カテゴリー: コルトン・ハータ

  • キャデラックF1 バルテリ・ボッタス更迭説が浮上 セルジオ・ペレスにも移籍の噂

    キャデラックF1 バルテリ・ボッタス更迭説が浮上 セルジオ・ペレスにも移籍の噂

    2026年F1カナダGPの週末で、ドライバー市場の噂が一気に加熱している。マックス・フェルスタッペンを巡るトップチームの動向が注目を集める一方、新規参戦チームのキャデラックにも不穏な空気が漂い始めた。

    伊Sky Italiaのロベルト・キンチェロによると、バルテリ・ボッタスはセルジオ・ペレスに対して予選で大差をつけられたことで、すでにチーム内で立場が揺らいでいるという。

    さらに、ペレス自身にも他チームへの関心があるとされ、2027年に向けてキャデラックのラインアップが大きく変わる可能性が浮上している。

    ボッタスに厳しい視線 予選0.8秒差が波紋
    モントリオールでの予選で、バルテリ・ボッタスはセルジオ・ペレスに対して2回の予選セッションともコンマ8秒差をつけられた。

    「ブレーキに問題があったのかは分からない」とロベルト・キンチェロは語った。

    「だが、コンマ8〜1秒差というのは大きい。彼の立場が安泰だとは思えない」

    キャデラックは参戦初年度、経験豊富なドライバーラインアップでプロジェクトを安定させる方針を取ってきた。しかし、開幕から苦戦が続く中で、早くも将来に向けた方向転換が議論されているという。

    「まだ5月だが、ドライバー市場はすでに本格化している」

    「キャデラックではボッタスのポジションについて議論が始まっている」

    ペレスにも移籍説 キャデラック残留は不透明
    一方で、セルジオ・ペレス自身も長期的にキャデラックに留まる考えではない可能性があるとされる。

    「ペレスは他チームに問い合わせを行っている」とキンチェロは明かした。

    「はっきりしているのは、彼がおそらく引退を望んでいないということだ。彼は走り続けたいと思っている」

    そのためキンチェロは、2027年には少なくとも1席、場合によっては2席とも空席になる可能性があると予測している。

    「おそらく2人のうち少なくとも1人は来年いないと思う」

    「もしかすると、2人ともいないかもしれない」

    キャデラックの次世代候補にハータ浮上
    もしラインアップ刷新が現実となれば、キャデラックは“生き残り”重視の体制から、将来を見据えた若手育成路線へ舵を切る可能性がある。

    その筆頭候補として名前が挙がっているのが、アメリカ人インディカードライバーのコルトン・ハータだ。

    現在はF2でスーパーライセンス獲得に必要なポイントを積み上げており、条件を満たせばキャデラック入りへの道が開けるとみられている。

    「コルトン・ハータがいる」とキンチェロは語った。

    「もしスーパーライセンスを確保できれば、彼にはキャデラック入りへの明確な道筋があると思う」

  • コルトン・ハータ、ザウバーF1シムでキミ・ライコネン超えを認める「事実だ」

    コルトン・ハータ、ザウバーF1シムでキミ・ライコネン超えを認める「事実だ」

    コルトン・ハータは、かつてザウバーF1のシミュレーター走行でキミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィを上回っていたという逸話が事実だったと認めた。当時はマイケル・アンドレッティによるザウバー買収計画とともに、ハータのF1参戦が現実味を帯びていた時期でもあった。

    ハンガロリンクで行われたシミュレーターテストについて、ハータは「事実だ」と認めつつも、「実際のマシンで結果を出さなければ意味はない」と冷静に振り返った。

    現在はキャデラックF1からのFP1参加を控えており、再びF1への扉が開こうとしている。

    ライコネンとジョビナッツィを上回ったシミュレーターテスト
    ハータはザウバーのヒンウィル拠点を訪れ、シミュレーターテストを受けた。1978年F1ワールドチャンピオンのマリオ・アンドレッティは当時、3日目にはハータがライコネンとジョビナッツィより速かったと語っていた。

    その話が本当だったのかをポッドキャスト『ビヨンド・ザ・グリッド』で問われたハータは、事実だったと認めた。

    「そう、事実だ」

    「でも、シミュレーターで彼らより速かったと言えるのはクールなことだけど、実際のドライビングでそれをできなければ、あまり意味はないと思う」

    「チームが見るうえではいいことだと思う。そうすると彼らは『分かった、彼はテストに投資する価値があるかもしれない』となる」

    「シミュレーターから降りたときは間違いなく気分がいい。でも、それが実際の成功につながるのか? そうかもしれないし、そうではないかもしれない。そう言えるのはクールなことだ」

    そのセッションで走ったコースについて、ハータは「ハンガリーだった」と明かした。

    F1シートには届かずも、キャデラックで新たな機会
    ハータはザウバーのファクトリーも見学し、のちにアルファロメオへ加入するバルテリ・ボッタスとも初めて顔を合わせた。

    「クールだったし、そこで過ごした時間を楽しんだ。彼らのファクトリーは本当に素晴らしいし、特に風洞のセットアップはすごかった。そういうものを見られたのは興味深かった」

    「それに、バルテリに初めて会ったのもそのときだった。彼はメルセデスからそこへ移るところで、シート合わせをしていた」

    「残念ながら、そこから何かが生まれることはなかった。でも、その一部を少しだけ内側から見られたのはクールな時間だった」

    マイケル・アンドレッティの買収構想は実現せず、ハータの2022年F1参戦の可能性も消滅した。アルファロメオはその後、バルテリ・ボッタスと周冠宇という新たなドライバーラインアップを採用した。

    その後に浮上したアルファタウリでのF1機会も実現しなかったが、ハータにはキャデラックF1を通じて新たなチャンスが巡ってきている。ハータはスペインGPで同チームからFP1デビューを果たす予定となっている。

  • コルトン・ハータ 幻のF1昇格 レッドブルとの“乱高下交渉”を告白

    コルトン・ハータ 幻のF1昇格 レッドブルとの“乱高下交渉”を告白

    コルトン・ハータは、2023年にアルファタウリからF1昇格を果たすはずだった自身の計画が頓挫した経緯について、当時すでに契約を手にしていたにもかかわらず、スーパーライセンス不許可によって署名できなかった舞台裏を明かした。

    レッドブル首脳との交渉は日々状況が変化する“ジェットコースター”のようなものだったと振り返り、最終的にはF1シートも失う可能性があった中でインディカー残留を選択した判断が「正しかった」と語っている。

    契約は存在も署名できず FIA判断がすべてを左右
    2022年当時、アルファタウリはピエール・ガスリーの後任としてハータを起用する方向で動いており、本人も契約書を手にしていた。しかし、必要な40点に対して32点しか持っていなかったスーパーライセンスの問題が障壁となり、FIAは特例申請を却下した。

    この決定により、実際にシートに就く可能性がありながらも、その機会は完全に閉ざされることとなった。

    ヘルムート・マルコとの交渉は日替わりで変動
    ハータは当時の交渉について、レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコとのやり取りを「非常に率直だった」と評価しつつも、その内容は日ごとに大きく変化していたと明かした。

    「彼は可能性についてとてもストレートに話してくれた。ある日は80%くらいだと言われて、次の日には40%、その次には60%に戻るような感じだった」

    「現実的にチャンスはあった。実際に契約もあった。ただ、スーパーライセンスがなかったからサインできなかった」

    インディカー残留が“最善の選択”に
    交渉の不透明さが続く中、ハータは決断を迫られることになる。F1の結果を待ち続ければ、インディカーのシートすら失うリスクがあったため、最終的にはアンドレッティと再契約を結んだ。

    「これ以上待つことはできなかった。インディカーで新しい契約を結ばなければならなかった」

    「結果的にそれが正しい判断だった。もしスーパーライセンスが認められていなければ、F1にもインディカーにもシートがなかった可能性がある」

    現在はキャデラックとともにF1参戦を模索
    現在のハータはキャデラックとのプロジェクトを軸にF1参戦を目指しており、今季はF2参戦に加えて複数回のフリー走行出走も予定されている。

    スーパーライセンス取得に必要な条件を満たす最終段階に近づいており、かつて頓挫したF1昇格への道は、形を変えて再び現実味を帯びつつある。

  • キャデラックF1 コルトン・ハータがバルセロナでFP1初走行 F2転向で昇格狙う

    キャデラックF1 コルトン・ハータがバルセロナでFP1初走行 F2転向で昇格狙う

    キャデラックF1チームは、テストドライバーを務めるコルトン・ハータを今季4回のフリー走行1回目(FP1)に起用する方針を明らかにした。初走行は6月12日のバルセロナ・カタルーニャGPで実施され、現行F1マシンでの初セッションとなる。

    インディカーで9勝を挙げたハータは、F1昇格を目指して今季からF2に参戦しており、今回のFP1起用はその挑戦を象徴する重要なステップとなる。

    一方で、F1参戦に必要なFIAスーパーライセンスは現時点で35ポイントにとどまり、規定の40ポイントには届いていない状況だ。

    F2転向はスーパーライセンスポイント獲得が目的
    ハータはこれまでインディカーで実績を重ね、2024年にはランキング2位を記録したが、ポイント制度の違いによりF1参戦条件を満たしていない。

    F2では上位3名が40ポイントを獲得できる一方、インディカーはチャンピオンのみが40ポイントに到達する仕組みとなっており、ランキング2位では30ポイント、3位では20ポイントにとどまる。この制度差が、ハータのF2転向を後押しした形だ。

    26歳という年齢でのF2参戦は異例とも言えるが、ハータにとってはF1昇格に向けた現実的な選択となっている。今季はハイテックから参戦し、メルボルンのフィーチャーレースで7位を記録している。

    FP1で4度の実戦機会を獲得
    F1では各チームに対し、ルーキードライバーをFP1で起用する義務が課されており、グランプリ出走が2回以下のドライバーが対象となる。

    ハータはこのルールを満たしており、キャデラックF1チームの4回分のルーキー枠をすべて担当する予定だ。初回はバルセロナで実施され、残り3戦は未発表となっている。

    すでにシート合わせも完了しており、マイアミGPでは再び現地入りする予定だ。これはバーレーンGPとサウジアラビアGPの中止に伴い、F2のスケジュールが再編された影響でもある。

    ハータ「すべての走行から学びたい」
    ハータは今回の機会について次のように語った。

    「初めてキャデラックF1チームのマシンに乗るのが待ちきれない」

    「フルのグランプリ週末の中でチームと密接に仕事ができることを楽しみにしているし、すべての走行から学ぶことに集中している」

    「レース週末全体に貢献し、チーム、チェコ、そしてバルテリをできる限り助けたい」

    グレアム・ロードンも高評価
    チーム代表のグレアム・ロードンは、ハータの実績とF2でのパフォーマンスを評価し、今回の起用を自然なステップと説明した。

    「コルトンはトップタレントだ。インディカーでの実績だけでなく、F2での力強いスタートでもそれを証明している」

    「4回すべてのヤングドライバーFP1を彼が担当するのは、テストドライバーとしての自然な次のステップだ。開発面で何をもたらすのか楽しみにしている」

    スーパーライセンス制度への疑問も浮上
    FIAスーパーライセンス制度については、一部から不公平との指摘も出ている。

    F1パドック関係者のウィル・バクストンは、制度のあり方について次のように疑問を呈した。

    「F1スーパーライセンス制度は、ある特定の才能の台頭に対する短絡的な反応として生まれたものだと何度も言ってきた」

    「制度を維持するなら、特にインディカーのポイント配分について大幅な見直しが必要だ」

    F1昇格へ向けた試金石
    今回のFP1起用は、ハータにとって単なる経験の場にとどまらず、F1昇格の可能性を左右する重要な評価機会となる。

    キャデラックF1チームにとっても、新規参戦体制の中で将来のドライバー候補を見極める場となり、ハータのパフォーマンスは今後の起用方針に直結する可能性がある。

  • キャデラックF1 コルトン・ハータにF2トップ10要求 F1準備度を総合評価

    キャデラックF1 コルトン・ハータにF2トップ10要求 F1準備度を総合評価

    インディカーで勝利を重ねてきたコルトン・ハータが、キャリア最大級の挑戦となる2026年シーズンに臨む。舞台はFIA F2。さらにキャデラックF1のリザーブドライバーとしても契約を結び、F1昇格に向けた本格的な評価が始まる。

    キャデラックCEOのダン・トウリスは、ハータに対してF2ランキング「トップ10入り」を目標として設定したと明言した。ただし、その評価はF2の結果だけにとどまらない。

    キャデラックが示した現実的な評価基準
    トウリスはハータのF2挑戦について、次のように語った。

    「コルトンにはF2でトップ10フィニッシュを期待している」

    「重要なのはトラックやタイヤを学ぶことだ。F1に備えるための成長が目的だ」

    「彼はF1シミュレーターにも参加する。F2だけではない。FP1セッションにも関与する予定だ」

    「我々は総合的なパフォーマンスでF1準備状況を判断する」

    インディカー勝者に対してトップ10という目標は一見すると控えめにも映る。しかし、F2はF1直下カテゴリーであり、ヨーロッパ中心のレース文化、ピレリタイヤ、マシン特性など、適応すべき要素は多い。

    さらに、F2はFIAスーパーライセンスポイントが最も多く付与されるカテゴリーでもある。ランキング3位以内で40ポイントが付与され、即時F1参戦資格を得られる。

    ただし、キャデラックはトップ3を公的目標には掲げていない。

    キャデラック F1 コルトン・ハータ

    F2挑戦はF1昇格への戦略的ルート
    ハータはインディカーを離れ、F1への最短ルートを選択した。過去にはアンドレッティによるザウバー買収計画や、レッドブル傘下アルファタウリでの起用案も浮上したが、スーパーライセンスポイント不足が壁となった。

    その状況を打開するためのF2挑戦である。

    2026年はF2史上でも屈指の強力なドライバーラインアップが揃うと見られている。だが、ハータがこのキャリア転換を選んだ理由は「トップ10満足」ではないはずだ。

    総合評価でF1昇格を狙う2026年
    ハータの2026年プログラムはF2参戦だけではない。IMSA復帰に加え、キャデラックF1でのシミュレーター作業、FP1走行機会も予定されている。

    つまり評価は「F2順位+実戦F1準備度」の総合判断となる。

    プレッシャーを和らげるトップ10目標は、適応期間を考慮した現実的な設定とも言える。しかし、インディカーで勝利経験を持つハータが本気でF1を狙うなら、最終的に必要となるのはタイトル争いレベルの結果だ。

    2026年シーズンは、単なるF2参戦ではない。

    F1への“証明の年”が始まる。

  • コルトン・ハータが認めた「奇妙なキャリアパス」 F1を目指しF2参戦を決断

    コルトン・ハータが認めた「奇妙なキャリアパス」 F1を目指しF2参戦を決断

    コルトン・ハータは、F1参戦という目標に向けて歩みを進める中で、自身の選択を「奇妙なキャリアパスだ」と認めている。もともとは望んでいなかった道だが、時間をかけた熟考と父の助言を経て、その決断に至った。

    現在25歳のハータは、インディカーで7シーズンを戦い、通算9勝、11回の表彰台、そして2024年シーズンにはランキング2位を獲得した実績を持つ。

    そんな中で彼は昨年、F1を目指すことを公表した。FIAスーパーライセンスに必要なポイントを獲得するため、今季はFIAフォーミュラ2選手権に参戦し、ハイテックからドライブする予定だ。同時に、新設されたキャデラックF1チームのテストドライバーも務める。

    ハータは、この決断に対する周囲の反応について前向きなものだったと語る。

    「チーム側、マネジメント側、F2のオーナー側、みんな本当にポジティブで、歓迎してくれた」と、彼はニューヨーク・タイムズに語った。「僕自身も結果を出したいし、彼らも僕にうまくやってほしいと思ってくれている。あとは時間がどうなるかだ。

    これは奇妙なキャリアパスだと思うし、それは否定しない。とても珍しいことだ。多くの人が興味を持って見ていると思う。でも僕の中では、F1に行きたいという気持ちははっきりしている。これがそのための最善のチャンスだと考えている」

    当初は否定的だったF2参戦
    ハータは、F2参戦という案が最初に持ち上がったとき、ほとんど取り合わなかったことを認めている。

    「最初にその話が出たときは、『いや、僕はプロのレーシングドライバーだ』という感じだった。25歳でジュニアカテゴリーに行くなんて考えられなかった」

    しかし、CARTやインディカーで勝利経験を持ち、インディ500を自身のチームで2度制した父ブライアン・ハータと話し合う中で、考えは変わっていった。

    「父と話しながら、『どんなメリットがあるんだろう? なぜ彼らは僕にこれをやらせたいんだろう?』と考えた。スケジュールを見たりもしたし、移行としてはとても助けになると感じた」

    コルトン・ハータ F1

    ヨーロッパ経験と新たな挑戦
    ハータは、2015年から2016年にかけてヨーロッパでレースをしていた経験がある。MSAフォーミュラ、ユーロフォーミュラ・オープン、スペインF3、イギリスF3に参戦し、いずれもカーリンから走っていた。

    「『多くのサーキットを走ったことはあるけど、それは10年前だし、コースも変わっている』と思った。しかも、ピレリタイヤを走らせたことは一度もない。あれはかなり難しいと聞いていたからね。

    でも、ポジティブな面を整理して話し合っていくうちに、決断はだんだん簡単になっていった」

    評価よりも、自分の意思を優先
    この挑戦に対する周囲の評価について、ハータ自身は気にしていないという。

    「このキャリアパスについて、人がどう思うか、ポジティブかネガティブかはあまり気にしていない。それは単純に、これが僕自身がやりたいことだからだ。F1に行きたい。そのための最善のチャンスが今ここにある。だから戦うしかない。この決断は、その覚悟を示しているんだ」

  • コルトン・ハータのF2挑戦 利点と課題をミシェルCEOが分析「経験は優位」

    コルトン・ハータのF2挑戦 利点と課題をミシェルCEOが分析「経験は優位」

    コルトン・ハータの2026年のインディカーからF2へという異例の挑戦は、再びF1への道を切り拓こうとしている。インディカーで9勝を挙げたアメリカ屈指の才能が、FIAスーパーライセンス獲得のためにフォーミュラ2に挑むという決断は、昨年のモータースポーツ界で最も注目を集めた動きのひとつだった。

    25歳のハータは、平均的なF2ドライバーをはるかに上回るキャリアを積んでいながら、あえて下位カテゴリーに身を置くという「必要だが異例」のステップを踏んでいる。

    RacingNews365は開幕を前に、F2 CEOのブルーノ・ミシェルに話を聞き、この挑戦がもたらす利点と「課題」について見解を聞いた。

    インディカー9勝とF1への未完の挑戦
    アメリカ国内で高く評価されてきたハータは、過去にF1マシンのテスト経験もあり、ザウバー(現アウディ)のシミュレーターでは、当時のドライバーであるキミ・ライコネンやアントニオ・ジョビナッツィを上回るタイムを記録したとも伝えられている。

    2022年には、ピエール・ガスリーの移籍に伴いアルファタウリのシートに迫ったが、スーパーライセンスに必要な40ポイントに対し、当時の保有ポイントは32だった。FIAは特例を認めず、その年末には29ポイントまで減少した。

    近年改定されたインディカー向けのポイント配分が当時適用されていれば、ハータは48ポイントを獲得しており、2023年にF1グリッドに立っていた可能性もあった。しかし現実は変わらず、2024年にランキング2位となったものの、タイトル獲得には届かず、スーパーライセンスの条件も満たせなかった。

    F2という正規ルートへの合流
    こうした状況を打開するため、ハータはFIAが想定する正規ルートであるF2への参戦を選択した。ハイテックTGRからF2に参戦しつつ、キャデラックF1チームの育成ドライバーとしても活動し、将来的なフル参戦資格の獲得を目指している。

    ただし状況は単純ではない。キャデラックF1にはバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスが複数年契約で在籍しており、この点がハータの立場をより複雑なものにしている。

    ミシェルが語る明確な強み
    ミシェルはまず、ハータの豊富な経験を最大の武器として挙げる。

    「彼は経験豊富なドライバーで、それは常に助けになる。25歳という年齢は、多くのレース経験を積んできたことを意味するし、それは確実にアドバンテージになる」

    特にレースクラフトの面では、F3から直接昇格してきた若手よりも成熟していると評価する。

    「F2に直接上がってくる若いドライバーより、はるかに洗練されたレースクラフトを持っているはずだ。それは間違いなく助けになる」

    さらに、マシン面でも一定の共通点があるという。

    「インディカーも我々と同じダラーラ製シャシーだ。細部は異なるが、ダラーラには哲学があり、ワンメイクカテゴリーという点も共通している。こうした要素は彼にとって重要で、助けになる」

    立ちはだかるF2特有の課題
    一方でミシェルは、ハータが即座に有利になるわけではないとも指摘する。最大の壁は、F2特有のタイトで厳しい週末フォーマットだ。

    「一番の難しさは週末のフォーマットだ。彼はそれに慣れていない。インディカーでは、F2やF1の週末よりも多くの走行時間があるはずだ」

    限られたフリー走行と制限されたテスト日程の中で、短時間で仕上げる能力が求められる。

    「短い時間の中で準備を整える必要がある。フリー走行も少なく、公式テストも限られている。これはカテゴリーのコストを抑えるためだ」

    加えて、ピレリタイヤの扱い、エンジン特性、そして未知のヨーロッパ系サーキットへの適応も課題となる。

    「タイヤの使い方、エンジンの使い方、彼が知らないサーキットがある。ただ、優れたドライバーは非常に速くサーキットを覚える。シミュレーターで準備し、すぐに適応する」

    それでも環境の違いは大きい。

    「経験に基づくアドバンテージはあるが、F3を経験していないという点は明確だ。F3はF2への準備として非常に優れているが、そのプロセスを彼は経ていない」

    F2で8位に入れば、ハータはスーパーライセンスに必要な残り6ポイントを獲得できる。経験という強みと、フォーマットや文化への適応という課題。その両方をどう乗り越えるかが、ハータのF1への夢を左右することになる。

  • コルトン・ハータのF2への適応が左右するインディカーの世界的評価

    コルトン・ハータのF2への適応が左右するインディカーの世界的評価

    2025年9月にインディカー離脱を発表したコルトン・ハータは、先月初めにF2で初テストに臨んだ。これは、メジャースポーツでは前例のない「後退して前進する」選択だ。

    たとえば、NFLのスターQBであるジョシュ・アレンが、8年のキャリアを経てNFLを去り、より大きく世界的なリーグに入るために大学へ戻る――そんな想像をしてほしい。理解不能だろう。

    しかしインディカーでは、最大級のスターの一人であるハータが、キャデラックF1ドライバーになるための第一歩として、実際にインディカーを離れF2へ向かう道を選んだ。

    2018年にほぼ同時期にプロデビューしたアレンとハータはいずれも世代を代表する才能だ。ハータはインディカー116戦を戦い、2024年にはアンドレッティ・グローバルでランキング2位。通算9勝を挙げ、2019年には18歳で史上最年少優勝者となった。25歳となった今、彼はインディカーに深く根付いた存在で、2025年のメディアガイドではドライバー欄の表紙に彼一人の顔が使われたほどだ。

    それだけに、F1の“仕上げの学校”へ向かうこの進路変更は、奇妙で前例のないものに映る。

    才能は十分、だが「アクセス」が足りない
    ハータの実力はF1直行でも不足はない。だが、マクラーレン、レッドブル、フェラーリらと戦うために必要なスーパーライセンスポイントが足りず、グリッドへの「アクセス」を得られていない。

    かつては、ハータ級のドライバーがF1を夢見て実力さえあれば歓迎された時代があった。

    「1963年、23歳でペンシルベニア州ハットフィールドのミジェットに乗っていたとき、頭にあったのはダン・ガーニーだった。彼はそのままF1に行った。僕は三分の一マイルのダートトラックでF1を考えていたんだ」と1978年F1世界王者のマリオ・アンドレッティは語る。

    不足分のポイントを得るため、ハータとTWGモータースポーツ(キャデラックF1の親会社)は、Hitech TGRのF2マシンで2026年を戦うという大胆な計画を立てた。

    「今しかないと彼は分かっているし、その賭けを受け入れている。一歩下がって二歩進む。その覚悟は美しい。彼は自分のやっていることを理解しているし、必ず成し遂げる」とアンドレッティは語る。

    理論上は有利、現実は容易ではない
    理論上、トップクラスのインディカードライバーであるハータは、F2の若手を圧倒しても不思議はない。しかし適応は簡単ではない。先月アブダビで行われた3日間の合同テストでは、3日目の午前で14番手、午後で19番手だった。

    「快適さを掴むことが目的だった。まだ完全に馴染めてはいない。重要な3日間で、すべてを最大化する必要がある。オフシーズンに走れるのは楽しいし、残りの2日が楽しみだ」とハータはテスト中盤に語っている。

    コルトン・ハータ キャデラック F1

    F2特有のタイヤと手順
    2025年にF2を戦ったアメリカ人のマックス・エスタソンは、タイヤ使用制限と独特の手順に衝撃を受けたという。ファイアストンの頑丈なタイヤでハードに走れるインディカーとは対照的に、ピレリ装着のF2はハードドライビングを許さない。

    「最大の違いは有効周回の少なさだ。アウトラップ、ウォームアップ、プッシュの1周、その後はクールダウン。アウトラップは20〜30秒遅く、実質スピードで走らない。表面を極端に繊細に扱う必要がある」とエスタソンは説明する。

    「予選は、数分間流した後、時速200マイルでターン1に入り、その1周を完璧に決める必要がある。予選用タイヤの経験はほぼない。準備が少ない中での完璧さが求められる」

    オワードの視点──ハータの成否はインディカーの評価
    元チームメイトのパト・オワードは、個人的にも、そしてインディカー全体のためにもハータの成功を願っている。

    「彼にうまくいってほしい。これは財政面というより、個人的なリスクだ。F1のシートを得て、我々が知っている実力を示してほしい。才能はあるが、自動的に結果が出るわけではない。長年やってきたドライバーたちと戦うことになり、学習曲線は急だ」

    「もしうまくいかなければ、それを叩く声も出てくる。それが現実だ」

    オワードにとって、F2でのハータの活躍は、インディカーが高水準のドライバーを擁するシリーズであることの証明になる。一方、苦戦すれば、F1ファンの一部はハータだけでなくインディカー全体を攻撃するだろう。

    「彼の決断を支持し、成功を祈るべきだ。彼はインディカーからF2へ行く最初の存在だからだ。コルトンがうまくやれば、それはインディカーの勝利になる」

    ハータのF2での適応は、彼自身のF1への道だけでなく、インディカーの世界的評価そのものを試す試金石となる。

  • 宮田莉朋&ハータ 平均年齢でF1グリッドの半数を上回るハイテックF2

    宮田莉朋&ハータ 平均年齢でF1グリッドの半数を上回るハイテックF2

    2026年に向け、アメリカのトップ・シングルシーターであるインディカーからF2へと異例の転向を果たすのが、インディカー勝者のコルトン・ハータだ。7シーズンにわたるインディカー参戦経験を携え、彼は来季のF2開幕と同じ月に26歳を迎える。これは、F2ドライバーとしては明らかに高い年齢層に属する。

    だが、彼のチームメイトも同様だ。宮田莉朋もすでに26歳であり、2人が所属するハイテックは、F2の中でも際立って“成熟した”ラインアップを形成している。

    F1では、F2に参戦する若手よりも年下のドライバーが昇格するケース自体は珍しくない。しかし、2026年のハイテックの布陣はその中でも特異な例だ。宮田莉朋は2026年F1に参戦予定の10人、世界王者のランド・ノリスを含むドライバーより年長となる。コルトン・ハータもまた、すでにF1で戦う8人より年上だ。

    一方で、F1側に目を向けると、ハイテックのF2コンビより平均年齢が高いラインアップを組むチームも存在する。現役王者のマクラーレン、2025年のレースウィナーであるレッドブル・レーシングやメルセデスなど、5チームがそれに該当する。

    対照的に、レーシングブルズは両ドライバーともハイテックの2人より若く、ハースF1チームも平均年齢ではハイテックを下回る。F2経験者を擁しながらも、年齢面ではF1勢の方が“若い”構図が浮かび上がる。

    コルトン・ハータは2019年、18歳でCOTAを制しインディカー史上最年少勝者となった。シリーズ9勝、昨季のランキング2位という実績を持ちながら、FIAスーパーライセンス・ポイント不足によりF1参戦資格を得られなかったのは周知の事実だ。

    しかし、彼のF2転向が発表された後、FIAは2026年からインディカーに付与されるスーパーライセンス・ポイントを増加させると発表した。さらにハータは、2026年に新規参戦するキャデラックF1チームのテストドライバーも務め、2027年のレースシート獲得を目指す。なお、この新チームは来季F1グリッドで最年長のラインアップを組む見込みだ。

    F2の中にありながら、F1グリッドの半数より年長──ハイテックの2026年体制は、育成カテゴリーとトップカテゴリーの年齢構造が逆転しつつある現実を、象徴的に示している。

  • キャデラックF1リザーブのコルトン・ハータ、F2初公式テストで好発進

    キャデラックF1リザーブのコルトン・ハータ、F2初公式テストで好発進

    キャデラックF1のリザーブドライバーを務めるコルトン・ハータは、2026年FIAフォーミュラ2選手権に向けた準備の第一歩として、今週アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われたHitech TGRとの初公式F2テストに参加した。

    テスト初日から2日間で、ハータは合計172周を走行。新しいマシンとシリーズに慣れることを主眼に置いた、多忙なプログラムを消化した。

    水曜午前のセッションでは32周を走り、1分39秒792を記録してテストをスタート。午後に入るとさらに51周を重ね、ベストタイムを1分39秒416まで更新した。Hitechはこの段階で、マシンのハンドリング特性を理解し、ドライバーの順応を進めることに重点を置いていた。

    初日を振り返り、ハータはスピードよりも快適さを優先していることを強調している。

    「とにかくクルマに慣れることがすべてだった。正直に言えば、まだこのクルマに完全に快適だと感じている状態からはかなり遠い」と、25歳のハータはSpeedcafeに語った。

    「この3日間は本当に重要だし、ここでできることはすべて最大限に活かす必要がある。オフシーズンにこうしてクルマに乗れるのは楽しいし、次の2日間も楽しみにしている。」

    コルトン・ハータ キャデラック F1

    ペース向上とロングランへの移行
    木曜は引き続き走行距離を積み重ね、午前セッションで36周を走行。ベストタイムは1分38秒115まで縮まり、Hitech TGRのマシンに対する自信と順応が着実に進んでいることを示した。

    午後のセッションでは焦点がロングランと多燃料状態での走行に移り、タイヤの挙動やマシンバランスの変化を評価するプログラムが組まれた。ハータはこのセッションでさらに53周を走行し、1分42秒263を記録している。

    2日間合計172周という走行距離は、参加ドライバーの中でも最多クラスだった。ベストタイムは総合15番手で、MPモータースポーツのオリバー・ゲーテには約1秒及ばなかった一方、同日発表されたHitechの新チームメイト、宮田莉朋よりは0.4秒速いタイムとなった。

    F1リザーブ、IMSA、そしてF2という複数カテゴリーを並行して戦う中で、ハータはまず確実に土台作りを進めている。今回のテストは、結果以上に走行量と適応を重視した内容となり、2026年シーズン本番に向けた重要な準備段階となった。