投稿者: dbcheck

  • GRMNカローラ発表 ニュルブルクリンクで鍛えた“究極のGRカローラ”

    GRMNカローラ発表 ニュルブルクリンクで鍛えた“究極のGRカローラ”

    トヨタGAZOO Racing(GR)は6月2日、「GRMNカローラ」を世界初公開した。GRMNの名にふさわしく、ドイツ・ニュルブルクリンクで徹底的に鍛え上げた台数限定モデルであり、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の集大成とも言える一台となる。

    GRカローラは、豊田章男会長(モリゾウ)が掲げる「お客様を虜にするカローラを取り戻したい」という想いから誕生したモデルだ。そのGRカローラをさらに進化させ、ドライバーが安心して限界領域まで踏み込める“究極仕様”として仕上げられたのがGRMNカローラである。

    日本、北米、オーストラリアを中心に台数限定で販売され、日本では2026年秋頃から「GR app」を通じて商談申し込みを開始し、2027年内の発売を予定している。

    ニュルブルクリンクが磨き上げた究極のハンドリング
    GRMNカローラ開発の中心となったのは、世界有数の過酷なサーキットとして知られるニュルブルクリンクだった。

    通常のテストコースでは再現できない激しい路面変化や高速コーナー、アップダウンの連続によってクルマの弱点を洗い出し、限界域でもドライバーとクルマが対話できる一体感を追求した。

    開発にはスーパー耐久シリーズへの参戦経験も投入された。実戦で得たデータと最新ドライビングシミュレーターを活用しながら改良を重ねたが、実際にニュルを走り込む中で新たな課題も浮上。その都度改良を施しながら完成度を高めたという。

    その成果はGRMNだけにとどまらず、2025年後期型GRカローラにも反映されている。ボディ剛性向上やクールエアダクトの採用などは、ニュルで得られた知見から生まれた改良点だ。

    GRカローラ 専用エアロ

    スーパー耐久とニュルで磨いた専用エアロ
    GRMNカローラ最大の特徴のひとつが専用空力パッケージである。

    フードダクト、フェンダーダクト、フロントサイドスポイラー、そして大型リアウイングは、水素エンジン搭載GRカローラによるスーパー耐久参戦で培われたノウハウをベースに開発された。

    特に角度調整式リアウイングは5段階の調整機構を採用。プロドライバーによるテストを繰り返しながら1度単位で調整を行い、最適なダウンフォースバランスを導き出した。

    高速域での接地性を高め、長時間の高負荷走行でも安定したパフォーマンスを発揮できる仕様となっている。

    専用サスペンションと4WD制御を採用
    足回りも全面的に専用設計となった。

    前後にモノチューブショックアブソーバーを採用し、さらにリバウンドスプリングを追加。高速コーナリング時の接地性向上と旋回性能の強化を実現している。

    ニュル特有の大きな路面入力にも対応するため、バウンドストッパー特性も徹底的に見直された。ストローク量をミリ単位で調整しながら最適化を進めたという。

    タイヤには245/40ZR18サイズのミシュラン Pilot Sport Cup 2を装着。ベース車より10mmワイド化され、さらなるグリップ性能を獲得した。

    さらにEPS(電動パワーステアリング)やGR-FOUR四輪駆動システムも専用チューニングを実施。超高速域でのステアリング応答性と安定性向上を図っている。

    GRカローラ パワートレイン

    水素カローラ開発が生んだ415Nmの高トルク
    パワートレインにもスーパー耐久参戦で得られた成果が反映された。

    搭載される1.6リッター直列3気筒ターボ「G16E-GTS」は最高出力こそ224kWで据え置きながら、最大トルクをベース車比15Nm増の415Nmへ向上させている。

    特にサーキットで多用する3600〜4800rpmの中速域トルクを重点的に強化し、コーナー立ち上がり加速性能を向上させた。

    加えてインタークーラースプレーを採用し、高負荷走行時でも安定した出力維持を可能にしている。

    GRカローラ 2シーター

    徹底した軽量化で2シーター化
    GRMNカローラは走りを最優先するため、リアシートを撤去した2シーター仕様となる。

    約30kgの軽量化を達成し、車両重量は1450kgまで削減された。

    カーボン製ボンネットやフロントフェンダー、専用エアロパーツなども採用されており、軽量化と高剛性化を両立している。

    GRMNの名に恥じない“野性味”を実現するための大胆な決断と言える。

    GRカローラ コックピット

    ドライバー中心に設計された専用コクピット
    インテリアも専用装備が多数採用された。

    専用フルバケットシートはスーパー耐久参戦車両のドライビングポジションを基準に開発され、GFRP製シェルによる軽量化と高いホールド性能を両立している。

    さらに植毛加工を施したインストルメントパネルやフロントピラートリムを採用し、反射を抑えながら運転への集中力を高めた。

    助手席側には元町工場のカーボン課が製造したカーボン製オーナメントを装着。モリゾウのサイン入りパッドや専用シリアルナンバープレートも備わる。

    GRカローラ MORIZO RR

    GRMNだけではない MORIZO RRも開発中
    GRは今回、GRMNカローラとともに「GRカローラ MORIZO RR(コンセプト)」も公開した。

    こちらはGR-DAT(8速オートマチック)を搭載した5シーターモデルとして開発が進められており、発売時期は未定となっている。

    GRMNカローラがサーキット志向を極限まで突き詰めたモデルであるのに対し、MORIZO RRは実用性と高性能を両立する新たな選択肢となりそうだ。

    今回発表されたGRMNカローラは、単なる高性能モデルではなく、スーパー耐久とニュルブルクリンクという“現場”で鍛え上げられたGRの技術結晶と言える。GRが掲げる「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を象徴するモデルとして、大きな注目を集めることになりそうだ。

  • トト・ヴォルフがラッセルを激励「忘れて前に進め」F1王座争い継続を強調

    トト・ヴォルフがラッセルを激励「忘れて前に進め」F1王座争い継続を強調

    ジョージ・ラッセル(メルセデス)は2026年F1カナダGPで優勝目前の状況から無念のリタイアを喫した。しかし、メルセデスのチーム代表トト・ヴォルフは、タイトル争いから脱落したとの見方を否定し、シーズン後半に向けて反撃できると強調した。

    ラッセルはレース中盤まで首位を快走していたが、30周目にパワーユニットトラブルが発生してストップ。

    一方でチームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリが4連勝を達成し、ランキング首位の座をさらに固めた。開幕5戦終了時点で、ラッセルとの差は43ポイントに広がっている。

    「忘れて前に進め」ヴォルフがラッセルを擁護
    カナダGP後、トト・ヴォルフはラッセルの落胆に理解を示しながらも、今は結果を引きずるべきではないと語った。

    「ここ数戦は彼にとって不運なことが続いている」

    「今日は確実に大量ポイントを獲得できるレースだった。彼は首位を走っていた。しかし、このパドックで最もレジリエンス(逆境への強さ)と決意を持つドライバーを一人選ぶなら、それはジョージだ」

    ヴォルフは、ラッセルがジュニアカテゴリー時代から数々の困難を乗り越えてきたことを挙げ、その精神力こそが最大の武器だと評価した。

    「彼はカート時代からジュニアフォーミュラまで、常に逆境を乗り越えてきた。だからこの戦いを諦めることはない」

    「正直なところ、まだ17レース残っている。獲得できるポイントは山ほどある」

    「明日起きたら、この結果を受け止めて、忘れて、前へ進めばいい。そしてベストを尽くして走る。それがまさに彼がやることだ」

    メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

    タイトル争いは本当に終わったのか
    カナダGP直後、ラッセル本人は悲観的な見方を示し、タイトル争いは「アントネッリが失うものになった」と認めていた。

    しかしヴォルフは、その考えには同意していない。

    「最高のドライバーたちは、ただ何レースか勝ったからF1にたどり着くわけではない。彼らは逆境を乗り越える力を持っているからここにいる」

    「カートやジュニアフォーミュラでタイトルを獲得するには、強い精神力が必要だ。誰もが大きな挫折を経験してきている」

    「今はこの出来事を消化し、一晩寝て整理することが大切だ」

    「今日の彼は、これ以上できることは何もなかった。それだけでも前向きに考えるべきことだろう」

    モナコが反撃の第一歩となるか
    ヴォルフは次戦モナコGPまでにラッセルと十分な時間を過ごすことになると明かした。

    「私はジョージと毎日話している。今夜も一緒に帰るので、いつも通り話す時間はたくさんある」

    チャンピオンシップではアントネッリが主導権を握りつつあるが、シーズンはまだ5戦を終えたばかり。ヴォルフは、メルセデスのエースがここでタイトル争いから脱落するとは考えていない。

    43ポイント差は決して小さくない。しかし残り17戦という長いシーズンを考えれば、ラッセルにとって挽回の余地は十分に残されている。今回のリタイアが王座争いの終わりではなく、反撃のきっかけになるかどうかが注目される。

  • ウィリアムズF1代表が嘆く アルボンのクラッシュが開発を圧迫「非常に高くついた」

    ウィリアムズF1代表が嘆く アルボンのクラッシュが開発を圧迫「非常に高くついた」

    アレクサンダー・アルボンの2026年F1カナダGPでの大クラッシュが、ウィリアムズF1の開発計画に大きな影響を及ぼしている。

    モントリオールで行われた唯一のフリー走行で、アルボンはコースを横切ったマーモットを避けきれず接触。フロントウイングを損傷した後、ウォールにも激突した。この事故によってスプリント予選への参加が不可能となり、週末全体が大きく狂っただけでなく、チームの今後の開発スケジュールにも影響を与えることになった。

    クラッシュで開発よりスペアパーツ製造を優先
    ジェームス・ボウルズはここ数週間、2026年型FW48の開発効率を最大化するため、既存パーツを寿命まで使い切ってから新仕様を投入する方針を説明していた。

    しかしアルボンの事故によって状況は一変した。チームは本来なら数戦にわたって使用する予定だった部品を失い、急きょスペアパーツの製造を優先せざるを得なくなった。

    その結果、本来進めていたアップグレード計画にも影響が及んでいる。

    「金曜日のクラッシュは非常に高くついた」とジェームス・ボウルズは語った。

    「フロア、フロントウイング、リアウイング、ギアボックスの一部コンポーネント、さらにパワーユニット関連の部品まで破損した。非常に大きなコストが発生したし、当然ながら我々は予算上限の制約を受けている」

    ボウルズは現在進行中の開発プログラムについても言及した。

    「我々はいくつかのコンポーネントで開発サイクルを進めている。例えばフロントウイングを開発しているし、フロアの開発も進めていて、それは後の段階で評価する予定だ」

    しかし事故の影響で優先順位の見直しを迫られたという。

    「今回の件を受けて、まずはモナコに向けて十分なスペアパーツを確保することを優先しなければならなくなった」

    「何が起こるか分からないが、我々はおそらくシーズンで最も過酷なサーキットのひとつへ向かうことになる。スペアパーツが不足した状態でマシンを走らせる余裕はない」

    「モナコではその部分を万全にしておく必要がある」

    モナコは魅力とリスクが共存する特別な舞台
    ボウルズは今週末のモナコGPについても見解を示した。

    「私はこのサーキットに対して愛憎入り混じった感情を持っている。非常に特別な場所だ」

    その魅力として、予選でのドライバーの限界走行を挙げた。

    「まず本当に素晴らしいのは、ドライバーたちが徐々にスピードを上げていき、予選では完璧なラップをまとめ上げる姿を見ることだ」

    「しかもミリ単位の精度でだ。プールセクションの上から見ていると、進入時にタイヤがバリアをかすめるほど攻めている。それを見るのは本当に驚異的だ」

    一方で、モナコ特有の不確定要素として天候を警戒している。

    「モナコでは天候が大きな要素になることが多い。ある程度予測はできるが、不確実性も大きい。そして過去にはウェットレースも何度かあった」

    「このサーキットはグリップが低く非常に難しい。ドライバーは常に限界まで攻めることになる」

    「もし今季初のウエットレースになれば、それは非常に大きな挑戦になるだろう」

    開発競争への影響は無視できない
    今回の事故で失われたのはポイント獲得のチャンスだけではない。予算上限時代のF1では、大規模なクラッシュは開発リソースそのものを奪う。

    ウィリアムズは今季、上位進出を目指して積極的な開発を続けているが、アルボンの事故によって本来アップグレードに充てるはずだった資源の一部をスペアパーツ製造へ振り向ける必要が生じた。

    モナコGPを前に、ウィリアムズは開発と信頼性確保の難しいバランスを迫られている。ボウルズの発言からは、1回のクラッシュがチーム全体のシーズン計画にまで影響を与える、現在のF1の厳しい現実が浮き彫りになっている。

  • フェルスタッペン父がシュタイナーに反撃「なぜもうF1チーム代表ではないのか理解」

    フェルスタッペン父がシュタイナーに反撃「なぜもうF1チーム代表ではないのか理解」

    マックス・フェルスタッペンの父ヨス・フェルスタッペンが、元ハースF1チーム代表のギュンター・シュタイナーによる息子への批判に反論した。

    発端となったのは、カナダGPで今季初表彰台となる3位を獲得したマックス・フェルスタッペンについて、シュタイナーがポッドキャスト番組『Red Flags』で語ったコメントだった。

    シュタイナー「F1はマックスを幸せにするために動いている」
    シュタイナーは、フェルスタッペンが2026年F1レギュレーションへの不満を繰り返していることについて皮肉を交えて言及した。

    「フェルスタッペンは表彰台に乗れたから少しは機嫌が良かった。もし優勝していたら本当に幸せで、『これまでで最高のレギュレーションだ』と言っていたんじゃないかな」

    「これは、レギュレーションに対するマックスの感情がどこにあるかを説明するための話だ。レース後も彼は『まだ好きではない。少しは気に入ったとしても変更してほしい』と言わなければならなかった」

    「彼はエンジン規則を変えるための政治的な動きをしている。ADUOが導入されれば、他のメーカーに追いつく機会が与えられると考えているからだ」

    さらにシュタイナーは、規則変更が行われた場合でもレッドブル側には再び優位に立つチャンスがあると指摘した。

    「新しいレギュレーション、あるいは変更されたレギュレーションになれば、彼らも他のメーカーと同じ機会を得る。そして再びアドバンテージを手にして、マックスをもっと幸せにすることができるかもしれない」

    「結局のところ、F1はマックスを幸せにするために動いているんだ」

    現在シュタイナーはMotoGPのテック3でチームマネジメント業務に携わっている。

    ヨス・フェルスタッペンがSNSで即反論
    この発言に対し、ヨス・フェルスタッペンはSNSのXで即座に反撃した。

    「やあ、ギュンター。なぜ君がもうF1チーム代表ではないのか理解できるよ。その話し方を見ればね」

    短いながらも辛辣なコメントで、シュタイナーの発言を一蹴した。

    マックス・フェルスタッペンとヨス・フェルスタッペン

    2026年規則への不満は依然変わらず
    フェルスタッペンは以前から2026年F1パワーユニット規則に強い懸念を示している。

    FIAは現在、内燃機関と電力の比率を現行のほぼ50対50から60対40へ変更する方向で原則合意に達している。これによりエネルギーマネジメントへの依存を減らすことが狙いだ。

    しかしフェルスタッペンは、この変更ですら最低限の条件だと主張している。

    「このままなら、来年は僕が望まない長いシーズンになるだろう」

    「精神的に、この状態のまま続けるのは無理だ。本当に無理なんだ」

    2028年末までレッドブルF1との契約を結んでいるフェルスタッペンだが、2027年に向けた規則見直しを巡る議論は今後も続きそうだ。

    単なる規則論争を超えた“政治戦”へ
    今回の応酬は、単なるレギュレーション論争ではなく、2026年F1パワーユニットを巡る政治的な駆け引きの激しさを映し出している。

    フェルスタッペンはドライバーとして率直な意見を発信し続けている一方で、その発言がレッドブルやパワーユニットメーカーの利害と結び付けて解釈される場面も増えている。

    シュタイナーの皮肉はまさにその点を突いたものだったが、ヨス・フェルスタッペンは即座に反撃。2026年F1レギュレーションを巡る対立は、サーキットの外でも熱を帯び始めている。

  • キャデラックF1 バルテリ・ボッタス更迭説を全面否定「完全な事実無根」

    キャデラックF1 バルテリ・ボッタス更迭説を全面否定「完全な事実無根」

    キャデラックF1チーム代表のグレアム・ロードンは、バルテリ・ボッタスのシート喪失が噂されているとの報道について、「事実無根だ」と強く否定した。

    2026年シーズン開幕から5戦を終えた時点で、チームメイトのセルジオ・ペレスと比較して適応に苦戦しているとの見方から、ボッタスの将来に疑問符が付けられていた。しかしロードンは、そうした憶測には根拠も論理性もないと一蹴している。

    「完全に間違っている」更迭説を一蹴
    ロードンはRacingNews365に対し、ボッタス更迭説について明確に否定した。

    「その噂には何の根拠もないし、まったく真実ではない。断言できる」

    「どこから話せばいいのか分からないが、その噂は事実として完全に間違っている。そこに真実の要素はまったく存在しない」

    さらにロードンは、キャデラックのドライバーが置かれている特殊な状況を説明した。

    「両ドライバーがやっている仕事を見れば分かる。我々はレースをしながら同時にチームを作り上げている最中だ。これは非常に特殊な任務だ」

    「外部の人々は、我々が彼らに何を求めているのかを知らない。セッションごと、レースごと、そしてマシン開発において何を担っているのかも理解していない」

    キャデラックは依然としてポイント未獲得ながらも、参戦前に予想されていたほど大きく後れを取ってはいない。ロードンは、開幕前にもチームを過小評価する声が多かったことを指摘した。

    「開幕前には、我々が予選で107%ルールの範囲内に入ることさえ難しいという話があった」

    「だがモントリオールでは、スプリント予選突破まであとコンマ数%のところまで来ていた。だから噂には真実がないだけでなく、論理性もない」

    コルトン・ハータ起用説にも呆れ顔
    今回の噂では、ボッタスの後任としてリザーブドライバーのコルトン・ハータを起用する案まで報じられていた。

    しかしロードンは、その内容自体がF1の基本ルールを理解していないものだと指摘した。

    「読んだ噂の中には、F1の基本的なルールさえ考慮していないものがあった」

    「例えば、数戦以内にコルトンをバルテリの代わりに起用するという話だ。しかしコルトンにはF1参戦に必要なスーパーライセンスのポイントが足りない」

    「その事実だけでも、その種の噂の信頼性がどれほどのものか分かるだろう」

    ペレス離脱説も同時に否定
    ロードンは、ボッタスだけでなくセルジオ・ペレスに関する憶測についても否定した。

    「コルトンには彼自身のプログラムがあり、チェコ(ペレス)にも我々とのプログラムがある。バルテリも同じだ」

    「彼らはそれぞれの形で、キャデラックF1チームの構築という目標に貢献している」

    そして最後に、噂に対するチームの立場を改めて強調した。

    「バルテリのシートが危険にさらされているとか、チェコが他チームへ移籍するといった噂には、実際の真実も証拠も一切存在しない。そのことを極めて明確にしておきたい」

    キャデラックは2026年の新規参戦チームとして、ペレスとボッタスという経験豊富なラインアップを起用した。開発とチーム構築を並行して進める現在の段階では、単純なリザルト以上に両ドライバーが果たしている役割をチームは重視しているようだ。ボッタス更迭説は、少なくとも現時点では完全に否定された形となった。

  • ルイス・ハミルトン フェラーリF1躍進の裏側「新レースエンジニアは最高だ」

    ルイス・ハミルトン フェラーリF1躍進の裏側「新レースエンジニアは最高だ」

    ルイス・ハミルトン(フェラーリF1)は2026年F1カナダGPで2位表彰台を獲得し、フェラーリ移籍後最高成績を記録した。苦戦が続いた開幕から一転し、モントリオールでは週末を通して高い競争力を発揮した。

    その背景には、今季からコンビを組む新レースエンジニアのカルロ・サンティとの関係構築があった。ハミルトンはレース後、チームとサンティへの感謝を惜しみなく語っている。

    フェラーリが進めた体制変更
    フェラーリは今季序盤、リカルド・アダミを別の役職へ異動させることを決定し、ハミルトン専任のレースエンジニアとしてカルロ・サンティを起用した。

    サンティはかつてキミ・ライコネンを担当した経験を持ち、プレシーズン中は暫定的な起用と見られていた。しかし開幕から5戦を終えた時点でもその体制は継続されており、両者の連携は着実に深まっている。

    「彼と働くのが本当に楽しい」
    ハミルトンは週末の改善について次のように語った。

    「今週末は違うセットアップを選んだ。データを分析しながら進めていたんだけど、エンジニアと本当にうまく仕事ができている。彼は本当に素晴らしいし、一緒に働くのがとても楽しいです」

    「僕のナンバー2も今週末は素晴らしい仕事をしてくれた。クルマからさらにパフォーマンスを引き出せるよう助けてくれたし、ずっと良い状態に持っていくことができた。そのおかげで、ようやくすべてのコーナーでアタックできるようになった」

    「言ったように、僕はいろいろな変更を求めてきた。フレデリック・バスールも本当に協力的で、僕が快適に走れるようにあらゆる努力をしてくれている。それがようやくパフォーマンスに表れ始めた。だからチームに感謝したい」

    シミュレーターを使わずに挑んだ週末
    今回のカナダGPでハミルトンは事前にシミュレーター作業を行わなかったことも明かしている。

    それでもフェラーリは舞台裏で数多くの改善を進め、ドライバーが最大限の力を発揮できる環境づくりに取り組んできたという。

    「今週末は本当に楽しかった。すべての周回を楽しめた」

    「最初から正しい方向でスタートできたし、良い姿勢で週末に入れた。クルマの感触も全体的に素晴らしかった」

    「大好きなモントリオールで走れて、ここで初めてのスプリント週末を経験できたのも最高だった。そしてこれはチームとの初めての2位だ」

    ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)

    苦闘の末につかんだ初表彰台
    フェラーリ移籍後のハミルトンは適応に苦しみ、期待された結果をなかなか残せずにいた。

    しかし今回の2位獲得によって、チームが進めてきたセットアップ変更や体制改革がようやく成果として現れ始めたことを示した。

    「ここまで来るためにどれほど努力してきたか、言葉では説明できない。本当に深く掘り下げてきたし、このパフォーマンスを実現するために舞台裏では大きな努力があった」

    「それでもチームは毎週末ずっと僕を支え続けてくれた。本当に感謝している」

    「そして彼らがこれほど喜んでいる姿を見るのは素晴らしい気分だ。彼らは日々本当に懸命に働いているし、その努力に値するからだ」

    フェラーリ復活への転機となるか
    今回の結果で注目されるのは単なる2位獲得だけではない。ハミルトン自身が繰り返し語ったように、クルマとの一体感やチームとの信頼関係に明確な前進が見られた点だ。

    カルロ・サンティとの新たなコンビネーションが機能し始めたことで、フェラーリはようやくハミルトンに最適化された方向性を見つけつつある。カナダGPの表彰台が一時的な好結果に終わるのか、それとも今後のタイトル争いへ向けた本格的な反撃の始まりとなるのか。次戦以降のパフォーマンスが大きな注目を集めそうだ。

  • アストンマーティンF1の“根本問題”をアロンソが嘆く「後半戦まで続く」

    アストンマーティンF1の“根本問題”をアロンソが嘆く「後半戦まで続く」

    フェルナンド・アロンソは、2026年F1シーズン序盤にアストンマーティンF1の回復を妨げている問題について、「根本的な問題」と表現した。

    アストンマーティンはホンダとの提携初年度に苦しいスタートを切っており、AMR26に起因する激しい振動など複数の問題によって、アロンソとランス・ストロールは開幕から厳しいレースを強いられている。

    「自然な位置である最後尾に戻っていく」
    マイアミとカナダでは一定の前進があったものの、アロンソはカナダでのチームのパフォーマンスについて、これまでと同じ状況の繰り返しだと振り返った。

    「いつもと同じだ」とアロンソはコメント。

    「スタートがうまくいくこともあるけど、完全に本来とは違う位置にいて、そこから少しずつ後退していく。毎周ひとつずつポジションを失って、最後には自然な位置である後方にたどり着く」

    「これが現状で、夏以降まではこういう状態が続く。だから僕たちはそれを受け入れているし、毎週末同じ質問に答えている。でも、この状況については落ち着いている」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    改善は進むも根本解決は夏以降
    アロンソは、アストンマーティンに進歩があることは認めた一方で、ホンダのパワーユニットの不足が依然としてチームを制限していると指摘した。

    「進歩は常にある」

    「コースに出るたびに、マシンにもエンジンにも、セッティングにもギアボックスにも新しいものがある」

    「マイアミからカナダにかけて、ギアボックス、ギアの同期、ダウンシフトは大きく改善した」

    「それがラップタイムにどう反映されるかを数値化するのは難しい。でも、まったく同じマシンでも、細かい部分を詰めたことで、ここではマイアミより明らかに速かった」

    「ここからモナコまでの間にも、多くの小さな改善があると思っているし、また一歩前進できることを願っている」

    「ただ、根本的な問題、そしてペースから3秒遅れている部分は、エンジンのパワーとエアロパッケージから来なければならない。それは今年後半になって初めて実現する」

    アロンソは短期的な苦境を受け入れながら、シーズン後半の改善に望みをつないでいる。さくらの施設とシルバーストンでは、現在の苦境を立て直すための大規模な作業が進められている。

    【関連】
    ・アストンマーティンF1首脳が反省 カナダGPで露呈したオペレーションミス

  • キャデラックF1も歓迎 V8エンジン復活論が勢い「我々は作り方を知っている」

    キャデラックF1も歓迎 V8エンジン復活論が勢い「我々は作り方を知っている」

    2028年から自社製パワーユニット投入を目指すキャデラックF1が、F1で勢いを増しているV8エンジン復活論を歓迎していることを明らかにした。

    2026年から導入された新世代パワーユニットは電動出力への依存度が高く、多くのドライバーからエネルギーマネジメントの複雑さや走行特性への不満が出ている。こうした状況を受け、FIAやF1首脳陣の間では、よりシンプルなエンジン規則への回帰を求める声が強まっている。

    キャデラックF1にとって追い風となるV8構想
    その議論を歓迎しているのが、2026年からF1参戦を開始したキャデラックF1の親会社であるゼネラルモーターズ(GM)だ。

    GMのマーク・ロイス社長は、デトロイトで開催されたインディカー戦の場で、将来的なV8レギュレーションへの支持を表明した。

    「我々はV8エンジンの作り方を知っている」

    「GTPやGTDプロで長い歴史があるし、それらのエンジンはここミシガン州で製造している」

    「F1でこのような機会が議論されていることを非常に嬉しく思っている」

    一方でロイスは、現在進行中のF1パワーユニット開発計画に変更はないと強調した。

    「2028年投入予定の2.4リッターV6ツインターボの開発をさらに進めている」

    「それが変わるとは思わない。我々はすでに大きな投資を行ってきたし、それは素晴らしいプロジェクトだからだ」

    キャデラックF1は当初から単なるフェラーリ製パワーユニットのカスタマーチームではなく、将来的にワークスメーカーとなることを条件にF1参戦を認められている。

    GMはすでにノースカロライナ州にF1エンジン部門を設立し、ベテランエンジニアのラス・オブレネスを責任者に据えている。自社ユニットの供給開始前からエンジンメーカー会議にも参加しており、本格参戦への準備を進めている。

    そのため、もし将来的によりシンプルなV8規則へ移行すれば、キャデラックF1がフルワークスメーカーとして参入するハードルは大きく下がることになる。

    ドメニカリが描くF1の未来像
    V8復活論を強く後押ししているのがF1のステファノ・ドメニカリCEOだ。

    ドメニカリはフランス紙『レキップ』の取材で、持続可能燃料を活用した内燃機関中心の将来像を語った。

    「個人的には、グリーン燃料が中心的な役割を果たす未来を思い描いている」

    「電動部分との現在のバランスを変え、内燃機関を再び主役に戻すことができる」

    「それこそがモータースポーツの基盤だ」

    ドメニカリは、こうした方向転換によって現在のマシンが抱える重量問題の解決にもつながると考えている。

    「マシン全体の重量を大幅に削減する機会になる」

    「より俊敏でコンパクトなマシンを取り戻し、限界まで攻められるクルマに戻すことができる」

    さらに、長年のF1ファンからも支持を得られるとの見方を示した。

    「この進化は、伝統的なファンたちを喜ばせると確信している」

    2030年頃の大転換は現実味を帯びるか
    V8復活構想は、以前までは一部関係者の理想論として扱われていた。しかし現在は状況が変わりつつある。

    FIA会長のモハメド・ビン・スライエムも2030年から2031年頃を目標に、より軽量でシンプルかつ迫力のあるパワーユニットへの回帰を支持している。

    F1は2026年レギュレーション導入からわずか数か月で、その次の世代のエンジン像を巡る議論を本格化させている。ドメニカリ、FIA、そして新規参入するキャデラックF1までが同じ方向を向き始めたことで、V8復活構想はこれまでになく現実味を帯びつつある。

  • キミ・アントネッリがフェラーリF1移籍説を否定「メルセデスで勝つことが目標」

    キミ・アントネッリがフェラーリF1移籍説を否定「メルセデスで勝つことが目標」

    2026年F1選手権をリードするアンドレア・キミ・アントネッリが、イタリアで開催された「ロレンツォ・バンディーニ賞」の授賞式で将来的なフェラーリF1移籍の可能性について質問を受けた。しかしアントネッリは、現在の自身の立場を明確にし、メルセデスへの忠誠心を強調した。

    19歳のアントネッリは今季、中国、日本、マイアミ、カナダで勝利を挙げ、F1史上最年少の選手権リーダーとなった。その活躍が評価され、イタリア・ブリジゲッラで第33回ロレンツォ・バンディーニ賞を受賞した。

    イタリア期待の星に向けられるフェラーリ移籍の視線
    ロレンツォ・バンディーニ賞は、1967年モナコGPで事故死したイタリア人ドライバー、ロレンツォ・バンディーニを讃えて創設された賞で、1992年からモータースポーツ界で顕著な功績を残した人物に贈られている。

    これまでにミハエル・シューマッハ、ルイス・ハミルトン、マックス・フェルスタッペンらが受賞しており、近年ではオスカー・ピアストリも名を連ねている。

    イタリア出身で急速にスターへの階段を駆け上がるアントネッリに対しては、将来的なフェラーリ入りを期待する声が国内で根強く存在する。授賞式でもその話題は避けられなかった。

    「メルセデスで勝つことが目標」
    アントネッリはフェラーリについて敬意を示しながらも、自身の現在地をはっきりと示した。

    「フェラーリは素晴らしいファンを持つ巨大なチームであり、これからも永遠に歴史に残る存在だ」とアントネッリはコメント。

    「だが、僕はメルセデスのドライバーだし、僕の目標はメルセデスで勝つことだ」

    「彼らは僕が若い頃から大きなチャンスを与えてくれた。僕の歩んできた道のりをずっと支えてくれたし、このチームのためにベストを尽くす責任があると感じている」

    「その先については、その時に見てみよう」

    現在アントネッリはチームメイトのジョージ・ラッセルに43ポイント差をつけてランキング首位に立っており、メルセデスの将来を担う存在として期待されている。

    伝統ある受賞に感激
    授賞式では自身の将来だけでなく、伝統ある賞を受け取った喜びについても語った。

    「このイベントの一員となり、このような特別な賞を受け取れることは本当に光栄だ」とアントネッリは語った。

    「今日ここで、これほど多くのサポートと温かい雰囲気に囲まれていることで、この瞬間はさらに特別なものになった」

    「決して忘れることのない経験だし、皆さんと共有できることに心から感謝している」

    「このトロフィーを家族、素晴らしいチーム、そしてこれまで僕を支えてくれたすべての方々に捧げたい」

    「皆さんの励ましと信頼があったからこそ今の僕がある。本当に感謝している」

    メルセデスへの忠誠を改めて強調
    イタリア人ドライバーがフェラーリに乗ることは、長年にわたり国内ファンの夢とされてきた。実際にアントネッリほどの才能であれば、将来的にフェラーリが獲得を目指す可能性は十分にある。

    しかし今回の発言では、少なくとも現時点でそのような移籍を考えていないことを明確に示した。メルセデス育成プログラム出身のアントネッリは、自身を支えてきたチームへの感謝を繰り返し口にしている。

    2026年シーズンはここまで圧倒的な活躍を見せており、まずはメルセデスで世界タイトルを獲得することが最大の目標だ。フェラーリ移籍説は今後も続くだろうが、アントネッリ自身はその雑音に惑わされることなく、目の前の戦いに集中している。

  • ミハエル・シューマッハ事故から12年 救助関係者が初めて語る“あの日”

    ミハエル・シューマッハ事故から12年 救助関係者が初めて語る“あの日”

    ミハエル・シューマッハのスキー事故から12年以上が経過した。2013年12月、フランス・メリベルで発生した事故は、F1史上最も成功したドライバーの人生を大きく変える出来事となった。

    事故後、家族はシューマッハの健康状態に関する厳格なプライバシー方針を維持しており、詳細はほとんど明かされていない。しかし今回、フランス紙『L’Equipe』が当時の救助や治療に携わった関係者へのインタビューを掲載し、事故当日の知られざる証言が明らかになった。

    ヘリコプターパイロットが振り返る緊迫の救助活動
    事故当日、シューマッハをスキー場からグルノーブルの病院へ搬送したヘリコプターのパイロット、ヤニック・デネーズは、出動時の様子を振り返った。

    「救急隊員が医師とともにヘリコプターから飛び出し、僕に『シューマッハを搬送するぞ!』と言った。最初は冗談だと思った」

    しかし、その後すぐに状況の特別さを理解したという。

    「現場指揮官はマイクとGoProカメラを停止するよう命じ、さらに記者の同乗を禁止した。その時に本当にシューマッハなのだと分かった」

    デネーズによれば、現場には異様な静けさが漂っていた。

    「誰も話さなかった。全員が自分の任務だけに集中していた」

    世界的スターを搬送するプレッシャーは感じていたものの、任務そのものへの姿勢は変わらなかったという。

    「無意識のうちにプレッシャーはあった。彼が神のように崇拝されている存在だと知っていたからだ」

    「それでも僕にとっては、重傷を負った一人の人間だった」

    執刀医が感じた“事態の深刻さ”
    『L’Equipe』は、グルノーブル大学病院で治療にあたった脳神経外科医ステファン・シャバルデスにも話を聞いている。

    シャバルデス医師は、スキーウェア姿の患者を見た瞬間にシューマッハ本人だと気付いたという。

    「患者の上に身をかがめた時、私はミハエルだと分かった」

    「その瞬間、『これは今日、大変なことになるぞ』と思った」

    当初から重傷であることは理解していたが、本当の危機的状況を認識したのは手術後だった。

    「手術中も状況が深刻であることは分かっていた。しかし術後のCTスキャンを見た時、極めて危険な状態だと理解した」

    報道現場にも走った緊張感
    当時取材を行っていたジャーナリストのブノワ・ブイも、事故直後の混乱を証言した。

    ブイは信頼できる情報源から、シューマッハの生命が危険な状態にあると聞かされたという。

    「プレッシャーは計り知れなかった」

    「もしそのニュースを報じて、3日後に本人が頭に包帯を巻いただけの状態で現れたら、我々の信用は終わっていただろう」

    当時は情報が極めて限られており、各報道機関が慎重な判断を迫られていたことがうかがえる。

    いまも続く沈黙と家族の意思
    シューマッハは事故以来、公の場に姿を見せていない。

    F1界では今なお多くの関係者が彼の回復を願い続けているが、家族は健康状態の詳細を明かさない方針を貫いている。

    今回の証言は、世界中が固唾をのんで見守ったあの日に何が起きていたのかを伝える極めて貴重な記録となった。同時に、それがどれほど深刻な事故であったかを改めて浮き彫りにしている。