カテゴリー: F1オーストリアGP

  • キミ・アントネッリ メルセデスF1無線で自己嫌悪「ひどいレースだった」

    キミ・アントネッリ メルセデスF1無線で自己嫌悪「ひどいレースだった」

    アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、2026年F1第8戦オーストリアGPで3位表彰台を獲得したものの、レース後のチーム無線では「ひどいレースだった。スタートも最悪だった」と自らの走りを厳しく評価した。

    ランキング首位を維持しているアントネッリだが、5連勝が途絶えたバルセロナ・カタルーニャGPに続き、オーストリアGPでも思い描いたレースを展開できず、終盤のペースを評価されながらも序盤のミスを強く悔やむ様子を見せた。

    表彰台でも納得できなかったアントネッリ
    決勝では3位でチェッカーを受けたアントネッリだったが、レースエンジニアのピーター・ボニントン(ボノ)から祝福を受けると、自らのレース内容を厳しく振り返った。

    ボノは「よくやった、キミ。3位だ。あと少しだった」と労いの言葉を掛けた。

    しかしアントネッリは「ひどいレースだった。スタートも最悪だった」と返答。スタート直後の走りを強く悔やむ様子を見せた。

    ボニントンが「序盤については後で振り返ろう」と応じると、アントネッリは「でも終盤のペースは良かった?」と確認。これに対しボニントンは「終盤のペースはかなり良かった」と評価している。

    序盤の失敗を最後まで引きずっていたことが、このやり取りからもうかがえた。

    タイトル争いで求められる精神的な成長
    アントネッリはシーズン序盤、5連勝を達成してタイトル争いをリードしてきた。しかし直近2戦では、バルセロナ・カタルーニャGPのリタイアとオーストリアGPでの苦戦により、これまでのような圧倒的な流れは失われつつある。

    オーストリアGPの予選でも、赤旗後のQ3でラッセルが逆転ポールを獲得する展開となり、週末を通してフラストレーションを抱えていた様子も伝えられていた。

    それでも、終盤には速いレースペースを見せて3位表彰台を確保したことは、ダメージを最小限に抑えた結果とも言える。

    今後はラッセルとの戦いも本格化
    これまでアントネッリはルイス・ハミルトンとのタイトル争いを意識する発言をしてきたが、オーストリアGPを制したラッセルもランキングで差を縮め、メルセデス内部での争いも一段と激しくなってきた。

    若干19歳のアントネッリには高い速さがあることはすでに証明されている。一方で、チャンピオン争いでは速さだけでなく、不調な週末でも冷静にポイントを積み重ねる精神的な強さも求められる。

    シルバーストン以降の後半戦は、アントネッリがトップドライバーへと成長できるかを占う重要な局面となりそうだ。

  • マクラーレンF1 GPS分析で露呈した弱点 ノリスは全周で直線性能に苦戦

    マクラーレンF1 GPS分析で露呈した弱点 ノリスは全周で直線性能に苦戦

    2026年F1第8戦オーストリアGPで、マクラーレンのマシンが抱える弱点がGPSデータによって浮き彫りになった。レッドブル・リンクでは直線区間でライバル勢に大きく後れを取り、ランド・ノリスは予選・決勝を通じて厳しい戦いを強いられた。

    分析では、マクラーレン MCL40はコーナーだけでなくストレートでも不利な状況にあり、その原因として空力抵抗やエネルギーマネジメント、ギア比設定など複数の要素が指摘されている。

    GPSデータが示したマクラーレンの弱点
    The RaceのGPSデータ分析によると、予選でノリスはジョージ・ラッセルに0.389秒遅れ、その約半分をストレート区間で失っていた。

    特にターン4へ向かう上りのストレートでは、メルセデスとの差が最大5mph(約8km/h)に達しており、MCL40の最高速不足が明確に表れていたという。

    分析では、この原因として以下の3点が挙げられている。

    ■ 空力抵抗(ドラッグ)が大きすぎる
    ■ エネルギーデプロイメントが最適化されていない
    ■ ギア比が短すぎる

    ギア比については改善の余地があるものの、得られる性能向上に対して変更作業が複雑すぎることから、現時点では実施に踏み切る可能性は低いとみられている。

    ノリス「勝負は1周目で決まった」
    決勝で7位に終わったノリスは、レース後に序盤のポジション争いが結果を左右したと振り返った。

    「今日の暑さの中で簡単なレースではありませんでした」

    「1周目に数台に抜かれてしまいましたし、ピットストップでもアイザック・ハジャーをカバーするためにオスカー(・ピアストリ)を先に入れたことで順位を失いました。それがすべてでした」

    「それ以外は特に不満はありません。ポジションを失ってしまい、このレースではトラックポジションが最も重要でした。不運でしたが、それがレースです」

    ノリスはレース内容そのものよりも、スタート直後と戦略によってトラックポジションを失ったことが最大の敗因だったとの見方を示している。

    シルバーストンで巻き返しなるか
    マクラーレンは2024年、2025年とタイトル争いを演じた影響で、2026年型マシンの開発開始が遅れたことをノリス自身も認めている。一方で「現在はライバルとの差を縮めつつある」とも語っており、改善への手応えも口にしている。

    しかし、今回のGPS分析ではコーナーだけでなくストレート性能にも明確な課題が存在することが示された。高速区間の多いシルバーストンでは、この弱点をどこまで改善できるかが上位争い復帰への重要なポイントとなりそうだ。

  • メルセデスF1 フェルスタッペンに巧妙なピット戦術? クルサードが指摘

    メルセデスF1 フェルスタッペンに巧妙なピット戦術? クルサードが指摘

    オーストリアGP決勝でマックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルが優勝を争うなか、メルセデスがピットレーンで巧妙な駆け引きを仕掛けていた可能性が浮上した。

    F1TVの解説を務めた元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、実況席から見えたメルセデスの動きについて「意図的だった」との見方を示し、フェルスタッペンのピットストップにわずかな影響を与えたと指摘している。

    クルサードが目撃したメルセデスの駆け引き
    レッドブルは50周目にフェルスタッペンを2回目のピットストップへ投入し、新しいタイヤでジョージ・ラッセルを追いかける戦略を選択した。

    その直前、3番手を走るアンドレア・キミ・アントネッリも同時にピットへ向かうように見えたため、メルセデスのクルーは作業位置に並んでいた。しかし実際にはアントネッリはステイアウトし、フェルスタッペンだけがピットへ入った。

    クルサードは、この際にメルセデスのクルーがフェルスタッペンの進入ラインを狭くする位置に残っていたと説明した。

    「ピットレーンで興味深いことを見た。通常、隣のガレージがピットインしない場合は、礼儀としてエアライン(ホース類)を引き下げ、クルーもスペースを空けるものだ」

    「だがメルセデスはクルーをピットボックスへ送り出した。アントネッリは結局ピットインしなかったが、フェルスタッペンはメルセデスのクルーを避けるように回り込んで自分たちのボックスへ入らなければならなかった」

    「完全にルールの範囲内だ。ただ、ほんのわずかだが遅くなった」

    パーマーも「タイムロスはあった」と分析
    同じくF1TVで解説を務めたジョリオン・パーマーも、フェルスタッペンが通常より大きく旋回する必要があったと分析した。

    「メルセデスのクルーを避けるために余計なコーナリングを強いられ、わずかなタイムロスが生じた。もちろん彼らにはそこに立つ権利がある」

    さらにパーマーは、もしレッドブルがフェルスタッペンをピットへ入れなければ、メルセデスはアントネッリをピットへ呼び込んでいた可能性が高いとの見解も示している。

    勝敗を左右したのは予選と戦略
    フェルスタッペンはラッセルより遅らせて2回目のピットストップを行い、タイヤの優位性を築いて終盤に猛追した。しかしチェッカー時点で差は1.6秒までしか縮められず、逆転には届かなかった。

    今回のオーストリアGPでは、レッドブルが投入した軽量化を中心とするアップグレードの効果が確認され、決勝ペースではフェルスタッペンが優勝に最も近い速さを見せていたとの評価もある。

    一方で、予選でのクラッシュによる不利なスタート位置や物議を醸したラッセルのポールポジション、そして決勝での戦略やピットレーンでの細かな駆け引きが重なり、今季初の2位に終わった形となった。

  • リアム・ローソン レーシングブルズF1に無線で激怒「もう二度と指示は信じない」

    リアム・ローソン レーシングブルズF1に無線で激怒「もう二度と指示は信じない」

    リアム・ローソンは、2026年F1第8戦オーストリアGPで発生したレーシングブルズのチームオーダーを巡る一件について、「もう二度と指示は信じない」と無線で怒りをあらわにした。レース後にはチーム代表アラン・パーメイン自らが無線でローソンをなだめる場面も明らかになった。

    ローソンはタイヤとブレーキを管理するよう指示され、「チームメイトのアービッド・リンドブラッドからは攻撃されない」と伝えられていたものの、実際にはオーバーテイクを許したことに不満を表明。

    その後は順位を奪い返して9位でフィニッシュし、レース後には「チーム内で話し合うことになるだろう」と語った。

    チームオーダーを巡る不満が噴出
    レーシングブルズはオーストリアGPでリアム・ローソンが9位、アービッド・リンドブラッドが10位に入り、3戦連続のダブル入賞を達成。コンストラクターズランキング6位を堅持し、ハースとの差を23ポイントに広げた。

    しかし、その裏ではチームメイト同士の駆け引きが起きていた。

    ローソンはタイヤとブレーキを管理するためペースを抑えるよう指示され、その際に「リンドブラッドからは攻撃されない」と伝えられていたという。

    ところが、リンドブラッドはターン4でオーバーテイク。ローソンは無線で「もう二度とそんな指示は信じない」と怒りをあらわにした。

    その後、ローソンはピット戦略を活用してポジションを奪い返し、3戦連続でリンドブラッドを上回る順位でチェッカーを受けた。

    パーメイン代表「落ち着け。我々が対処する」
    レース終了後のクールダウンラップでは、レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインが自ら無線でローソンに語りかけていた。

    レースエンジニアのアレクサンドル・イリオプロスが「9位だ。素晴らしい仕事だった」「最大限の結果を引き出せた」と伝えたあと、パーメインは次のように話した。

    「リアム、私だ。落ち着いてくれ。大丈夫だ。我々が対処する。心配しなくていい。冷静でいてくれ」

    ローソンも「了解」と応じ、感情を抑えながらレースを締めくくった。

    リアム・ローソン(ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム)

    ローソン「約束と違った」
    レース後、ローソンはチームオーダーについて率直な心境を語った。

    「最初のスティントでは戦略どおりにレースを進めた」

    「ブレーキをマネジメントするよう言われ、その間は攻撃されないと聞いていた。でも実際には攻撃された」

    「だから2スティント目はすぐ後ろにつき、ピットストップ後に抜き返した」

    舞台裏で話し合いが行われるかと問われると、「おそらくそうなるだろう」と認めた。

    序盤はブレーキ過熱にも苦しむ
    ローソンはレース序盤、ブレーキの異常な発熱にも苦しんでいたことを明かした。

    「最初の数周はブレーキが本当に熱くて、その熱気がコクピットまで入ってきていた」

    「でも、その後は落ち着いて問題なく走れた」

    「今日は満足している。トップチーム勢が全員完走した状況では、これが僕たちにできる最大限の結果だった」

    一方のリンドブラッドは、ローソンがアンダーカットで順位を取り返す展開は予想していたと説明した。

    「そうなるだろうと思っていた。チームがそうするだろうと考えていた」

    「でも、それで構わない。特に問題ではない」

  • アストンマーティン・ホンダF1 「現状では前のマシンと戦うのは難しい」

    アストンマーティン・ホンダF1 「現状では前のマシンと戦うのは難しい」

    アストンマーティンF1のマイク・クラック最高サーキット責任者(Chief Trackside Officer)は、2026年F1第8戦オーストリアGPを振り返り、現在のマシンではライバルと戦うだけの競争力が不足していることを認め、「前を走るマシンと戦うのは難しい状況だった」と語った。

    アストンマーティンにとってオーストリアGPは厳しい週末となった。フェルナンド・アロンソは18位で完走したものの、トップから3周遅れとなり、レース終盤にはピットレーン速度違反によるタイムペナルティも科された。

    一方、ランス・ストロールは46周目にERSトラブルが発生し、リタイアを余儀なくされた。

    チームは今季投入予定の大型アップデートを待ちながら苦しい戦いが続いており、ホームレースとなる次戦イギリスGPを前に、現状の厳しさを改めて認める形となった。

    「最大限を引き出すことに集中した」
    クラックは、オーストリアGPではポイント争いは現実的ではなく、限られたパッケージの中で最大限のパフォーマンスを引き出すことを目標にしていたと説明した。

    「暑いコンディションの中で行われたオーストリアGPだった。我々は前を走るマシンと競り合うのが難しいことを理解した上で、現在のマシンから最大限のパフォーマンスを引き出すことに集中していた」

    また、レース序盤から中盤にかけては2台が接近したペースで走行していたことにも触れた。

    「ランスとフェルナンドはレースの大半で非常に接近した位置を走っていた。2台はほぼ隊列を組んで周回を重ねていた」

    しかし、その戦いもストロールのトラブルによって終わりを迎えた。

    「46周目にランスのマシンにERSの不具合が発生した疑いがあり、マシンをリタイアさせることになった」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    アップデート投入まで耐える時間
    今回のコメントではクラック自身はアップデートについて詳しく触れなかったものの、ドライバー2人は現状の苦しい状況を認めながらも、改善への期待を口にしている。

    アロンソは「厳しい週末だったが予想していたことでもあった」と振り返り、完走によってデータを収集できたことを前向きに評価した。

    「レースを完走し、データを集め、オペレーション面を改善し続けられたことは価値があった。ここ数戦でそうした部分は前進しているし、アップグレードが投入される時に備えられるよう改善を続けたい」

    一方のストロールも、現状では上位争いは難しいと認めながら、開発陣への信頼を示した。

    「今日は誰かと大きく戦える状況ではないことは分かっていた。それでもタイヤマネジメントは良く、フェルナンドとのレースは楽しめた」

    「今はチーム全員にとって非常に厳しい時期だが、誰もがマシンのアップグレード投入に向けて懸命に働いている。もう少し辛抱すれば、数戦後には再び中団グループで戦えるようになることを期待している」

    ホームレースで反撃を目指す
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤から苦戦が続いており、現在は大型アップデートの投入を待ちながらデータ収集とセットアップの最適化を進めている段階にある。

    オーストリアGPでは競争力不足に加え、ストロールのERSトラブルも発生し、チームにとって厳しい週末となった。それでもクラックは現有戦力でできる限りの仕事は果たしたとの認識を示しており、チームはホームレースとなるイギリスGPで少しでも前進を果たすことを目指している。

    大型アップデートの投入が近づく中、アストンマーティン・ホンダが苦境を脱し、中団争いへ復帰できるかが今後数戦の大きな焦点となりそうだ。

  • F1オーストリアGP決勝 ピレリ総括「ハード主体の2ストップ戦略が最速だった」

    F1オーストリアGP決勝 ピレリ総括「ハード主体の2ストップ戦略が最速だった」

    2026年F1第8戦オーストリアGPは、気温36度、路面温度55度という酷暑のレッドブル・リンクで行われ、タイヤマネジメントが勝敗を左右するレースとなった。

    優勝したジョージ・ラッセル(メルセデス)は、ミディアムタイヤでスタートし、ハードタイヤへ2度交換する2ストップ戦略を採用。2位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位キミ・アントネッリ(メルセデス)も同様の戦略を選択し、表彰台を獲得した。

    2ストップが予想通りの最速戦略
    レース前から最速と予想されていた2ストップ戦略が、そのまま勝利への方程式となった。

    シャルル・ルクレール、ルイス・ハミルトン、ピエール・ガスリーのみが3ストップ戦略を選択し、それ以外のドライバーは全員が2ストップを採用した。

    スタートタイヤはほぼ全車がミディアムコンパウンドを装着。カルロス・サインツJr.とガブリエル・ボルトレトだけがソフトタイヤでスタートした。

    上位4台はいずれも、ミディアムでスタートした後、ハードタイヤを2セット使用する同じ戦略を採用。ラッセルはフェルスタッペンに1.611秒差をつけて優勝し、アントネッリもフェルスタッペンから0.3秒あまり遅れた3位でフィニッシュした。

    この勝利によりラッセルはドライバーズランキング2位に浮上。一方でアントネッリは171ポイントでランキング首位を維持している。

    フェラーリは3ストップで勝負
    フェラーリは今回もライバルとは異なるアプローチを選択した。

    ルクレールとハミルトンは3ストップ戦略を採用し、終盤には燃料搭載量の軽い状況でソフトタイヤを使用。タイヤ性能は良好だったものの、2ストップ勢を逆転するには至らなかった。

    また、フェラーリ勢とガスリーはアンダーカットを狙って早めに最初のピットストップを実施した一方、オーバーカットを試みたドライバーたちは期待した効果を得られなかった。

    レース中盤にはサインツJr.のマシントラブルによるバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入されたが、戦略全体への影響は限定的だった。アントネッリはやや早いタイミングでピットインしたため、VSC中のピットストップによるタイムメリットを十分に活用できなかった。

    ピレリ「タイヤ開発の成果が表れた」
    ピレリのモータースポーツディレクター、ダリオ・マッラフスキは、高温下でもタイヤが安定した性能を発揮したことを評価した。

    「今日のレースでは、2ストップと3ストップの両戦略で3種類すべてのコンパウンドが使用された。予想どおり、高い熱劣化のため1ストップ戦略は現実的ではなかった」

    「2ストップ戦略は、金曜日から各チームが保有していたタイヤセットの状況にも左右されたが、最終2スティントをハードタイヤで走る方法が最も効果的であり、表彰台の3人がそれを実践した」

    「フェラーリは今回も異なる戦略を試し、3ストップに加えてソフトタイヤも使用した。燃料搭載量が少ない条件もあり、ソフトタイヤは非常に良いパフォーマンスを見せた」

    「フェラーリ勢とガスリーはアンダーカットを狙って早めにピットへ入ったが、それ以外のチームは私たちが想定していたピットウインドウどおりに動いた。一方で、オーバーカットを試みたケースは期待した成果を上げられなかった」

    「サインツJr.によるVSCも戦略を大きく変えることはなく、影響を受けたとすれば、やや早めにピットへ入ったアントネッリくらいだ。ニュートラライズ中のピットストップによるタイムアドバンテージを十分に得られなかった」

    「これほど路面温度が高いコンディションにもかかわらず、グレイニングもブリスターも発生しなかった。これはピレリが進めてきたタイヤ開発がサーキットで確かな成果を上げていることを示している」

    オーストリアグランプリオーストリアGP

  • レッドブルF1代表「フェルスタッペンはラッセルより速かったかもしれない」

    レッドブルF1代表「フェルスタッペンはラッセルより速かったかもしれない」

    レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、2026年F1第8戦オーストリアGPで2位に入ったマックス・フェルスタッペンのレースを高く評価し、「ジョージ・ラッセルより速かったかもしれない」と語り、今季最高のパフォーマンスだったと振り返った。

    レッドブルはオーストリアGPで大幅なアップデートを投入。フェルスタッペンは予選でのクラッシュにより5番グリッドからのスタートとなったが、決勝ではメルセデス勢に迫るレースペースを披露し、優勝したジョージ・ラッセルに迫る2位でフィニッシュした。

    「今季最高のレースだった」
    メキースは決勝後、レッドブルにとって今季最高のレースだったと評価し、フェルスタッペンのペースは優勝したラッセルを上回っていた可能性があると語った。

    「今季最高の結果だった。今日の午後は間違いなくシーズンで最も力強いレースができた」

    「最も満足しているのはペースだ。キミ(アントネッリ)が今日一番速かったと思うし、マックスはおそらくジョージより少し速かったかもしれない。ただし、グリッドポジションもレース結果には大きく影響する」

    メキースは、予選順位こそ実力を反映していなかったものの、レッドブルは勝利を争える位置まで到達していたと手応えを示した。

    「予選では、グリッド順位には表れなかったが、我々がどれだけ前進したかは明らかだった。非常に難しいサーキットで、しかも酷暑という条件の中、勝利に必要なペースにかなり近づくことができた」

    開幕から1秒差を数十分の2秒まで縮めた
    メキースは、シーズン序盤からの開発によってトップとの差を大きく縮めたことを強調し、ファクトリーでの取り組みを称賛した。

    「これはファクトリーで行われた仕事がいかに効果的だったかを示している。シーズン開幕時を振り返れば、我々はトップから約1秒遅れていた。それが今では数十分の2秒というところまで差を縮めることができた」

    「戦いはまだ終わっていない。どのチームもアップデートを投入し続けているし、我々もさらに前進しなければならない」

    また、フェルスタッペンの走りを絶賛し、あとわずかで勝利に届いていたとの見方を示した。

    「マックスはレースのあらゆる局面で素晴らしかった。我々は勝てなかったが、足りなかったのは本当にわずかだった。おそらく100分の数秒程度だっただろう。それでも非常に良い戦いができた」

    レッドブル・レーシング

    ハジャーの成長も評価
    メキースは6位でフィニッシュしたアイザック・ハジャーについても評価し、チーム全体として前向きな週末になったと総括した。

    「アイザックもまた堅実なレースを見せ、着実に成長を続けている。全体として、我々にとって正しい方向へ進んでいることを示す週末になった」

    「さらに、レッドブル・フォード・パワートレインズを搭載する4台すべてがポイントを獲得したことも特筆すべきことだ」

    今回のオーストリアGPでは、レッドブルが投入したアップデートが着実に効果を発揮したことを示す内容となった。メキースは優勝には届かなかったものの、シーズン開幕時の大きな差を大幅に縮めたと強調し、今後も開発を継続してメルセデスとの勝利争いを続ける考えを示した。

  • セルジオ・ペレス キャデラックF1の信頼性を酷評「受け入れられない」

    セルジオ・ペレス キャデラックF1の信頼性を酷評「受け入れられない」

    セルジオ・ペレスは、2026年F1オーストリアGPを自身にとって今季「最悪の週末」と振り返り、キャデラックの相次ぐ信頼性トラブルについて「まったく受け入れられない」と厳しく批判した。

    キャデラックはオーストリアGPでペレスとバルテリ・ボッタスの2台がともにブレーキのオーバーヒートに見舞われ、わずか4周以内でリタイア。大型空力アップグレードを投入した週末は、期待とは正反対のダブルリタイアという結果に終わった。

    ブレーキのオーバーヒートで4周以内に2台がリタイア
    今回のトラブルは、レース中の高い気温と他車の後方を走行したことが重なり、ブレーキ温度が想定以上に上昇したことで発生した。

    この症状はフリー走行では確認されておらず、3週間前のモナコGPでボッタスをリタイアに追い込んだトラブルとも別の原因だったという。

    しかし、キャデラックは今季ここまで信頼性問題が続いている。モントリオールではペレスがサスペンション破損でリタイアし、バルセロナ・カタルーニャGPではボッタスがブレーキペダルの不具合に見舞われた。さらにオーストリアでも両ドライバーはプラクティス中に複数のトラブルを経験しており、大型アップグレードによる性能向上を十分に評価できなかった。

    ペレス「4、5歩後退したように感じる」
    ペレスは早期リタイアについて次のように語った。

    「今日は本当に残念だった。渋滞の影響を過小評価していたと思う」

    「今週末はずっと問題が続いていた。おそらく今季で最悪の週末だったし、4歩か5歩後退したように感じる」

    さらに、開発の進め方そのものを見直す必要があると訴えた。

    「特にアップグレードに関しては、プロセス全体を大きく見直す必要がある。今日起きたことは完全に受け入れられないことであり、チームにとっても非常に残念だった」

    「もちろん次のレースまでには解決できると信じている」

    また、ブレーキの問題はフリー走行では兆候がなかったことも明かした。

    「そういう兆候はなかった。渋滞の影響が問題を大きく悪化させたのだと思う」

    「進歩が見えないことが一番つらい」
    ペレスは、新規参戦チームとしてある程度のトラブルは覚悟していたとしながらも、改善が見えない現状に強い不満を示した。

    「もちろんフラストレーションはある。でも一番つらいのは進歩が見えないことだ」

    「新しいチームだからこうした問題は起こると予想していた。しかし、問題なのは改善が見えないことだ」

    「今回のアップグレードによって非効率な部分をより深く理解できるはずだし、シルバーストンでは信頼性が大きく改善すると期待している」

    キャデラック F1

    ボッタス「まずは完走することが最優先」
    ボッタスも、ブレーキの異常はレースまで予想できなかったと説明した。

    「警告は何もなかった。プラクティスではすべて順調だったし、10周以上の連続走行も行っていたので、通常ならレース序盤の最高温度は確認できている」

    「ただ今日は気温が少し高く、さらに渋滞の影響もあって、2周目にはブレーキが完全に限界を超えてしまった。これは大きな問題で、必ず対策を見つけなければならない」

    ボッタスはこれで3戦連続リタイアとなり、開発を進められない状況を嘆いた。

    「3戦連続リタイアになってしまった。レースを完走できなければ、マシンやアップグレードについて何も学ぶことができない」

    「シルバーストンでの最優先事項は完走することだ。そこから初めて学習が始まる。今週末はブレーキ冷却にも新しいパーツを投入したが、それでも十分ではなかった。引き続き改善を続けるしかない」

    さらにボッタスは、オーストリアGPが今季最も失望したレースだったとのペレスの見解にも同意した。

    「おそらく今季で最も失望したレースだった。2台とも数周でリタイアしてしまった。今できることは、チーム全員で懸命に取り組み続けることだけだ。それが前進する唯一の方法だ」

    キャデラックはオーストリアGPで投入した大型アップグレードの効果を十分に検証できないままダブルリタイアを喫した。チームは次戦イギリスGPまでにブレーキ冷却と信頼性の改善を最優先課題として取り組み、完走を足掛かりに開発を前進させることを目指している。

  • アイザック・ハジャー レッドブルF1の進化実感「初めてビッグボーイたちと戦えた」

    アイザック・ハジャー レッドブルF1の進化実感「初めてビッグボーイたちと戦えた」

    レッドブル・レーシングのアイザック・ハジャーは、2026年F1第8戦オーストリアGPで6位入賞を果たし、アップグレードが投入されたRB22の進歩を実感したと語った。

    8番グリッドからスタートしたハジャーは、ルイス・ハミルトン、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリらトップ勢と激しいバトルを展開。自身のF1キャリアで初めて「ビッグボーイたち」と本格的に戦えたレースだったと振り返った。

    トップ勢との初めての本格バトル
    ハジャーはレース後、これまで経験したことのないレベルの戦いを楽しめたと明かした。

    「フェラーリやマクラーレンといったビッグボーイたちと戦ったレースは、これまでのキャリアで記憶にない。だから本当に楽しかったし、今回が初めてだった」

    「しかも、かなりうまく戦えたと思う。もしデプロイメントの問題がなくて、もう少し前からスタートできていたら、4位も狙えたと思う。すごく前向きな週末だった」

    また、幼い頃から憧れていたハミルトンとのバトルについても振り返った。

    「何か特別に学んだことはない。ただ純粋にクールだった。たぶんターン4ではルイスに少し譲りすぎたかな。でも、それ以外はいい戦いができたと思う」

    ブレーキへの不安は決勝でも続く
    ハジャーは、週末を通じて悩まされていたブレーキの問題が決勝でも影響したことを認めた。

    「かなり多くのロックアップがあって、自信を持って攻められなかった。毎周少しマージンを残して走らなければならなかった」

    「ただ、その苦労は自分だけじゃなく、周囲のドライバーも同じだったと思う。暑い路面温度やタイヤの影響が大きかったのかもしれない」

    アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)

    アップグレードでレースペースが大幅向上
    ハジャーは、マックス・フェルスタッペンの2位獲得にも貢献したレッドブル陣営の最新アップグレードが、レースペース向上に大きく寄与したと評価した。

    「レースペースでは間違いなく効果を感じた。今日は2番目に速いマシンだったと思う」

    「普段は予選より決勝のペースで苦戦することが多いけれど、今週末はその差がかなり縮まった。そこは本当に良かった」

    さらに、マシンにはまだ改善の余地があるとしながらも、今後への期待を口にした。

    「マシンはまだ理想的なウインドウには入っていなかった。それでも速かったのは励みになる」

    「マイアミで最初のアップデートを投入して大きく前進した。そして今回はレースでもいいステップを踏めた。1周の速さでは、特にメルセデスはまだ非常に速かったけれど、本当に勇気づけられる内容だった」

    今回のオーストリアGPは、ハジャーにとってトップチーム勢と互角に戦える手応えを得た一戦となった。ブレーキ面には課題を残したものの、アップグレードの効果による競争力向上を実感しており、今後さらに上位争いに加わる可能性を示す結果となった。

  • フェラーリF1代表 戦略ミスを認める「メルセデスを意識しすぎた」

    フェラーリF1代表 戦略ミスを認める「メルセデスを意識しすぎた」

    フェラーリ代表のフレデリック・バスールは、2026年F1第8戦オーストリアGPでチームがメルセデスを過度に意識したことが、戦略判断を誤る一因になったと認めた。

    予選ではシャルル・ルクレールが2番手、ルイス・ハミルトンが3番手を獲得。ジョージ・ラッセルが最後のアタックで逆転ポールを決めたことでフロントロウ独占は逃したものの、フェラーリは好位置から決勝を迎えた。

    しかし決勝では期待したペースを発揮できず、ハミルトンは5位、ルクレールは周回遅れの8位に終わる厳しいレースとなった。

    メルセデスを追いすぎた戦略を認める
    レース後、バスールはチームがメルセデスとの戦いに意識を向けすぎたことを率直に認めた。

    「振り返ってみると、今日はメルセデスを意識しすぎていたかもしれない」

    「2台とも序盤にプッシュしすぎたし、現実的には自分たちのレースではなかったにもかかわらず、彼らについていこうとして戦略面でも少し攻めすぎてしまった」

    「今回の経験から学び、自分たち自身に焦点を戻したい。そしてすぐに来週のイギリスGPへ気持ちを切り替える」

    レース中にはハミルトンもメルセデスとの戦いで戦略的な駆け引きが可能だと示唆していたが、結果的にはその戦略が実を結ぶことはなく、フェラーリは本来のレース運びを見失った形となった。

    スクーデリア・フェラーリ

    予選の速さを決勝につなげられず
    フェラーリはオーストリアGPで改良版パワーユニットを投入。金曜日は旧仕様で走行し、土曜日から新仕様を使用する形で週末を進めた。

    一方で、バスールはバルセロナ・カタルーニャGPでの勝利後だけに、今回の内容には満足できなかったと振り返る。

    「バルセロナのあとだっただけに厳しい週末だった」

    「金曜日のFP1とFP2では非常に苦戦し、レースを想定したコンディションで十分なロングランをこなすことができなかった。その時点で週末のスタートがうまく切れなかったと思う」

    「最終的には予選でパフォーマンスを取り戻し、2番手と3番手を獲得できたのは良い結果だった。しかし、決勝に向けた準備という点では、本来あるべきレベルまで仕上げることができなかった」

    今回のオーストリアGPでは、フェラーリは一発の速さを示した一方で、決勝に向けたセットアップや戦略面で課題を残した。バスールはその反省を踏まえ、チームは早くも次戦イギリスGPでの巻き返しへ向けて準備を進める考えを示している。