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  • アルピーヌF1 2027年にグッチがタイトルスポンサー就任の可能性

    アルピーヌF1 2027年にグッチがタイトルスポンサー就任の可能性

    アルピーヌF1チームが、2027年シーズンから大きく姿を変える可能性が浮上している。複数の海外メディアによると、現在タイトルスポンサーを務めるBWTとの契約が2026年末で終了予定となっており、その後継候補としてイタリア高級ブランド「グッチ(Gucci)」の名前が急浮上している。

    GPblogは、グッチが新たなタイトルスポンサーとなり、チーム名が「グッチ・アルピーヌ・フォーミュラワン・チーム(Gucci Alpine Formula One Team)」へ変更される可能性があると報道。

    一方、フランスのAUTOhebdoも、アルピーヌがグッチと協議を行っていると伝えており、両報道が一致する形となった。

    BWT時代の終焉で“ピンクのアルピーヌ”は消滅か
    現在の正式名称は「BWT Alpine Formula One Team」。2022年から続くBWTとのパートナーシップによって、アルピーヌは鮮烈なピンクカラーをF1グリッドに定着させてきた。

    BWTは水処理システム企業として知られ、過去にはフォース・インディアやレーシングポイントでも象徴的なピンクカラーを展開。アルピーヌでも強烈な視覚的アイデンティティを構築してきた。

    しかし、その5年契約が2026年末で終了予定となっており、アルピーヌは次の大型スポンサー探しを進めているとみられている。

    そこで浮上したのがグッチだった。

    鍵を握るルカ・デ・メオとケリングの関係
    今回の話題で最大の注目点は、グッチを所有する「ケリング・グループ」のCEOに、元ルノーCEOのルカ・デ・メオが就任している点だ。

    ルカ・デ・メオはルノー時代、アルピーヌF1プロジェクトを強力に推進した中心人物のひとりであり、2024年にはフラビオ・ブリアトーレをF1チームへ復帰させた人物としても知られる。

    AUTOhebdoは、デ・メオが「自動車」と「ラグジュアリー」という自身の2つの情熱を結びつける絶好の機会として、この提携を後押ししている可能性があると報じている。

    つまり今回の構想は、単なるスポンサー契約ではなく、“アルピーヌ再ブランディング計画”として動いている可能性がある。

    グッチがF1参入を狙う理由とは
    グッチ側にとっても、F1は極めて魅力的なマーケットになりつつある。

    特にアメリカ市場では『Drive to Survive』以降、F1人気が急拡大。若年層や富裕層へのリーチ力が強まり、ラグジュアリーブランドとの親和性が急速に高まっている。

    GPblogは、グッチがF1を通じて欧州とアメリカ市場でさらなる成長を狙っていると報道。これは近年、LVMHグループがF1全体との大型契約を進めている流れとも重なる。

    実際、F1パドックでは近年「ファッション化」が急速に進行している。

    ルイス・ハミルトンとディオール、フェラーリとリシャール・ミル、メルセデスとアディダス、マクラーレンとニューバランスなど、F1と高級ブランドの距離は急激に縮まっている。

    その中でグッチが本格参入すれば、“最もラグジュアリー色の強いF1チーム”が誕生する可能性もある。

    アルピーヌは否定せず “協議は常に存在する”
    AUTOhebdoとGPblogはいずれもアルピーヌ側へ取材を行っている。

    チームは提携を否定しなかった一方で、正式発表前の段階として慎重なコメントに留めた。

    「アルピーヌ・フォーミュラワン・チームは常に新たなパートナーシップの機会を模索しており、多くのブランドや企業と協議を行っている」

    「ただし、それらの協議は常に機密扱いであり、すべての関係者間で正式合意された場合にのみ公表される」

    このコメントは事実上、“協議そのものは存在する”ことを否定していない。

    “グッチ・アルピーヌ”誕生ならF1勢力図にも影響か
    もしグッチがタイトルスポンサーとして正式参入すれば、アルピーヌは数千万ドル規模の大型資金を得る可能性がある。

    近年のアルピーヌは成績面で苦戦が続いているが、一方でブランド戦略では大きな転換期を迎えている。

    ピエール・ガスリー自身もジバンシィやラコステのアンバサダーを務めており、すでにチームには“ファッションとの接点”が存在する。

    そこへグッチが加われば、アルピーヌは単なるF1チームではなく、“ラグジュアリーブランド化したモータースポーツチーム”へ進化する可能性がある。

    赤と緑のストライプ、GGロゴ、そしてファッションブランド特有の世界観がF1マシンへ投入されれば、視覚的インパクトは極めて大きい。

    そして、それはF1全体が今後どこへ向かうのかを象徴する動きになるかもしれない。

  • トト・ヴォルフ レッドブルF1の急浮上に驚き「大きなサプライズ」

    トト・ヴォルフ レッドブルF1の急浮上に驚き「大きなサプライズ」

    トト・ヴォルフは、F1マイアミGPでマクラーレンが前進することは予想していた一方で、レッドブルの急激な改善は「大きなサプライズ」だったと語った。

    レッドブルはフロリダでRB22に7つのアップデートを投入。マックス・フェルスタッペンはグランプリ予選でメルセデスのキミ・アントネッリとフロントローを分け合い、スプリントと決勝でいずれも5位を獲得した。

    ヴォルフ「レッドブルは大きなサプライズだった」
    「我々はまだこの新しいレギュレーションサイクルの始まりにいる。開発曲線は非常に急なので、マクラーレンが大規模なアップデートパッケージで、半秒ほどでも稼ぐことは予想していた」とヴォルフは『La Gazzetta dello Sport』に語った。

    「言わなければならないのは、レッドブルが大きなサプライズだったということだ。彼らは非常に大きな前進を果たし、トップから1秒以上遅れていたところから、フェルスタッペンとともに先頭で戦う位置まで来た」

    マクラーレンはランド・ノリスがスプリントポールを獲得し、スプリントでは1-2フィニッシュを達成。決勝でもノリスが2位、オスカー・ピアストリが3位に入り、メルセデスが予想していた通りの前進を見せた。

    一方で、レッドブルの改善幅はパドックの予想を上回った。ローラン・メキースも、日本と中国でポールポジションから1秒以上離されていた状況から、マイアミでは一気に差を縮めたことを認めている。

    「日本を終えた時点で我々はポールから1.2秒遅れ、中国では1.0秒遅れだった」とメキースは語った。

    「だから今週末、金曜日にポールからコンマ6秒差、土曜日にはコンマ2秒以内で予選を終えたことは、我々の進歩の大きさを示す大きな指標だ」

    カナダで続く開発競争
    ヴォルフは、勢力図が今後も変動していくと見ている。

    「我々もカナダで開発を持ち込む。ただ、今年を通じて、レースごとにパフォーマンスが変化するのを見るのは普通のことだと思う」

    マイアミGPは、2026年F1レギュレーション下での開発競争が早くも激化していることを示す週末となった。マクラーレンの前進は予想の範囲内だったが、レッドブルの急浮上はメルセデスにとっても警戒すべき変化となった。

  • デビッド・クルサード F1レースエンジニア論「ドライバーの“心理学者”でもある」

    デビッド・クルサード F1レースエンジニア論「ドライバーの“心理学者”でもある」

    マックス・フェルスタッペンの長年のレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼが、2028年からマクラーレンに移籍することが明らかになるなか、元F1ドライバーのデビッド・クルサードが“ドライバーとレースエンジニアの特別な関係”について語った。

    クルサードは、レースエンジニアの役割は単なる技術サポートではなく、ドライバーの精神面を支える“心理学者”としての側面も持っていると説明。フェルスタッペンが「ランビアーゼ以外とは働きたくない」と過去に語っていた背景にも、その深い信頼関係があるとの見方を示した。

    フェルスタッペンとランビアーゼの関係に再注目
    ジャンピエロ・ランビアーゼの離脱発表は、マックス・フェルスタッペンのレッドブル残留問題にも新たな憶測を呼んでいる。

    フェルスタッペンは以前からランビアーゼとの関係を非常に重視しており、「他のレースエンジニアとは仕事をしたくない」とも受け取れる発言をしていた。

    そのため、2028年からランビアーゼがマクラーレンで競技部門ディレクターに就任することは、フェルスタッペンの将来にも影響を与える可能性があるとみられている。

    「レースエンジニアは心理学者でもある」
    デビッド・クルサードはポッドキャスト「Up To Speed」のなかで、F1におけるレースエンジニアの役割について次のように語った。

    「レースエンジニアというのは、単に車両ダイナミクスや空力、エアロモデル、そしてレースカーのセットアップに必要なあらゆる要素を理解しているだけではない。ある意味では心理学者でもある」

    「なぜなら、シーズン中にはドライバーが最高の状態だと感じる週末もあれば、どん底に感じる週末もある。それは人生の自然な流れと同じだ」

    「だからこそ、背中を押すべきタイミングなのか、少し落ち着かせるべきタイミングなのか、その間にある微妙なバランスを理解していなければならない」

    “絶対的な信頼”が必要な関係
    クルサードはさらに、歴代F1でも名コンビと呼ばれたドライバーとエンジニアの関係性を例に挙げながら、その重要性を強調した。

    「長年にわたって記憶に残るドライバーとエンジニアの名コンビは、この関係性を公に示してきたと思う」

    「この関係が重要であることは明白だ。単なる仕事上の関係以上のものなんだ」

    「そこには絶対的な信頼が必要になる。ドライバーは、自分のレースエンジニアが自分の利益のためにできる限りのことをしてくれていると100%信じなければならない」

    フェルスタッペンとランビアーゼの強固な関係は、近年のレッドブル成功の象徴のひとつだった。そのコンビ解消後、フェルスタッペンが新たなエンジニアとどのような関係を築くのかにも注目が集まりそうだ。

  • F1王者マックス・フェルスタッペン ニュル24時間初挑戦「目標は優勝だけ」

    F1王者マックス・フェルスタッペン ニュル24時間初挑戦「目標は優勝だけ」

    マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、今週末に初参戦するニュルブルクリンク24時間レースに向けて「勝利」を明確な目標として掲げた。

    4度のF1ワールドチャンピオンであるフェルスタッペンは、“地獄のグリーンヘル”として知られるニュルブルクリンクで行われる伝統の耐久レースに、GT3クラスのメルセデスAMG GT3で参戦。ダニエル・ジュンカデラ、ジュール・グーノン、ルーカス・アウアーとともに「Verstappen Racing」名義で総合優勝を狙う。

    フェルスタッペン「成功とは勝つこと」
    フェルスタッペンはレースウィークを前に、初挑戦ながら優勝以外は考えていないと語った。

    「成功とは勝つことだ。それはとてもシンプルなことだと思う。だから僕たちはここにいる。もちろん簡単ではないと分かっているけど、それが目標だ」

    「同時に、この経験そのものも楽しみにしている。チームメイトと1台のクルマを共有して、週末を通して一緒に作業しながら、自分たちに何ができるのかを見てみたい」

    さらにフェルスタッペンは、ニュルブルクリンクというコースそのものが最大の魅力だったと明かした。

    「世界最高のサーキットのひとつだと思うし、ある意味では世界で最もクレイジーなコースだ。だからこそ参戦したいし、勝ちたいと思う特別なレースなんだ」

    “シム育ち”のニュル攻略
    フェルスタッペンは以前からシミュレーターでニュルブルクリンクを走り込んでおり、実車デビュー前から膨大な周回数を重ねていた。

    「僕にとってはシミュレーターがすべての始まりだった。そこでコースを学んだんだ」

    「何千周も走ったし、シムの世界ではここで複数の24時間レースにも出ている」

    「だから初めて実際に走った時も、コースを覚えることやラインを理解することは問題じゃなかった」

    「重要だったのは、新しい縁石やグリップレベルを理解することだった。毎年どこかしら舗装が変わるし、実車特有のGやコンプレッションにも慣れないといけない」

    「でも、シムレースがすぐにペースへ乗る助けになったのは間違いない」

    最大の敵は“ニュルの日常”
    フェルスタッペンは、ニュル24時間で最大の難しさは予測不能な状況そのものだと語る。

    「何が一番難しいかって? 本当に何でもあり得ると思う。トラフィックへの対応もそうだし、クルマに何が起こるかも分からない」

    「天候もそうだ。雨になるかどうかで難易度は大きく変わる。完全ドライなら、リスクを取り過ぎずにできるだけ速く走ることに集中できる。でも週末にどうなるかは分からない」

    「だからこそ24時間レース前に準備レースを走るんだ。トラフィック対応やフラッグ運用、ピットストップ、ドライバー交代、シート交換――そういう部分を実戦で学ぶことができる。短いレースには大きな意味がある」

    “F1王者”から“耐久レーサー”へ
    今回の参戦は、フェルスタッペンにとって単なる話題作りではない。近年はGT3テストやシミュレーター活動を積極的に行っており、将来的な耐久レース参戦への関心は以前からたびたび語ってきた。

    しかも今回は、単なるゲスト参戦ではなく、自身の「Verstappen Racing」名義での本格参戦となる。メルセデスAMG GT3を選択した点も含め、F1とは異なる新たなキャリア構築を見据えた動きとしてパドック内でも注目を集めている。

    ニュルブルクリンク24時間は、GT3世界でも最難関レースのひとつとして知られる。天候急変、多数の周回遅れ車両、夜間走行、そして約25kmに及ぶ超高速コース――フェルスタッペンは、そのすべてを初挑戦で攻略しようとしている。

  • アラン・マクニッシュ アウディF1加入は“即決”「ノーブレイナーだった」

    アラン・マクニッシュ アウディF1加入は“即決”「ノーブレイナーだった」

    アラン・マクニッシュは、アウディの2026年F1参戦プロジェクトの舞台裏で、チーム再編の中心人物として新たな役割を担うことになった。かつてトヨタF1で戦い、その後アウディの耐久レース黄金期を支えた男は、いま“アウディF1の現場責任者”としてパドックに戻ってきた。

    ジョナサン・ウィートリー離脱後の体制変更に伴い、アウディはマッティア・ビノットを頂点とする新マネジメント構造へ移行。

    マクニッシュはレーシングディレクターとして、サーキット現場のオペレーションを統括する役割を担う。自社製パワーユニットによる初年度を迎えるアウディにとって、その意味は極めて大きい。

    “ノーブレイナー”だったアウディF1加入
    アラン・マクニッシュは、アウディF1加入について「断る理由がなかった」と語った。

    「2013年に現役を引退したときにも同じ質問をされた。当時の僕は『チームマネジメントには絶対に関わらない』と言っていたんだ。なぜなら、自分みたいなドライバーを相手にしなければならないからだ。僕自身、自分がどれだけ扱いにくいか知っていたからね」

    「でも現実には、人も人生も変わる。“絶対にない”なんて言わないことだ」

    「僕はこのプロジェクトを初日から知っている。本当に最初の段階から、さまざまな役割で関わってきた。だからメルボルンで初めてあのマシンがレースをする姿を見たときは、本当に特別な瞬間だった」

    「そして電話を受けて話をしたとき、僕にとっては“ノーブレイナー”だった。100%やると決めた。だって初日から関わってきたプロジェクトなんだから、なぜ断る必要がある?」

    アウディF1

    マッティア・ビノットとの役割分担
    マクニッシュは、マッティア・ビノットとの役割分担についても明確に説明した。

    「マッティアはチーム代表でありCEOだ。そして僕はレーシングディレクターになる」

    「つまり彼は、パワーユニット部門とヒンウィルのチーム全体を統括している。彼のパワーユニット経験とチーム代表としての理解を考えれば、それは当然だ」

    「一方で僕は、ここ――つまり現場でのレースオペレーション全体を担当している。同時に、年初から始めたドライバー育成プログラムも引き続き見ることになる」

    「さらに“レジェンズ”というプロジェクトもある。これは将来的な取り組みになるがね」

    「現時点で彼は、僕の仕事を直接行うというよりも、サポート役としてそこにいてくれる。しかも素晴らしいサポートだ」

    アウディF1は“実戦組織”への移行段階
    今回の発言で見えてくるのは、アウディF1が単なる“新規参戦チーム”ではなく、すでに実戦組織への移行段階に入っているという点だ。

    ビノットがヒンウィル本部とパワーユニット開発を統括し、マクニッシュがサーキット運営を指揮する。この分業体制は、メルセデスやフェラーリF1のような大規模ワークス型に近い構造でもある。

    さらにマクニッシュは、若手育成まで担当していることを明かしており、アウディが“長期プロジェクト”としてF1に取り組んでいることも浮き彫りになった。

    2026年のF1は、新レギュレーションと新パワーユニット時代の幕開けになる。その中で、自社PUを投入するアウディにとって、現場経験とメーカー文化の両方を理解するマクニッシュの存在は極めて重要になりそうだ。

  • マクラーレンF1も“マカレナ・ウイング”投入か ザク・ブラウンが示唆

    マクラーレンF1も“マカレナ・ウイング”投入か ザク・ブラウンが示唆

    マクラーレンF1が、F1パドックで大きな話題となっている“マカレナ・ウイング”の開発競争に加わる可能性が浮上した。チームCEOのザク・ブラウンが、回転式リアウイングについて「有益になり得る」と認めたことで、マクラーレンが独自仕様を準備しているとの見方が強まっている。

    フェラーリが今季序盤に試験導入したこのコンセプトは、マイアミGPでレッドブルF1が独自解釈版を投入したことで、一気に注目を集めた。

    RB22には計7つのアップデートが投入され、マックス・フェルスタッペンは予選フロントローを獲得。レッドブルのパフォーマンス改善の象徴として、“マカレナ・ウイング”は一躍トレンド技術となっている。

    ザク・ブラウン「有益になり得る」
    フェラーリがプレシーズンテストで試した回転式リアウイングは、マイアミGPでより完成度を高めた仕様として登場した。

    そこへレッドブルF1も独自仕様を持ち込み、RB22のパフォーマンスは大きく改善。フェルスタッペンは予選でフロントローを獲得し、スプリントと決勝の両方で5位に入った。

    一方、マクラーレンも今季最高レベルの競争力を示し、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリがダブル表彰台を獲得した。

    そのなかでザク・ブラウンは、各チームがこの技術を注視していることを認めた。

    「もちろん見ている。想像できると思うが、すべてのチームがお互いのやっていることを見ている」

    「非常に賢いアイデアだし、我々としても有益になり得ると考えている。だから他チームが使っているのを見ても驚きはない」

    このコメントによって、マクラーレンの技術陣がすでにMCL40への導入を本格検討しているとの憶測が広がっている。

    “マカレナ”リアウイング

    “空力軍拡競争”が再び激化
    回転式リアウイングを巡る開発競争は、2026年F1シーズンの勢力図をさらに接近させる要因になりつつある。

    マイアミGPでは、マクラーレンとレッドブルが揃ってパフォーマンスを改善。メルセデスとフェラーリを含めたトップ4チームの差は、開幕当初よりも明らかに縮まり始めている。

    ブラウンも、グリッド全体の接近を実感している。

    「彼ら(レッドブル)は週末を通して速かった。素晴らしい開発をマシンに投入してきた」

    「フェラーリ、そしてメルセデスもいる。トップ4が形成されている状況だ」

    「オーストラリアと比べてラップタイムを見れば、グリッド全体がどんどん接近しているのが分かる」

    「そう遠くないうちに、以前のような非常に接戦のグリッドに戻ると思う」

    もしマクラーレンF1が今後、“マカレナ・ウイング”を投入すれば、F1の空力開発競争はさらに激化することになりそうだ。

  • フェラーリF1 “ロケットスタート”の代償 小径ターボで最高速不足

    フェラーリF1 “ロケットスタート”の代償 小径ターボで最高速不足

    スクーデリア・フェラーリは、2026年F1シーズン序盤で際立っていた抜群のスタート性能を一部犠牲にする可能性がある。チームは発進加速で大きな強みを見せてきた一方、その要因となっているターボ設計が最高速面で足かせになっていることをデータ上で確認した。

    冬季テストでデビッド・クロフトがフェラーリのマシンを「ロケットランチャー」と表現したように、フェラーリは開幕からスプリントを含めてオープニングラップで合計21ポジションを上げている。

    これはウィリアムズの22ポジションに次ぐ数字だが、ウィリアムズはより後方からスタートする機会が多いという事情もある。

    小径ターボが生んだ発進加速と最高速不足
    フェラーリの好スタートは偶然ではなく、意図的な設計選択によるものだ。モータースポーツ・イタリアによれば、フェラーリはレッドブルやメルセデスの設計より直径が約10mm小さいターボチャージャーを採用している。

    この小径ターボは、グリッド上での準備に必要な負荷を抑え、発進時のレスポンスを高める。また低回転域でのバッテリー充電にも有利に働く。

    しかし、その代償も明確になってきた。フェラーリはデータ上、高回転域で約7馬力を失っていることを確認しており、それが最高速不足につながっている。

    加速を削ってでもストレートでの損失を減らす判断
    フェラーリは今後のエンジン開発において、このターボを「見直す」可能性がある。完全に小径設計を捨てるわけではないが、加速面の優位を少し手放すことで、ストレート全体で失うタイムを減らす方向に進むとみられる。

    これは、単なるパワー不足ではなく、2026年F1パワーユニット特有のエネルギー配分とターボ設計の妥協点をどこに置くかという問題だ。フェラーリはスタートで順位を稼げる一方、レース中の最高速不足によって守勢に回る場面が増えている。

    ハミルトンも指摘したストレート不足
    マイアミGP後、6位でフィニッシュしたルイス・ハミルトンも、フェラーリのストレート不足に言及した。

    「楽しみにしているけど、次のレースまでにドラッグを少し削れるか見ていく必要がある。ストレートで僕たちにはその不足があるから、そこを調べなければならない」

    ハミルトンはレース中にもパワー不足を繰り返し訴えていた。ただし、その原因は内燃エンジンそのものというより、バッテリーやエネルギー使用に関連していた可能性が高い。

    次戦カナダGPは、カレンダーの中でもパワー依存度が高いサーキットのひとつだ。フェラーリにとっては、発進加速という武器を維持するのか、それとも最高速とレース全体の効率を優先するのか、その設計思想が改めて問われる週末になる。

  • レッドブルF1とマクラーレンが非公開協議 ランビアーゼ移籍騒動の内幕

    レッドブルF1とマクラーレンが非公開協議 ランビアーゼ移籍騒動の内幕

    レッドブル・レーシングとマクラーレンの間で、ジャンピエロ・ランビアーゼの移籍を巡る認識の違いが表面化した。ランビアーゼはマックス・フェルスタッペンのレースエンジニアであり、レッドブルでレース部門責任者も務める重要人物だ。

    発端となったのは、マクラーレンがランビアーゼを「チーフ・レーシング・オフィサー」として迎えることを発表した後、マイアミGPでローラン・メキースが「彼は向こうでチーム代表になる」と語ったことだった。

    これに対し、マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは「彼は私の知らないことを知っているらしい」と受け流し、現在のチーム代表アンドレア・ステラへの支持を改めて強調した。

    移籍時期と役職を巡る両チームの温度差
    ランビアーゼの移籍が4月初旬に発表された際、レッドブルは「現在の契約が満了する2028年に退団する」と説明した。一方、マクラーレンは「遅くとも2028年までに」と表現し、一般的な人材移籍と同じように、何らかの妥協によってより早い加入が可能になるという期待をにじませていた。

    この発表はオランダメディアへのリーク後に行われたもので、当初は両チームが協力して公式発表を整え、F1の4月中断期間が終わる前にそれぞれメディア対応も行っていた。その段階では、両者の間に目立った対立はなかった。

    しかしマイアミGPでメキースがスカイスポーツF1に対し、ランビアーゼがマクラーレンでチーム代表になると発言したことで、マクラーレン側は驚かされることになった。

    マクラーレンが否定したステラ退任説
    マクラーレンとステラは、この見方を明確に否定している。ステラはブラウンと同じく長期契約を結んでおり、昨年チームを両選手権制覇へ導く上で中心的な役割を果たした人物で、チームを離れる意向はないとされている。

    マクラーレン側の立場は、ランビアーゼの「チーフ・レーシング・オフィサー」という役職は変わらないというものだ。ランビアーゼは、現在ステラがチーム代表職と兼任している業務の一部を引き継ぐ予定であり、ステラ自身もその兼務を長期的に続けるのは持続可能ではないと考えている。

    マイアミで行われた“空気を清める”話し合い
    レッドブル側にとって、ランビアーゼの退団はここ数年続く「人材流出」の文脈に組み込まれやすいニュースだった。クリスチャン・ホーナー、ヘルムート・マルコ、エイドリアン・ニューウェイ、ロブ・マーシャル、ウィル・コートニーらの離脱に続く動きと見られたからだ。

    一方、マクラーレンの発表文では、近年レッドブルから加入したロブ・マーシャルとウィル・コートニーにも触れており、それがメキースにとって「事実関係を正したい」という思いにつながった可能性がある。

    その結果、マイアミGPの日曜日にブラウン、メキース、レッドブル親会社側のオリバー・ミンツラフがこの件について話し合った。双方は現在、問題は整理されたと受け止めており、ブラウンと前任のホーナー時代に見られたような敵対的な関係に戻るのではなく、敬意あるライバル関係を望んでいる。

    「我々の誰も、この件で言い合いをしたかったわけではない。いつものように良い話し合いができたし、我々は前に進む」とメキースは語った。

    ステラが語った“毒入りビスケット”
    ステラは4月にマクラーレン公式サイトで公開されたインタビューの中で、ランビアーゼを巡る初期の憶測にも触れていた。

    「正直なところ、天文学的な給与や神話のような事前契約に関する最近の噂には笑ってしまった」とステラは語った。

    「通常なら夏前に始まる“シリーシーズン”が、早く到来したように見える」

    「私はこういうことにはかなり慣れているし、笑って受け止めている」

    「まるで嫉妬深いパティシエが、マクラーレンの菓子工房で良いデザート作りを台無しにしようとしたようにも見える」

    「だが、我々は良い材料と毒入りビスケットを見分ける方法をよく分かっている」

    ステラが使う「毒入りビスケットを取らない」という表現は、ライバルからの雑音や揺さぶりに誘惑されないよう、マクラーレン内部に警告する際によく使われるものだ。今回の場合、最初のランビアーゼ移籍リークはマクラーレンやレッドブル・レーシングの直接の内部から出たものではないと見られている。

    その含意は、両チームを不安定にし、さらにステラの古巣であるフェラーリまで巻き込む意図があった可能性だ。ステラは2015年にマクラーレンへ加入する前、フェラーリで長年働いており、同チームの論理的な獲得候補として名前が挙がってきた。

    ランビアーゼ退団が示すレッドブルの世代交代
    ランビアーゼがマクラーレンでどの役職に就くとレッドブルが考えているにせよ、その退団がチームにとって具体的な損失であることは変わらない。フェルスタッペンのレースエンジニアであり、チーム内でより広い職務も担ってきた人物の離脱は、レッドブルにとって小さな変化ではない。

    メキースも「我々が何人かの才能を失ったという事実について、防御的になるつもりはない。それは事実であり、3年か4年にわたって存在してきた」と認めている。

    ただし、メキースとミンツラフは、レッドブルを新たな方向へ進めようとしている。内部再編と外部からの採用を組み合わせ、チームの次世代体制を築く考えだ。

    「ピットレーンで最高の才能を維持し、育成し、引き付けるための環境を作ることは、チームにとって最優先事項だ」とメキースは語った。

    「我々にはすでに、各部門ごとに最高の才能がいると感じている。それはパワーユニット側のベン・ホジキンソンと彼のチームから始まり、シャシー側のピエール・ワシェと彼のチームにも当てはまる」

    「可能なときには、常に内部昇格の方法を探る。我々はここ数年で多くの才能を生み出してきたし、それを誇りに思っている。今後も続けたい」

    「特定のスキルや経験が必要になったときには、ピットレーンにいる親愛なる競争相手のところから獲得しに行く。我々がこれまでそうしてきたように」

    「我々はそのように物事を見ている。まず自分たちの才能に最大のチャンスを与える。そして外部から注入する必要があれば、喜んでそうする」

    人材流出ではなく“役割の再定義”を巡る攻防
    今回の一件は、単なるランビアーゼ移籍話ではなく、レッドブルとマクラーレンがそれぞれ自分たちの物語をどう守るかという攻防でもある。レッドブルにとっては「また有力人材を失った」という印象を薄める必要があり、マクラーレンにとっては「ステラ退任」や「体制変更」という見方を封じる必要があった。

    マクラーレンは、ランビアーゼ加入をステラ体制の強化として位置づけている。一方のレッドブルは、ランビアーゼにとって自チームでは得られない大きな機会だったと説明することで、退団を単なる内部崩壊の証拠として見られることを避けようとしている。

    マイアミでの話し合いによって表面上の火種は収まったが、ランビアーゼが実際にマクラーレンへ加わる2028年までには、両チームの勢力図も役職の意味も変わっている可能性がある。その意味で、この移籍はまだ終わった話ではなく、レッドブルの新世代体制とマクラーレンの王者体制を測る長期的な材料になっていく。

    Source: The Race

  • アストンマーティンF1を支える“ストロール資金”に限界説 中国メーカー参入の現実味

    アストンマーティンF1を支える“ストロール資金”に限界説 中国メーカー参入の現実味

    アストンマーティンF1の財務不安を巡り、中国自動車大手ジーリー(浙江吉利控股集団)による買収観測が広がっている。ローレンス・ストロールによる度重なる資金注入に対し、投資家の不信感が強まりつつあるとされ、中国メーカーによるF1参入シナリオにも注目が集まっている。

    2026年シーズンのアストンマーティンは、トラック上でも深刻な苦戦が続いている。

    ホンダ製パワーユニットの出力不足や振動問題に加え、レース完走すら難しい状況が続き、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはコーナー区間で意図せずバッテリーを温存してしまうほどの性能不足に直面している。

    だが、本当の危機はサーキットの外側にある。

    8度目の“緊急資金注入”で広がる不安
    英テレグラフ紙によると、ローレンス・ストロール陣営は最近、アストンマーティンに追加で5000万ポンド(約106億円)を投入した。上場企業化以降、これで8回目の“緊急資金注入”となる。

    ストロールは2020年の参画以降、事実上アストンマーティンを個人資金で支えてきた。さらに近年は、エイドリアン・ニューウェイ、エンリコ・カルディレ、そしてアウディF1のジョナサン・ウィートリー獲得など、大規模な投資を続けている。

    しかし、その負担は想定を超え始めているとされる。

    報道では、共同投資家の間で「このプロジェクトは本当に成立するのか」という疑念が広がっており、“ローレンス・ストロールが撤退する可能性”まで噂され始めている。

    株式市場でも状況は厳しい。アストンマーティンの時価総額は約4億3000万ポンド(約912億円)まで低下し、一部では「事業継続性そのもの」に疑問符が付けられているという。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ジーリーが“最有力候補”として浮上
    こうした中で名前が浮上しているのが、中国自動車大手ジーリーだ。

    ジーリーは現在、アストンマーティン株の17%を保有しており、これまでも同社の資金調達を支援してきた。関係者の間では、仮にストロールが撤退した場合、既存株主の中で最も買収に動きやすい存在と見られている。

    もし実現すれば、中国メーカーによる本格的なF1チーム所有という新時代が到来する可能性がある。

    さらに、FIA会長モハメド・ビン・スライエムが「中国メーカーによるF1参戦を望んでいる」と公言していることも、この流れを後押ししている。

    BYDも水面下で接触か
    興味深いのは、アストンマーティンに関心を示しているのがジーリーだけではない点だ。

    BYDもF1パドック内で接触を進めているとされ、アストンマーティン、あるいは別チームを通じた参戦ルートを模索しているとの見方が出ている。

    特にレッドブル陣営は、レーシングブルズ売却の可能性を完全には否定しておらず、BYDやジーリーと接触したとの報道も浮上している。

    つまり現在のF1では、「中国メーカーが既存チームを買収して参戦する」という構図が現実的なシナリオとして語られ始めている。

    アストンマーティンF1は“未来への投資”だったはずが…
    本来、アストンマーティンF1プロジェクトは、ニューウェイ加入、新ファクトリー、新風洞、ホンダとのワークス提携によって、“次世代王朝”を築く計画だった。

    しかし現実には、2026年シーズン序盤の時点でマシン性能、PU性能、財務状況のすべてが不安定化している。

    しかも、F1全体では2028年以降のレギュレーション変更やV8回帰議論も進行中であり、巨額投資の回収シナリオそのものが不透明になりつつある。

    その状況で、中国メーカーが“既存チーム買収”という近道を狙うのは極めて合理的な動きとも言える。

    アストンマーティンの危機は、単なる1チームの経営問題ではなく、F1の資本構造そのものが変化し始めている兆候なのかもしれない。

  • メルセデスF1がマクラーレンを“逆研究” PUソフトウェア戦争が激化

    メルセデスF1がマクラーレンを“逆研究” PUソフトウェア戦争が激化

    2026年F1マイアミGPで最も印象的だったのは、メルセデスPU勢の圧倒的な競争力だった。特にマクラーレンのパフォーマンス向上は急激で、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』によれば、その背景には“ソフトウェア制御の理解”があるとみられている。

    興味深いのは、そのマクラーレンの進化を、供給元であるメルセデス自身が分析対象として見始めている点だ。

    現在の2026年F1レギュレーションでは、内燃エンジンと電力エネルギーを高度に統合管理する必要があり、単純なハードウェア性能だけでは差がつかない時代になっている。

    マクラーレンが“本家メルセデス”を上回った理由
    報道によると、メルセデスのエンジニアはカスタマーチームであるマクラーレンに対し、最新仕様PUの運用方法について追加情報を求めているという。特に焦点となっているのは、エネルギーマネジメントを司るソフトウェア面だ。

    皮肉なのは、シーズン序盤にはマクラーレン側が「メルセデスから十分な運用ガイダンスが得られていない」と不満を漏らしていたことだ。

    しかし現在は立場が逆転しつつある。マイアミGPでは、マクラーレンがアップグレードだけでなく、PU制御の理解度でも一歩先に進んだ可能性が指摘されている。

    2026年F1では、50対50の電動・内燃配分により、エネルギー回生、放出タイミング、コーナー進入時のデプロイ制御などが極めて重要になっている。単純な最高出力よりも、“どう使うか”がラップタイムを左右している状況だ。

    フェラーリF1はADUO判断待ち ベルギーGP投入説も
    一方でフェラーリは、FIAが近く下すとみられるADUO(追加開発・アップグレード機会)判断に神経を尖らせている。

    イタリアメディアによれば、現在の基準エンジンは事実上メルセデスであることが明確になっているという。

    ADUOは、性能不足に陥ったPUメーカーに対し、追加開発やアップグレード自由度を与える救済制度だ。補正幅は2〜4%になるとみられており、フェラーリがどこまで修正を許可されるかが焦点になっている。

    さらにイタリア国内では、もしADUO適用が認められた場合、フェラーリが2026年F1ベルギーGPに向けたアップグレードパッケージを準備しているとの報道も出ている。

    フレデリック・バスールは逆転を諦めず
    フェラーリF1代表フレデリック・バスールは、マイアミでメルセデスPU勢が優位に立ったあとも、タイトル争い継続への自信を崩していない。

    「昨年のフェルスタッペンはモンツァ以降から勝負していた」

    そう語ったバスールは、「私はまだ選手権を信じている」と強調した。

    2026年シーズンは、レギュレーション変更直後ということもあり、勢力図が固定化されていない。特にPU制御とソフトウェア運用は、数か月単位で勢力を入れ替える可能性を秘めている。

    ニコ・ロズベルグ「フェラーリはあと一歩」
    2016年F1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグも、フェラーリの完全復活は近いとみている。

    「勝利のために何かが足りないが、昨年と比べれば素晴らしい仕事をしている」

    「彼らは近いうちに再びグランプリで勝つようになると思う」

    さらにロズベルグは、2025年シーズン序盤に苦戦していたルイス・ハミルトンについても、「ようやく適応できたように見える」と評価した。

    2026年F1の戦いは、単なるマシン開発競争ではなく、“ソフトウェア戦争”の色合いを急速に強めている。マクラーレンが示した進化は、その象徴と言えるかもしれない。