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  • F1終盤戦 ラスベガス2連戦が幻に NFLとブレグジットが障壁

    F1終盤戦 ラスベガス2連戦が幻に NFLとブレグジットが障壁

    F1のステファノ・ドメニカリCEOは、2026年シーズン終盤の代替開催案として検討された「ラスベガスでの2週連続開催」が実現しなかった理由を明かした。

    中東情勢の影響で終盤戦の開催可否が不透明となる中、F1は複数の代替案を検討したが、NFLとの競合やブレグジット(英国のEU離脱)による物流上の問題が障壁となり、ラスベガス2連戦案は見送られたという。

    ラスベガス2連戦案が浮上した背景
    2026年シーズンは中東情勢の悪化を受け、4月開催予定だったバーレーンGPとサウジアラビアGPが延期された。その後、バーレーンGPはマレーシアで代替開催されることが決定した一方、11月30日のカタールGPと12月6日のアブダビGPについては、現時点でも開催の可否が流動的な状況となっている。

    ドメニカリは、両大会を予定どおり実施できるかどうかについては9月中旬に最終判断を下す予定だと説明。もし両レースが中止となった場合にはヨーロッパで代替レースを開催する方向で準備を進めており、イモラとポルティマオが候補に挙がっている。現時点ではイモラが最有力とみられている。

    その一方で、シーズン途中にはラスベガスで2週連続開催を行う案も検討された。しかし、ドメニカリは複数の理由から実現は困難だったと説明した。

    NFLとの競合は避けたかった
    ラスベガスGPは11月21日に開催予定だが、この時期はNFLレギュラーシーズン第10週から第11週にあたり、全米のスポーツファンの関心がNFLへ集中するタイミングでもある。

    ダラス・カウボーイズ対サンフランシスコ・49ersや、バッファロー・ビルズ対マイアミ・ドルフィンズなど注目カードも予定されており、F1としてはアメリカ市場でNFLと真正面から競合することは避けたい考えだった。

    ドメニカリは、成長を続けるラスベガスGPのブランド価値を守ることも重要な判断材料だったと語った。

    「その時期のヨーロッパの気温統計を見ると、レース開催時のラスベガスの平均気温よりも暖かいくらいだ」

    「ラスベガスで2レース開催する可能性もあった。しかし、成長を続ける宝石のようなイベントの価値を、自分たちで損なうようなことはしたくなかった」

    「その時期のアメリカではNFLと競合する。NFLは非常に大きなスポーツであり、多くのファンが見ている。我々がその巨大な存在と正面からぶつかる状況は避けなければならない」

    ステファノ・ドメニカリ

    ブレグジット後の通関手続きも障壁に
    もう一つの大きな理由が、ブレグジットによる物流面の問題だった。

    現在のF1チーム10チームのうち9チームはイギリスに拠点を置いている。EU離脱後は、機材をイギリスへ持ち帰る際や再び海外へ搬出する際に通関手続きが必要となり、終盤戦のタイトな日程では大きな制約となる。

    ラスベガスで追加レースを開催したあと、イギリスで必要な手続きを済ませて別地域へ向かうスケジュールは現実的ではなく、ヨーロッパでシーズンを締めくくる方が運営上も効率的だったという。

    ドメニカリは次のように説明した。

    「現在の制約を考えると、一度イギリスへ戻ってブレグジット関連の通関手続きをすべて終え、その後に別の場所へ向かわなければならない」

    「だからこそ、同じスケジュールの枠内でシーズンをヨーロッパで締めくくることが唯一現実的な選択肢だった」

    終盤戦の開催可否は9月中旬に判断
    カタールGPとアブダビGPを予定どおり開催できるかどうかは、9月中旬に最終判断が下される予定となっている。

    両大会が中止となった場合には、イモラまたはポルティマオでの代替開催が有力視されているが、ドメニカリCEOの説明からは、興行面でのブランド価値の維持と、ブレグジット後の物流・通関という現実的な課題の両方を考慮した結果、ヨーロッパでシーズンを締めくくることが最も現実的な選択肢と判断されたことがうかがえる。

  • F1ラスベガスGP 排水口事故訴訟で和解 F1側が約300万ドル支払い

    F1ラスベガスGP 排水口事故訴訟で和解 F1側が約300万ドル支払い

    F1ラスベガスGPと親会社のリバティ・メディアは、2023年大会の初日に発生した排水口カバー事故を巡る集団訴訟について、300万ドル(約4億8000万円)を超える和解金を支払うことで合意した。

    2023年に提起された訴訟では当初、50億ドル(約8000億円)という巨額の損害賠償が請求されていたが、一部請求が棄却された後も訴訟は継続され、今回の和解によって決着することになった。

    初開催のFP1で発生した排水口事故
    問題が発生したのは、2023年11月に初開催されたラスベガスGPのフリー走行1回目だった。

    セッション開始直後、コース上に設置されていた給水バルブ用のカバーが外れ、カルロス・サインツJr.のフェラーリをはじめ複数のマシンが損傷。安全確認とコース補修のため、セッションは赤旗中断となった。

    その後、走行再開まで約2時間半を要し、フリー走行2回目は深夜に実施された。しかし、警備員や会場スタッフの勤務時間などの制約を理由に、観客は再開前に退場を命じられ、多くのファンが走行を見ることができなかった。

    1日券と3日間通し券の購入者が補償対象
    ラスベガス・レビュー・ジャーナルによると、木曜日のプラクティス1日券、または3日間通し券を購入した観客は、条件を満たせば補償を受けられる可能性がある。

    和解金は300万ドル(約4億8000万円)を超える見通しで、対象となる観客への補償などに充てられる。

    一方で、リバティ・メディアとラスベガスGPは和解に応じたものの、事故や観客対応について法的責任や不正行為は認めていない。

    当初は50億ドルを請求する集団訴訟
    この集団訴訟は2023年に提起され、原告側は走行を観戦できなかったことに加え、交通費や宿泊費なども含めた損害を理由に、総額50億ドル(約8000億円)の賠償を求めていた。

    2025年2月には訴えの一部が棄却されたものの、修正訴状が認められたことで審理は継続。その結果、双方は裁判を続けるのではなく、300万ドル(約4億8000万円)を超える支払いによる和解で合意した。

    2023年のラスベガスGPは、F1が大々的にプロモーションを展開した新たな市街地レースだった一方、初日の排水口事故と観客対応は大会運営に対する大きな批判を招いた。今回の和解により法的な争いは終結するが、この一件はF1における市街地レース運営の課題を象徴する出来事として記憶されることになりそうだ。

  • F1パワーランキング:2025年F1ラスベガスGPで評価を高めたドライバーは?

    F1パワーランキング:2025年F1ラスベガスGPで評価を高めたドライバーは?

    マックス・フェルスタッペンは2025年F1ラスベガスGPで重要な勝利を挙げ、さらにマクラーレンの2台が失格となったことで、ランド・ノリスの選手権リードをわずか24ポイントにまで縮めた。

    フェルスタッペンは今回のパワーランキングのトップ10で首位に立ったが、先週末に印象的な走りを見せたのは他に誰なのか。最新スコアとシーズン総合リーダーボードは以下のとおり。

    F1パワーランキングは、F1.comの5人の審査員がグランプリ終了後に各ドライバーを評価し、週末を通してのパフォーマンスに応じて10点満点で採点。専門家のスコアを平均してレーススコアを作成し、そのスコアは総合パワーランキングのリーダーボードでシーズンを通して集計される。

    1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
    フェルスタッペンは、ノリスがターン1で大きく膨らんだ際に彼をオーバーテイクすると、そのまま振り返ることなく2025年シーズン6勝目へ向かった。一時的にラッセル(メルセデス)のプレッシャーを受けたものの、最終的には20秒以上のリードで勝利を収めた。ノリスとピアストリの失格により、残り2レースとスプリントを前に、フェルスタッペンは依然としてタイトル争いの現実的な脅威となっている。オランダ人ドライバーはピアストリと同点で、ノリスに24ポイント差まで迫った。

    2.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)
    悲惨な予選で17番手スタートとなり、さらにスタート時のわずかな動きで5秒ペナルティを受けたキミ・アントネッリ。しかし彼は2周目にソフトタイヤを交換した後、残り48周をハード1セットで走り切るという見事なドライブを披露した。4番手まで浮上しピアストリを抑えたものの、ゴール時にはペナルティの影響で順位を落とした。しかしマクラーレン勢の失格により、アントネッリはまさかの表彰台へと押し上げられた。

    3.ランド・ノリス(マクラーレン)
    ノリスは難しいコンディションの中で今季7度目のポールを獲得し、勝利に向けて絶好の位置につき、事実上タイトルに手をかけた状態となった。スタートでフェルスタッペンの前に強引に割り込んだが、ターン1でオーバーシュートしフェルスタッペンとラッセルの後方へ後退。第2スティントではラッセルを抜くタイミングをうかがい、終盤までは安定して2番手を維持していた。しかし最終ラップで大幅にペースダウン。これはスキッドブロック摩耗の懸念による指示だったが、最終的に失格となり、この判断は無意味に終わった。この結果はタイトル争いに大きな影響を及ぼす可能性がある。

    4.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ・レーシング)
    ローダウンフォースで高速のバクーに似たサーキットで、またしても予選で強さを見せたカルロス・サインツは3番グリッドを獲得したが、最終結果では5位となった。スタートでラッセルに抜かれたものの、オープニングスティントではルクレールやピアストリなど速いマシンを抑え込んだ。ピットストップ後のシーケンスで2台に抜かれたが、マクラーレン勢の失格で2つ順位が上がり、今季2度目に良い結果となるフィニッシュを達成。ハジャーに10秒以上の差をつけてゴールした。

    5.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバーF1チーム)
    予選11番手でQ3をわずかに逃したニコ・ヒュルケンベルグは、前方の全車がミディアムを履く中、オープニングスティントでハードタイヤを選択した。第1スティントを引っ張ったことで9番手で復帰し、その後は一度も順位を譲らず、最終的に7位へ。ドイツ人ドライバーの2戦連続ポイントにより、チームはコンストラクターズでアストンマーティンとハースにそれぞれ4ポイント、5ポイント差まで近づいた。

    6.ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)
    昨年ラスベガスで勝利したラッセルは、今年は序盤からステアリングの問題を抱えながらも最終的に2位に落ち着いた。スタートではノリスを抜き、さらに第1スティントではフェルスタッペンに挑戦。しかし第2スティントでプッシュしすぎてタイヤを痛め、ノリスに再度抜かれることになった。それでもマクラーレンの違反による失格が控えており、最終的にラッセルは2位となった。

    7.アイザック・ハジャー(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)
    目立たぬ形ながら、アイザック・ハジャーはレーシングブルズにさらなるポイントをもたらし、ラスベガスで6位に分類され2戦連続ポイント獲得となった。予選8番手からスタートし、オープニングターンで数ポジションを上げて5番手を走行したが、第1スティントの間にピアストリとルクレールに抜かれた。唯一のピットストップ後は単独走行となり、レーシングブルズのコンストラクターズ6位を固める結果となった。

    8.シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)
    ウェットで苦戦したルクレールは決勝で反撃し、最終的に0.2秒差で表彰台を逃した。9番手スタートでターン1の混乱を回避し、ベアマン、ピアストリ、ハジャー、さらにピットアウトしたサインツをオーバーテイク。最適とは言えない戦略によりピアストリの後方で復帰し、彼とアントネッリに追いつけず最終的に4位となった。

    9.オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
    ピアストリは5番手スタートから1コーナーでレーシングブルズ2台の後方に落ち、ローソンとの接触もあった。ローソンが2周目に問題を抱え前に戻ったものの、その後ルクレールに抜かれ、ピットシーケンスでのみ前に戻れた。終盤はアントネッリの後ろにつかまり続け、4位から失格となった。その結果、ノリスとの差は本来なら30ポイントになるところが、カタールに向け24ポイント差に縮まった。

    10.エステバン・オコン(ハースF1チーム)
    エステバン・オコンは静かにレースを進め、13番手スタートから多くの時間をトップ10圏の周辺で走り、最終的に11位でフィニッシュした。しかしマクラーレンの失格によりオコンとハースのベアマンがポイント圏内に繰り上がり、ハースはコンストラクターズでアストンマーティンを1ポイント上回ることになった。

    惜しくも圏外
    ベアマンは今週のパワーランキング上位半分へのランクインをわずかに逃した。序盤はポイント圏を走り、第2スティントではアロンソを抜き返し、10位でフィニッシュした。

    2025年のF1世界選手権 ラスベガスグランプリ

  • F1ラスベガスGP 勝者と敗者:フェルスタッペン逆襲も角田裕毅は流れ掴めず

    F1ラスベガスGP 勝者と敗者:フェルスタッペン逆襲も角田裕毅は流れ掴めず

    まさかのマクラーレンW失格で、F1ラスベガスGPはタイトル争いが一変。20秒差勝利を挙げたマックス・フェルスタッペンは、一時104ポイントあったギャップをついに24ポイント差まで縮め、逆襲が現実味を帯びてきた。

    一方、金曜プラクティスで好調を示していた角田裕毅は、Q1敗退とピットレーンスタートが響き、3戦連続のノーポイント。アントネッリやラッセルが躍動した混乱の週末で、明暗は大きく分かれる結果となった。

    勝者:マックス・フェルスタッペン
    マックス・フェルスタッペンは夏休み以降の目覚ましい活躍を続け、ラスベガスでの素晴らしい勝利で、直近7戦で4勝目を挙げた。

    レッドブル・レーシングのドライバーは、スタートでタイトル争いのライバルであるランド・ノリスのエラーを突いてリードを奪い、そこからレースを支配して20秒差でチェッカーを受けた。

    それは彼にとって8戦連続の表彰台となり、ノリスとの差は42ポイントに縮まった。そしてレースから数時間後、ノリスとチームメイトのオスカー・ピアストリがスキッドブロックの違反で失格となり、その差は24ポイントにまで削られた。

    これにより、かつては104ポイント差をつけられていたピアストリと同点に並び、5年連続のタイトル獲得というセンセーショナルな快挙が射程圏内に入った。

    敗者:マクラーレン
    マクラーレンは、ラスベガスでこれまで予選でも決勝でも6位以上の結果を出したことがなかったが、ランド・ノリスがキャリア最高レベルのポールポジションを獲得し、大きな前進を遂げたように見えた。

    スタートで2つ順位を落とし、フェルスタッペンとジョージ・ラッセル(メルセデスF1)の後方3番手を走行することになったが、その後巻き返して2位でフィニッシュした。しかしチームから「何らかの問題」があると告げられ、ゆっくりとチェッカーを受けた。

    レース後、ノリスのマシンとピアストリ(4位フィニッシュ)のマシンが、レース後の検査でプランクの摩耗が規定値を超えていたことが判明し、両者が失格となったことが明らかになった。

    これにより、ノリスのチャンピオンシップでのリードは24ポイントに減少(2位を維持していれば30ポイント差になるはずだった)し、ピアストリはフェルスタッペンと同点となった。

    それでもマクラーレンは依然として主導権を握っており、残り2戦とスプリントを前に、ノリスは依然として1勝分に近いポイント差を保ち、ピアストリも当初の結果よりもフェルスタッペンに近い位置につけている。しかし、フェルスタッペンの影はこれまで以上に大きく迫っている。

    勝者:ジョージ・ラッセル(メルセデスF1)
    ジョージ・ラッセルは、予選でステアリングの問題を抱えながら4番手で第2列を確保し、決勝でもさらなるステアリングトラブルと戦いながら見事な走りを見せ、3位でフィニッシュした。

    これはノリスの失格により2位へ繰り上がり、ラッセルにとって150回目のグランプリ出場であり、今季9回目の表彰台となった。

    今年の卓越した一貫性により、彼はドライバーズ選手権4位を確定させ、自己最高位タイの成績を記録することになる。

    敗者:ガブリエル・ボルトレト(ザウバーF1)
    ガブリエル・ボルトレトは、スタートのターン1への飛び込みでブレーキングを誤り、前戦に続きランス・ストロール(アストンマーティン)と接触した。

    ダメージは大きく、ボルトレトはリタイアを余儀なくされた。さらにこの接触について彼が過失と判断され、次戦カタールで5グリッド降格ペナルティを受けることになった。

    これは、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグが11位に入った一方で、ボルトレト自身はQ1敗退を喫するという難しい予選の後に起きたものであり、レースでのDNFは2戦連続となった。

    勝者:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデスF1)
    アンドレア・キミ・アントネッリは、プラクティスでの速さと前戦ブラジルでスプリントと決勝の両方で2位に入った勢いからすると、予選17番手という結果に落胆していた。

    しかしレースでは見事な巻き返しを見せ、スタート違反による5秒ペナルティに苛立つことなく、力強くフィールドを切り裂いた。

    ハードタイヤで48周の驚異的なスティントを走り切り、4位でフィニッシュ。それがマクラーレン勢のダブル失格により3位となり、キャリア3度目の表彰台を獲得した。

    ラスベガスグランプリ 角田裕毅

    敗者:アストンマーティン
    アストンマーティンは、トラック特性がマシンに合わないことを理解したうえでラスベガスに乗り込んでいた。

    しかしウェットの予選により、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールがQ1で速さを見せ、特別な結果への希望が見えた。

    だが、インターミディエイトへ履き替えるという誤った判断によりストロールは脱落し、アロンソはトップ10スタートを確保したものの、レースでは順位を落とした。

    ストロールもスタート直後の接触でリタイアし、アストンマーティンは3戦連続でノーポイントとなり、コンストラクターズ選手権でP8に後退した。

    勝者:カルロス・サインツ(ウィリアムズ)
    カルロス・サインツは、ウェットでの実力を発揮し、ウィリアムズを巧みに操って予選3番手を獲得した。

    決勝がドライとなればその順位維持は難しいとわかっていたが、彼は最大限の力を尽くして戦い、ミッドフィールド勢の前で堅実な7位フィニッシュを果たした。

    そしてマクラーレンの失格により7位は5位へと繰り上がり、これは今季2番目に良い結果であり、シンガポール以来のポイント獲得となった。

    敗者:アレックス・アルボン(ウィリアムズ)
    アレックス・アルボンは随所で素晴らしい速さを見せたが、予選でのクラッシュとレース中の無線故障が週末を台無しにした。

    タイのドライバーはスタートで接触し、マシンのパフォーマンスに影響が出たうえ、無線が使えない状態となり、チームは安全上の懸念からリタイアを選択した。

    これで今季4度目のリタイアとなり、6戦連続でノーポイント。しかしドライバーズ選手権8位は依然としてしっかり保持しており、アイザック・ハジャーに22ポイント差をつけている。

    勝者:ハースF1チーム
    ハースF1チームはチェッカー時点ではポイント圏外だったものの、エステバン・オコンが11位、オリバー・ベアマンが12位と悪くない位置につけていた。

    そしてマクラーレンが失格となり、ハースの2台がその恩恵を受け、オコンが9位、ベアマンが10位となった。

    これはベアマンにとって5戦連続のポイント獲得、オコンにとっては直近3戦で2度目のポイントとなった。このダブルポイントにより、ハースはコンストラクターズ選手権7位へと浮上した。

    敗者:角田裕毅(レッドブル・レーシング)
    これは角田裕毅にとって苦しい週末となった。金曜プラクティスではタイトル4回のフェルスタッペンを上回る速さを見せたにもかかわらず、流れは大きく変わった。

    彼は今季6度目のQ1敗退を喫して19番手となり、ピットレーンスタートを選択。

    しかし決勝では進む余地があまりなく、3戦連続でポイントを逃す結果となった。

  • F1トロフィー誕生までの“3カ月” ラスベガスGPのLED搭載モデルの制作過程

    F1トロフィー誕生までの“3カ月” ラスベガスGPのLED搭載モデルの制作過程

    F1の表彰台で輝くトロフィーは、レース当日の華やかさとは対照的に、長い準備期間を経て生み出される。制作には最長3カ月を要し、デザイン決定から製造工程まで、複数のステップが緻密に積み上げられている。

    今回、ラスベガスGPのクリエイティブディレクター、ケン・オザワ氏の証言をもとに、F1トロフィーがどのように誕生するのか、その全工程が明らかとなった。

    デザインを決めるのは誰か?優先権はスポンサーに
    F1で新しいトロフィーを作る際、まず決められるのが“誰がデザインするか”。鈴鹿の担当者によれば、この優先順位は明確で、
    (1)タイトルスポンサー
    (2)ナショナルスポーティングオーソリティ(日本ならJAF)
    (3)サーキット運営
    の順でデザイン権が与えられる。

    デザインが決まると、F1が定めるガイドラインに基づき、サイズや重量、表記ロゴなどの要件を満たす必要がある。特に重量は「疲れ切ったドライバーが問題なく掲げられる」ことが条件で、2位・3位用は必ず小型にするよう定められている。

    “無限の可能性”を持つ造形 歴史重視のサーキットも
    こうした最低条件を満たした上で、デザインの自由度は驚くほど高い。

    ザントフォールトは1939年由来の意匠を採用し、アルバートパークは“サー・ジャック・ブラバム・トロフィー”を毎年授与。シルバーストンのRACゴールドカップのように、勝者へ受け継がれる“持ち回り”も存在する。

    一方のラスベガスは、街の文化そのものを反映した完全新作のトロフィーを採用している。

    ラスベガスグランプリ

    ラスベガスGPの象徴 “夜に光る”特製トロフィーの誕生
    オザワ氏は「F1は開催地の文化を映し出すトロフィーを推奨している」と語り、自身が地元ラスベガス出身であることから、街の地質とネオン文化を融合させた独自デザインを構築した。

    2023年の初開催以降、ラスベガスGPのトロフィーは発光ギミックを搭載。トップ部分にLEDライトを仕込むことで、ナイトレース特有のネオン景観を象徴する仕上がりとなっている。

    「照明システムは複雑でコストも高くついたが、ラスベガスの夜を象徴するために欠かせなかった。トップのクローム形状は、220mphでストレートを駆け抜けるF1ドライバーが目にする光の流れをイメージしている」とオザワ氏は説明する。

    最終デザインはラスベガスGPのCEOエミリー・プレイザー氏が承認し、F1のガイドラインと照合した上で制作に移される。

    制作開始は開幕3カ月前 3Dプリント×金属加工×LED
    制作工程はレースの約3カ月前からスタートする。

    まずはベース部分の鋳型を製作。3Dプリントした原型をもとに、ブロンズ製のベースを複製し、フェリックナイトレート処理で“砂岩のような質感”を与える。

    本体となるトップパーツは樹脂を3Dプリント後、クロームメッキを施し、内部に白色LEDを格納。ネオンカラーのレンズ越しに光が放たれる設計だ。さらに、ベース内部には充電式バッテリーも搭載される。

    完成後は航空機アルミで作られた専用ケースに収納され、表彰台の瞬間まで厳重に保管される。

    デザインは“数年単位”で継続 アイコンになるために
    ラスベガスGPは3年連続で同じトロフィーデザインを採用している。

    オザワ氏はその理由を次のように語る。

    「成功したデザインは数年間継続すべきだ。そうすることでトロフィーがレースの象徴として認知され、アイコンになっていく」

    ただし、スポンサー企業がトロフィーに自社色を反映したがる場合や、ファンやドライバーからの評価が「古く感じる」と判断された場合には、新デザインを検討する可能性もあるという。

  • 2025年F1ラスベガスGP:見逃したかもしれない8つの瞬間

    2025年F1ラスベガスGP:見逃したかもしれない8つの瞬間

    夢のクールダウンカー、ボッタスのサイドクエスト、そしてタイトル祝賀――ここでは2025年ラスベガスGPで見逃したかもしれない舞台裏の瞬間を紹介する。

    ラスベガスGPはF1カレンダーの中でも最もエネルギッシュなイベントの1つであり、2025年も例外ではなかった。ストリップのネオンの下で今年も再びパーティーのような盛り上がりを見せ、オン・オフ両方であれほどのアクションが詰まった週末は、常に“ジャックポット”を届けてくれる。

    マックス・フェルスタッペンが優勝をさらい、マクラーレン勢がレース後のショッキングな失格処分を受け、メルセデスの2人がダブル表彰台を獲得するなど、オン・トラックのドラマは十分だった。しかし、それだけがこの壮大なグランプリ週末の物語ではない――ここでは知っておきたい“魔法の瞬間”をいくつか紹介する。

    メルセデスの喜び:ピンがF1アカデミー王者に
    F1 ACADEMY(F1アカデミー)は、この週末の主役の1つとなった。理由は十分にある。シンシティでF1アカデミーのシーズン最終戦が開催されたのは今回が初めてであり、タイトル争いは最終レースのチェッカーまで持ち越され、王者が決まったのは土曜午後のラストレースだった。

    最終的に2025年の王座を掴んだのはメルセデスのドリアーヌ・ピンだった。フェラーリのマヤ・ウーグを抑え、前日の圧巻の勝利に続き、レース2での5位入賞が決定打になった。チェッカーフラッグ後、ピンのメルセデスとPREMAの仲間たちがピットレーンに集まり、彼女の偉業を祝福する瞬間は、この週末を象徴するハイライトの1つだった。

    特別仕様の「P1N」シャツを着たチームメンバーは、歓声と抱擁で彼女を取り囲み、涙ぐむ姿も見られた。ジョージ・ラッセル、キミ・アントネッリ、そしてトト・ヴォルフも祝福に駆けつけ、ピットレーンは“シルバーアローの笑顔の海”となった。ピンの快挙はガレージにもインスピレーションを与えたのか、ラッセルとアントネッリはその日の夜、4番手と17番手スタートから見事な2位・3位フィニッシュを決めた。

    テリー・クルーズがタクシードライバーに
    F1に夢中な映画・テレビスター、テリー・クルーズは、ここ数年ですっかりモータースポーツ界に溶け込んでいる。ゲスト出演からドライバーへのインタビューまで、彼はたびたびバイラルな“グリッドの瞬間”を生み出してきたが、今回はその集大成とも言えるだろう。

    クルーズは、フェルスタッペン、ランド・ノリス、ラッセルをアイコニックなラスベガスのクールダウンカー――今年はレゴ製・1950年代キャデラックの等身大の明るいピンク仕様――で表彰台へ送り届ける役目を務めた。そして、フェルスタッペンの1日はここでもさらに輝いた。彼がクルーズに“あの歌”を軽く促すと、当然のようにクルーズは応えた。

    パフォーマーとしての本領を発揮したクルーズは、映画『ホワイト・チックス』の名シーンを完全再現し、ヴァネッサ・カールトンの「A Thousand Miles」を熱唱。ドライバーがレゴのサングラス姿で乗車していたことも相まって、これぞ“史上最高のクールダウン”と言える瞬間となった。

    ディズニーと共に走る
    F1とディズニーのコラボが発表された直後のラスベガスは、まるで“地球上で最も幸せな場所”に変貌した。ミッキーマウスとミニーマウスがパドックに登場し、さらにグーフィー、ドナルドダックも姿を見せ、ドライバーもファンも大喜びだった。パレード前にはミッキー&フレンズがドライバーたちを出迎え、フランコ・コラピントはミニーを前にあまりの嬉しさに“プロポーズ”。なんというハッピーなカップルだろう。

    魔法はまだ続いた。スタート前にはディズニーランド・バンドとディズニー俳優のエイドリアン・ライルズが協力し、圧巻のアメリカ国歌を披露。さらにミッキーは、クラシック音楽とF1テーマ曲を組み合わせた『ファンタズミック!』風のウォーター&ドローンショーをベラージオの噴水で演出し、ストリップにディズニーの魔法を降り注いだ。我々のプレイリストにも加えたいほどだ。

    “牧師”ボッタス
    さて、彼にできないことはあるのだろうか?未来のキャデラックF1ドライバーにして“サイドクエストの王”バルテリ・ボッタスは、グランプリ週末の間非常に多忙だった。メルセデスのリザーブドライバーとしての役割に加え、彼はなんと新たな役職――レゴのポップアップ結婚式チャペルで結婚式を司式する“牧師”――までこなしたのだ。

    もちろん、ボッタスは自然体でこの役目をこなした。結婚式はそれだけでも忘れられないが、“バルテリ・ボッタスに結婚してもらった”となれば、そのF1好きカップルにとって一生語り継ぐ物語となるだろう。

    LEGOとハローキティがグリッドに登場
    F1アカデミーは新しい仲間を迎え、ラスベガスで存分に存在感を見せた。LEGOはレーシング界に旋風を巻き起こし続けており、2026年シーズンにLEGO RacingがF1アカデミーのグリッドに参戦することが発表された。ドライバーはオランダ人の有望株、エスメー・コステルマンだ。

    新チーム発表に加え、LEGOは週末を通して多忙だった。F1アカデミーの表彰台では美しいレゴ花束が贈られ、ピンクのレゴ・キャデラックはコース脇に姿を見せ、レゴは恋人たちのためのポップアップ結婚式チャペルまで設置し、ラスベガスらしい雰囲気を盛り上げた。

    ラスベガスグランプリ LEGO

    ハローキティもシリーズの新パートナーとしてパドックに登場し、新作コラボグッズの発売を祝った。ハローキティ・ファンゾーンを主催し、各グリッドのドライバーと交流し、さらには土曜の波乱のF1アカデミー レース1のチェッカーフラッグを振る大役まで務めた。デビュー週末としては完璧だ。

    エルヴィス祭り
    ラスベガスのレース週末にエルヴィスのそっくりさんがいないなんてことはあり得ない。恒例となったように、ジャンプスーツにサングラス、もみあげを揃えた“エルヴィス軍団”がパドック入口でチームやドライバー、ゲストを迎えた。もはや、これがないと“ラスベガスらしく”感じないほどだ。

    ラスベガスグランプリ エルヴィス

    ラスベガス仕様のルックスに注目
    2023年のカレンダー復帰以来、ラスベガスは特別リバリー、特別スーツ、そして特別ヘルメットの聖地となっている。今年も例外ではなく、多くのチームとドライバーがこの週末のためにアップグレードされたスタイルを披露した。

    ウィリアムズ、ザウバー、レーシングブルズ、アルピーヌは、それぞれ街のスペクタクルを反映し、反射素材、クローム、ネオンアクセントなどを使用したスペシャルリバリーを採用。フラッドライトの下ではその輝きはまさに壮観だった。

    ラスベガスグランプリ スペシャルリバリー

    ドライバーもラスベガスのテーマに全力で応じ、世界有数のパーティー都市にふさわしい特別ヘルメットを用意した。ルイス・ハミルトンとアントネッリはグリッターの煌めきを全面に押し出し、エステバン・オコンはマーベル風のスーパーヒーローテイスト、ノリスは大胆な新ペイント、ラッセル、角田裕毅、オスカー・ピアストリはより個人的なテイストのデザインで臨んだ。

    セレブがラスベガスに大集結
    地球上で最も壮大なモータースポーツショーに惹かれ、多すぎて数えきれないほどのセレブがラスベガスのパドックに姿を見せた。まず、Aリスト夫妻のビヨンセとジェイ・Zは、ハミルトンの運転するフェラーリのスーパーカーで時速320km(200mph)に達するホットラップを体験した。

    映画『ウィキッド』公開直後のシンシア・エリヴォはウィリアムズのガレージを訪れ、ドライバーたちの歌唱力を評価し、引退したばかりのジェンソン・バトンとのホットラップ、さらにはカルロス・サインツのマシンに乗り込む場面もあった。

    週末のラスベガスには音楽があふれていた。ルイ・トムリンソン、ケイン・ブラウン、スティーヴ・アオキ、VAVO、T-Pain、ディロン・フランシス、ZEDD、mgk、シャギーがエンターテインメントを提供。さらに、ラッパーのトラヴィス・スコット、レイ・アミ、デイヴ、歌手のレオナ・ルイス、テムズ、ヴィクトリア・ジャスティス、そしてノリスとフェルスタッペンの親友でもあるプロデューサーのマーティン・ギャリックスらが会場を彩った。

    スポーツ界のスターたちも負けていなかった。WNBAの4度のMVPエイジャ・ウィルソンがグリッドに登場し、“ゴールデンカップル”のタラ・ウッドホール=デイビス&ハンター・ウッドホール、NBAゴールデンステイト・ウォリアーズのジミー・バトラー、金メダリスト体操選手スニサ・リー、テニスのテイラー・フリッツとパートナーのモーガン・リドル、サッカーW杯優勝者ブレーズ・マテュイディ、5度のNBA王者マジック・ジョンソンもレース観戦に訪れた。

    映画・テレビのスターはさらに多く、中でも『F1 The Movie』主演のダムソン・イドリスはグリッドで“ホーム”のような落ち着きを見せていた。『アバター』のサム・ワーシントンはデイビッド・クルサードの決勝後インタビューを手伝い、ジェレミー・レナー、ニーナ・ドブレフ、マーク・ウォールバーグ、ベン・アフレック、ニール・マクドノー、ポール・ウェズレイ、マイケル・ダグラス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ローガン・ラーマン、マデライン・ペッチ、そして『ザ・サマー・アイ・ターンド・プリティ』のショーン・カウフマン、ミニー・ミルズ、クリス・ブライニーなど、多くのスターが訪れた。

    さらには、特別ホスピタリティ「F1 Garage」で料理を振る舞っていたゴードン・ラムジーも忙しい合間を縫って週末のエンターテインメントを楽しんだようだ。あなたはいくつのセレブをラスベガスのストリップ・サーキットで見つけただろうか?

  • ピアストリ、F1ラスベガスGPのローソン接触をFIAに提起「明らかに強引」

    ピアストリ、F1ラスベガスGPのローソン接触をFIAに提起「明らかに強引」

    マクラーレンのオスカー・ピアストリは、F1ラスベガスGPのターン1で発生したリアム・ローソン(レーシングブルズ)との接触について、次戦カタールGPで予定されているFIAとのドライバー会合で正式に議題として扱うべきだと主張している。

    ピアストリは決勝を5番手でフィニッシュしたものの、チームメイトのランド・ノリスとともに車体下部の過度な摩耗により失格処分を受け、順位を失っている。

    2週間前のラスベガスで、ローソンはスタート直後の1コーナーでピアストリ側へ寄せ、ホイール同士が接触。FIAはジョージ・ラッセルのロックアップを避ける動きの中で起きた「レーシングインシデント」と判断したが、ピアストリはこの裁定に疑問を呈している。

    「かなり強引だった」──問題のターン1接触
    ピアストリはローソンの動きを「アンビシャス(強引)だった」と表現しつつ、ノーペナルティ判定には皮肉を交えてコメントした。

    「アンビシャスだったのは確かだ。でも“問題なし”らしい」

    接触については深刻な損傷はなかったようで、「ホイール同士だったと思うけど、正直まだ4つとも付いていたのが驚きだった」と振り返っている。

    ただし、スタート直後の混乱でリズムを崩し、序盤の数周で思うようにペースを上げられなかったと説明した。

    「来週のFIA会議で取り上げる」 ガイドライン問題が再燃
    ピアストリは、この接触は 来週カタールで行われるFIAとのドライバー会議 で議題になるべきだと主張する。

    「来週のミーティングで、あの件について話すことになるだろうね」

    この会議は、今季たびたび議論を呼んだ“ドライバーガイドライン(オーバーテイクやコーナリングの裁定基準)”を再検討する場として設けられている。ピアストリは明らかに、ローソンとの接触がこの基準に照らして妥当だったのかを問いただしたい意向だ。

    オスカー・ピアストリ(マクラーレン) ラスベガスグランプリ

    レース内容には一定の手応え 「戦略は素晴らしかった」
    序盤でフェラーリのシャルル・ルクレールに先行される場面はあったものの、ピアストリはクリーンエアに入ってからのペースには満足を示した。

    「レース序盤でシャルルに抜かれたのは理想的ではなかったけど、クリーンエアでのペースは本当に良かった。戦略も素晴らしかった。ただ、いくつか難しい瞬間が多すぎた」

    最終的にはキミ・アントネッリ(メルセデス)を追う展開となり、コース上では5位フィニッシュ。アントネッリの5秒加算ペナルティで4位に繰り上がったものの、その後の失格により順位は抹消された。

    タイトル争いは混戦へ
    失格によりノリスとピアストリのポイント獲得はゼロとなり、ピアストリは マックス・フェルスタッペンと同点 のまま、チームメイトのノリスを24点差で追う展開となった。
    残り2戦+スプリントを前に、選手権争いは三つ巴の様相を呈している。

  • マクラーレン F1ラスベガスGPでW失格: 0.12mmの摩耗でタイトル争い激変

    マクラーレン F1ラスベガスGPでW失格: 0.12mmの摩耗でタイトル争い激変

    2025年F1ラスベガスGPでランド・ノリスの2位、オスカー・ピアストリの4位が、過度なプランク摩耗により失格となったマクラーレンの悲惨なダブル失格は、選手権に深刻な影響を及ぼす可能性がある。

    プランクには4つの測定点があり、前方と後方にそれぞれ2つずつが設けられている。ノリスのマシンでは、レース後の9mmの下限をフロント右で0.12mm、リア右で0.07mm下回っていた。ピアストリのマシンでは、右側でそれぞれ0.26mmと0.1mm不足しており、加えて左フロントでも0.04mm不足していた。

    この状況の根源は、FP2で赤旗によりロングランを行えず、さらにFP3が湿ったコンディションで実施されたことにあった。

    すべてのチームは、マシンから可能な限り最大のアンダーボディ・ダウンフォースを引き出そうとしており、リアの車高が低いほどダウンフォースは増加する。通常のプラクティスから得られる指標データがない状態で、マクラーレンの「どこまで低くできるか」という見積もりは、結果的に楽観的すぎた。

    マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラは、後に次の声明を発表した。

    「レース中、両マシンはプラクティスでは見られなかった予期せぬ激しいポーポイズ現象を経験し、その結果、路面との過度な接触が発生した」

    「我々はこのマシン挙動の理由を調査しており、レース後に判明した両マシンの偶発的なダメージの影響も含め、フロアの動きを増大させた原因を検証している」

    「選手権争いが重要な時期において、今日のポイントを失ったランドとオスカーに謝罪する」

    「またチームとして、我々を支えてくれるパートナーやファンの皆様にも謝罪する。皆様のサポートにはとても大きな意味がある。この結果は極めて残念だが、我々はシーズン残り2戦に完全に集中している。」

    マクラーレン F1 ラスベガスグランプリ 失格F1マシンのフロアがどのようにチェックされるか、そしてノリスとピアストリの失格につながった極めて僅かな差異の例

    ポーポイズが起きていたという事実は、2022年と2023年のこのレギュレーション初期に非常に蔓延していた現象であるものの、現在ではチームが概ね対処している現象である。そのため、これは高速コーナーでマシンのアンダーボディが失速(スタール)していたことを示唆している。それ自体が、マシンが高速域で発生するダウンフォースによって、想定より低い車高で走行していたことを意味している。

    レースのかなり早い段階から、ノリスはレースエンジニアのウィル・ジョセフから、ターン5、11、17でリフト&コーストを指示されていた。ターン5はタイトな右コーナーだが、進入にバンプがあり、フロアが接地する可能性がある。ターン11と17は高速の左コーナーで、ダウンフォース(速度とともに二乗で増加する力)によりマシンが極端に低く走る領域である。

    この状態が、タイヤとサスペンションのエネルギー周波数が同期しなくなり、アンダーボディのダウンフォースが急速に失速・再付着を繰り返すポーポイズ現象を誘発すると、プランクの摩耗は大きくなる。

    チームはプランク摩耗をリアルタイムで直接測定することはできないが、マシンには荷重センサーが装備されており、この累積データを基にプランク摩耗を推定することができる。レースが進むにつれ、その問題が重大であることが明らかになっていった。

    ライバルチームに問題の本質を悟られないようにするため、ノリスとピアストリへの無線では、単にリフト&コーストの指示のみが伝えられた——これは通常、タイヤ摩耗や燃料消費、ブレーキ温度を抑えるために用いられる手法である。

    ノリスが最後の4周で1周あたり最大3秒もペースを落とした頃には、これはタイヤやブレーキの問題ではないことが明らかだった。したがって、燃料が理由だという推測が広がり、ジョセフもノリスに「燃料はもう大丈夫だ」と無線した。

    しかし、過剰なリフト&コースト——最後の4周でノリスは以前のペースより1.5秒、2秒、3.6秒、3.6秒と落としていった——はFIAスチュワードの注意を引き、レース後のマクラーレン2台のプランク摩耗チェックにつながった。そこでいずれも最低許容値である9mmを下回っていたため、残りのトップ10フィニッシャーのプランクもチェックされ、こちらは問題がなかった。

    FIAは「違反は意図的ではないと強く認識している」としつつ、「この規則や前例には、失格以外の処分を認める規定がない」と述べた。

    失格がなければ、ノリスは残り2戦でピアストリに30ポイント、フェルスタッペンに42ポイントのリードを保持していた。しかし現在は、ノリスはフェルスタッペンとピアストリの双方に対し24ポイントのリードとなっている。

    2025年の残り2戦を前に、ドライバーズ選手権争いに新たなドラマが加わったことになる。

  • F1ラスベガスGP 決勝 ピレリ総括:1ストップ戦略が最速だった理由

    F1ラスベガスGP 決勝 ピレリ総括:1ストップ戦略が最速だった理由

    マックス・フェルスタッペンはラスベガスGPで複数回優勝した初めてのドライバーとなり、2023年の勝利に加えてネバダの夜で圧倒的な勝利を挙げ、シーズン残り2戦に向けてドライバーズ世界選手権タイトル獲得の望みをつないだ。選手権リーダーのランド・ノリスはポールポジションのアドバンテージをスタートでオランダ人ドライバーに奪われ、マクラーレンの2位でチェッカーを受けた。しかし、レース後に両マクラーレンが失格となったことで、昨年のウィナーであるメルセデスのジョージ・ラッセルが2位に、そしてチームメイトのキミ・アントネッリが3位に繰り上がった。

    2番手スタートのフェルスタッペンにとって、これは今季6勝目であり、キャリア通算69勝目となった。レッドブル・レーシングにとっては通算128勝目である。フェルスタッペンは依然としてドライバーズ世界選手権タイトルを獲得する可能性を残している。残り2つのグランプリと1つのスプリントレースを前に、ノリスは390ポイントでトップに立ち、チームメイトのオスカー・ピアストリとフェルスタッペンに対して24ポイントのリードを持っている。

    ■サーキット上での一日
    大多数のドライバーがミディアムタイヤでスタートし、サウバーのニコ・ヒュルケンベルグとガブリエル・ボルトレト、ウィリアムズのアレクサンダー・アルボン、アルピーヌのフランコ・コラピント、フェラーリのルイス・ハミルトンの5人がハードでグリッドに並んだ。ジャンプスタートで後にペナルティを受けるメルセデスのキミ・アントネッリだけがソフトでスタートした。

    シグナルが消えると、ノリスはポールポジションを守るために過剰なディフェンスを見せ、第1コーナーでコース外に膨らみ、これによりフェルスタッペンと、カルロス・サインツをかわしたラッセルがマクラーレンの前に出ることになった。レース距離の半分 — 50周のうち25周目 — に達したところで、フェルスタッペンはミディアムからハードへ交換するために十分なギャップを確保し、このハードタイヤは非常に一貫性が高いことが証明され、2番手のラッセルの前にとどまることができた。どちらのコンパウンドも全力走行を可能にし、ミディアムとハードを使った1ストップが最速のレース戦略であることが確認された。

    トップ8は全員ハードでフィニッシュし、逆戦略を採った中では9位のニコ・ヒュルケンベルグが最上位だった。アントネッリは見事に13ポジションを挽回して4位でチェッカーを受けたが、ジャンプスタートの5秒ペナルティによって1つ順位を下げて5位となった。このイタリア人は全50周のうち2周を除くすべてをC3で走行し、15位でフィニッシュしたアルピーヌのピエール・ガスリーも同様だった。11位でフィニッシュしたハースのエステバン・オコンはミディアムを最も長く走らせ、C4で27周をこなした。

    ラスベガスグランプリ2025年のF1世界選手権 ラスベガスグランプリ

    マリオ・イゾラ(ピレリ・モータースポーツディレクター)
    「ラスベガスでのナイトレースは、グランプリに入る前に予想されていた通りの展開になった。実質的にワンストップのレースとなり、ミディアムとハードで50周すべてを走り切った。グレイニングは今日ほとんど見られず、わずか数台のフロントアクスルで見られただけだった。比較に有用な唯一の参照データは、少なくともイエロー(ミディアム)コンパウンドについてはFP1で、そこでタイヤはグレイニングの影響をはるかに強く受けていた。

    「決定的な要因はおそらく路面状況で、金曜日よりも路面がはるかにクリーンだった。昨年は同じような気温条件で、グレイニングのためにドライバーたちは2回のストップを強いられていたが、今年はタイヤをケアしなくてもスティントを伸ばすことができた。これは今季を通して見てきたように、現行コンパウンドのメカニカル特性が改善されていることのさらなる証左である。

    「シグナル消灯直後にリードを奪ったマックス・フェルスタッペンの勝利によって、シーズン終盤は非常に接戦となった。残りは2レースのみで、ドライバーズ選手権も、マクラーレンの後方に位置するコンストラクターズ争いもまだ決着していない。」

  • F1ラスベガスGP 決勝 統計まとめ:レッドブルとホンダの150戦目での優勝

    F1ラスベガスGP 決勝 統計まとめ:レッドブルとホンダの150戦目での優勝

    2025年F1ラスベガスGP決勝は、マックス・フェルスタッペンが圧巻の走りで制し、レッドブルとホンダのコラボレーション150戦目を勝利で飾る節目の一戦となった。20.741秒というラスベガスGP史上最大の勝利差を記録し、わずかに残るタイトルへの望みをつなぐ結果となった。

    一方、上位勢では、ジョージ・ラッセルのシーズン9度目の表彰台や、メルセデスのルーキー、キミ・アントネッリの17番手からの驚異的な3位浮上など、各チームで特徴的な戦いが展開された。

    さらにウィリアムズのポイント獲得やレーシングブルズのラスベガス最高位更新など、多くのチームに大きな動きが見られたレースとなった。

    ■ フェルスタッペンの20.741秒という勝利差は、ラスベガスGP史上最大。

    ■ これはフェルスタッペンにとってアメリカでの8勝目(オースティン4勝、マイアミ2勝、ラスベガス2勝)。

    ■ 231戦目でキャリア通算125回目の表彰台。

    ■ この勝利は、レッドブルとホンダのコラボレーション150戦目での優勝。

    ■ 今季8戦連続の表彰台であり、これはフェルスタッペンにとってキャリア3番目に長い連続記録。

    ■ フェルスタッペンの勝利によって、直近7戦連続の“ポールトゥウィン”記録は途切れた。

    ■ 失格処分前の順位では、マクラーレンのランド・ノリスは今季22戦で18回目の表彰台となるはずだった。

    ■ それはまた、マクラーレンにとって1982年のジョン・ワトソン以来となるラスベガスでの初表彰台でもあった。

    ■ ノリスはポールからスタートした16回のうち8回、ちょうど半数で1周目に首位を失っている。

    ■ ノリスはドライバーズ選手権を24ポイントリードしている。

    ■ メルセデスのジョージ・ラッセルの2位は、今季9回目の表彰台。

    ■ ラッセルはこれで今季ドライバーズ選手権4位が確定(キャリア最高位に並ぶ)。

    ■ ノリスとラッセルは、この週末でキャリア150戦目を迎えた。

    ■ マクラーレンのオスカー・ピアストリは、これで6戦連続の表彰台逃し。

    ■ ピアストリとフェルスタッペンは、いずれもノリスから24ポイント差となった。

    ■ メルセデスのキミ・アントネッリは、最後の48周をハードタイヤ1セットで走り切り3位を獲得。

    ■ アントネッリは17番グリッドからスタートしている。

    ラスベガスグランプリ

    ■ 5位のカルロス・サインツは、ウィリアムズにとってシンガポール以来となるグランプリポイントを獲得した。

    ■ 6位のアイザック・ハジャーは、レーシングブルズのラスベガスにおける過去最高位。

    ■ 7位となったキック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグは、今季8回目のポイント獲得。

    ■ この結果は、ザウバーにとってラスベガスでの史上初ポイントとなった。

    ■ ルイス・ハミルトンは最後列のグリッドからフェラーリでポイントを獲得。

    ■ ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンは、今季4回目のリタイア。

    ■ キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレトは、アストンマーティンのランス・ストロールとの1周目の接触により、2戦連続でリタイア。

    ■ ストロールはF1キャリアで5回目となる1周目リタイアを喫した。