投稿者: dbcheck

  • フォード WECハイパーカー計画でマックス・フェルスタッペン起用を熱望

    フォード WECハイパーカー計画でマックス・フェルスタッペン起用を熱望

    フォードが、将来的なWEC(世界耐久選手権)ハイパーカー計画において、マックス・フェルスタッペンの起用を熱望していることを認めた。

    2027年からWECハイパーカークラスへの本格参戦を予定するフォードは、すでにレッドブル・パワートレインズとのF1提携を通じてフェルスタッペンとの関係を築いており、将来的なル・マン参戦についても非公式な会話が始まっているという。

    フォード首脳「フェルスタッペンと定期的に話している」
    フォード・パフォーマンス責任者のマーク・ラッシュブルックは、オランダ版『Motorsport.com』に対し、フェルスタッペンのレーサーとしての情熱を高く評価していると語った。

    「もちろんだ。我々はマックスを愛しているし、彼がF1マシンで見せる走りを気に入っている」

    「サーキット外での彼も素晴らしい人物だ。偉大なドライバーであるだけでなく、本当に素晴らしい人間だと思っている」

    「GT3レースへの情熱も素晴らしいし、シムレースを通じて若手ドライバーを育成し、実際のサーキットへ送り出している活動も気に入っている」

    そして、将来的なスポーツカー参戦について、すでに対話を重ねていることを認めた。

    「だからこそ、スポーツカー、特にハイパーカーでさらに活動を広げる可能性について、彼とは定期的に話をしている」

    フォードの“ル・マン構想”が現実味
    フォードは2027年からWECハイパーカークラスにLMDh車両で参戦する計画を進めている。

    すでにフェラーリ、トヨタ、ポルシェ、キャデラック、BMW、プジョー、アルピーヌなど多数のメーカーが参戦する激戦カテゴリーとなっているが、そこへフォードが加わることで、ル・マン24時間レースの注目度はさらに高まる見通しだ。

    その中で、フェルスタッペンが“フォードのエース”としてル・マン総合優勝を狙う構図は、関係者の間でも大きな期待を集めている。

    フェルスタッペン自身も近年、耐久レースへの関心を隠していない。

    シムレースへの積極参加に加え、メルセデスAMG GT3でニュルブルクリンク24時間レース出場を準備していることも報じられており、“いつル・マンへ向かうか”が話題になりつつある。

    ラッシュブルックも、そのレーシングスピリットを強調した。

    「彼はレーサーなんだ。とにかくレースをしたがっている」

    マックス・フェルスタッペン F1 フォード

    立ちはだかるF1日程の壁
    もっとも、現時点で具体的な計画が存在するわけではない。

    フェルスタッペンは2028年末までレッドブルと契約を結んでおり、F1とル・マン24時間レースの日程衝突は以前から大きな障害として知られている。

    ラッシュブルックも、現段階では慎重な姿勢を崩していない。

    「近い将来については“何も”計画していない。我々は何も発表していない」

    その一方で、将来的な可能性については否定しなかった。

    「彼はル・マンに出場し、総合優勝を争いたいと思っている。ただ、多くの年ではスケジュール的に実現できない。今の彼はF1に完全にコミットしているドライバーだからね」

    「我々は、どんな可能性があるのか、そしていつそれが理にかなうのかを話し合っている段階だ。もし全員がそれを望み、タイミングが合えば、それは素晴らしいことになる」

    “フェルスタッペン×ル・マン”はF1後最大の物語になる可能性
    現時点で具体的な契約や参戦計画は存在しないものの、フォード首脳自らがフェルスタッペンとの継続的な対話を認めたことで、“将来のル・マン挑戦”は単なる噂ではなくなりつつある。

    2027年以降のWECハイパーカー時代は、メーカー戦争がさらに激化することが確実視されており、その中心に現役F1王者が加われば、耐久レース界にとっても歴史的なインパクトとなる。

    F1、GT3、シムレース――カテゴリーを問わず“走ること”への情熱を見せ続けるマックス・フェルスタッペンが、いつかフォードのハイパーカーでル・マン総合優勝に挑む日が来るのか。モータースポーツ界全体が、その未来に注目し始めている。

  • ルイス・ハミルトン F1マイアミGP“中指騒動” FIAの“ダブルスタンダード”に批判

    ルイス・ハミルトン F1マイアミGP“中指騒動” FIAの“ダブルスタンダード”に批判

    ルイス・ハミルトンのレース中のジェスチャーを巡り、FIA(国際自動車連盟)の対応に新たな論争が起きている。

    アストンマーティンのシミュレータードライバーを務めるダニエル・ジュンカデラは、2026年F1マイアミGPでフランコ・コラピントに向けて中指を立てたとされるハミルトンの行為について、「処分が下されなかったのはダブルスタンダードだ」と批判した。

    ジュンカデラ「FIAの二重基準は変わらない」
    ダニエル・ジュンカデラは、自身のSNSでFIAの対応を痛烈に批判した。

    「FIAのダブルスタンダードは相変わらずだ」

    「僕の時と同じように2000ユーロの罰金を科すべきだった」

    ジュンカデラが言及したのは、2025年のWECバーレーン戦で自身が受けた処分だ。当時、GT3クラスでの接触を巡るバトルの最中に同様のジェスチャーを行ったとして罰金処分を受けていた。

    この裁定は当時から議論を呼んでおり、FIAが進めていた“ドライバーの振る舞い”や不適切表現への取り締まり強化とも重なっていた。

    フェルスタッペン問題以降 FIAの姿勢に注目
    この問題が再び注目を集めている背景には、FIAとドライバー側の緊張関係がある。

    特にマックス・フェルスタッペンは、過去に記者会見での発言を巡ってFIAから厳しい処分を受けた経緯があり、“言動規制”への反発は現在もくすぶり続けている。

    そのため今回、ハミルトンのジェスチャーに対して公式な制裁が科されなかったことで、「基準が曖昧ではないか」という声が再び広がる形となった。

    ジュンカデラはフェルスタッペンと親しい関係として知られており、来週のニュルブルクリンク24時間レースでは、メルセデスAMG GT3でフェルスタッペンとチームメイトを務める予定だ。

    このラインアップには、元F1ドライバーのジャン=マルク・グーノンの息子ジュール・グーノン、そしてゲルハルト・ベルガーのおいであるルーカス・アウアーも名を連ねている。

  • ナイジェル・マンセル “クルサードをガレージ出禁”要求 ウィリアムズF1秘話

    ナイジェル・マンセル “クルサードをガレージ出禁”要求 ウィリアムズF1秘話

    1994年のF1シーズンは、アイルトン・セナの事故死によって大きく揺れた歴史的シーズンとして知られている。その混乱の中でウィリアムズF1に昇格したデビッド・クルサードが、当時のチーム内で起きた“意外なエピソード”を振り返った。

    その中心にいたのは、1992年F1ワールドチャンピオンのナイジェル・マンセルだった。クルサードによれば、1994年日本GPの週末にマンセルが「自分をガレージから外してほしい」と要求していたという。

    セナ亡き後に訪れた突然の昇格
    当時、デビッド・クルサードはウィリアムズのリザーブドライバーを務めていた。しかし、イモラで発生したアイルトン・セナの死亡事故を受け、急遽レースシートへ昇格することになった。

    チーム全体が深い悲しみと混乱に包まれる中、若きクルサードは極めて難しい状況でF1キャリアをスタートさせることになった。

    その一方で、ウィリアムズはナイジェル・マンセルをフランスGP、ヨーロッパGP、日本GP、オーストラリアGPの4戦限定で呼び戻し、デイモン・ヒルとともにシーズンを戦わせていた。

    マンセルが要求した“クルサード排除”
    クルサードは、1994年日本GPの鈴鹿で起きた出来事を次のように振り返った。

    「ナイジェルとマシンを共有していた頃、日本GPに到着したのを覚えている。ナイジェルは、僕がガレージにいないよう求めていた。気が散ると思っていたんだ」

    この要求に対し、ウィリアムズF1のメカニックたちは独特のユーモアで応じたという。

    「ウィリアムズのメカニックたちは、いつもの冗談好きなノリで、僕の写真に赤い禁止マークを付けた“立入禁止サイン”を作って、ガレージ入口に貼っていた」

    チーム内の空気を和ませる意図もあったが、同時にマンセルをからかう意味合いも含まれていた。

    「それはナイジェルを少しからかう意味もあった。フランク・ウィリアムズが『いや、彼は我々のレース兼テストドライバーだ。クルマが何をしているか聞く必要がある』と言ったからだ」

    豪雨の鈴鹿で感じた“安堵”
    1994年日本GPは、豪雨に見舞われた過酷なレースとしても知られている。ストレート上でもマシンが次々とコースアウトする危険なコンディションの中、最終的にはデイモン・ヒルが優勝し、ミハエル・シューマッハが2位、マンセルは4位でレースを終えた。

    クルサードは当時をこう振り返る。

    「日本のあのレースは土砂降りだったのを覚えている。スタートストレートでもクルマが次々にコースアウトしていた」

    「当時はどんなコンディションでもレースをしていた」

    「現代F1を批判したいわけじゃない。今そうした状況で走らないのには、ちゃんとした理由がある」

    「でも、僕はガレージの中でクルマがあちこち飛び出していくのを見ながら、『マシンに乗っているのが僕じゃなくてナイジェルで本当に良かった』と思っていた」

    1995年にクルサードが後継者へ
    マンセルはこの短期復帰を最後にウィリアムズを離脱。その後、デビッド・クルサードが本格的に後継者として定着し、1995年にはエストリルでF1初優勝を挙げた。

    さらに1996年にはマクラーレンへ移籍し、名門チームで通算12勝を積み重ねることになる。

    1994年の鈴鹿で起きた“ガレージ出禁騒動”は、そんなクルサードのキャリア初期を象徴する、知られざるエピソードのひとつとなっている。

  • ロマン・グロージャンの冗談が対立に発展 インディカーで“殴り合い寸前”騒動

    ロマン・グロージャンの冗談が対立に発展 インディカーで“殴り合い寸前”騒動

    ロマン・グロージャンとマーカス・アームストロングが、インディカーのソンシオ・グランプリ後に緊張したやり取りを繰り広げた。

    発端となったのは、レース中の接触をめぐるグロージャンの接近だったが、後に本人は「殴りたかった」という冗談が文脈を外れて受け取られたと説明している。

    グロージャンがレース後にアームストロングへ接近
    ロマン・グロージャンとマーカス・アームストロングは、インディ500の第110回大会を前にインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースで開催されたインディカーのソンシオ・グランプリで、レース中のインシデントをめぐって口論になった。

    フランス系スイス人のグロージャンは、予選11番手からスタートしたものの、決勝ではロード上で最後尾となる21位でフィニッシュした。

    デイル・コイン・レーシングのグロージャンは、後方から追い上げ、グロージャンがスタートした11番手まで順位を上げたニュージーランド人ドライバー、アームストロングに不満を抱いていたようだ。

    グロージャンがアームストロングと話そうとする様子を捉えた映像では、メイヤー・シャンクのチームメンバーが、自チームのドライバーに近づこうとする10度の表彰台経験者を制止しようとしている。

    アームストロング「彼は殴り合いをしたがっていた」
    その後、アームストロングはインディカーに対し、グロージャンはコース上での一件のあと「ちょっと殴り合いをしたがっていた」と語った。

    「分からないけど、彼は実際、ちょっと殴り合いをしたがっていたんだ。UFCとかMMAみたいな感じで、僕はそういうものには慣れていない」

    「でも、まあいい。僕の後ろには350ポンドの給油担当がいたからね。だからロマンにはフェアプレーだ。彼がその人を背後にして僕を攻撃しようとしたなら、かなり度胸がある」

    それに驚いたかと問われると、アームストロングはこう答えた。

    「無線で『ピットレーン乱闘の合図だ』と言いそうになった」

    「実際、僕たちはいつも話しているんだ。ピットレーンで乱闘が起きたらどうなるかって。僕たちはどれくらいやれるのか。かなりうまくやれると思う」

    グロージャンは「冗談が誤解された」と説明
    この対立映像をSNSに投稿したモータースポーツ記者のマーシャル・プルエットはその後、グロージャン本人から連絡があったことを明かした。

    プルエットによれば、グロージャンはアームストロングと単に話をしようとしていただけで、「殴りたい」という趣旨の発言は冗談だったと説明したという。

    グロージャンは、その冗談が文脈を外れて受け取られたことで誤解が生じたと語った。

    レース中の接触をきっかけにした感情的なやり取りは、ピットレーンでの物理的な衝突には至らなかったものの、グロージャンの発言とアームストロングの反応によって、インディカーの週末に思わぬ緊張感を生む出来事となった。

  • カルロス・サインツJr. F1レギュレーションに新懸念「DRSトレイン化している」

    カルロス・サインツJr. F1レギュレーションに新懸念「DRSトレイン化している」

    カルロス・サインツは、2027年に向けてF1がエンジン出力配分を見直す方針を打ち出した一方で、次に解決すべき課題として“アクティブエアロ時代のDRSトレイン問題”を挙げた。

    2026年から導入された新レギュレーションでは、従来のDRSが廃止され、代わりにフロントウイングとリアウイングを連動させるアクティブエアロシステムが採用された。

    これにより全車がストレート区間でドラッグを低減できるようになったが、その結果として“前車も後車も同じ速度向上を得る”状況が生まれ、オーバーテイクが極めて難しくなっている。

    マイアミGPでは、この影響による“DRSトレイン状態”が各所で発生していた。

    サインツ「前車がストレートモードなら抜けない」
    カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は、RacingNews365を含むメディアに対し、現在のシステムではオーバーテイクが成立しづらいと問題提起した。

    「前のクルマがストレートモードに入っている状況への解決策を見つける必要があると思う。オーバーテイクは不可能だからね」

    「これはDRSトレインと非常によく似た状況だ。何か改善策を見つけられるかもしれない」

    サインツは、2026年型マシンの“レースの質”そのものについても慎重な懸念を示した。

    「そもそも、このレギュレーションでレース自体が本当に問題だったわけではない」

    「予選については、まだ改善の余地がかなりある。ただ、もう単純に批判するつもりはない。建設的であり続けたいし、これはF1として十分良い状態ではないと訴え続けたい」

    FIAへの評価も口にしたサインツ
    一方でサインツは、FIAがマイアミGP週末に見せた対応力については高く評価した。

    FIAは週末を通じて“ヒートハザード”や雨天時の視界問題、インターミディエイトタイヤへの懸念などに直面していたが、決勝スタート時刻を前倒しするなど柔軟な対応を実施していた。

    「FIAはインターミディエイトタイヤに関するウェットコンディションの懸念にも耳を傾けてくれた。レース開始を前倒しした判断には満足している」

    「彼らを責めることはできない。素晴らしい仕事をしているし、今は皆が同じ方向を向いて動いているように見える」

    “全車DRS化”が生んだ新たな副作用
    2026年レギュレーションでは、重くなった車体と大型化したバッテリーによるドラッグ増加を補うため、アクティブエアロが導入された。

    しかし従来のDRSと違い、“後続車だけが使える武器”ではなくなったことで、先行車も常時トップスピードを伸ばせる状態となり、結果として追い抜きの決定力が弱まっている。

    F1はすでに2027年に向けて、内燃エンジンと電力出力の比率を50対50から60対40へ変更する方針を示しているが、サインツの発言は“次は空力側の見直しが必要だ”という新たな論点を浮き彫りにした形だ。

  • アストンマーティンF1 “遅いから充電できる” ホンダPUに奇妙な利点

    アストンマーティンF1 “遅いから充電できる” ホンダPUに奇妙な利点

    2026年F1シーズンで苦戦が続くアストンマーティン。フェルナンド・アロンソとランス・ストロールは依然としてノーポイントで、コンストラクターズランキングでも最下位に沈んでいる。

    しかし、その深刻なパフォーマンス不足が、皮肉にも2026年F1レギュレーション下では“メリット”として働いている可能性が浮上した。

    イタリアの『Motorsport Italia』によると、アストンマーティンのAMR26はコーナリング速度が極端に低いため、他チームよりもエネルギー回生を行いやすい状況にあるという。

    “遅いマシン”だから電力を回収できる皮肉
    2026年F1では、電動出力依存の増加によって、各チームがエネルギーマネジメントに苦しんでいる。

    ドライバーたちは「バッテリー残量を維持するためにコーナーで抑えなければならない」と不満を口にしてきたが、アストンマーティンにはその問題が比較的少ないという。

    理由は単純だ。AMR26はもともと高速コーナーで十分なスピードを持っていないため、エネルギー消費量そのものが少ない。

    報道によると、アストンマーティンは高速コーナーで最大12mph(約19km/h)も他チームより遅い区間が存在するという。ホンダ製パワーユニットの出力不足が進入速度を制限しているだけでなく、コーナリング中盤から立ち上がりまで全域で苦戦しているとされる。

    結果として、他チームが“電力を使い切る”状況でも、アストンマーティンは比較的容易に回生エネルギーを維持できているという、奇妙な構図が生まれている。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダF1

    アロンソ「大型アップデートは夏休み後」
    フェルナンド・アロンソは、アストンマーティンが大規模アップデートを投入するのは少なくとも第12戦オランダGP以降になると説明している。

    小規模改良を積み重ねるのではなく、一気にマシン特性を変える“変革型パッケージ”を投入する方針だ。

    それまでアロンソとストロールにとって、通常の展開でポイント獲得を狙うのは極めて困難とみられている。記事では「近年のF1でも屈指の大荒れレースでも起きない限り厳しい」とまで評されている。

    ホンダ救済へ? F1各陣営が追加支援で合意
    一方で、F1各チームとFIAは、競争力不足に陥ったパワーユニットメーカーへの追加支援策について合意した。

    これは「ADUO(追加開発・アップグレード機会)」と呼ばれる制度で、当初は2%および4%の性能差が基準として検討されていたが、最終的には“10%以上遅れているメーカー”を救済する方向へ調整が進められている。

    現時点では、その対象としてホンダが想定されているとの見方が強い。

    もっとも、ホンダはレッドブル時代に圧倒的成功を収めた実績を持つだけに、ライバル勢が将来的に「支援したことを後悔する可能性もある」と記事は指摘している。

    “遅さ”が露呈させた2026年F1規則の歪み
    今回のアストンマーティンのケースは、2026年F1レギュレーションが抱える構造的問題を象徴している。

    本来なら速く走るための空力効率やコーナリング性能が、逆にエネルギー消費の増大につながり、ドライバーが意図的にペースを抑えなければならない状況が発生している。

    その一方で、“そもそも速く走れないマシン”の方がエネルギー管理では有利になるという現象は、多くの関係者が懸念してきた「レースよりエネルギーマネジメント優先」の現実を浮き彫りにしている。

    FIAと各チームが2027年に向けて60対40への出力比変更を進める背景には、こうした“歪み”への危機感もあると言えそうだ。

    Source: F1 OVERSTEER

  • レッドブルF1 RB22軽量化で反撃へ オーストリアGPで最低重量到達を目指す

    レッドブルF1 RB22軽量化で反撃へ オーストリアGPで最低重量到達を目指す

    レッドブルは2026年F1シーズン序盤の苦戦から立て直しに向けた第一歩を踏み出した。マイアミGPに投入したアップグレードでRB22の余剰重量を半減させ、今後2か月以内にFIAの最低重量である768kgへ近づける計画を進めている。

    マックス・フェルスタッペンはマイアミで5位に終わったが、純粋なペース面では開幕3戦より明らかな改善が見られた。

    ステアリング系の問題解消に加え、大幅に改良されたサイドポッドと新しいフロアが期待どおりに機能したことが、レッドブルにとって大きな前進となった。

    マイアミで見えたRB22の回復傾向
    レッドブルは日本GPで投入した最初のアップデートでは大きな効果を得られなかったが、マイアミのパッケージはチームの想定に近い成果をもたらした。テクニカルディレクターのピエール・ワシェは、今回の改良が期待どおりに機能したと認めている。

    「そうだ、我々が期待していたものをもたらした。パッケージそのものが効果を発揮した。そして、他の問題をいくつか修正したことで、予想していなかったかもしれないマックスのパフォーマンスも少し引き出された」

    ワシェが言及した「他の問題」とは、フェルスタッペンが再びマシンを攻め込めるようになったステアリング系の変更を指している。

    余剰重量は12kgから6kgへ半減
    今回のアップグレードで特に重要なのが重量面の改善だ。レッドブルはマイアミでRB22の余剰重量を12kgから6kgまで削減した。今後はフェルスタッペンとアイザック・ハジャーのマシンを、2026年のFIA最低重量である768kgまで引き下げることを目指す。

    「もう一段階あると思う。いつになるかは分からないが、おそらくオーストリアに向けて軽量化が行われることになる」

    オーストリアGPまでに最低重量へ到達できれば、RB22の競争力はさらに底上げされる。重量削減はラップタイムだけでなく、タイヤへの負荷、燃料搭載量、セットアップ自由度にも影響するため、レッドブルにとっては単なる数値以上の意味を持つ。

    レッドブル・レーシング

    次の大規模アップデートは欧州ラウンドが焦点
    メルセデスはモントリオールで大規模アップデートを投入する予定だが、レッドブルは同じタイミングで大きな変更を加えるわけではない。ワシェはカナダGPには小規模な改良を持ち込むとしつつ、本格的な開発の焦点は欧州ラウンドに置いていると説明した。

    「もう少し待つ必要がある。モントリオールには小さなステップだけだ」

    マクラーレンやフェラーリもマイアミで大型アップデートを投入しており、レッドブルが相対的に前進できたことは重要だ。シーズン序盤の遅れを完全に取り戻したわけではないが、開発の方向性がようやく数字と挙動に表れ始めている。

    結果以上に意味があったマイアミGP
    ワシェはマイアミGPの結果そのものには満足していない。それでも、RB22が再び上位争いに加われるペースを示したことは、チームにとって大きな意味を持つ。

    「簡単ではないが、結果にはもちろん失望している。マイアミの結果は我々のペースを示していないと思う。ただ、マシンにペースがあり、我々が再びその争いの中にいることをチームとして示せたのは良いことだ」

    レッドブルにとってマイアミは、単なる5位フィニッシュ以上の週末だった。ステアリング問題の修正、アップグレードの成功、そして軽量化の進展が重なり、RB22はようやく反撃の土台を整えつつある。焦点は次の大きな一手となる欧州ラウンド、そしてオーストリアGPで最低重量に到達できるかに移る。

  • シャルル・ルクレール F1レギュレーション批判に異論「僕はアウトサイダー」

    シャルル・ルクレール F1レギュレーション批判に異論「僕はアウトサイダー」

    シャルル・ルクレールは、2026年F1レギュレーションをめぐる議論のなかで、自分の見方がグリッド上では少数派であることを認めた。

    マイアミGPでは、過度なスーパークリッピングやリフト&コーストを抑えるため、エンジン規則に修正が加えられた。それでもルクレールは、新世代F1のレースが「人工的」になっているという批判には同意していない。

    ルクレールは「アウトサイダー」を自認
    フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1の新しいエンジン規則に対する自身の見解について、グリッド上で「少しアウトサイダー」だと語った。

    2026年F1レギュレーションは、電気エネルギーの比重が高まったことで、序盤から議論の的になってきた。マイアミGPでは、スーパークリッピングの許容範囲が350kWまで拡大され、使用可能エネルギーも8MJから7MJへと削減された。

    この変更は、マックス・フェルスタッペンが「アンチレース」「ステロイドを打ったフォーミュラE」と評し、複数のドライバーが「マリオカート」と表現したことを受けたものだった。

    「オーバーテイクは実際にはかなり良い」
    レースが以前よりも自然に感じられるかと問われたルクレールは、他のドライバーたちの見方とは少し違う立場を示した。

    「いや、僕はそれにはいつも少し反対してきた」とルクレールは語った。

    「自分がグリッド上で少しアウトサイダーだということは分かっている。でも少なくとも僕が前のクルマたちと戦った範囲では、相手のクルマが自分たちと似たようなシステムを持っていて、似たような使い方をしている場合、実際にはオーバーテイクはかなり良いと感じている」

    戦略性は増したが、根本は大きく変わっていない
    ルクレールは、新しいレースの形が従来より戦略的になっていることは認めた。一方で、それが必ずしも不自然なものになったとは考えていない。

    「昨年より少し戦略的になっている。でも昨年もDRSを使うか、使わないか、あるいは引き離すかという意味では戦略的だった」

    「だから大きく変わったとは思わない。そして間違いなく、最も大きな焦点になっているのは予選だ。そこに焦点が当たるのは正しいことだ」

    F1はすでに来季に向けて、内燃機関と電気エネルギーの出力比率を現行の50対50から見直し、内燃機関側への依存度を高める方向に動いている。多くのドライバーが現行ルールに違和感を示すなかで、ルクレールの発言は、新規則の評価が単純な賛否では割り切れないことを示している。

    Source: RacingNews365

  • 南アフリカ大統領がF1視察へ キャラミ復活へ招致活動が本格化

    南アフリカ大統領がF1視察へ キャラミ復活へ招致活動が本格化

    南アフリカによるF1アフリカ開催復活への動きが強まっている。シリル・ラマポーザ大統領が今年後半にF1グランプリを直接訪問する予定で、1993年以来となるキャラミでのF1開催復活に向けたロビー活動が本格化している。

    スポーツ相のゲイトン・マッケンジーは、この訪問が単なる表敬ではなく、F1を南アフリカへ戻すための公式キャンペーンの一環だと説明した。

    「シリル・ラマポーザ大統領閣下は、今年後半に私とともにF1グランプリに参加することに同意した」とマッケンジーはAfrica Businessに語った。

    「これは社交目的ではなく、実務訪問だ」

    「大統領の訪問によって、我々は視察し、関係者と協議し、我々の主張を強化することができる」

    南アフリカは現在、F1のアフリカ復帰を巡り、ルワンダやモロッコと開催候補地争いを繰り広げているとされる。そのなかでもキャラミは有力候補と見られており、歴史ある同サーキットをFIAグレード1基準へアップグレードする計画には、すでにFIAの承認が与えられている。

    F1のステファノ・ドメニカリCEOは最近、複数のアフリカ候補地との協議が続いていると認めた一方で、短期的に契約がまとまる可能性は高くないとの見方も示している。

    それでもマッケンジーは、アフリカでF1を開催する意義を強調した。

    「アフリカの若いモータースポーツファンの世代全体が、自分たちの裏庭でF1レースを見たことがない」

    「我々はそれを変えるつもりだ」

  • 角田裕毅も参加 Wings for Life World Run 2026が世界同時開催

    角田裕毅も参加 Wings for Life World Run 2026が世界同時開催

    角田裕毅(レッドブル)は、5月10日に開催された「Wings for Life World Run 2026」に参加した。

    今年で13回目を迎えたWings for Life World Runは、脊髄損傷の治療法研究を支援する世界規模のチャリティランイベント。世界173か国で34万6527人が同時にスタートし、参加費と寄付金の100%が研究資金に充てられる。

    今年はウィーン、東京、シドニー、ニューヨークなど世界各地で開催され、東京を含む648の「App Run Event」でも参加者が同時にスタート。角田裕毅もその一員としてイベントを支援した。

    主催者によると、Wings for Life Foundationは2004年の設立以来、344件の研究プロジェクトを支援。脊髄損傷研究は医療分野の中でも資金不足が深刻とされており、同イベントは研究支援の重要な資金源となっている。

    Wings for Life International Sports Directorを務めるコリン・ジャクソンは次のように語った。

    「今日という日が特別なのは、世界中で何十万人もの人々が同じ瞬間に走り、歩き、動いていることだ」

    「今日の一歩一歩が、脊髄損傷の治療法に近づくための科学研究を支えている。参加してくれたすべての人に感謝したい。皆さんは本当に特別なものの一部なんだ」

    角田裕毅

    また、車いす参加者のデリア・グッゲンハイムは、このイベントの“インクルーシブな設計”について次のようにコメントした。

    「こうしてスタートラインに立てることは本当に大きな意味があります」

    「車いすユーザーにとって、こうしたイベントに自然に参加できることは当たり前ではありません。でも、このイベントは本当にオープンで、コミュニティとして一体感があります。それが特別なんです」

    Wings for Life World Runは2014年の初開催以来、累計6051万ユーロ(約112億円)を脊髄損傷研究のために集めている。