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  • デイモン・ヒル F1引退決断の裏側「彼を殺してしまったと思った」

    デイモン・ヒル F1引退決断の裏側「彼を殺してしまったと思った」

    デイモン・ヒルがポッドキャスト「Up To Speed」で、自身のF1引退を決意するきっかけとなった1999年ヨーロッパGPの大クラッシュについて振り返った。

    ニュルブルクリンクで開催された1999年F1ヨーロッパGPでは、ヒルのマシンの突然の減速をきっかけに、ペドロ・ディニスが宙を舞う大クラッシュが発生。幸いにもディニスは無傷だったが、ヒルにとっては精神的に大きな転機となった出来事だったという。

    ニュルブルクリンクで起きた衝撃の大事故
    当時ジョーダンに所属していたデイモン・ヒルは、スタート直後の1コーナー進入で突如スローダウンした。

    原因は、スタート時に使用するクラッチ制御システムの解除ミスだった。

    「我々は解除しなければならない装置を使っていた。それがクラッチをある形で制御していたんだ」

    「正確に何をしていたのかは覚えていないけど、スタート時に使って、その後オフにしなければならなかった。そうしないとエンジンが止まってしまう」

    「そして実際に何が起きたかというと、1コーナーでエンジンが止まった」

    ヒルは、すべて正しく操作したはずだったと説明した。

    「『何が起きているんだ?』と思った。ちゃんとやったはずだったからね」

    だが、その突然の減速によって後続のアレクサンダー・ブルツが回避行動を取り、結果的にペドロ・ディニスのザウバーへ接触。ディニスのマシンは大きく宙を舞い、逆さまの状態で停止した。

    「彼を殺したと思った」ヒルを襲った自責の念
    この事故についてヒルは、当時の恐怖を率直に語っている。

    「僕は彼を殺してしまったと思った。本当に恐ろしかった」

    「かわいそうなペドロは僕の上を飛び越えていった。彼はアロウズ時代のチームメイトだったんだ」

    この瞬間が、ヒルにとってF1キャリアの終わりを決定づける出来事になったという。

    「その時に思ったんだ。『もうこんなことはしたくない』とね」

    「もし自分がこんな重大なミスを犯すなら、他のドライバーを傷つけたくないと思った」

    精神的限界に達していた1999年シーズン
    1999年シーズンのヒルは、すでにモチベーション低下や精神的疲労を抱えていることがたびたび指摘されていた。

    ジョーダンは同年に優勝争いへ加わる競争力を見せていたが、ヒル自身はミスや不運も重なり、かつての世界王者らしいパフォーマンスを安定して発揮できずにいた。

    そして鈴鹿で行われた1999年F1日本GPを最後に現役を引退。レース中のリタイア後、精神的疲労を理由にF1から去ることを正式発表した。

    今回の証言によって、ニュルブルクリンクでのクラッシュが、単なる事故ではなく、ヒル自身の中で「F1を終える決定打」になっていたことが改めて明らかになった。

  • 角田裕毅の2027年F1復帰説 経験値と日本市場価値が武器に?

    角田裕毅の2027年F1復帰説 経験値と日本市場価値が武器に?

    F1でドライバーの評価を左右するのは、ラップタイムだけではない。2027年のドライバー市場に向け、角田裕毅が持つ“経験値”と“日本市場への訴求力”が、改めて注目を集め始めている。

    F1.comによると、2027年の移籍市場を見据えた非公式な動きがすでにパドック内で進行しており、その中で現在レッドブルのリザーブドライバーを務める角田裕毅には、少なくとも1チームが関心を示しているという。

    角田裕毅が持つ“日本市場価値”
    角田裕毅は2025年末でレッドブルのレギュラーシートを失ったものの、日本人ドライバーとしての存在感はいまも大きい。

    F1人気が拡大を続ける日本市場において、角田裕毅は数少ない現役日本人F1ドライバー経験者であり、日本企業との親和性やメディア露出面でも一定の価値を持つ存在と見られている。

    また、ホンダとの関係性も長く、メーカーイメージとの結び付きも依然として強い。

    2027年はキャデラックF1チーム参戦などによってグリッド構成が変化する可能性があり、各チームが新たな市場戦略を模索するタイミングにもなる。

    そうした中で、角田裕毅のように“日本市場へのアクセス”を持つドライバーは、中団チームにとって魅力的な選択肢になり得る。

    経験値は依然として高く評価
    角田裕毅の評価は、商業面だけではない。

    アルファタウリ時代から複数シーズンを戦ってきた経験は、2027年のドライバー市場においても一定の強みになる可能性がある。

    特に新世代レギュレーション導入後は、マシン特性やタイヤマネジメントへの理解が重要視される傾向が強まっている。

    そのため、若手育成だけでなく、“即戦力として開発を進められる経験者”を求めるチームが増える可能性もある。

    角田裕毅はレッドブル育成出身として多くのプレッシャー環境を経験しており、その実績を評価する声は依然としてパドック内に存在しているようだ。

    現役開発ドライバーとしての価値
    角田裕毅は2026年シーズン、レッドブルのリザーブドライバーとしてシミュレーター開発にも関与している。

    新世代レギュレーション下で各チームがマシン理解を進める中、現行F1マシンの開発作業を経験している点は、2027年のドライバー市場においても一定の強みになり得る。

    特に新規参戦チームや中団チームにとっては、単なる速さだけでなく、開発方向をフィードバックできる経験豊富なドライバーの価値が高まりやすい。

    2026年型マシンの開発プロセスを内部で経験していることは、角田裕毅にとって見逃せないアドバンテージになりそうだ。

    角田裕毅 F1

    TGRハースF1チーム移籍説も浮上
    現在、角田裕毅の移籍先候補として名前が挙がっているのがTGRハースF1チームだ。

    小松礼雄が率いるハースは、近年チーム体制の安定化を進めており、日本との結び付きも強まっている。

    一方で、エステバン・オコンには厳しい視線も向けられており、2027年に向けたドライバー変更の憶測も浮上している。

    その中で、小松礼雄が以前から高く評価しているとされる角田裕毅の名前が候補として取り沙汰されている。

    もし実現すれば、日本人チーム代表と日本人ドライバーによる新たな体制として、大きな注目を集めることになりそうだ。

    2027年のF1市場で再びチャンスを掴めるか
    2027年のF1は、キャデラック参戦やベテランドライバーの去就、新レギュレーション時代の勢力変化など、多くの要素が同時に動く転換点になるとみられている。

    その中で角田裕毅が再びグリッドへ戻れるかはまだ不透明だ。しかし現在のパドックでは、“経験値”と“日本市場価値”を兼ね備えたドライバーとして、再び名前が挙がり始めている。

  • フェルスタッペンの要求でF1が動いた? 2027年規則修正の危うい前例

    フェルスタッペンの要求でF1が動いた? 2027年規則修正の危うい前例

    2026年F1シーズンを通じて続いてきたパワーユニット論争は、FIAが2027年に向けてエンジン出力比率の見直しを認めたことで、大きな転換点を迎えた。

    電動と内燃の比率を事実上「60対40」に修正する今回の決定は、マックス・フェルスタッペンをはじめとするドライバー側の強い反発が、FIAを動かした形とも受け取られている。しかし、この“譲歩”は今後のF1に別の問題を生む可能性も指摘されている。

    FIAが初めて“ドライバー側に折れた”意味
    FIAとF1は、2026年から導入された新世代パワーユニットについて、一貫して擁護姿勢を崩してこなかった。

    特に電動比率を大幅に高めた新規則については、「エネルギーマネジメント偏重」「全開区間の減少」「バッテリー温存レース」など、ドライバーから不満が噴出していた。

    その中心にいたのがマックス・フェルスタッペンだった。

    フェルスタッペンは、2026年型F1マシンについて繰り返し批判を展開。さらにはV8エンジン回帰論にも踏み込み、「この方向性のままならF1を去る可能性もある」と示唆してきた。

    当初、FIA側はそうした批判に耳を貸さず、「方向性は正しい」と繰り返していた。しかし最終的には、2027年に向けてICE比率を増やす修正を正式決定。結果として、ドライバー側の圧力が実際に規則変更を引き出した格好となった。

    “前例”が今後の対立を激化させる可能性
    今回の変更は、FIAが現場の声を聞いた柔軟な対応として評価することもできる。

    一方で、問題はその“次”にある。

    もし今後、ドライバー側が別のレギュレーションや安全問題、競技運営に対して強い不満を示した場合、FIAが以前ほど柔軟に応じなくなる可能性があるからだ。

    長期間にわたって「現行規則に問題はない」と擁護してきたにもかかわらず、最終的に変更へ踏み切ったことで、FIA内部には「押し切られた」という空気が残る可能性もある。

    さらに、FIA側としては「ドライバーが強く反発すれば規則を変えられる」という前例を作りたくない思惑もあるはずだ。

    その結果、将来的にはドライバー側の要求に対して、より強硬姿勢を取る可能性も否定できない。

    マックス・フェルスタッペン F1 レギュレーション

    再び浮上する“対立構造”
    今回の記事が指摘している最大のポイントは、FIAとGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の関係悪化リスクにある。

    現在のF1では、ドライバーの政治的発言力は1980年代よりもはるかに大きい。SNS、メディア露出、グローバル人気の拡大によって、トップドライバーの影響力はFIAにとって無視できない存在になっている。

    だからこそ、今回のような“譲歩”は単なる技術規則変更以上の意味を持つ。

    記事では、もし将来的に双方が一歩も引かない状況になれば、1982年南アフリカGP以来となる「ドライバーストライキ」の可能性すらゼロではないと指摘している。

    当時はニキ・ラウダ主導でドライバーたちがスーパーライセンス制度に反発し、最終的にはバーニー・エクレストン側が譲歩する形となった。

    しかし現在のF1は、商業規模も放映契約も当時とは比較にならないほど巨大化している。

    もし現代F1で同様の対立が発生すれば、シーズン短縮や開催中止といった深刻な事態に発展する可能性もある。

    “60対40”修正は終着点ではない
    今回の2027年ルール修正は、一見するとフェルスタッペンとドライバー側の勝利にも見える。

    しかし実際には、これはF1内部の力関係が変化し始めたシグナルとも言える。

    特に2026年以降のF1は、PUメーカー政治、電動化路線、V8/V10回帰論、コスト問題、安全性議論など、多くの対立要素を抱えている。

    その中で今回の“譲歩”が、「対話の入口」になるのか、それとも「次の対立の火種」になるのか。

    F1は今、その分岐点に差しかかっている。

    Source: F1 OVERSTEER

  • オリバー・ベアマン ハミルトン後継に自信「フェラーリF1で走る準備はできている」

    オリバー・ベアマン ハミルトン後継に自信「フェラーリF1で走る準備はできている」

    オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)は、将来的なフェラーリ昇格への期待が高まる中、自身がルイス・ハミルトンの後任候補となり得るだけの準備ができていると語った。

    2025年にフェラーリの育成プログラムの一環としてハースF1チームに加入したベアマンは、2026年シーズン序盤から高いパフォーマンスを披露。開幕3戦終了時点でドライバーズランキング7位につけ、“ベスト・オブ・ザ・レスト”として存在感を放っている。

    ベアマン「準備ができていないなら走る価値はない」
    現在20歳のベアマンは、英『Daily Mail』のインタビューで、フェラーリ昇格への思いを率直に語った。

    「僕は準備ができていると感じている。もしそう言えないなら、レースに行く価値なんてないと思う」

    「まだ若いし、これから何年もある。ただ、フェラーリに“選択肢のひとつ”だと思わせる理由を与えたいんだ。速く走れば走るほど、チャンスは大きくなる」

    ベアマンは、フェラーリ加入を意識しながらも、現時点ではハースF1チームでのパフォーマンスに集中していると強調した。

    「僕は自分自身に集中しているし、ハースでベストなパフォーマンスを発揮することに専念している」

    「チームが毎戦後にデブリーフをするように、僕自身もコーチと一緒に振り返りを行っている。見落としがないようにしているんだ」

    「重要なのは結果そのものだけじゃない。自分自身のパフォーマンスなんだ。エゴを持たず、自分を批判することを恐れてはいけない」

    「十分な自信を持つことも必要だ。そうすれば他人のせいにしなくなる。今はすべての瞬間を楽しんでいるよ」

    ハミルトン後任候補として高まる期待
    2025年にメルセデスからフェラーリへ移籍したルイス・ハミルトンは、2026年も新レギュレーションへの適応に成功し、中国GPで初表彰台を獲得するなど好スタートを切っている。

    一方で、ハミルトンの契約は2026年末までとみられており、2027年以降のラインナップを巡る憶測は絶えない。マックス・フェルスタッペンのフェラーリ移籍説も浮上する中、フェラーリ育成の“本命”としてベアマンの名前もたびたび取り沙汰されている。

    ベアマンは現在、エステバン・オコンを上回る形でハースF1チームの事実上のエースとして存在感を発揮しており、フェラーリに対して着実にアピールを続けている。

    ただし、フェラーリ昇格にはルイス・ハミルトン、あるいは2029年まで契約を結ぶシャルル・ルクレールのどちらかがシートを空ける必要がある。

    “次世代フェラーリ”の中心になれるか
    ベアマンは「ハミルトンは今のところ自分を脅威とは見ていないと思う」とも語っており、自身も2027年即昇格を既定路線とは考えていない様子だ。

    それでも、フェラーリ育成出身ドライバーとしてここまで明確に結果を残している若手は近年少なく、イタリア側が“次世代の中心”として期待を寄せていることは間違いない。

    2026年シーズン序盤の内容を見る限り、ベアマンは単なる有望株ではなく、フェラーリF1の将来を本格的に左右する存在になりつつある。

  • フォード F1エンジン規則修正を歓迎「60対40は正しい方向」

    フォード F1エンジン規則修正を歓迎「60対40は正しい方向」

    フォードは、FIA(国際自動車連盟)が2027年に向けて決定したF1パワーユニット規則の修正について前向きな姿勢を示した。2026年に導入された“50対50”の内燃機関+電動比率は、2027年から「60対40」へ変更される方向となり、過度な電動依存を緩和する方針が示されている。

    レッドブルと提携してF1復帰を果たしたフォードは、この変更が「レース改善につながる」と評価。一方で、2026年シーズン序盤の苦戦を受け、タイトル争いへの道のりが簡単ではないことも認めた。

    フォードF1首脳「60対40への変更は良い一歩」
    FIAは先週金曜日、2027年からF1パワーユニットの出力配分を見直し、現在の“ほぼ50対50”から、およそ“60対40”へ変更すると発表した。

    これは2026年型パワーユニットに対するドライバーからの不満を受けたものだ。特に予選でフルアタックできる周回数の減少や、レース中のエネルギーマネジメント重視の展開に対して批判が強まっていた。

    マックス・フェルスタッペンも、現在のフォーマットでは“純粋なレーシング”が損なわれていると繰り返し指摘してきた。

    フォードのグローバル・ディレクター・オブ・レーシングを務めるマーク・ラッシュブルックは、『The Athletic』に対し、今回の変更を歓迎した。

    「関係者が意見を述べ、意思決定者が判断を下したということだ」とラッシュブルックは語った。

    「でも、私はこれはレースとコース上のプロダクトを改善するための良い一歩だと思っている」

    フォード F1 エンジン

    レッドブル・フォードは“発展途上”
    フォードは2026年からレッドブルと提携し、新たなパワーユニットプロジェクトに参画している。

    しかし、2026年シーズン序盤のレッドブルは苦戦を強いられており、フェルスタッペンの最高位は開幕4戦で5位に留まっている。

    それでも、パワーユニットそのものには一定の評価が集まっており、ラッシュブルックはフェラーリやメルセデスのような長年のF1メーカーと比較すれば、まだプロジェクト初期段階にあることを強調した。

    「そこへ到達するには多くの努力が必要になると理解している」とラッシュブルックは語る。

    「それも我々がレッドブルと提携した理由の一部だ。彼らはレーサーであり、勝利へのコミットメントを持っている」

    さらにラッシュブルックは、2025年シーズンにRB21の問題を抱えながらも、フェルスタッペンが5連覇にあと2ポイントまで迫ったことを例に挙げ、レッドブルの巻き返す力を高く評価した。

    2027年規則は“修正フェーズ”へ
    今回の60対40への変更は、2026年型パワーユニット導入からわずか1年で方向修正が入る異例の展開となった。

    FIAやメーカー側は当初、“電動比率50%”を未来志向の技術として推進してきたが、実際のレースではバッテリー消費を意識した走りが目立ち、ドライバーやファンから疑問の声が噴出していた。

    その結果、2027年からは内燃機関側の出力を引き上げ、より“ドライバーが攻められるF1”へ戻す方向で合意が進められている。

    フォードの今回のコメントは、少なくともレッドブル陣営がこの修正を歓迎していることを示すものとなった。

  • キャデラックF1 アストンマーティンとの開発競争に危機感「取り残されたくない」

    キャデラックF1 アストンマーティンとの開発競争に危機感「取り残されたくない」

    セルジオ・ペレスは、キャデラックF1が2026年F1シーズン序盤の開発競争で「取り残されたくない」と語り、アストンマーティンとの戦いが新規参戦チームにとって大きなモチベーションになっていると明かした。

    キャデラックは新規参戦チームとして厳しい船出が予想されていたが、現時点ではグリッド後方で完全に孤立する状況には陥っていない。一方で、ポイント獲得にはまだ距離があり、ペレスは中団争いに加わるためには早急なパフォーマンス向上が必要だと強調している。

    マイアミGPではキャデラックがアップグレードを投入した一方、アストンマーティンは唯一アップデートを持ち込まなかった。タイヤデグラデーションの改善について問われたペレスは、前進はしているものの、まだ作業が残っていると認めた。

    「そこにはまだ少し作業が必要だ。でも、僕たちは正しい方向に進んでいると確信している」とペレスは語った。

    「デグラデーションが始まっても十分に抑えられているときは、中団勢と一緒に走れる場面がある。ただ、彼らはそこからかなりペースを上げることができる」

    「まだ長いシーズンだ。でも当然、僕たちはパフォーマンスを見つけることに大きく急いでいる。アストンマーティンが改善してくることは分かっているし、僕たちは取り残されたくない」

    アストンマーティンは2026年シーズン序盤に苦戦しているものの、昨年は定期的に入賞していたチームであり、2023年には8回の表彰台を獲得していた。キャデラックにとって、その相手と戦えていることは、現実的な比較対象であると同時に開発を加速させる材料にもなっている。

    「彼らと戦うのは楽しい」とペレスは続けた。

    「特にフェルナンドと戦うのはいつも素晴らしいことだ。彼はとてもフェアにレースをする」

    「僕たちはデグラデーションで少し足りなかった。タイヤを少し消耗させすぎていたし、ハードを選んだことについては、振り返ればソフトにしていただろうと思う」

    ペレスは、マイアミで投入したパッケージの理解が今後の鍵になると説明した。次戦カナダに向けて、短期間でデグラデーション問題を整理し、より良い解決策につなげる必要があるという。

    「分析すべきことだが、同時に、このパッケージを理解することがカナダに向けてさらに前進する鍵になる。このパッケージをもっと理解し、より良い解決策を持ち込もうとする必要がある」

    「時間はあまりない。でも短期的にやらなければならないことのひとつは、デグラデーションを修正することだと思う。そこにはいくつかアイデアがある。ただ、そのアイデアをすべてまとめ上げることが、今後数週間でチームにとって最大の作業になる」

    キャデラックにとって、現在の焦点は単にアストンマーティンと争うことではなく、開発曲線で後れを取らないことにある。新規参戦チームとしての評価は一定の水準を保っているが、既存チームがアップデートを重ねる中で、その差を維持するだけでは不十分になる。

    マイアミでのアップグレードは、その第一歩にすぎない。ペレスの発言からは、キャデラックが現状に満足していないこと、そしてタイヤデグラデーションの改善が中団進出への最初の突破口になるという認識が明確に読み取れる。

  • アストンマーティンF1 ホンダPUの振動問題に安堵 アロンソ「消えたと言える」

    アストンマーティンF1 ホンダPUの振動問題に安堵 アロンソ「消えたと言える」

    フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、ホンダがさくらの施設で実施した大規模テストによって、今季序盤からチームを苦しめていたパワーユニット由来の振動問題が解消されたとの見方を示した。

    アストンマーティンは開幕戦オーストラリア以降、ホンダPUの振動問題に悩まされてきた。チーム代表のエイドリアン・ニューウェイは、アロンソとランス・ストロールが「恒久的な神経損傷」を負う危険があったと説明するほど深刻な状況だったが、対策は効果を示し、アロンソは第3戦日本GPで完走を果たした。

    さくらでの検証がマイアミで確認された
    鈴鹿とマイアミの間、アストンマーティンは1台のシャシーを日本に残し、ホンダのさくらの施設へ送って大規模なテストを行った。アロンソは、その結果として振動問題はすでに過去のものになったと考えている。

    「消えた。消えたと言える」とアロンソはメディアに語った。

    「問題を理解できず、ひとつずつ解決できないうちは、次のパフォーマンス向上に信頼を持つのは難しい」

    「だから、さくらで測定した振動が、マイアミのコース上でも確認されたのは安心材料だった。ただ、もちろん僕たちはレースをしている。週末にここへ来て、状況が同じだと分かり、それが今後数か月続くなら、チーム全体で冷静さを保つための作業になる」

    アップグレード投入を急がない理由
    アロンソはさらに、アストンマーティンがマイアミにパフォーマンス関連のアップグレードを持ち込まなかった理由についても説明した。それは「最初からの計画」だったという。

    「それが計画だった。オーストラリア前からそう考えていた」

    「だから今年の序盤は、信頼性の問題とパフォーマンス上の制約があるなかで、2〜3〜4コンマ秒をサーキットに持ち込んでも意味がない。前のマシンとの差が1秒ある以上、それを結果として生かすことはできないからだ」

    「だから戦略を見つける必要があると思う。コストキャップ上の戦略も含めてだ。最初からそういう計画だった」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    信頼性の確認が開発再開の前提に
    アストンマーティンにとって、今回の焦点は単なる不具合解消ではない。振動問題が実戦環境で解消されたと確認できたことで、ようやく次の開発段階に進む前提が整ったことになる。

    アロンソの発言からも分かるように、チームはまだ即座に上位争いへ戻れる状況にはない。現時点では、数コンマのアップデートを投入しても順位に直結しないほど前との差が大きく、限られたコストキャップの中で開発資源をどこに使うかを慎重に見極める必要がある。

    それでも、ホンダPUの振動問題が「消えた」と確認された意味は大きい。アストンマーティンにとって2026年F1シーズン序盤の最大の不安要素が取り除かれたことで、ここからは信頼性の火消しではなく、パフォーマンスをどう取り戻すかが本当の課題になる。

  • F1中東戦消滅の可能性も FIA会長がトルコGP代替案を示唆

    F1中東戦消滅の可能性も FIA会長がトルコGP代替案を示唆

    FIA会長モハメド・ビン・スライエムが、2026年F1シーズンの中東ラウンド開催について深刻な懸念を認めた。イラン戦争の影響で今季のバーレーンGPとサウジアラビアGPはすでに中止となっており、今後はカタールGPとアブダビGPの開催可否にも不透明感が漂っている。

    その中でFIAは、情勢悪化が続いた場合に備え、イスタンブール・パークでのトルコGP開催を現実的な代替案として検討していることを明かした。

    2027年復帰予定だったトルコGPが前倒しの可能性
    トルコGPはすでに2027年から5年間の開催契約を結んでいるとされているが、中東情勢の悪化によって復帰時期が前倒しされる可能性が浮上している。

    モハメド・ビン・スライエムは、カタールGPについて日程変更案も検討していることを認めた。

    「カタールについては、1週間延期して全体を後ろへずらすことも可能だ」

    「そうでなければ、ホモロゲーションが完了し、その他の条件が満たされれば、今年トルコで開催する可能性もある」

    FIAとF1は現在、複数のシナリオを並行して検討しているという。

    FIAは“物流面”とスタッフ負担を重視
    モハメド・ビン・スライエムは、単純に代替地を決めるだけではなく、輸送や運営体制全体への影響も重要な判断材料になっていると説明した。

    「物流面から見れば、最良のシナリオを決定することが重要になる」

    「我々はプロモーターと協議している」

    「最善の選択肢を定義することが重要だ。我々は物事を容易にしようとしているが、スタッフに過度な負担をかけるつもりはない」

    2026年シーズンはすでにバーレーンGPとサウジアラビアGP中止によってカレンダー調整を迫られており、終盤戦にも影響が及ぶ可能性が現実味を帯びている。

    “スポーツより人命” FIA会長が強調
    モハメド・ビン・スライエムは、今回の問題について「モータースポーツより重要なものがある」と強調した。

    「モータースポーツより大きな問題がある」

    「それは我々の生活様式であり、その地域で起きている変化であり、ストレスだ」

    「スポーツは待つことができる。より重要なのは何か? 人々か、モータースポーツか? 常に人々が優先される」

    さらに、湾岸諸国の対応についても言及した。

    「政府指導部の対応について言えば、報復しなかったことは非常に賢明だった」

    「そうしないというのは大きな強さが必要だ」

    F1が中東開催断念の可能性も
    今回の発言で特に注目されるのは、FIA会長が「秋まで戦争が続けば開催できない」と明言した点だ。

    「神に願うが、もし10月や11月まで続くようなら、我々は行くことができなくなる」

    「なぜなら、安全が最優先だからだ」

    F1は近年、中東市場への依存度を急速に高めてきた。だが、2026年は地政学リスクがカレンダーそのものを揺るがす異例のシーズンとなっている。

    その中で、2020年のコロナ禍にも代替開催地として機能したイスタンブール・パークが、再びF1救済役として浮上する可能性が高まっている。

  • ピレリ F1タイヤ供給契約を2028年まで延長へ「市販タイヤ開発にも活用」

    ピレリ F1タイヤ供給契約を2028年まで延長へ「市販タイヤ開発にも活用」

    ピレリは、F1の公式タイヤサプライヤー契約を2028年まで延長するオプションを行使したと報じられている。

    現在の契約は2025年から2027年までを正式期間とし、F1とFIAの合意を条件に2028年まで延長できる条項が含まれていた。Speed Weekによると、このオプションはすでに発動され、ピレリはさらに2029年以降の次期供給サイクルにも入札する意向だという。

    2028年オプションを行使 次期契約にも意欲
    ピレリは2011年からF1の単独タイヤサプライヤーを務めており、今回の延長により、その関係は少なくとも2028年まで続く見通しとなった。

    同社は単なる契約延長にとどまらず、2029年以降もF1に残ることを視野に入れている。タイヤサプライヤーとしての役割は、レース結果に直結する一方で、常に批判の対象にもなりやすい立場だ。

    退任するレーシング責任者のマリオ・イゾラは、F1タイヤをめぐる情報発信の難しさを認めている。

    「タイヤについてポジティブな情報を広めるのは、確かに難しい」

    「だが、舞台裏で行われている仕事について情報を共有することで、それは可能になる」

    F1で得た技術を市販タイヤ開発へ
    イゾラは、F1での活動がピレリの市販タイヤ開発にも影響を与えていると説明した。

    「我々はデジタルツインを活用している。つまり、仮想プロトタイプと物理プロトタイプを並行して開発しているということだ」

    「これはF1で学んだことだ」

    「こうした研究成果は、市販タイヤの開発にも活用できる」

    F1タイヤは、レース週末ごとに戦略、デグラデーション、作動温度域、耐久性が注目されるため、サプライヤーには極めて高い説明責任が求められる。一方で、そこで蓄積される開発手法やシミュレーション技術は、ピレリにとって市販製品へ還元できる重要な資産でもある。

    2028年までの契約延長は、F1とピレリの関係が継続するだけでなく、2029年以降のタイヤ供給体制をめぐる競争の出発点にもなる。ピレリは単独サプライヤーとしての実績を武器に、次の契約サイクルでもF1に残る構えを見せている。

  • 2027年F1エンジン規則“60対40”合意でも残る火種「問題はどう実現するか」

    2027年F1エンジン規則“60対40”合意でも残る火種「問題はどう実現するか」

    F1の2027年パワーユニット規則をめぐり、内燃機関と電動出力の比率を事実上「60対40」へ見直す方向で合意が示された。しかし、この変更はまだ正式な規則化には至っておらず、実現までには技術、政治、予算の各面で大きな障害が残されている。

    FIAは金曜日、関係者の「全会一致」によって、2027年に向けて電動デプロイ出力を約50kW引き下げ、内燃機関出力を約50kW引き上げる方向で一致したと発表した。

    これは、2026年規則で導入された内燃機関と電動の50対50構成から、より内燃機関寄りの60対40構成へ移行することを意味する。

    合意はしたが、まだ規則にはなっていない
    今回の発表で重要なのは、合意されたのが「方向性」であり、まだ競技規則・技術規則として正式に書き込まれたわけではない点だ。

    金曜日の会合はF1コミッションに近い構成で行われたものの、正式なF1コミッションではなかった。今後は技術諮問委員会で詳細が詰められ、その後パワーユニット諮問委員会での承認を経て、最終的に世界モータースポーツ評議会で批准される必要がある。

    つまり、60対40という数字は共有されても、それをどのような技術的手段で実現するのか、どこまで改造を認めるのか、どの範囲を予算上の例外とするのかは、まだ確定していない。

    最大の問題はホモロゲーションの再開
    現行のホモロゲーション済みハードウェアのまま60対40を実現するのは難しいと見られている。そのため、パワーユニットのホモロゲーションを一部開放する必要が出てくる可能性がある。

    内燃機関の出力を上げるには燃料流量の増加が必要になり、それに伴って燃料タンク容量、車体設計、冷却、バッテリー容量、既存コンポーネントの耐久性にも影響が及ぶ。

    アルピーヌのスティーブ・ニールセンは、燃料タンクを大きくする場合、新しいシャシーが必要になると説明している。そうなれば、2027年に現行シャシーを継続するつもりだったチームも、設計計画を見直さざるを得ない。

    「この数週間で多くのレギュレーション変更があった。少し落ち着いてほしい。来年に向けて今後数カ月で大きな変更が始まれば、我々の対応力は限界まで引き伸ばされることになる」とニールセンは語った。

    予算上限と開発優遇措置も火種になる
    大規模なハードウェア変更が必要になれば、各チームの予算上限にも影響する。各チームは当初、2027年に大幅なパワーユニット関連変更が必要になる前提で予算を組んでいない。

    さらに、後方にいるパワーユニットメーカーに追加のテストベンチ時間やアップグレード機会を与えるADUO制度も複雑さを増す。これは本来、競争力を補正するためのキャッチアップ制度だが、60対40規則への準備にも使えるとなれば、単なる救済以上の意味を持つ可能性がある。

    そのため、競争上の利害は一致していない。ドライバーは現行規則の問題を訴えていても、チームやパワーユニットメーカーが同じ立場とは限らない。

    F1 エンジン

    FIAの発表は政治的圧力でもある
    今回のFIA発表は、単なる技術方針の共有ではなく、政治的な意味も持つ。60対40案を公に示すことで、変更に抵抗するチームやメーカーに対し、世論の圧力をかける狙いがあると見る関係者もいる。

    FIAはドライバー側の不満に寄り添う姿勢を強めている。一方で、FOMや一部チーム、メーカーは2026年規則に対して前向きなコメントも残してきた。マッティア・ビノットやトト・ヴォルフは、マイアミ後に現行規則のレース内容を評価する発言をしており、全関係者が同じ危機感を共有しているわけではない。

    だからこそ、今回の「全会一致」という表現には慎重な見方も必要になる。方向性への合意と、実際の規則変更への賛成は同じではない。

    50対50構想の早すぎる後退
    2026年規則は、内燃機関と電動の50対50構成を大きな柱として導入された。しかし、開幕からわずか数戦で60対40への転換が示されたことは、事実上の方針修正と言える。

    マックス・フェルスタッペンやクリスチャン・ホーナーは、2023年の段階から電動比率の高さがレース内容に悪影響を及ぼす可能性を警告していた。ホーナーは当時、内燃機関側に5〜10%寄せれば問題は解決できると述べており、今回の60対40案はその主張に近い方向となる。

    だが、問題は数字そのものではなく、その数字にどう到達するかだ。ある関係者は金曜日の夜、「数字が問題ないとしても、より大きな問題はそこへどう到達するかだ」と語っている。

    2026年は実戦テストのような状態に
    2026年F1は、シミュレーション上で懸念されていた問題を実戦で確認しながら、規則を修正していく形になっている。マイアミに向けた変更は安全面を理由にFIAが強く主導できたが、2027年の60対40化は同じ理屈では進めにくい。

    本来であれば、これほど大きな規則変更にはミュールカーによる事前テストや、2024年から2025年にかけての実走データ蓄積が必要だったのではないかという疑問も残る。4年間のエンジン凍結を前提とするなら、実戦のチャンピオンシップを使って問題点を洗い出す形は、あまりにリスクが大きい。

    60対40への移行は、F1が2026年規則の問題を認め、手遅れになる前に修正へ動いたという意味では前向きな一歩だ。しかし、ホモロゲーション、シャシー、燃料、バッテリー、予算上限、ADUO、メーカー間の利害が絡む以上、合意はまだゴールではない。

    2027年F1エンジン規則の本当の争点は、「60対40にするか」ではなく、「誰が、どの範囲で、どれだけの負担を受け入れて60対40を実現するか」に移っている。