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  • ニック・フライ、スーパーアグリF1撤退の真相を語る

    ニック・フライ、スーパーアグリF1撤退の真相を語る

    ニック・フライがスーパーアグリF1撤退に関してインタビューに答えた。ホンダ・レーシングF1のCEOであるニック・フライは、スーパーアグリの撤退に関して様々な憶測と批判を受けてきた。

    ニック・フライは、“autosport.com”にスーパーアグリF1撤退の真相を語った。

    あなたは、スーパーアグリに関するホンダ役員会の決定を先週末より前に知っていたようですね。本当ですか?
    我々のチーム内では、どう進行しているかを完全にわかっていた。そして救済しようとしていた。残念ながら、マグマ・グループとDIC(ドバイ・インターナショナル・キャピタル)が手を引いたとき、状況はますます難しくなった。我々はそれでも心を開いていた。しかし、事情はすべて知らされており、交渉の進展が困難であることもわかっていた。

    先週ホンダの役員会の前に、チーム存続の可能性はないとわかっていたのですか?
    いや。最終的な決定は亜久里が下した。彼は火曜日にホンダに来たが、その時点で、彼はチーム存続ために十分に進展していないことを認識していた。そういう状況で亜久里は火曜日にホンダに来た。その前に、私は事態がどう進展するか気付いたので自分で判断した。最終的な結論は火曜日に出された。

    その週末、あなたがバーニー・エクレストンに電話をかけ、スーパーアグリはトルコで出走しないと伝えたので、トラックがイスタンブールのパドックに入れなかったという噂がありますが?
    いや。バーニーは最初から事態の進展についてすべて知っていた。彼はイベント全体をプロモーションしている人物だ。私が誰をパドックに入れるかどうかを管理できると考える人は非常に出しゃばりだと思うね。しかし、バーニーは状況を知っていたし、彼自身が決断した。一旦、彼らをパドックに入れると、物流の面から(移動させるのが)難しくなる。彼が、スタッフに設営を許す前に決定を待とうとしたのは当然だ。

    フランツ・ヨーゼフ・ヴァイグルのコメントによると、あなたはスーパーアグリの存続をわざわざ妨害したそうです。これに対してどう反論しますか?
    いいえ。これもまた全く非現実的だ。現実的に、グランプリ・レーシングに参戦しようとするとき、短期だけでなく中〜長期的に見なければならない。マテシッツ氏は、チームを買収したあとに本当の問題が始まると言っていたと思う。スーパーアグリに関しては、かなり大きなリソースを持つ真剣な長期的パートナーを探していた。実現を望んでいたパートナーはマグマ/DICの契約だったが、残念ながら実を結ばなかった。

    スーパーアグリ設立の一因は、佐藤琢磨のチームをつくり、ホンダの面目を保つことでした。チームの突然の撤退は、ホンダにとってより大きな恥なのではありませんか?
    できれば、みなさんにはホンダの行動を尊重していただきたいと思う。彼らは2年以上、チームが自力で立てるよう大きな手助けをした。実現しなかったことはホンダの責任ではない。これはおそらく経済情勢、F1の環境、F1のコストなども原因なのだろう。

    佐藤琢磨のチームを探すのですか?
    それはホンダ次第だ。彼はホンダと密接な関係にあるし、我々は琢磨とアンソニー(・デビッドソン)のためにはベストを尽くすだろう。しかしそれがどういうものになるかはまだ決まっていない。

    ふたりともF1残留を望んでいますね?
    ああ、そうだね。ふたりとも望んでいるはずだ。彼らはとてもよい仕事をしてきたし、我々は全力を尽くす。しかし現段階では何も約束できない。

    スーパーアグリのギアボックスやエンジンを扱わなくてもよいので、チームはもっと自由になりますか?
    我々は、駆動系とその他の技術的支援でスーパーアグリをサポートしてきた。確かに2チームではなく1チームに集中できるようになる。必要な作業を行なうリソースの面では問題なかった。

    過去2年間のパフォーマンスは、スーパーアグリに対するパーツ供給によって妨害されたと思いますか?
    昨年のパフォーマンスを妨害したのは、エアロダイナミクス不良だった。スーパーアグリとは関係ない。我々の昨年のパフォーマンス不良についてスーパーアグリを非難するつもりは全くないが、2チームより1チームに集中する方が、少しメリットがあるだろう。

  • ニック・フライとスーパーアグリF1撤退

    ニック・フライとスーパーアグリF1撤退

    スーパーアグリのF1撤退に際し、様々な発言を繰り返したニック・フライ。鈴木亜久里もスーパーアグリの撤退を発表した記者会見の場で、ニック・フライに対して批判的な発言をしている。

    ニック・フライとは、どのような人物なのだろうか。

    ニック・フライは現在、ホンダ・レーシングF1チームのCEOとして運営面やマーケティングを統括している。

    ニック・フライ 経歴

    ニック・フライは、1978年にフォードに入社。プロダクトプランニング部に異動してからはエスコートコスワース、RS2000をはじめ、様々な戦略的製品の開発を担当した。1992年にフォードがアストンマーチン・ラゴンダ社の株式の50%以上を取得すると、マネージングディレクターに就任。DB7開発を指揮し、同社歴代1位の販売台数を記録した。

    その後、ドイツ・ケルンにあるフォード・ヨーロッパの製品計画・事業担当取締役としてフォードで最後の2年を過ごしたのち、デビッド・リチャーズに誘われ、プロドライブ・オートモーティブ・テクノロジーのマネージング・ディレクターとしてプロドライブに移籍。翌2002年にはB・A・Rマネージングディレクターに就任し、F1との関わりを持った。

    2005年にチームを去ったデビッド・リチャーズの後継としてニック・フライはB・A・R Hondaの代表となる。2005年末にホンダがB・A・Rの株式を100%取得し、ホンダフルワークスとしての参戦に伴い、ホンダ・レーシングF1チームのCEOに就任し現在に至る。

    ニック・フライとスーパーアグリ

    ニック・フライは、スーパーアグリに対して以前から「ホンダワークスの開発が進まないのはスーパーアグリへのリソース提供の負担も影響している」との意見を持っていたとされ、2007年のベルギーGPでは、栃木が開発したSA06用リアウィングの使用を認めなかったと言われている。

    鈴木亜久里も撤退を発表した記者会見の場で、「ニック・フライが、どうしていちいち私たちのことに口をはさむのか理解できません。本田技研として意見をするなら全部受け入れますが、彼自身はHRF1のCEOではあるけれど、ホンダのCEOでもないしホンダのボードメンバー(取締役)でもない。ホンダの決定や指示なら、もちろん最大のパートナーだと思っているので、従っていきます。ニック・フライに関しては、なにをしてなにを言っているのか興味もありません。」とニック・フライとの関係を象徴する発言をしている。

    スーパーアグリのF1撤退の直接的な原因となったマグマ・グループを紹介したのもニック・フライである。マグマ・グループのCEOであるマーティン・リーチとはフォード時代の同僚であった。鈴木亜久里は会見で「まっ、マグマを紹介してくれたニック・フライに感謝しますよ。」と皮肉交じりにコメントしている。

    また、ニック・フライは、スーパーアグリとヴァイグル・グループとの提携に関して「ヴァイグルのような規模の会社が、競争力のあるF1チームを支援することは不可能に思える」との発言をし、ヴァイグルからは名指しで交渉を妨害した批判されている。

    ホンダ本社とHonda Racng F1 Team

    日本のホンダ本社(本田技研)とイギリスのHRF1との連携は以前から話題にのぼっている。ホンダも2008年の体制発表の際には、“マシン開発においても、日本とイギリスの連携を密にすることで、チーム基盤の強化を図りました”と自らイギリスとの連携について触れているほどだ。

    今後も、ホンダ本社とHRF1=ニック・フライとの“政権争い”に注目していきたい。