カテゴリー: ジョージ・ラッセル

  • ジョージ・ラッセル F1王座争いで59点差も「信念と自信」を失わない理由

    ジョージ・ラッセル F1王座争いで59点差も「信念と自信」を失わない理由

    メルセデスのジョージ・ラッセルは、2026年F1世界選手権のタイトル争いで首位から59ポイント差まで後退した。それでも逆転への「信念と自信」を保つうえで、長年取り組んできたスポーツ心理学が大きな助けになっていると語った。

    開幕前には、メルセデスのラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリによる一騎打ちになるとの見方も多かった。しかし、メルセデスは信頼性トラブルに何度も見舞われ、ラッセル自身も一部の週末で苦戦。

    さらにフェラーリ、マクラーレン、レッドブル・レーシングが開発競争で差を縮め、ルイス・ハミルトンもタイトル争いに加わっている。

    アントネッリ6勝に対してラッセルは2勝
    2026年シーズンは11戦を終え、ラッセルはドライバーズランキング3位。2位ハミルトンとの差は9ポイントだが、首位アントネッリには59ポイント差をつけられている。

    今季ここまでアントネッリが6勝を挙げているのに対し、ラッセルは2勝。メルセデスがシーズン序盤に持っていたパフォーマンス面での優位も縮小しており、タイトル獲得への道のりは開幕当初に想定されていたものより厳しくなった。

    それでもラッセルは、精神面で状況に飲み込まれないための準備を以前から続けている。スポーツ心理学者と仕事を始めたのは2020年であり、今回のタイトル争いをきっかけに新たに取り組み始めたものではない。

    「これは助けになっている。でも、自分に何ができるのかを思い出すことも助けになる」

    ラッセルは自身のキャリアを振り返ることが、自信を維持する方法のひとつだと説明する。

    「自分のキャリアについて考えるとき、成功したことを考える。自分に何ができるのかを思い出すんだ」

    「それが僕に信念と自信を与えてくれる」

    心理学者との取り組みは「苦しい時」のためだけではない
    スポーツ心理学というと、不振やプレッシャーを乗り越えるためのものという印象もある。しかしラッセルにとって、その役割はもっと広い。

    自身の能力を最大限に引き出すだけでなく、一緒に働く人々との関係、F1のレース週末で受けるプレッシャーへの対処、長いシーズンを通じたエネルギー管理にも役立てているという。

    「これは、自分自身から最大限を引き出すためのものだった。それだけじゃなく、一緒に仕事をしている人たちからどう最大限を引き出すか、レース週末のプレッシャーにどう対処するのがベストなのか、あるいはシーズンを通して自分のエネルギーをどう管理するのがベストなのかということにも役立っている」

    「必ずしも、本当に苦しい時期を乗り越えるためだけのものではない。もちろん、そういう時にも大きな助けになるけどね」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    婚約者カルメンやヴォルフら周囲の支え
    ラッセルは心理学者だけでなく、自身を取り巻く人々の存在も精神的な支えになっていると強調した。

    そのひとりが、最近婚約したカルメン・モンテロ・ムントだ。また、メルセデスの若手育成プログラムを率いてきたグウェン・ラグルー、そしてメルセデスF1チーム代表兼CEOのトト・ヴォルフの名前も挙げている。

    「僕は本当に恵まれている。近くに素晴らしい人たちがいるからね」

    「僕のガールフレンド、今は婚約者だけど、カルメン、それからグウェン、トト。こういう人たちが僕を支えてくれている」

    59ポイント差でもタイトルを諦めないラッセル
    11戦終了時点での59ポイント差は小さくない。さらに今季のF1はマシン開発による勢力図の変化が激しく、メルセデスが序盤の優位を取り戻せる保証もない。

    一方で、シーズンはまだ後半戦を残しており、タイトル争いを決定づけるには早い段階でもある。ラッセルにとって重要なのは、現在のポイント差だけを見るのではなく、過去に自分が発揮してきた能力を思い出しながら、自身のパフォーマンスを最大化することだ。

    アントネッリが6勝を挙げてランキング首位を走り、ハミルトンにも先行を許しているラッセル。それでも、2020年から続けてきたメンタル面での取り組みと周囲の支えを武器に、2026年F1タイトルへの「信念と自信」を失わず後半戦に臨む。

  • ジョージ・ラッセル メルセデスF1初戦の代償「今も腰に傷跡が残っている」

    ジョージ・ラッセル メルセデスF1初戦の代償「今も腰に傷跡が残っている」

    ジョージ・ラッセルは、2020年F1サヒールGPでメルセデスから急きょ参戦した際、体に大きな負担を強いられ、5年以上が経過した現在も腰に「傷跡」が残っていることを明かした。

    当時ウィリアムズからF1に参戦していたラッセルは、メルセデスと契約を結ぶ育成ドライバーでもあった。ルイス・ハミルトンが新型コロナウイルス検査で陽性となったため代役に抜擢されたが、参戦決定から走行開始までほとんど準備時間がなく、自分の体格に合わないコックピットでレースを戦うことになった。

    ハミルトンより約13cm長身 急造のコックピット
    ハミルトンの欠場が正式に発表されたのは2020年12月1日。サヒールGPの週末が始まるわずか3日前だった。

    ラッセルは自身のシートを使用することができたものの、そのモールドは3年前に製作されたものだった。さらにレーシングブーツも通常より1サイズ小さいものを履かなければならなかったという。

    ラッセルはハミルトンより約5インチ(約13cm)身長が高く、本来ならコックピットを体格に合わせて調整する必要があった。しかし、突然の代役決定だったため十分な改修を行う時間はなかった。

    それから5年半以上が経過した現在、ラッセルはSAPのYouTubeチャンネルで当時を振り返り、その影響が今も残っていると明かした。

    「今でも腰に傷跡が残っているんだ」

    準備不足でもボッタスに0.03秒差
    十分な準備ができない状況にもかかわらず、ラッセルは予選でメルセデスのレギュラードライバーだったバルテリ・ボッタスに0.03秒未満まで迫った。

    決勝ではスタートで首位に浮上。87周のレースで61周目まで勝利を狙える位置を走り、メルセデスでのF1初戦でいきなり優勝する可能性が見えていた。

    しかし、その後に状況は一変する。

    バーチャル・セーフティカー(VSC)下で行われたピットストップで、メルセデスは誤ってボッタス用のタイヤをラッセルのマシンに装着。規則上そのまま走行することはできず、ラッセルは再びピットに戻ることを余儀なくされた。

    それでもラッセルは追い上げ、2番手まで順位を回復した。ところが今度はコース上のデブリを踏んでタイヤがパンクし、再度のピットストップを強いられた。

    「どうしてこんな一連の出来事が起きたのか、本当に理解できなかった」

    「ピットストップでミスが起きて、『これはまったく良くない』と思った。でも、そこから挽回して、少なくとも2位、たぶんまだレースに勝てる位置まで戻っていたんだ」

    「感情がめちゃくちゃだった」初勝利を逃したサヒールGP
    ラッセルにとって、さらに受け入れ難かったのがパンクだった。当時、それまでのレースキャリアでほとんど経験したことのないトラブルだったという。

    「そしてパンクした。あの時点までキャリアで一度もパンクしたことがなかったんだ。今では150戦以上レースをしているけど、それ以降もパンクしたことがあったか分からないくらいだ」

    「だから、どうしてあんな出来事が次々と起きたのか、本当に理解できなかった」

    「感情がもう、めちゃくちゃだったよ」

    最終的にラッセルは9位でフィニッシュ。F1初優勝は逃したものの、急きょ乗り込んだメルセデスで見せた速さは、その後のキャリアを大きく左右するパフォーマンスとなった。

    ラッセルは最終戦アブダビGPでウィリアムズに復帰し、2021年も同チームから参戦。そして2022年、メルセデスのレギュラードライバーに昇格し、ハミルトンのチームメイトとなった。

    メルセデス昇格につながった忘れられない一戦
    2020年サヒールGPは、結果だけを見ればラッセルにとってわずか2ポイントに終わったレースだった。しかし、体格に合わないマシンと装備、ほとんど準備時間がない状況でボッタスと互角の速さを示し、決勝では勝利目前まで迫った。

    ピット作業の混乱とパンクによって初優勝こそ逃したが、この一戦はラッセルがトップチームでも戦えることを強く印象づけたレースとして、その後も語り継がれている。

    そして、その過酷さを物語るものが今も本人の体に残っている。メルセデスでのF1初戦から5年以上が経った現在も、ラッセルの腰には急造のコックピットで戦った際の「傷跡」が残っているという。

  • ジョージ・ラッセルが婚約 F1パドックから祝福 アントネッリらも反応

    ジョージ・ラッセルが婚約 F1パドックから祝福 アントネッリらも反応

    メルセデスF1のジョージ・ラッセルが、長年交際してきたパートナーのカルメン・モンテロ・ムントとの婚約を発表した。夏休み中にビーチでプロポーズしたとみられ、F1関係者から相次いで祝福のメッセージが寄せられている。

    ラッセルは自身のSNSに婚約指輪と白いハートの絵文字だけを添え、4枚の写真を投稿。写真にはビーチに設けられたキャンドルライトのディナーの様子が収められており、そこでムントにプロポーズしたとみられる。

    2020年から交際を続けるラッセルとカルメン
    ラッセルとムントは共通の友人を通じて知り合い、2020年初頭から交際を開始した。以来、ムントはF1のグランプリ週末にも頻繁に姿を見せ、ラッセルを支えてきた。

    スペイン出身のムントは18歳で高等教育を受けるためイギリスへ移住。ウェストミンスター大学でビジネスマネジメントとファイナンスの学位を取得し、金融業界でキャリアを築いてきた。また最近では、スキンケアブランド「Barriers」を立ち上げている。

    ラッセルは以前から、ムントが自身のレース人生において重要な存在であることを公言していた。

    2026年6月の『The Times』のインタビューでは、ムントとの関係について次のように語っている。

    「カルメンはレースに関して僕に安定をもたらしてくれるし、レースから切り離してくれる存在でもあります」

    さらに結婚の可能性を尋ねられると、ラッセルは将来をともにする意思を明確にしていた。

    「間違いなく彼女は僕の未来です。だから、いずれは(結婚することを)願っています。来週ということはないけど、5年以上先ということもない。その間のどこかですね」

    その発言から約2カ月後、ラッセルは実際に婚約を発表することになった。


    アントネッリやガスリーらF1関係者が祝福
    ラッセルの投稿には発表直後から多くの反響が寄せられ、メルセデスのチームメイトであるアンドレア・キミ・アントネッリも祝福した。

    「2人ともおめでとう!」

    さらにピエール・ガスリーをはじめ、メルセデス、ウィリアムズ、F1公式、アレクサンダー・アルボンの婚約者リリー・ムニ・ハーらも祝福のメッセージを送った。

    Motorsport.comによると、投稿は記事執筆時点ですでに64万5000件以上の「いいね」、2万件のコメント、3万7000件以上のリポストを記録しており、大きな反響を呼んでいる。

    ラッセルは今回、長年にわたって自身を支えてきたムントとの新たな一歩を踏み出した。夏休みを終えれば、今月末のF1オランダGPから再びタイトル争いに臨むことになる。

  • ジョージ・ラッセルのアウディF1移籍をシュタイナー予想「新たな機会を探している」

    ジョージ・ラッセルのアウディF1移籍をシュタイナー予想「新たな機会を探している」

    メルセデスF1のジョージ・ラッセルが、2028年にアウディF1へ移籍する可能性がある――。そんな見方を示したのは、元ハースF1代表のギュンター・シュタイナーだ。

    アンドレア・キミ・アントネッリの急成長によってメルセデス内の勢力図が変わるなか、ラッセルは長期的な将来を見据えて新たな選択肢を探しているのではないかと分析した。

    シュタイナー「ラッセルは新たな機会を探している」
    シュタイナーは『The Red Flags Podcast』で、アウディF1には2028年に向けて多くのドライバーが関心を寄せていると語った。

    「2028年にアウディへ行きたいと考えているドライバーはたくさんいる。来年のラインアップはほぼ固まっているが、2028年には可能性があるかもしれない」

    アウディF1のプロジェクトについても、高く評価している。

    「彼らは順調に前進しているように見えるし、計画どおり進んでいるようだ。候補者はかなり多いだろう。カルロス(・サインツJr.)は間違いなくその一人だ」

    そして、ラッセルについて次のような見方を示した。

    「ジョージも今は周囲を見渡していると思う。キミと組むことになった今、彼は一生キミと同じチームで過ごしたいとは思っていないはずだ。そこにいれば、自分の立ち位置がずっと決まってしまうことも分かっている。だから新たな機会を探しているんだ」

    アントネッリの台頭が将来に影響?
    2026年シーズン前半、アントネッリは中国GPや日本GPでの勝利を含む快進撃を見せ、史上最年少でドライバーズランキング首位に立った。夏休み前の時点で219ポイントを獲得し、169ポイントのルイス・ハミルトン、160ポイントのラッセルを上回っている。

    ラッセルも安定したパフォーマンスを見せているが、チーム内ではアントネッリの存在感が急速に高まっている。さらに、マックス・フェルスタッペン獲得の噂もたびたび浮上しており、メルセデスでの将来的な立場を巡る憶測は絶えない。

    アウディ F1

    アウディF1で中心人物となる可能性
    シュタイナーの見立てでは、アウディF1はラッセルにとって魅力的な新天地となり得る。

    アウディは2026年からザウバーを完全買収し、マッティア・ビノットの下でワークス体制を構築。2022年から独自パワーユニットの開発も進めており、長期的なプロジェクトへの期待は大きい。

    メルセデスではアントネッリとの競争が続く一方、アウディF1へ移籍すれば、ワークスチームの中心ドライバーとして新たな時代を築く役割を担える可能性がある。

    もちろん、これは現時点ではシュタイナー個人の見解に過ぎず、ラッセルの移籍を裏付ける事実はない。それでも、2028年に向けたドライバー市場を考えるうえで、興味深いシナリオの一つとして注目を集めそうだ。

  • メルセデスF1代表が警告「タイトル争いで問題を起こせばドライバーを降ろす」

    メルセデスF1代表が警告「タイトル争いで問題を起こせばドライバーを降ろす」

    メルセデスF1のチーム代表トト・ウォルフは、2026年のF1タイトル争いが激化するなか、キミ・アントネッリとジョージ・ラッセルに対し、2014年から2016年にかけてのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグのようなチーム内抗争は二度と許さないと明言した。

    現在、メルセデスは2016年以来となるチーム内での本格的なドライバーズタイトル争いを迎えている。

    ランキング首位のアントネッリとラッセルがタイトルを争う一方、フェラーリのルイス・ハミルトンもその間に割って入る構図となっている。

    「二度と同じ過ちは繰り返さない」と断言
    2014年から2016年にかけて、メルセデスではハミルトンとロズベルグのライバル関係が激化し、コース上だけでなくチーム内でも緊張が高まった。その経験を踏まえ、ウォルフは同じ状況を再び招くつもりはないと強調した。

    RacingNews365の取材に対し、ウォルフはチーム内対立が再発する可能性について次のように語った。

    「私はそんなことは絶対に許さない」

    「そんなことは二度と私の下では起こらないし、チームでも起こらない。シンプルな話だ。もしそんなことをするドライバーがいたら、私はそのドライバーを降ろす」

    ウォルフはこれまでも、ハミルトンとロズベルグのタイトル争いからメルセデスは多くを学んだと語ってきた。ただし同様の発言は2015年シーズン開幕前にも行われており、その後も両者の関係はさらに悪化していた経緯がある。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ラッセルの不運がポイント差拡大の一因
    現時点ではアントネッリがランキング首位を59ポイント差でリードしているが、ウォルフはこの差が実力だけによるものではないと考えている。

    ラッセルは今季、マシントラブルやセーフティカーのタイミングなど、不運に見舞われるレースが続いており、ポイント差は実際以上に広がっているとの見方を示した。

    ハンガリーGPでもラッセルはスタート時のシステムトラブルに苦しんだ。ウォルフはSky Sports F1に対し、チームの責任を率直に認めた。

    「またしてもジョージのスタートを台無しにしてしまった。これは受け入れられない。我々として十分ではない」

    青旗混乱にも不満「満足できる一日ではなかった」
    ウォルフはハンガリーGPで発生した青旗運用の混乱にも言及した。自動青旗システムの不具合により各チームがドライバーへの情報共有に苦戦したことについて、他チームのエンジニアを「テレタビーズ」と皮肉った発言にも触れ、レース全体への不満を隠さなかった。

    「全体として、今日の状況にはまったく満足していない」

    「でも気持ちが落ち着けば、ドライバーズ選手権では夏休み前にしっかりとしたリードを築けたし、コンストラクターズ選手権でも良い差をつけられていることを実感できるだろう」

    「それは速いマシンと素晴らしいチームのおかげだ。VSCのタイミングのように運が悪かった場面もあったが、信頼性という点ではまだ十分とは言えない」

    メルセデスはドライバーズ、コンストラクターズの両タイトル争いで優位な立場を維持している。しかしウォルフは、チーム内の規律とマシンの信頼性を維持することが、悲願のダブルタイトル獲得に向けた最大の課題だと位置づけている。

  • 「トップ・オブ・ザ・パック」説は誤り メルセデスF1がラッセル失速の真因を説明

    「トップ・オブ・ザ・パック」説は誤り メルセデスF1がラッセル失速の真因を説明

    ジョージ・ラッセルのF1ハンガリーGPでのスタート失敗について、メルセデスが当初の見解を修正した。レース直後には2026年型パワーユニット特有の「トップ・オブ・ザ・パック(Top of the Pack)」現象が原因と考えられていたが、その後の詳細な解析により、実際にはグリッド上での回転数制御(レブコントロール)の異常だったことが判明した。

    このトラブルによりラッセルはスタートでアンチストールが作動し、大きく出遅れた。それでも最後尾近くから追い上げて7位まで挽回したが、タイトル争いでは再び痛いポイントロスとなった。

    「トップ・オブ・ザ・パック」説が浮上した理由
    レース直後、ラッセルはマシンがスロットル操作に反応しなかったと説明していた。

    「アクセルを踏んで回転数を維持していたんだけど、スタートの約4秒前に突然エンジン回転が勝手に上下し始めたんだ」

    「僕はスロットルを調整して対応しようとしていたけど、まったく反応しなかった。エンジンがスロットル入力に応答していなかった」

    チーム代表のトト・ヴォルフも当初は異常な挙動を認めていた。

    「約10%のスロットル開度で突然エンジン回転が最大まで上がり、その後アクセルを戻すと今度は失速した。こうしたミスがあまりにも多いことには本当に満足していない」

    これらの症状から、チーム内では2026年型パワーユニット特有の「トップ・オブ・ザ・パック」現象が発生した可能性が疑われた。クールダウンルームで映像を見たアンドレア・キミ・アントネッリも、当初は同じ見解を示していた。

    「トップ・オブ・ザ・パック」とは何か
    「トップ・オブ・ザ・パック」は、2026年F1マシンの複雑なスタート手順で発生する可能性がある現象だ。

    ドライバーはスタート前に数秒間エンジンを高回転で維持し、排気エネルギーを蓄えてターボを立ち上げる必要がある。これは発進直後、時速50kmまではMGU-Kによる電力アシストが使用できないため、その間の加速性能を確保する狙いがある。

    しかし、この間にバッテリーが満充電状態、いわゆる「トップ・オブ・ザ・パック」になると、MGU-Kがエンジンへ負荷をかけられなくなる。その結果、ターボが十分に立ち上がらず、エンジン回転だけが急上昇し、燃料流量やスロットル開度が制限されて正常なスタートができなくなることがある。

    マクラーレンのパフォーマンス担当テクニカルディレクター、マーク・テンプルは以前、この仕組みについて次のように説明していた。

    「ターボはエンジンに負荷がかかっている方がうまく立ち上がる。停止状態で空ぶかししても十分な負荷は得られない」

    「MGU-Kはエンジンに負荷を与えながらバッテリーを充電できるが、バッテリーが満充電になるとその負荷をかけられなくなり、ターボも十分に立ち上がらなくなる」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    実際の原因は回転数制御の異常
    しかし、メルセデスがレース後に実施した詳細なデータ解析により、「トップ・オブ・ザ・パック」説は否定された。

    実際には、グリッド上でエンジン回転数を一定に保つレブコントロール機能に異常が発生し、回転数が大きく変動していたことが原因だった。

    ラッセルはその変動を抑えようとスロットル操作を繰り返していたが、不運にもスタートシグナルが消えた瞬間のスロットル開度は約10%しかなかった。そのため十分な駆動力を得られず、アンチストールが作動してしまった。

    また、今回の問題にはハンガロリンク特有の長いスタートシーケンスも影響した可能性がある。ハンガリーGPでは青色ライト点灯から赤シグナル消灯まで約13秒を要し、前戦ベルギーGPの約10秒より長かった。

    ラッセルは、チーム全体で原因究明を進めていると語った。

    「もちろん問題は起きているけど、チーム全員が同じように悔しがっている。僕と同じくらい腹を立てているよ」

    「自分たちに原因がないのか、こうしたミスにつながる要素がないのかを徹底的に見直さなければならない」

    「こんなシーズンは僕のキャリアで経験したことがない。F1だけでなく、レース人生全体を通じても初めてだ」

    今回の解析により、メルセデスはラッセルのスタート失敗が当初疑われた「トップ・オブ・ザ・パック」現象ではなく、回転数制御システムの異常によるものだったと結論づけた。2026年の新レギュレーション下ではスタート手順が極めて複雑化しており、わずかな制御の乱れがレース全体を左右することを改めて浮き彫りにした。

  • ジョージ・ラッセル F1ハンガリーGPスタート失速「エンジン回転が勝手に上下」

    ジョージ・ラッセル F1ハンガリーGPスタート失速「エンジン回転が勝手に上下」

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1ハンガリーGP決勝のスタートで大きく順位を落とした原因について、スタート直前にエンジン回転数が異常な挙動を示し、アンチストール(エンスト防止機能)が作動したためだったと明かした。

    6番グリッドからスタートしたラッセルは、シグナル消灯と同時にマシンが加速せず、一気に最後尾まで後退。それでも見事な追い上げを見せて7位まで挽回したが、またしてもメルセデスの技術的トラブルに見舞われる結果となった。

    スタート直前にエンジンが異常な挙動
    ラッセルによると、異変はスタートシグナルが消灯する約4秒前に発生したという。

    「回転数を維持するためにアクセルを踏んでいたんだけど、スタートライトが消える4秒くらい前に、突然エンジン回転が勝手に上下し始めたんだ」

    「アクセルで調整しようと反応していたけど、まったく効かなかった。つまりエンジンがアクセル操作に反応していなかったんだ」

    その結果、クラッチをつないだ瞬間にマシンは失速し、アンチストールが介入。一気に最後尾付近まで後退した。

    レース後、同様のトラブルを経験したことがあるかと問われたラッセルは、新品のパワーユニットで発生した予期せぬ問題だったと説明した。

    「いや、初めてだ。今回は新品のエンジンだった。プレシーズンテストで似たような症状を見たことはあったと思う。でも詳しい原因は分からない」

    トト・ヴォルフ「ミスが多すぎる」
    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフも、エンジン制御の異常が原因だったことを認め、チーム側の度重なるトラブルに強い不満を示した。

    「またジョージに問題が起きてしまったようだ」

    「10%ほどアクセルを開けたところでエンジン回転が最大まで跳ね上がり、その後アクセルを戻すと今度は失速した。こうしたミスがあまりにも多すぎることに、本当に満足していない」

    「それがスタートで順位を落とした理由だ。その後は非常にいいレースをした。トラフィックをうまく処理し、獲得可能だった最大限の結果を持ち帰ったと思う」

    「失望する段階は過ぎた」
    ラッセルはレース後、自身の2026年シーズンについて「失望する段階はもう過ぎた」と率直な心境を語った。

    「毎回起こることにいちいち失望していたら、毎日失望し続けることになる。だから前向きでいようとしている」

    「また技術的な問題でレースが完全に台無しになってしまった。でもポジティブな点もある」

    「レースペースは本当に良かった。チームからも誰にも引けを取らないペースだったと言われた。そんな感触はここ2〜3戦はなかったからね」

    「そこは前向きに受け止めたい。でも今シーズンに起きたことを並べていくと、本当に信じられないくらいだ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    不運が続く2026年シーズン
    今回のトラブルは、ラッセルにとって今季続く不運の新たな一例となった。

    前戦ベルギーGPではオープニングラップで電力デプロイメントに問題が発生して順位を落とし、その後ルイス・ハミルトンとの接触も喫した。

    さらに今季は、カナダGPで首位走行中のパワーユニット故障、モナコGPで本来受ける必要のなかったピットレーン速度違反によるドライブスルーペナルティ、シルバーストンでのストレートスピード不足、日本GPでバーチャルセーフティカーのタイミングに勝利のチャンスを阻まれるなど、不運が続いている。

    それでもハンガリーGPでは最後尾付近から7位まで追い上げ、メルセデスW17のレースペースには確かな手応えを得た。チームはスタートトラブルの原因究明を急ぐとともに、後半戦に向けて信頼性の改善が求められる。

  • ジョージ・ラッセル F1ハンガリーGP予選で水漏れ「タイヤに水鉄砲を撃たれていた」

    ジョージ・ラッセル F1ハンガリーGP予選で水漏れ「タイヤに水鉄砲を撃たれていた」

    ジョージ・ラッセルは、2026年F1第11戦ハンガリーGP予選でメルセデスW17に発生した水漏れについて、「タイヤに水鉄砲を撃たれているような状態だった」と明かした。

    メルセデスは原因がターン4の縁石を乗り越えた際に発生した可能性が高いと説明し、決勝に向けてパワーユニットを今季4基目へ交換したことも明らかにした。

    ラッセルは予選で7番手を獲得したものの、セッション終了後にマシンをコース脇へ停止。今季はベルギーGPでのソフトウェア不具合に続く信頼性トラブルに見舞われたが、決勝では金曜日に示したロングランのパフォーマンスを生かして挽回を狙う。

    ターン4の縁石で水漏れ発生
    メルセデスはハンガリーGPの週末を通じ、1周の速さでフェラーリやマクラーレンに後れを取っていた。オーバーテイクが難しく、予選順位が重要となるハンガロリンクで、ラッセルはQ3最初のアタックで7番手につけた。

    ラッセルは最後のアタックへ向かったが、ターン13でマックス・フェルスタッペンがスピンしたことで黄旗が提示され、タイム更新を断念。そのまま7番手で予選を終えた。

    しかし、チェッカーフラッグ後にマシンの異常が発生し、メルセデスからマシンを停止するよう指示を受けたラッセルはターン1付近でW17を止めた。

    予選後、ラッセルは水漏れが発生していたことを明かした。

    「水圧を失って、水漏れが起きていた。コース上で止まったときには、マシンから大量の水が漏れていた」

    「どこから漏れたのかはまだ分からない。明日に影響しないことを願っている」

    その後、メルセデスの調査により、水漏れはターン4で縁石を大きく乗り越えた際に発生した可能性が高いことが判明した。

    チーム代表のトト・ウォルフは次のように説明した。

    「ジョージは水漏れで運が悪かった。期待外れのセッションだった」

    「水漏れは縁石に乗った際に発生したようだ」

    「タイヤに水鉄砲を撃たれていた」
    ラッセルによると、水漏れは最後のアタックにも影響を及ぼしていたという。

    「大きな影響はなかったと思う。ただ、水漏れがあって、タイヤ温度のデータを見ると、最後のラップではタイヤに水が噴きかかっていた。だから最後のラップはひどいものだった」

    「おそらく、それには理由があったと思う。タイヤに水鉄砲を撃たれているような状態だったからね。それでグリップが増えるわけではない」

    水がどのタイヤにどの程度かかっていたかは明らかにされていないが、タイヤ表面の温度を下げ、グリップ低下を招いた可能性がある。

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    予選ペース不足はタイヤの課題
    ラッセルは、水漏れだけが7番手という結果の原因ではないと認めた。

    メルセデスは今週末を通して予選でタイヤを適切な作動温度まで持っていくことに苦戦しており、それが1周のパフォーマンス不足につながっていたという。

    「実際のところ、今週末はずっとペースがなかった」

    「レースペースではかなり強そうに見えている。予選用セットアップと決勝用セットアップの間で正しいバランスを取れたのか。それが明日になれば分かると思う。今日は一日中、タイヤを作動させるのに苦労していた」

    さらに金曜日のデータを踏まえ、決勝への期待も口にした。

    「昨日は予選シミュレーションではもっと差があったけど、レースペースでは僕たちが最速だった。つまり問題はマシンというよりタイヤにあるということだと思う」

    「予選仕様に振ればもっと速いマシンにできたかもしれない。でも、その代償として決勝のパフォーマンスを失っていただろう」

    「明日になれば、そのバランスが正しかったか分かる。このサーキットではオーバーテイクはとても難しいから、もっと前からスタートできれば良かった」

    今季4基目のPU投入 夏休み明けの降格リスクも
    メルセデスは予選後、ラッセルのパワーユニットを今季4基目へ交換したことを明らかにした。

    規定の使用枠内での交換となるため、今回の交換によるグリッド降格ペナルティは科されない。

    しかし、今後5基目の内燃エンジン(ICE)を投入した場合は、自動的にグリッド降格ペナルティを受けることになる。

    アンドレア・キミ・アントネッリもすでに4基目のパワーユニットを使用しており、メルセデス勢は夏休み明け以降のどこかでエンジン交換による降格を強いられる可能性が高まっている。

    ラッセルは現在、ランキング首位のチームメイトであるアントネッリに50ポイント差をつけられている。一方で、アントネッリは予選後に黄旗区間で十分に減速しなかったとして3グリッド降格処分を受けたため、ラッセルは決勝を6番グリッドからスタートすることになった。

    水漏れという新たなトラブルに見舞われたメルセデスだが、決勝ではロングランで示した競争力を生かし、上位進出を目指すことになる。

  • メルセデスF1代表 チームオーダー方針を明言「勝利は奪わない」

    メルセデスF1代表 チームオーダー方針を明言「勝利は奪わない」

    メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、ベルギーGP後にチームオーダーに対する現在の方針を明かし、ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリのどちらが前を走っていても「勝利を奪うことはしない」と強調した。

    一方で、スペインGPでの反省を踏まえ、両ドライバーが互いに時間を失うような争いは今後も避ける方針を継続する考えを示しており、ドライバー同士の自由なバトルとチーム全体の利益のバランスを重視する姿勢を打ち出した。

    スペインGPの教訓で「ヨーヨー状態」を禁止
    ベルギーGPでは、メルセデスはジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリに対し、いわゆる「ヨーヨー状態(互いに抜き返し合ってタイムを失う展開)」を避けるよう指示していた。

    ヴォルフは、その背景にはスペインGPでの苦い経験があったと説明した。

    「スペインで大きくタイムを失ったことを教訓に、今回の目標は『お互いとの争いで時間を失わないこと』だった」

    「ヨーヨー状態になり、その間にフェラーリやレッドブルが背後まで迫ってきて勝利を逃すようなことは避けたかった。実際、スペインではそういうことが起きた。リタイアがなければ、キミがあのレースに勝っていただろう」

    スペインGPでは、ラッセルとアントネッリの争いによってタイムを失い、その隙にライバル勢の接近を許したことから、メルセデスは以降のレースで同様の状況を防ぐ方針へと転換している。

    「勝利を奪うチームオーダーは出さない」
    ただしヴォルフは、レース運営を優先することと、チャンピオンシップの順位を理由に勝者を入れ替えることは別問題だと強調した。

    「スペイン以降は、常にレースでの勝利を最優先にする。キミが前ならキミ、ジョージが前ならジョージを優先する。それが我々の考え方だ」

    「F1はドライバーズ選手権であると同時にコンストラクターズ選手権でもある」

    さらに、ベルギーGP終了時点でアントネッリがドライバーズランキングでラッセルに約50ポイントのリードを築いている状況でも、タイトル争いを理由にチームオーダーを出す考えはないと断言した。

    「我々はどちらのドライバーからも勝利を奪うことは決してない。たとえジョージがランキングでは後ろにいたとしても、その時点のシーズンで勝利を譲らせるようなことはしない」

    ヴォルフは、ランキングの状況にかかわらず、レースで先行しているドライバーの勝利を尊重することがメルセデスの基本方針であると改めて強調した。

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    ラッセルへの全面サポートも約束
    ベルギーGPでラッセルはオープニングラップのアクシデントによりリタイアを喫し、ドライバーズランキングでもアントネッリとの差が広がる結果となった。

    それでもヴォルフは、苦しい状況に置かれたラッセルを全面的に支える姿勢を明確にしている。

    「少なくとも私がこれまで関わってきたドライバーは、誰でも苦しい時期を経験するものだ。それはあらゆるスポーツ選手に起こることであり、そういう時はモチベーションを高め、立て直す方法を見つける必要がある」

    「ジョージには彼なりのやり方があるし、私は間違いなくそれを支えようとしている。彼とは長い付き合いだから、その悔しさも理解している。チームは100%彼を支えている」

    勝利を最優先しながら公平性も維持
    現在のメルセデスは、無制限にチームメイト同士を争わせるのではなく、不要なタイムロスを防ぐためのルールを設ける一方で、ランキングを理由に勝者を入れ替えるチームオーダーは採らないという明確なスタンスを示している。

    コンストラクターズタイトル獲得を最優先事項としつつも、コース上で築いた勝利は尊重する――ヴォルフの発言からは、タイトル争いが本格化しても両ドライバーを公平に扱うというメルセデスの姿勢が改めて浮き彫りになった。

  • メルセデスF1 ジョージ・ラッセル失速の原因を解明 ソフトウェア修正投入

    メルセデスF1 ジョージ・ラッセル失速の原因を解明 ソフトウェア修正投入

    ジョージ・ラッセルはベルギーGPで苦しめられたストレートスピード不足について、メルセデスF1が原因を特定し、ハンガリーGPではソフトウェアの修正を投入すると明かした。

    メルセデスは、パワーユニットのハードウェアには問題はなく、ソフトウェアのキャリブレーション(較正)の不具合が原因だったと説明。

    ラッセルは「これで本来の性能を引き出せるはずだ」と期待を寄せており、チームは週末までに問題を解決できたとの見方を示している。

    ベルギーGPで露呈したストレートスピード不足
    ベルギーGPの週末、ジョージ・ラッセルはチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリに対し、ストレートスピードで大きく劣っていた。

    予選ではアントネッリから0.5秒以上遅れを取り、決勝でもオー・ルージュからケメルストレートにかけて十分なパワーを得られず順位を落とした末、ルイス・ハミルトンとの接触で1周目リタイアを喫した。

    ラッセルはハンガリーGP木曜日の会見で、問題の原因が判明したことを歓迎した。

    「今は気分がいい。スパで僕たちを苦しめた問題の原因を突き止めることができたと思うし、ファクトリーのみんなが懸命に取り組んでくれた成果を見ることができて本当に励みになる」

    今週末までに修正できたのかと問われると、ラッセルは次のように答えた。

    「そう信じている。スパで見つかった主なキャリブレーションの問題については修正できたはずだし、かなり自信を持っている」

    原因はソフトウェアのキャリブレーション
    メルセデスは調査の結果、問題はパワーユニットのソフトウェア設定にあったと結論づけた。

    ラッセルは、その内容を次のように説明している。

    「実質的には、画面上の数値が適切にキャリブレーションされていなかったということだ。ハードウェアが壊れていたわけでも、ハードウェア自体に問題があったわけでもない」

    さらに、ベルギーGPでは2つの要素が重なっていたという。

    「スパでは2つの問題があった。ひとつはエネルギーデプロイメントが1周を通して最適に機能していなかったことだ。同じような問題はオスカー・ピアストリにも見られた」

    「さらに、それとは別の問題も重なっていた。ただ、どちらも同じキャリブレーションの不具合に関連していた」

    「単純に画面上の数字だけと言うつもりはないけれど、どの数値が正しくなかった可能性があるのかは分かった。そこを修正して再キャリブレーションすれば、パワーユニット本来の性能を発揮できるはずだ」

    誤ったデータがドライビングにも影響
    ラッセルは、問題の原因が分からなかったことで、自身のドライビングまで変えようとしていたことを明かした。

    「本当に肩の荷が下りた気分だ。走っている最中もずっとそうだった」

    「シルバーストンの何周か、そしてスパの金曜と土曜のほとんどで、ストレートを速く走るためにどう運転すべきかばかり考えていた。スロットルの開け方やギアの使い方、アクセルを踏み始めるタイミングまで意識していた」

    「データではそれが原因だと示されていたけれど、実際は違った。3回のセッションを通して新しいドライビング方法を試した努力は、結果的には意味がなかった」

    「だから今週末は、純粋に速く走ることだけに集中できるのを楽しみにしている。僕はシンプルなことに集中できた時が一番力を発揮できる。でも、このスポーツは決してシンプルではない」

    ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ)

    無線での怒りも「感情的になっていただけ」
    ベルギーGP決勝では、ラッセルが無線でチームへの不満を口にしたことも話題となった。

    しかし本人は、感情的な状況だっただけでチームを責める意図はなかったと説明している。

    「結局のところ、僕たちは同じチームだ。スパや、その前のシルバーストンでも見えていた問題は、チーム全体として求めるレベルには達していなかった。それは僕だけがチームを責めているという話ではない」

    「1周目でレースを終え、グラベルトラップに座っていれば感情的にもなる。特にターン5までに起きたことを考えればなおさらだ」

    また、問題究明には時間を要したものの、ベルギーGPで得られたデータが決め手になったという。

    「原因を突き止めようという努力が足りなかったことは一度もない。ただ、どこに問題があるのか見つけるのが本当に難しかった」

    「でもスパでは調査すべき場所がはっきり分かり、そこを調べたことで問題を発見できた。今のF1マシンやパワーユニットは非常に複雑で、すべてのパラメータを一つひとつ確認することは現実的にはできないんだ」

    メルセデスは、今回のソフトウェア修正によってラッセル車の本来のパフォーマンスを取り戻せると期待している。ハンガリーGPでは、アントネッリとの差が縮まるかどうかが大きな注目点となりそうだ。