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  • マルク・マルケス 右足骨折で2戦欠場へ MotoGP王座防衛に暗雲

    マルク・マルケス 右足骨折で2戦欠場へ MotoGP王座防衛に暗雲

    マルク・マルケス(ドゥカティ)は、ル・マンで行われたMotoGPフランスGPスプリントレースで負傷した右足の骨折により、少なくとも2戦を欠場することになった。

    ドゥカティは、マルク・マルケスがサーキットのメディカルセンターで検査を受け、右足第5中足骨の骨折が確認されたと発表した。今後数日以内にマドリードで手術を受ける予定で、フランスGP決勝だけでなく、翌週末のカタルーニャGP(バルセロナ)も欠場する。

    スプリント終盤の大クラッシュが原因
    マルク・マルケスはスプリントレース終盤、7番手を走行中にラコルドマンで激しくクラッシュ。大きなハイサイドを喫し、バイクから投げ出された際には右足をアスファルトへ強打した。

    転倒では頭部も路面に打ち付けたものの、自力で立ち上がる姿を見せていた。しかし、パドックへ戻る際には歩行も困難な状態で、モーターホームへ戻る際にサポートを必要としていたことから、負傷の深刻さが懸念されていた。

    タイトル防衛に大打撃
    今回の負傷は、マルク・マルケスのタイトル防衛にとって極めて厳しい状況をもたらす可能性が高い。

    現時点でマルク・マルケスは、ランキング首位マルコ・ベッツェッキに51ポイント差をつけられている。2戦連続欠場が確定したことで、その差はさらに広がる見通しだ。

    ドゥカティにとっても、エースライダー不在は2026年シーズンの流れを左右しかねない大きな痛手となる。

    転倒原因は縁石と白線の“継ぎ目”か
    クラッシュ映像を確認したルカ・マリーニは、転倒原因について次のように語った。

    「彼は左側の白線に触れていた。僕の考えでは、フロントタイヤが縁石と白線の継ぎ目に入ってしまったんだと思う。そのせいで奇妙な動きになった」

    「こういうクラッシュは救えない」

    また、弟のアレックス・マルケスも事故の瞬間について次のように説明した。

    「フロントを失って、そのあと急にグリップが戻ってしまった。本当にアンラッキーだった」

  • アウディ F1のV8回帰論に慎重姿勢「現行規則は良いフォーマット」

    アウディ F1のV8回帰論に慎重姿勢「現行規則は良いフォーマット」

    マッティア・ビノットは、F1の2026年レギュレーションに対する批判が強まるなか、現行フォーマットを擁護した。将来的なV8エンジン復活を求める声が高まる一方で、アウディはハイブリッド重視の方向性をすぐに放棄する姿勢には慎重だ。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは2030年または2031年頃のV8復活を推進しているが、メーカー側には依然として抵抗感がある。

    そうしたなか、アウディの最高執行責任者であるビノットは、2026年F1レギュレーションを拙速に否定すべきではないと主張した。

    ビノット「今の形式に否定的ではない」
    「では、将来はどうなるのか? それを言うにはまだ早すぎると思う」とビノットは語った。

    「確かに、我々はFIAとの議論を始めている。腰を据えて、F1にとって何が最善なのかを話し合うことになると思う」

    ビノットは、現在のレギュレーションをめぐる広範な否定論には同調しなかった。

    「私は今の形式にそれほど否定的ではない。全体として、良い形式だと思っている」

    「我々はレギュレーションを少し変更し、微調整して改善しようとしてきた。今後のシーズンでさらに行うこともあるかもしれないが、見えているものに対して、ある程度は前向きであるべきだと思う」

    「過去を見れば、F1がもっと退屈だった時代もあったと思う」

    V8復活をめぐるFIAとメーカーの温度差
    アウディの姿勢が注目されるのは、FIAが将来的なV8復活へ圧力を強めているからだ。DAZNのコメンテーター、アントニオ・ロバトによれば、モハメド・ビン・スライエムは最小限のハイブリッド化と持続可能燃料を組み合わせたV8エンジンを望んでいるが、エンジンメーカー側はこれに抵抗しているという。

    「ビン・スライエムは、最小限のハイブリッド化と持続可能燃料を使うV8エンジンを望んでいるが、エンジンメーカーは拒否している」とロバトは語った。

    「会長は、2031年にはその提案を実行するためにメーカーの承認は必要ないと明確に述べている」

    「だが悪いニュースは、今は2026年であり、このレギュレーションで少なくともあと4年は残っているということだ。我々はそれに慣れなければならない」

    アウディ V型8気筒 エンジン

    2027年にダウンフォース削減案も浮上
    一方で、F1は現行パッケージの改善策を探り続けている。ドライバーを悩ませている極端なエネルギーマネジメント問題を緩和するため、2027年にダウンフォース削減が導入される可能性も噂されている。

    「FIAとF1の内部には、解決策を見つけようとする意欲がある」とロバトは語った。

    「だが、これらは応急処置だ」

    ロバトはまた、数週間にわたってドライバーから厳しい批判が相次いだあと、マイアミでは政治的な温度が明らかに下がったと見ている。

    「マイアミでは、ドライバーが一言も言うのを聞かなかった」

    「明らかに警告があったということだ」

    サインツ「マイアミが良かったのはコースのおかげ」
    GPDAディレクターを務めるカルロス・サインツは、マイアミでレース内容が改善したように見えたのは、レギュレーション変更そのものよりもサーキット特性によるものだと指摘した。

    「それはレギュレーション変更のおかげではなく、サーキットのおかげだ」とウィリアムズのサインツは主張した。

    「この走り方でレースをするには良いサーキットだ。いくつかオーバーテイクもあったし、レースは楽しかったと思う。でも、予選とレースの両方で、まだやるべきことはたくさんあると思う」

    それでもサインツは、FIAとFOMがドライバーの声に耳を傾けていることは歓迎した。

    「FIAとFOMが僕たちの声を聞き、改善を続けようとしている積極的な姿勢には満足している」

    アウディにとって重要な高効率エンジンの方向性
    ビノットの発言は、単なる現行規則の擁護ではなく、アウディがF1参戦で重視してきた技術的価値観とも結びついている。高効率エンジン、ハイブリッド技術、持続可能性という軸は、アウディにとって参戦理由の一部でもある。

    「アウディは常に高効率エンジンを求めてきたし、それは我々にとって重要なことだと思う」とビノットは語った。

    「そして我々は、将来にとって最善の妥協点が何なのかをFIAと話し合っていく」

  • ナイジェル・マンセル ホンダF1の準備不足を批判「考えが甘かった」

    ナイジェル・マンセル ホンダF1の準備不足を批判「考えが甘かった」

    アストンマーティンとホンダの2026年F1プロジェクトに対して、F1界から厳しい視線が向けられている。

    1992年F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルは、英ブックメーカー『Ace Odds』のインタビューで、開幕4戦を終えて最下位に沈むアストンマーティンの現状に衝撃を受けたと明かし、とりわけホンダの2026年型パワーユニット開発について「考えが甘かった」と準備不足を厳しく指摘した。

    2026年の大規模レギュレーション変更で“優勝候補”の一角と目されていたアストンマーティンだが、開幕4戦を終えてコンストラクターズランキング最下位。いまだノーポイントという現実は、パドック全体に衝撃を与えている。

    マイアミGPでも状況は改善せず、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはともに周回遅れでフィニッシュ。ホンダ製パワーユニットの振動問題は依然としてチームを苦しめており、シーズン前テストの段階から深刻視されていた問題が、実戦を通じてさらに浮き彫りになっている。

    開幕戦オーストラリアGPでは、エイドリアン・ニューウェイが「フェルナンド・アロンソは25周以上連続で走行すると神経損傷のリスクがある」と明かしたことで、F1界に激震が走った。アストンマーティンはオーストラリア、中国で完走すら果たせず、日本GPでようやくアロンソが初完走を記録した。

    マイアミではホンダ側が振動低減に一定の進展を見せたことを認めたものの、アストンマーティンは依然として絶対的なパフォーマンス不足を抱えている。

    マンセル「誰もがアストンマーティンを優勝候補だと思っていた」
    マンセルは現在の状況に強い驚きを示した。

    「F1界全体がショックを受けていると思う。レース界全体がショックを受けている」

    「正直に言えば、僕自身を含めて誰もがアストンマーティンは今年フロントランナーになると思っていた」

    「それなのに、彼らが抱えている問題は文字通り壊滅的だ。ドライバーたちが振動に苦しみ、神経損傷の可能性まで抱えて走っているなんて、ほとんど前例がない話だ」

    「少し心配だ。本当にそう思う。我々は彼らができるだけ早く問題を克服できることを願っているが、私が聞いている限り、それは短期間では解決しない。かなり長い戦いになるようだ」

    ホンダ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ホンダの“準備不足”にも厳しい指摘
    マンセルは、ホンダが2026年型パワーユニット開発への着手が遅れたことについても疑問を呈した。

    特に、他メーカーより遅れて参戦した状況で競争力を確保できると考えた点について、「考えが甘かった」と厳しく評している。

    「少し考えが甘かったとも思う」

    「どのエンジンメーカーであっても、他メーカーより1年近く遅れて参入し、それでも競争力を持てると考えるのは甘い」

    「私が聞いた話では、以前のエンジニアたちの多くは別プロジェクトへ移っていたらしい。この新プロジェクトへの着手が遅れたことで、彼らは完全に新しいチームでやり直すことになった」

    「それは非常に厳しい状況になる」

    ホンダは2026年F1レギュレーションでアストンマーティンとのワークス体制をスタートさせたが、現時点ではメルセデスやマクラーレンとの差は極めて大きい。

    巨額投資でも“即成功”は保証されなかった現実
    アストンマーティンは、最新鋭ファクトリーへの巨額投資、エイドリアン・ニューウェイ加入、ホンダとのワークス提携など、近年のF1でも最大規模のプロジェクトを推進してきた。

    しかし2026年シーズン序盤は、その期待とは真逆の展開となっている。

    マンセルは最後に、長期的な視点では復活の可能性があるとしながらも、現在の苦境に対する落胆を隠さなかった。

    「もし彼らに継続する力と忍耐があるなら、最終的にはうまくいくだろう」

    「だが、その過程は失望の連続になる。ひとりのレースファンとして、私は本当に残念に思っているし、彼らのためにも、ファンのためにも、この苦しみを見るのはつらい」

    ヨーロッパラウンド開幕を目前に控える中、アストンマーティンは依然として“サバイバルモード”から抜け出せていない。信頼性、ドライバビリティ、そして純粋な速さ――すべてが課題として残されたままとなっている。

  • F1の商業価値が急上昇 2026年第1四半期収益は53%増

    F1の商業価値が急上昇 2026年第1四半期収益は53%増

    F1の商業面が、2026年シーズン開幕とともに大きな成長を見せている。F1を運営するリバティ・メディアは、第1四半期(1〜3月)の売上高が前年同期比53%増となる6億1700万ドル(約962億円)に達したことを明らかにした。

    2025年の同期間は4億300万ドルだったが、2026年は日本GPまでが集計期間に含まれたことに加え、バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止によるカレンダー変更が収益認識を前倒しにしたことで、大幅な増収につながった。

    営業利益も前年の2800万ドル赤字から、1億700万ドル(約167億円)の黒字へと大きく改善している。

    2026年F1カレンダー変更が収益増を後押し
    リバティ・メディアによると、今回の増収には「開催レース数が前年同期より1戦多かったこと」「シーズンベース収益の認識割合が高まったこと」「契約料の増額」が大きく影響したという。

    2025年は3月終了時点でオーストラリアGPと中国GPの2戦のみが終了していた。一方、2026年は日本GPも含めた3戦が終了しており、22戦制シーズンのうち、より大きな割合の収益が第1四半期に計上された。

    さらに、バーレーンGPとサウジアラビアGPが開催されなかったことで、年間契約ベースの収益配分にも変化が生じた。今回の決算内容は、リバティ側が両GPの今季復帰を現時点では想定していないことを示唆している。

    メディア権料とスポンサー収入も拡大
    収益増加は開催料だけではない。メディア権料とスポンサー収入も拡大した。

    リバティ・メディアは、改訂されたカレンダー構成と商業契約の強化によって、放映権収入とスポンサー収入が増加したと説明している。

    ホスピタリティ部門では、パドッククラブ需要の拡大や新たなプレミアムサービス導入が寄与。さらに、レース数増加によって輸送・渡航関連収益も増加した。

    加えて、ライセンス事業やラスベガスの「グランプリ・プラザ」関連事業も成長を続けている。

    ステファノ・ドメニカリ

    AppleやSkyとの大型契約も追い風
    F1 CEOのステファノ・ドメニカリは、2026年シーズン序盤の競争激化が商業面にも好影響を与えていると説明した。

    「今季はコース上でもコース外でも刺激的なスタートとなった。オーバーテイクは増え、シーズン序盤から非常に競争力の高い展開になっている」とドメニカリは語った。

    さらに、米国市場でのAppleとの提携開始や、Skyとの長期契約更新、新規スポンサー契約についても言及している。

    「我々のビジネス全体でポジティブな勢いが続いている。アメリカではAppleとの提携が好調なスタートを切り、長年のパートナーであるSkyとの複数年契約も更新した。さらに、スタンダードチャータードやマーシュを含む新たな商業パートナーシップも加わった」

    F1は“スポーツ”から“巨大エンタメ産業”へ
    今回の決算は、F1が単なるモータースポーツを超え、世界的エンターテインメントビジネスとして拡大を続けている現状を改めて示した。

    特にアメリカ市場では、Appleとの連携強化やラスベガス事業の拡大が進んでおり、リバティ・メディアはF1をNFLやNBA級のグローバルスポーツブランドへ成長させる戦略を加速させている。

    一方で、ドメニカリは競技面の改善にも引き続き取り組む姿勢を強調した。

    「我々はファンとのつながりをさらに強化し、FIAやチームと協力しながら、レースそのものをより良いものへ進化させ続ける」

    2026年のF1は、サーキット上の戦いだけでなく、ビジネス面でも過去最大級の成長局面に突入している。

  • リオネル・メッシ F1ドライバーのコラピントにエール「自分の物語を生きるべき」

    リオネル・メッシ F1ドライバーのコラピントにエール「自分の物語を生きるべき」

    リオネル・メッシが、F1マイアミGPで自己最高7位を獲得したフランコ・コラピント(アルピーヌ)にエールを送った。

    インテル・マイアミでプレーするメッシは、マイアミGP期間中にパドックを訪問。アルゼンチン期待の若手ドライバーであるコラピントと交流し、その才能を高く評価した。

    メッシは地元ポッドキャスト『Lo del Pollo』で、コラピントとの初対面について次のように語った。

    「実のところ、彼とはこれまで一度も接点がなかった。彼はヘルメットをくれて、いつか僕に会いたいとも思ってくれていた」

    「共通の知り合いがいて、先日ようやく実現した。彼が練習に立ち寄ることができて、そこで会った。本当に素晴らしい」

    “公の存在”として送ったメッシの助言
    メッシは、急速に知名度を高める22歳のコラピントに対し、脚光を浴びることの難しさにも言及した。

    「彼は自分自身の物語を生きるべきだと思う。そして多くのことに備えなければならない。公の場に立つと、良いことも悪いことも、あらゆる方向から自分に向かってくる」

    「特に悪い時期には、身近な人たち、家族、自分の周囲の支えが必要になる。結局、それが困難な時間を乗り越える助けになるからだ」

    「物事がうまくいっているときは、ずっと簡単だし、人も近づいてくる。でも大事なのは、物事がうまくいっていないときに誰がそばにいるかを知ることだ」

    コラピントにとっても“夢の時間”に
    一方、コラピントにとっても、メッシとの交流は特別な体験となった。

    「この7日間で多くの夢がかなった。うれしいし、この瞬間を楽しんでいる。レオがここに来てくれたのを見られた」

    「彼が家族全員で僕を応援しに来てくれたことは、とても特別だ。僕のアイドルであり、すべてのアルゼンチン人にとってのヒーローに再び会えたのは素晴らしかった」

    コラピントはマイアミGPで7位入賞を果たし、F1キャリア自己最高成績を記録。アルピーヌも2026年シーズン序盤で中団上位争いを展開しており、コンストラクターズランキング5位につけている。

  • 角田裕毅に少なくとも1チームが関心 2027年F1復帰へ水面下交渉

    角田裕毅に少なくとも1チームが関心 2027年F1復帰へ水面下交渉

    角田裕毅のF1復帰を巡る動きが、水面下で活発化している。2027年のドライバー市場に向け、すでに複数のマネージャーが各チームとの接触を開始しており、その中で角田裕毅の名前が再び注目を集めている。

    『F1.com』のローレンス・バレットによると、2026年F1マイアミGPのパドックでは、2027年以降のシートを見据えた非公式な交渉や情報収集が各所で進行。

    現時点では2026年のグリッド変更は予定されていないものの、フェルナンド・アロンソの去就やマックス・フェルスタッペンの将来不安が、早くも市場全体を動かし始めているという。

    角田裕毅に“F1復帰候補”として関心
    その中で、角田裕毅にはすでに具体的な関心が寄せられているようだ。

    ローレンス・バレットによれば、現在レッドブル陣営でリザーブドライバーを務める角田裕毅に対し、少なくとも1チームが興味を示しているという。

    角田裕毅は2026年シーズンのレギュラーシートを失ったものの、F1で積み重ねてきた経験値やレッドブル育成出身という経歴は依然として高く評価されている。

    特に2027年は、キャデラックF1チームの新規参戦によってグリッド拡大が予定されており、経験豊富なドライバーへの需要が高まる可能性がある。そこに加えて、レッドブル周辺の不透明感が市場全体に連鎖反応を起こし始めている。

    フェルスタッペンの将来不透明感が市場を刺激
    現在、F1パドックで最大の注目材料のひとつとなっているのが、マックス・フェルスタッペンの契約問題だ。

    フェルスタッペンは2028年末までレッドブルとの契約を結んでいるが、パフォーマンス条項や他チームからの関心を巡る憶測は依然として続いている。

    もしフェルスタッペンが移籍、あるいは早期離脱に動けば、レッドブル陣営だけでなくF1全体のドライバー市場が一気に動き出す可能性がある。

    そうした状況もあり、各ドライバーのマネージャーたちは正式な契約交渉時期を待たず、すでに2027年以降を見据えた“ポジション探し”を開始しているという。

    アロンソ去就も“空席ドミノ”の引き金に
    さらに市場を大きく左右すると見られているのが、フェルナンド・アロンソの決断だ。

    報道によれば、アロンソは今後の現役続行について「夏休み期間中にも決断を下す可能性」があるという。

    もしアロンソが引退、あるいはF1から退くことになれば、ホンダとのワークス体制を進めるアストンマーティンは一気に魅力的な空席となる。

    そこから玉突き式に移籍市場が動き出せば、角田裕毅のような経験豊富なドライバーにも再びチャンスが巡ってくる可能性がある。

    2027年は角田裕毅にとって“再起の年”になるか
    2027年は、新レギュレーション時代が本格化する重要なシーズンになる。

    キャデラック参戦、新メーカー勢力図、契約条項、ベテランドライバーの去就──複数の要素が同時に動くことで、ここ数年で最も大きなドライバー市場になる可能性も指摘されている。

    その中で、角田裕毅が再びF1グリッドへ戻るチャンスをつかめるのか。少なくとも今のパドックでは、その可能性を真剣に探る動きが始まっているようだ。

  • R・シューマッハ ハミルトンF1引退論を展開「ベアマンがフェラーリに乗るべき」

    R・シューマッハ ハミルトンF1引退論を展開「ベアマンがフェラーリに乗るべき」

    ラルフ・シューマッハは、ルイス・ハミルトンが2026年限りでF1を引退し、オリバー・ベアマンがフェラーリF1のシートを引き継ぐべきだとの持論を展開した。

    2025年にフェラーリへ移籍したハミルトンは、シーズン序盤こそ適応の速さを見せたものの、ここ数戦ではシャルル・ルクレールとの差が広がりつつある。マイアミGPではルクレールが20秒加算ペナルティを受けたことでハミルトンは6位に繰り上がったが、ラルフ・シューマッハは長期的にはルクレールに対抗するのは難しいと見ている。

    ラルフ・シューマッハは、ドイツ『Sky Germany』の番組「Backstage Boxengasse」で、ハミルトンとフェルナンド・アロンソの将来について持論を語った。

    「フェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンは、F1で素晴らしい時間を過ごしてきた」

    「でも、今年限りでコックピットを去り、若い世代にチャンスを与える時だと思う」

    さらにラルフ・シューマッハは、フェラーリが抱える“世代交代”の必要性にも言及した。

    「ルイス・ハミルトンは、達成できることをすべて成し遂げた。史上最も成功したドライバーのひとりだ。もちろん、それに値する存在だ」

    「今回の挑戦は素晴らしかった。でも、すべてには終わりがある」

    「だからこそ、若い世代にチャンスを与えるべきだと思う。オリバー・ベアマンはフェラーリに乗る資格がある」

    「もし彼にチャンスが与えられれば、シャルル・ルクレールとも戦えると思う。簡単ではないだろうがね」

    現在20歳のベアマンは、フェラーリ・ドライバー・アカデミー出身の有望株として高く評価されており、2025年からハースF1チームで経験を積んでいる。フェラーリ内部でも将来的なエース候補と見なされており、ハミルトンの後継者候補として名前が挙がり続けている。

    ラルフ・シューマッハは、フェラーリが依然としてハミルトンの“ブランド価値”を重視しているとも指摘した。

    「彼らはルイス・ハミルトンというブランドを維持したいんだ」

    「でも、F2からは多くの若い才能が上がってきている。彼らにはチャンスを与えるべきだ」

    「ベアマンは間違いなくフェラーリに乗る資格がある」

    一方で、この発言はファンの間でも大きな議論を呼んでいる。SNSやコメント欄では「若手に席を譲る時だ」という意見が出る一方で、「ハミルトンはまだ戦える」「ラルフの発言は極端すぎる」といった反論も少なくない。

    実際、ハミルトンには2027年まで契約延長オプションが存在するとみられており、フェラーリがすぐにベアマンへ切り替える可能性は高くないと見られている。それでも、2026年シーズンの結果次第では、フェラーリ内部で世代交代論がさらに加速する可能性もありそうだ。

  • F1 V8エンジン回帰論が加速 ステファノ・ドメニカリ「もう時間は多くない」

    F1 V8エンジン回帰論が加速 ステファノ・ドメニカリ「もう時間は多くない」

    ステファノ・ドメニカリは、F1の将来のエンジン規則をめぐる議論が加速するなか、スポーツとして「時間を失いすぎることはできない」と警告した。

    2026年F1レギュレーションはまだ開幕4戦を終えた段階にすぎないが、すでに焦点は次のパワーユニット規則へ移りつつある。議論の中心にあるのは、持続可能燃料を軸にしながら、内燃エンジンの比重を高め、V8エンジンへ回帰する可能性だ。

    2026年規則の課題が早くも次期エンジン議論を加速
    現在のF1パワーユニットは、内燃エンジンと電動要素の出力配分がほぼ50対50に近い構成となっている。しかし、このバランスをめぐってはすでに見直し論が強まっており、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは以前から、ターボハイブリッド時代以前にファンが慣れ親しんだサウンドを想起させるエンジン規則への回帰を望んでいる。

    ビン・スライエムは最近、そうした変更について「2030年を目標にしている」と語った。

    一方、F1の商業面を統括するドメニカリは、自動車業界の流れは持続可能燃料、ハイブリッド、内燃エンジンの組み合わせに向かっているとしつつ、判断を先送りする余裕はないと強調した。

    「将来の中心には間違いなく持続可能燃料があり、強力な内燃エンジンと、将来の電動化がどのようなバランスになるのかという異なる配分があると見ている」とドメニカリは英オートスポーツ誌に語った。

    「我々は時間を失いすぎることはできない。時間は非常に速く過ぎていくからだ。だから私は以前言ったことに戻る。もし我々が追い込まれないだけの十分な強さを持つ必要があるなら、できるだけ早く決断する必要がある」

    焦点は“50対50”から内燃エンジン重視へ
    ドメニカリの発言は、現行規則の電動化比率を将来的に見直す可能性を示唆するものだ。完全に電動要素を排除するのではなく、持続可能燃料を前提にしながら、内燃エンジンの存在感をより強める方向性が議論されている。

    レッドブルなどは将来的な変更に前向きな姿勢を示しており、メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフも「新しいエンジン規則にはオープンだ」としながら、パワーユニットから電動要素を完全に取り除くことには慎重な姿勢を示している。

    つまり、争点はV8かどうかだけではない。F1がどこまで電動化を残し、どこから内燃エンジンの音、軽量化、シンプルさを優先するのかという、競技の方向性そのものに関わる議論になっている。

    F1 エンジン V型8気筒

    ビン・スライエムはV8回帰を支持
    ビン・スライエムは以前、V10エンジンへの復帰は将来のレギュレーションには適合しない可能性があると述べた一方で、V8内燃エンジンに「ごくわずかな」電動要素を組み合わせる形が望ましいとの考えを示している。

    「最も人気があり、最も扱いやすいのはV8だ」とビン・スライエムは語った。

    「サウンドが得られ、複雑さが少なく、軽量だ」

    「それについてはまもなく聞くことになるだろう。そして、それは非常に、非常に小さな電動化を伴うものになる。だが主役はエンジンだ。現在のような46対54の分配にはならない。電動パワーは非常に最小限になる」

    「V8はフェラーリ、メルセデス、アウディ、キャデラックのロードカーにも見られる。ほとんどのメーカーに存在しており、それが軽量なマシンをもたらす」

    F1は2026年に新しいパワーユニット時代へ入ったばかりだが、すでに次の方向転換をめぐる議論は始まっている。持続可能燃料を前提にしながら、電動化と内燃エンジンの比率をどう再設計するのか。ドメニカリの警告は、F1が技術的にも政治的にも、早急な判断を迫られていることを示している。

  • フェルスタッペンが快適になるほど危険?ハジャーに迫るレッドブルF1の現実

    フェルスタッペンが快適になるほど危険?ハジャーに迫るレッドブルF1の現実

    アイザック・ハジャー(レッドブル)は、2026年F1マイアミGPで厳しい週末を過ごした。マックス・フェルスタッペンとの差が一気に広がったことで、“レッドブルのセカンドシート問題”が再び注目を集めている。

    元インディカー王者でF1解説者のジェームズ・ヒンチクリフは、フェルスタッペンがRB22に適応し始めたことで、ハジャーが過去のレッドブルのチームメイトたちと同じ状況に陥る可能性を懸念していると語った。

    マイアミで広がったフェルスタッペンとの差
    マイアミGP予選で、アイザック・ハジャーは技術違反による失格処分を受ける前の段階で8番手タイムを記録していた。一方のマックス・フェルスタッペンはフロントロー2番手を獲得し、その差は約1秒に達していた。

    スプリント予選でも同様の傾向が見られ、ハジャーの無線やコメントは、かつてフェルスタッペンのチームメイトたちが口にしてきた苦悩を思わせる内容だった。

    ヒンチクリフは『Drive to Wynn』ポッドキャストで、レッドブルがマイアミに持ち込んだアップグレードに注目した。

    「今週末に話題になったことのひとつが、レッドブルが投入した大量のアップグレードだった」

    「もちろんパフォーマンス向上パーツもあるが、実際にはマックスの要望によるステアリングシステムの根本的な変更も含まれていた」

    「彼はずっと、フロントの感覚、つまりステアリングホイールを通じて伝わってくるフィーリングに不満を訴えていた」

    「単純に“もっとグリップが欲しい”という話ではなく、ステアリングシステムにおける特定の感覚、動的なフィードバックの問題だった」

    「彼らはマイアミまでの期間で変更を加えることができた。そして突然、マックスは“クルマに乗せられている感覚”ではなくなった。自分で完全にコントロールできるようになり、クルマが自分の入力に望む通り反応するようになった」

    「すると突然、ハジャーとの差が大きく広がった」

    アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

    “フェルスタッペン専用化”への懸念
    ヒンチクリフは、現時点でハジャーを判断するのは早すぎるとしながらも、今後それが“傾向”になる可能性を危惧している。

    「彼はまだ若い。これはまだ1回の悪い週末に過ぎない」

    「確かに良くはなかったが、まだトレンドとは言えない」

    「ただ、これがその始まりなのではないかとは思っている」

    「なぜなら、マックスがクルマに満足している状態になると、彼は常に誰よりもレースカーから速さを引き出せるドライバーだからだ」

    「今また彼が快適に感じていて、クルマが彼の望む動きをしているなら、他の誰にもできないような走りを引き出せてしまう」

    レッドブルF1が再び抱える“セカンドカー問題”
    今回のマイアミGPは、2026年型RB22がフェルスタッペン寄りの方向へ進化しつつある可能性を強く印象づけた週末でもあった。

    レッドブルは近年、セルジオ・ペレス、リアム・ローソン、そして他の若手ドライバーたちも含め、“フェルスタッペンだけが限界を引き出せるマシン”という問題に悩まされてきた。

    マイアミで投入されたステアリング関連アップデートによって、フェルスタッペンは「乗りづらい」と訴えていたRB22への不満を大きく改善させたとみられている。その結果として、ハジャーとのギャップが急拡大したことは、パドック内でも大きな議論を呼んでいる。

    もちろん、ハジャーはまだF1キャリア初期段階にあり、1回の週末だけで結論を出すことはできない。ただ、フェルスタッペンが“快適なRB22”を手にしたことで、レッドブルのセカンドシート問題が再燃する可能性は現実味を帯び始めている。

  • ウィリアムズF1の転落点 FW20が終わらせた黄金時代の実像

    ウィリアムズF1の転落点 FW20が終わらせた黄金時代の実像

    1998年のF1は、長年続いた勢力図が大きく崩れた転換点だった。1992年以降、ウィリアムズとルノーは圧倒的な支配体制を築いてきたが、その終焉を決定づけたのがFW20だった。

    前年にチャンピオンを獲得したチームは、わずか1年で勝利ゼロ・ランキング3位へと転落。123ポイントから38ポイントへの急落は、単なる不振ではなく構造的崩壊を示していた。

    ルノー撤退と旧型エンジンが生んだ致命的ハンデ
    転落の最大要因はパワーユニットだった。ルノーは1997年限りでワークス活動を終了し、1998年のウィリアムズは実質的に前年型エンジンを使用することになる。

    メカクロームとして供給されたそのエンジンは、メルセデスやフェラーリの開発型ユニットに対して30〜50馬力の差があったとされる。この出力差はストレートスピードに直結し、レース全体で決定的な遅れを生んだ。

    2000年からBMWとのワークス体制が始まるまで、この“つなぎ”の状態がチームの競争力を大きく制限した。

    ニューウェイ離脱が奪った開発の中核
    もうひとつの致命傷が、エイドリアン・ニューウェイの離脱だった。1997年シーズン前にマクラーレンへ移籍したことで、ウィリアムズは開発の核を失う。

    FW20はギャビン・フィッシャー、ジェフ・ウィリス、パトリック・ヘッドの3人体制で設計されたが、ヘッド自身が「保守的」と評した通り、革新性を欠いたマシンとなった。

    特に1998年のレギュレーション変更(ナロートレッド化、グルーブドタイヤ導入)に対し、ニューウェイ不在の影響は大きく、適応に完全に出遅れた。

    その背景には政治的対立があった。フランク・ウィリアムズはチーム支配権を譲らず、ニューウェイの株式取得要求を拒否。さらにドライバー人事でも意見が反映されなかったことが決定打となり、離脱へとつながった。

    開幕時点で露呈した“勝てないマシン”
    プレシーズンテストの段階で、FW20の限界は明らかだった。ジャック・ビルヌーブは数周で「勝てるクルマではない」と判断する。

    開幕戦オーストラリアGPでは、ポールから2.5秒差の4番手。決勝では周回遅れという、前年の王者チームとしては考えられない状況に陥った。

    その後も状況は改善せず、チームはベネトンやジョーダンと“ベスト・オブ・ザ・レスト”を争う中団チームへと転落した。

    ウィリアムズ・レーシング

    王者ビルヌーブの離脱が象徴した内部崩壊
    結果以上に深刻だったのが内部の崩壊だった。ビルヌーブはFW20を公然と批判し、チームへの不信感を強めていく。

    そしてシーズン途中、新規参戦のBARへの移籍を決断する。

    「ウィリアムズでは自分は部品の一つに過ぎない。BARではゼロから世界を作れる。崩れかけた宮殿の住人でいるより、新しい家の設計者になりたい」

    この発言は、当時のチーム状況を象徴していた。トップチームのエースが、新興チームを選ぶという事実そのものが、ウィリアムズの地位低下を物語っていた。

    わずかな光と、決定的な終焉
    それでもシーズン中盤にはドイツとハンガリーで3位を獲得し、わずかな競争力は示した。しかし優勝争いには一切絡めず、トップとの差は常に大きかった。

    最終的にFW20は3度の表彰台のみでシーズンを終え、ウィリアムズは10年近く続いた支配体制を完全に失う。

    赤いカラーリングに変わったそのマシンは、かつての栄光とは対照的な存在となり、結果的に「王朝の終わり」を象徴する1台として記憶されることになる。

    なぜ1998年が“分岐点”だったのか
    FW20の失敗は単発の開発ミスではない。エンジン供給体制、技術トップの流出、組織統治の硬直化という複数の要因が同時に表面化した結果だった。

    つまり1998年は、“結果が崩れた年”ではなく、“構造が崩れた年”だったと言える。

    そしてこの時に失われた技術力と組織力は、その後長期間にわたって回復することはなかった。FW20は単なる不振マシンではなく、ウィリアムズF1の歴史における明確な断絶点となった。

    Source: Motorsport Week