行時間を失っただけでなく、スプリント予選も欠場することになり、週末の立て直しは一段と難しくなった。

    ウィリアムズにとっては、カルロス・サインツ側のデータがアルボンの週末を再構築するうえで重要な基準となる。土曜以降の走行に向けて、チームは限られた情報の中でマシンを再び仕上げる必要がある。

  • ウィリアムズF1 カナダGPでリザーブ交代 ビクター・マルタンスが帯同

    ウィリアムズF1 カナダGPでリザーブ交代 ビクター・マルタンスが帯同

    ウィリアムズは今週末の2026年F1カナダGPを前に、リザーブドライバー体制を変更した。

    ルーク・ブラウニングが日本で開催されるスーパーフォーミュラ第4戦に参戦するため、カナダGPではビクター・マルタンスがリザーブドライバーを務める。

    ビクター・マルタンスが約1年ぶりにF1週末の現場へ
    24歳のフランス人ドライバーであるビクター・マルタンスは、今季ウィリアムズでテスト&開発ドライバーを務めている。今回の短期的な役割変更により、サーキット現場での業務に復帰するのは約1年ぶりとなる。

    ウィリアムズの広報担当者は、今回の変更について次のように説明した。

    「ビクターは2025年初めにアトラシアン・ウィリアムズF1チーム・ドライバー・アカデミーの一員としてチームに加わり、2026年にはテスト&開発ドライバーの役割に昇格した」

    「彼はファクトリーでアレックス・アルボンとカルロス・サインツと密接に作業し、レース週末にはマシン開発とセットアップの改善に貢献してきた」

    「ビクターが現場での役割を担うのは、チームで2025年F1スペインGPのFP1を走行して以来初めてとなる」

    ビクター・マルタンスにとって今回のカナダGPは、単なる代役起用ではなく、ファクトリーで積み重ねてきた開発作業をグランプリ週末の現場に接続する機会となる。ウィリアムズにとっても、ブラウニング不在の週末に備えた実務的な体制変更となった。

  • カルロス・サインツJr. F1の政治構造を批判「メーカーが裏で糸を引いている」

    カルロス・サインツJr. F1の政治構造を批判「メーカーが裏で糸を引いている」

    カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は、2027年F1パワーユニット規則を巡る政治的対立に警鐘を鳴らし、「メーカーが裏で糸を引いている」と現在のF1統治構造を痛烈に批判した。

    2026年から導入された新世代パワーユニットは、内燃機関と電動出力を50対50で配分する構造となっている。しかし、開幕後にはエネルギーマネジメントやスーパークリッピングへの懸念が噴出し、FIA、FOM、各メーカーはすでに2027年に向けた修正協議を開始している。

    2027年F1規則を巡る駆け引き
    ここ数週間、FIA、FOM、各パワーユニットメーカーは一連の会議を重ね、マイアミGPではエネルギー運用に関する暫定的な修正も実施された。

    だが、本当の焦点は2027年以降の方向性だ。

    マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、大規模なレギュレーション変更を2028年まで延期すべきだと慎重論を展開。一方で、メーカー間ではそれぞれ異なる利害が交錯している。

    現在、構造的な規則変更には「パワーユニット諮問委員会」での圧倒的多数が必要となる。この組織にはFIA、FOM、メルセデスHPP、フェラーリ、ホンダ、アウディ、レッドブル・パワートレインズが参加しており、2社の反対だけでも大規模改革は阻止される可能性がある。

    カルロス・サインツ「政治がすべてを止めている」
    GPDA(グランプリドライバーズ協会)のディレクターも務めるカルロス・サインツは、RacingNews365の取材に対し、現在のF1が政治的駆け引きによって停滞していると指摘した。

    「結局は、すべてのチームを政治的に同じ方向へ揃えられるかどうかなんだ。それがすべてを止めている」

    「明らかに多くの政治的利害が絡んでいる。あるメーカーは特定分野でより良い準備をしてきた。だからこそ、ルール変更によって自分たちのパフォーマンス上の優位を失いたくないんだ」

    サインツはさらに、現在のF1ではメーカー側に強すぎる発言力が与えられていると説明した。

    「チームにあまりにも大きな権限を与えれば、パワーユニットメーカーは自分たちの利益のために激しく戦うことになる」

    「メーカーが糸を引いている」
    サインツは、この膠着状態を打開するにはFIAがより強い主導権を持つべきだと主張した。

    「もしFIAが『これが新ルールだ』と決断するだけなら、おそらく大半のチームは対応できると思う」

    「問題は、水面下で糸を引いている存在がいることだ。メーカーたちはあらゆる場所でその糸を動かしている」

    この発言は、近年のF1が単なる技術競争ではなく、巨大メーカー同士の政治闘争の舞台になっている現実を浮き彫りにしている。

    メルセデスPU搭載でも“スポーツ優先”を主張
    興味深いのは、サインツ自身が現在メルセデス製パワーユニットを搭載するウィリアムズに所属している点だ。

    仮にメルセデスPUが優位性を持っているなら、本来は現行ルール維持を望んでも不思議ではない。

    それでもサインツは、スポーツ全体の公平性を優先すべきだと語る。

    「僕はメルセデス製パワーユニットを使っている。だから、メルセデスやレッドブルが優位を持っているなら、ルール変更に強く反対する立場でもおかしくない」

    「それでも、このスポーツのためを考えれば、もし自分が決定権を持っていたなら、2027年に向けて非常に大きな変更を行う」

    「GPDAとしても、2027年に向けた大規模な変更を強く推し進めていくつもりだ」

    2027年F1レギュレーションを巡る議論は、単なる技術論争を超え、各メーカーの思惑が複雑に絡み合う“政治戦争”の様相を強めている。サインツの発言は、その舞台裏をドライバー側から公然と暴露した極めて踏み込んだメッセージと言えそうだ。

  • カルロス・サインツJr. 「F1予選問題の解決にはまだ長い道のり」

    カルロス・サインツJr. 「F1予選問題の解決にはまだ長い道のり」

    カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)は、2026年F1レギュレーション下で問題視されている予選フォーマットについて、「まだ改善への道のりは長い」との見解を示した。一方で、FIAがマイアミGP週末に導入した修正については前向きに評価し、「全員が同じ方向を向いている」と語っている。

    2026年F1では、電力回生とエネルギーマネジメントの影響により、予選でドライバーがストレート上で減速したり、コーナーでエネルギーを温存したりする場面が問題視されてきた。

    観客からも「フルプッシュしていないF1」に対する違和感が噴出し、FIAはマイアミGP前にレギュレーションの細かな修正を実施していた。

    サインツ「予選はまだ理想形から遠い」
    カルロス・サインツJr.は、現状の改善だけでは十分ではないと語った。

    「予選については、まだかなり長い道のりがあると思う」

    「もうこれ以上批判するつもりはない。ただ、これはF1として十分な状態ではないということを、今後も前向きに訴え続けていきたい」

    その一方で、マイアミGPでは改善の兆しも感じていたようだ。

    「少なくともレースは少し良くなったように感じた」

    FIAの対応には一定の評価
    マイアミGPでは、雷雨リスクと“Rain Hazard”指定を受けて決勝開始時刻が前倒しされるなど、FIAは週末を通じて柔軟な対応を行った。

    サインツはその判断を高く評価している。

    「レース開始を前倒しした対応についても満足しているし、今週末のFIAはウェットコンディションへの懸念やインターミディエイトタイヤの問題にも耳を傾けていた。そこを批判することはできない」

    シーズン序盤には、新レギュレーションを巡ってドライバー側とFIAの間に緊張感も見られていた。しかしマイアミでは、少なくとも表面的には歩み寄りが進んだ形となった。

    PUメーカーとの“温度差”が今後の焦点
    サインツは最後に、問題解決にはパワーユニットメーカー側の理解が不可欠だと強調した。

    「FIAは素晴らしい仕事をしていると思うし、今は全員が同じ方向に向かっているように見える」

    「今後は、一部のPUメーカーに対して、これがF1のあるべき予選の姿ではないということを理解してもらう必要がある。そして改善を続けていかなければならない」

  • カルロス・サインツJr. F1スペインGP新サーキット「マドリンク」を初走行

    カルロス・サインツJr. F1スペインGP新サーキット「マドリンク」を初走行

    カルロス・サインツJr.が、2026年からF1スペインGPの開催地となる新サーキット「マドリンク」を初走行し、その印象を語った。

    マドリンクは、これまでスペインGPを開催してきたバルセロナ=カタルーニャ・サーキットに代わり、2026年9月にF1スペインGPを開催予定。一方、従来の会場は「バルセロナ=カタルーニャGP」と名称を変更し、6月開催へ移行する。

    市街地と常設区間を融合した新レイアウト
    全長5.4km、22コーナーで構成されるマドリンクは、一部が市街地区間、後半が専用設計の常設区間という特徴的なレイアウトを採用している。

    現在も建設作業は続いており、月末にはFIAによる査察を控えている。F1開催に向けた準備は最終段階に入っている。

    ウィリアムズのドライバーであり、サーキットのアンバサダーも務めるカルロス・サインツは、F1が公開した映像内で次のように語った。

    「本当に楽しかった。新しいサーキットを走るときのワクワク感を思い出した」

    「正直、ここまで楽しいとは思っていなかった。こんなに流れるようなレイアウトで、しかも道幅も広くて、長い時間マシンに荷重をかけ続けられるとは予想していなかった」

    「特にオープンセクションは印象的だったし、自分たちがどれだけ速く走っているかを実感した。このクルマでこれだけ速いなら、F1マシンならどれほどのスピードになるのか想像してほしい」

    カルロス・サインツJr. スペイングランプリ

    “別世界”へ切り替わるセクションを高評価
    サインツは、お気に入りの区間としてターン7出口からターン8への区間を挙げた。

    このエリアは、高低差を伴うブラインドコーナーからハードブレーキングへつながるレイアウトとなっており、視界が大きく制限されるという。

    「とてもタイトで、市街地サーキットのような区間から、突然何も見えないブラインドコーナーへ入っていく」

    「そして突然コースが開ける。まるでスクリーンを通り抜けて、別の世界へ入るような感覚だ」

    「このサーキットには完全に異なる2つの性格がある。市街地区間から、一気にオープンで幅広い区間へ切り替わるところが気に入っている」

    F1新時代の“スペインGP”として注目
    2026年のF1は新レギュレーション導入に加え、開催地やカレンダーにも変化が続いている。その中でマドリンクは、スペインGPの新たな象徴として大きな注目を集める存在となりそうだ。

    特に近年のF1では、市街地と高速常設区間を組み合わせたレイアウトが増加傾向にあるが、サインツのコメントからは、単なる“イベント型市街地サーキット”ではなく、ドライバーが本格的に攻められるコースとして期待している様子がうかがえる。

    FIA査察を経て正式承認が下りれば、マドリンクは2026年後半戦の重要な一戦として初開催を迎えることになる。

  • ウィリアムズF1 “開幕戦仕様”を第4戦で投入 クラッシュテスト失敗の代償

    ウィリアムズF1 “開幕戦仕様”を第4戦で投入 クラッシュテスト失敗の代償

    ウィリアムズF1は、2026年シーズン開幕前のクラッシュテスト失敗によって開発スケジュールが大きく狂い、本来は開幕戦オーストラリアGPに投入する予定だったアップグレードを、ようやくF1マイアミGPで実戦投入する事態となった。

    ジェームス・ボウルズ代表によると、シーズン開幕に間に合わせるため、当初計画していた仕様を断念し、重量面で妥協した“暫定仕様”のFW48を用意せざるを得なかったという。

    だが、その代償として性能開発は大幅に遅れ、現在は“アップグレード backlog(積み残し)”を抱えた状態にある。

    F1マイアミGP仕様は“本来の開幕戦パッケージ”だった
    ジェームス・ボウルズは『The Race』に対し、ウィリアムズが開幕前に直面した問題について説明した。

    「どんどん遅れ始めた時点で、率直に言って我々はまず“マシンを完成させる”必要があった。だから、この(マイアミの)アップデートは見送らざるを得なかった。これは本来、メルボルン用のアップデートだった」

    「なぜすぐ立て直せなかったのか、完全には理解しづらいかもしれない。でも、数週間単位で遅れ始めた時点で、物事は壊滅的に崩れていく」

    「そこからは、開発を立て直すための“研究期間”を作らなければならない。この直近5週間がまさにそれだった。十分な数量とスペアを揃えながら性能向上を進める必要があった」

    ボウルズは、もしこの仕様を開幕戦から投入できていれば、シーズン序盤の勢力図は大きく違っていた可能性があると認めた。

    「もしマイアミ仕様のマシンをメルボルンに投入できていたら、シーズン序盤はまったく違うものになっていただろう。依然として重量オーバーではあっただろうが、そこには確実にパフォーマンスがあった」

    「ただ現在は、届けなければならない性能パーツの backlog(積み残し)が存在している」

    ウィリアムズF1は“正しい方向”に向かっているのか
    F1マイアミGPでは、カルロス・サインツとアレクサンダー・アルボンがダブル入賞を達成。新パッケージは確かな前進を示した。

    ウィリアムズは今後も開発投入を続ける予定で、カナダGPで追加アップデート、さらにモナコGPでは“より大きなステップ”を投入する計画だという。

    「次戦カナダでも新パーツが入る。そしてモナコではもっと大きなステップになる」とボウルズは語った。

    「その後も、ほとんどの人が気づかないような細かなアップデートが続く。そして4戦ごとくらいに、目に見える大きな変更が入ることになる」

    ただしボウルズは、現時点のウィリアムズが目標地点には程遠いことも認めている。

    「我々は愚かではない。我々は望んでいる場所にはまったく届いていない。現時点ではアルピーヌがまだコンマ数秒先にいるし、中団争いは非常に接近している」

    「だが方向性は正しい。そして私が満足しているのは、これはマイアミ単発の成果ではないということだ。8月のサマーブレイク後まで続く広範囲な開発計画があり、それがパフォーマンスを引き上げていく」

    「我々はそれを実現できると信じている。スタート地点は残念だった。しかし今の我々は、かつてのウィリアムズではない。自力で這い上がり、前線に戻っていけるチームになっている」

    ウィリアムズ・レーシング

    カルロス・サインツ「本当の復活はシーズン終盤になる」
    カルロス・サインツも、マイアミを“再スタート”と位置づけている。

    「まだ大幅な軽量化余地が残っていることを考えれば、これはポジティブだと思う」

    「この数週間、チームは本当に大きな努力をしてきた。そして正しいことをすれば、結果も少しずつ良くなっていくことが示された」

    一方で、アルピーヌとの差は依然として大きいとも認めた。

    「でもアルピーヌとの差はまだ大きい。トップ勢との差なんて、言葉にできないほどだ。だからここを新たな基準点として、改善を続けていかなければならない」

    そしてサインツは、ウィリアムズの本格的な復活には時間が必要だと現実的に語った。

    「この立て直しを完了するには数か月必要になると思う。本当の意味でのターンアラウンドが見えるのは、シーズン終盤3分の1くらいになってからだろう」

    「でも少なくともアップグレードは機能した。マシン重量も少し軽くなった。ただ、まだやるべきことは残っている」

    「今後数戦でも追加パーツが入ってくる。だからポジティブな部分を維持しながら、ネガティブな部分の改善に集中していく必要がある」

  • ナイジェル・マンセル “クルサードをガレージ出禁”要求 ウィリアムズF1秘話

    ナイジェル・マンセル “クルサードをガレージ出禁”要求 ウィリアムズF1秘話

    1994年のF1シーズンは、アイルトン・セナの事故死によって大きく揺れた歴史的シーズンとして知られている。その混乱の中でウィリアムズF1に昇格したデビッド・クルサードが、当時のチーム内で起きた“意外なエピソード”を振り返った。

    その中心にいたのは、1992年F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルだった。クルサードによれば、1994年日本GPの週末にマンセルが「自分をガレージから外してほしい」と要求していたという。

    セナ亡き後に訪れた突然の昇格
    当時、デビッド・クルサードはウィリアムズのリザーブドライバーを務めていた。しかし、イモラで発生したアイルトン・セナの死亡事故を受け、急遽レースシートへ昇格することになった。

    チーム全体が深い悲しみと混乱に包まれる中、若きクルサードは極めて難しい状況でF1キャリアをスタートさせることになった。

    その一方で、ウィリアムズはナイジェル・マンセルをフランスGP、ヨーロッパGP、日本GP、オーストラリアGPの4戦限定で呼び戻し、デイモン・ヒルとともにシーズンを戦わせていた。

    マンセルが要求した“クルサード排除”
    クルサードは、1994年日本GPの鈴鹿で起きた出来事を次のように振り返った。

    「ナイジェルとマシンを共有していた頃、日本GPに到着したのを覚えている。ナイジェルは、僕がガレージにいないよう求めていた。気が散ると思っていたんだ」

    この要求に対し、ウィリアムズF1のメカニックたちは独特のユーモアで応じたという。

    「ウィリアムズのメカニックたちは、いつもの冗談好きなノリで、僕の写真に赤い禁止マークを付けた“立入禁止サイン”を作って、ガレージ入口に貼っていた」

    チーム内の空気を和ませる意図もあったが、同時にマンセルをからかう意味合いも含まれていた。

    「それはナイジェルを少しからかう意味もあった。フランク・ウィリアムズが『いや、彼は我々のレース兼テストドライバーだ。クルマが何をしているか聞く必要がある』と言ったからだ」

    豪雨の鈴鹿で感じた“安堵”
    1994年日本GPは、豪雨に見舞われた過酷なレースとしても知られている。ストレート上でもマシンが次々とコースアウトする危険なコンディションの中、最終的にはデイモン・ヒルが優勝し、ミハエル・シューマッハが2位、マンセルは4位でレースを終えた。

    クルサードは当時をこう振り返る。

    「日本のあのレースは土砂降りだったのを覚えている。スタートストレートでもクルマが次々にコースアウトしていた」

    「当時はどんなコンディションでもレースをしていた」

    「現代F1を批判したいわけじゃない。今そうした状況で走らないのには、ちゃんとした理由がある」

    「でも、僕はガレージの中でクルマがあちこち飛び出していくのを見ながら、『マシンに乗っているのが僕じゃなくてナイジェルで本当に良かった』と思っていた」

    1995年にクルサードが後継者へ
    マンセルはこの短期復帰を最後にウィリアムズを離脱。その後、デビッド・クルサードが本格的に後継者として定着し、1995年にはエストリルでF1初優勝を挙げた。

    さらに1996年にはマクラーレンへ移籍し、名門チームで通算12勝を積み重ねることになる。

    1994年の鈴鹿で起きた“ガレージ出禁騒動”は、そんなクルサードのキャリア初期を象徴する、知られざるエピソードのひとつとなっている。

  • カルロス・サインツJr. F1レギュレーションに新懸念「DRSトレイン化している」

    カルロス・サインツJr. F1レギュレーションに新懸念「DRSトレイン化している」

    カルロス・サインツは、2027年に向けてF1がエンジン出力配分を見直す方針を打ち出した一方で、次に解決すべき課題として“アクティブエアロ時代のDRSトレイン問題”を挙げた。

    2026年から導入された新レギュレーションでは、従来のDRSが廃止され、代わりにフロントウイングとリアウイングを連動させるアクティブエアロシステムが採用された。

    これにより全車がストレート区間でドラッグを低減できるようになったが、その結果として“前車も後車も同じ速度向上を得る”状況が生まれ、オーバーテイクが極めて難しくなっている。

    マイアミGPでは、この影響による“DRSトレイン状態”が各所で発生していた。

    サインツ「前車がストレートモードなら抜けない」
    カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は、RacingNews365を含むメディアに対し、現在のシステムではオーバーテイクが成立しづらいと問題提起した。

    「前のクルマがストレートモードに入っている状況への解決策を見つける必要があると思う。オーバーテイクは不可能だからね」

    「これはDRSトレインと非常によく似た状況だ。何か改善策を見つけられるかもしれない」

    サインツは、2026年型マシンの“レースの質”そのものについても慎重な懸念を示した。

    「そもそも、このレギュレーションでレース自体が本当に問題だったわけではない」

    「予選については、まだ改善の余地がかなりある。ただ、もう単純に批判するつもりはない。建設的であり続けたいし、これはF1として十分良い状態ではないと訴え続けたい」

    FIAへの評価も口にしたサインツ
    一方でサインツは、FIAがマイアミGP週末に見せた対応力については高く評価した。

    FIAは週末を通じて“ヒートハザード”や雨天時の視界問題、インターミディエイトタイヤへの懸念などに直面していたが、決勝スタート時刻を前倒しするなど柔軟な対応を実施していた。

    「FIAはインターミディエイトタイヤに関するウェットコンディションの懸念にも耳を傾けてくれた。レース開始を前倒しした判断には満足している」

    「彼らを責めることはできない。素晴らしい仕事をしているし、今は皆が同じ方向を向いて動いているように見える」

    “全車DRS化”が生んだ新たな副作用
    2026年レギュレーションでは、重くなった車体と大型化したバッテリーによるドラッグ増加を補うため、アクティブエアロが導入された。

    しかし従来のDRSと違い、“後続車だけが使える武器”ではなくなったことで、先行車も常時トップスピードを伸ばせる状態となり、結果として追い抜きの決定力が弱まっている。

    F1はすでに2027年に向けて、内燃エンジンと電力出力の比率を50対50から60対40へ変更する方針を示しているが、サインツの発言は“次は空力側の見直しが必要だ”という新たな論点を浮き彫りにした形だ。