カテゴリー: アストンマーティンF1チーム

  • アストンマーティンF1 BYD参入報道の裏でホンダがチーム運営に関与の噂

    アストンマーティンF1 BYD参入報道の裏でホンダがチーム運営に関与の噂

    アストンマーティンF1を巡り、中国メーカーのBYDが将来的なF1参入の足がかりとして買収を検討しているとの報道が浮上した。

    ホンダとの新たな提携で2026年F1新時代の躍進が期待されたアストンマーティンだが、現状は厳しい。マシンは後方に沈み、レース距離を走り切ることさえ難しい状況にあると伝えられている。

    現在のアストンマーティンは、ホンダ製パワーユニットに起因するとされる振動に苦しんでいる。報道では、その振動がフェルナンド・アロンソやランス・ストロールに強い痛みを与え、グランプリを最後まで戦い抜くことを困難にしているという。

    アロンソ自身も、中国GPで手の感覚を失ったと語り、その結果としてリタイアを選んだとされる。こうした状況を受け、チームの将来を巡る憶測が強まりつつある。

    BYDがF1参入の道を探る候補に
    独『アウト・モトール・ウント・シュポルト』によると、中国ブランドのBYDがF1参入に関心を示しており、その方法として既存チームの買収が選択肢になっているという。

    同誌は、BYDが2025年に460万台を販売したメーカーであり、F1グリッドの12番目の枠を活用することで、自社製品への関心をさらに高める可能性があると伝えている。

    ただし、新規チームを一から立ち上げることは極めて難しい。キャデラックも直面しているように、F1参入には多くの障壁があるため、BYDは既存チームの取得に目を向けているとされる。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    候補として挙がったのはアルピーヌとアストンマーティン
    報道では、買収候補としてアルピーヌとアストンマーティンの2チームが挙げられている。

    そのうちアストンマーティンについて、同誌は「テストとメルボルンでの失態の後、オーナーのローレンス・ストロールはまもなく限界点に達する可能性がある」と伝えた。

    もっとも、この買収シナリオは現実味に欠けるとも見られている。記事では、ローレンス・ストロールがアストンマーティンのF1計画に多額の投資を続けてきたことに加え、ホンダが関わっている現体制が、そう簡単に解消されるとは考えにくいと指摘している。

    ホンダの将来まで含めた見方も
    同誌は、たとえ現在の苦戦が続いているとしても、ホンダが提携初年度でただちに計画を打ち切ることはないだろうとみている。

    さらに、将来的にはホンダ自身がチームを引き継ぐ可能性にまで言及しており、2005年末にBARを引き継いだケースになぞらえている。

    現時点ではあくまで憶測の域を出ないものの、アストンマーティンF1の深刻な不振が、新たなメーカー参入の思惑と結び付けられていることは確かだ。2026年F1シーズン序盤の混乱が、チームの将来像にまで波及し始めている。

  • ジェンソン・バトン ニューウェイ設計F1マシンに憧れ「少し嫉妬している」

    ジェンソン・バトン ニューウェイ設計F1マシンに憧れ「少し嫉妬している」

    アストンマーティンのアンバサダーを務めるジェンソン・バトンは、2026年F1シーズンに苦戦を強いられているチームの現状を見つめながらも、コックピットに座るドライバーたちへの複雑な感情を明かした。

    シルバーストンを拠点とするチームは、ホンダ製パワーユニットの問題により厳しいスタートを切っているが、バトンの関心は結果ではなく、むしろマシンを設計するエイドリアン・ニューウェイに向けられている。

    ニューウェイが生み出す“特別なマシン”への憧れ
    バトンは長年にわたりニューウェイ設計のマシンと戦ってきた経験を振り返りながら、実際にそのマシンをドライブしてみたいという思いを率直に語った。

    「この新世代のクルマにはぜひ乗ってみたい。とくにエイドリアン・ニューウェイが設計したクルマにはね」とバトンはアストンマーティンのコラムで述べた。

    「これまで彼のクルマと戦ってきて、一緒に仕事をしたらどんな感じなんだろうといつも思っていた。そういう意味では、ランスとフェルナンドに少し嫉妬していると言えるかもしれない」

    さらにバトンは、ニューウェイの仕事ぶりについても言及し、その独特なスタイルに強い印象を受けていると明かした。

    「エイドリアンが働く姿を間近で見るのは本当に興味深い。彼はとてもオールドスクールで、ノートを手にしてアイデアをスケッチしている。それが彼を特別な存在にしている要素のひとつだ」

    「正直に言うと、彼のノートをこっそり覗こうとしたこともある。でも、すぐに気づかれてしまった」

    ジェンソン・バトン F1 エイドリアン・ニューウェイ

    2026年F1新時代がドライバーに求めるもの
    バトンが“嫉妬”を感じる背景には、2026年F1レギュレーションによる新たな技術的挑戦がある。

    複雑化したハイブリッドシステムにより、マシンの挙動はこれまで以上に繊細となり、ドライバーには従来とは異なるスキルが求められている。

    「今年は新たな技術時代に突入していて、とても興味深いシーズンだ」とバトンは説明した。

    「それでも変わらないこともある。F1は依然としてモータースポーツの頂点だ」

    「F1マシンをドライブする感覚に匹敵するものはない。パワー、ブレーキング、限界域でのマシンの動き――あの感覚は決して色あせない。今のマシンは信じられないほど速い」

    しかし同時に、現代のF1は単なるフィジカルだけでなく、より高度な思考力を要求するカテゴリーへと進化していると指摘する。

    「ただし、マシンの仕組みは変わりつつある。パワーユニットの特性はこれまでとは大きく異なる」

    「以前はコーナーを立ち上がればどれだけのパワーがあるか分かっていたが、今は違う。前のコーナーでのブレーキの使い方や、ハイブリッドのエネルギー配分によって変わる」

    「つまり、ドライバーはこれまで以上に瞬時に判断する必要がある。うまく対応できる者は評価され、できない者は逆に目立ってしまうだろう」

    苦境の先にある“解く価値のある未来”
    アストンマーティンは2026年シーズン序盤で苦戦を強いられているが、バトンはチームの状況を公に批判することはなく、あくまで新時代の挑戦として受け止めている。

    ニューウェイが設計するマシン、そしてフェルナンド・アロンソとランス・ストロールが操る未来の可能性は、依然として大きな魅力を秘めている。

    その最前線を外から見つめるバトンにとって、ステアリングを握れない現実こそが、何よりももどかしいものなのかもしれない。

  • アストンマーティンF1とホンダを縛る「GP2エンジン」日本GPの消えない記憶

    アストンマーティンF1とホンダを縛る「GP2エンジン」日本GPの消えない記憶

    アストンマーティンF1とホンダの関係は、現在において決して悪いものではない。しかしその裏側には、過去の出来事が今なお影を落としている。

    それは2015年9月27日、日本グランプリで起きた出来事だ。この一日は、ホンダにとって忘れることのできない記憶として残り続けている。

    「GP2エンジン」が突き刺した一言
    当時、ホンダはマクラーレンとパートナーシップを結び、パワーユニットの供給に加え、多額のスポンサー資金を投入していた。さらにエースドライバーの給与の大部分も負担しており、そのプロジェクトは技術面だけでなく財政面でも全面的な支援体制のもとで進められていた。

    ホンダのロゴを額に掲げた世界チャンピオンの存在は、その巨大な財政的・技術的投資を行うための条件のひとつでもあった。その持参金には、そうした条件が付随していた。

    しかし、その関係は日本グランプリの一件で大きく揺らぐことになる。

    フェルナンド・アロンソはレース中、エンジンの性能不足に苛立ち、トロロッソに容易に抜かれた瞬間、無線でこう叫んだ。

    「GP2エンジンだ、GP2エンジンだ」

    この一言は、単なる苛立ちの表現では終わらなかった。

    本田技研工業 日本グランプリ

    沈黙と怒り ピットで起きた光景
    その瞬間、ガレージでは静かな異変が起きていた。

    チームのパフォーマンスエンジニアは、3台分のガレージ中央に設置されたテクニカルアイランドの前に立っていた。彼は頭を下げたまま、ゆっくりと首を回し、ガレージ奥の様子を見た。

    そこには、VIPゲスト用のヘッドセット接続が並ぶ光沢のあるカウンターの向こう側に、ホンダの幹部たちが立っていた。

    無線メッセージを聞いたその60代の幹部たちは、金属フレームの眼鏡をかけたままヘッドセットを外し始める。中にはそれを床に落とす者もいた。

    誰ひとり言葉を発することなく、その場を去る。

    しかしその沈黙とは裏腹に、彼らの怒りは明らかだった。口からではなく、耳から泡を吹くかのような激しい感情が、その場に漂っていた。

    その日、そしてその後の日々にわたり、この件についての会議が何度も行われたが、どれも穏やかなものではなかった。

    約束された関係の崩壊
    2015年は、すべてを約束された関係が崩壊へと向かった年だった。

    マクラーレンとホンダは、技術的にも財政的にも大きな期待を背負っていたが、その関係は混乱と対立の中で悪化していく。

    そして2017年、両者は最終的に決別する。

    それは歴史的な2つの存在が、共にあることで価値を高めるどころか、むしろ失ってしまった結末だった。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    消えない記憶と現在の関係
    現在、ホンダはアストンマーティンと新たなパートナーシップを築いている。

    しかし、ホンダにとってその記憶はいまなお消えることはない。

    誰もあの出来事を繰り返したいとは思っていない。外からどう見られているかを常に意識し、名誉を重んじる彼らにとって、それは今も許し難い出来事であり続けている。

    だからこそ現在の関係は、単なる技術提携ではなく、過去の経験を踏まえた上での慎重な関係でもある。

    プランBは存在しない現実
    そしてもうひとつの現実がある。

    アストンマーティンはホンダを必要としており、ホンダもまた現実的なパートナーとしてアストンマーティン以外の選択肢を持っていない。

    両者にはプランBが存在しない。

    そのため、問題があっても関係を維持し、解決に向けて進むしかない。

    あの「GP2エンジン」という一言は、単なる過去の出来事ではない。現在の関係のあり方そのものにも影響を与え続けている。

  • フェルナンド・アロンソでは打開できない?アストンマーティンF1苦境に疑問符

    フェルナンド・アロンソでは打開できない?アストンマーティンF1苦境に疑問符

    アストンマーティンは2026年シーズン開幕から深刻な苦戦に直面している。開幕2戦を終えてコンストラクターズポイントはゼロにとどまり、期待されたエイドリアン・ニューウェイ体制のスタートは厳しいものとなっている。

    その背景にはホンダ製パワーユニットのパフォーマンス不足があり、マシン「AMR26」は現時点で評価すら難しい状況だ。フェルナンド・アロンソにとっては、マクラーレン時代に続く“再びの苦難”とも言える展開となっている。

    元フェラーリのエンジニアであるジョック・クリアは、この状況が短期間で改善される可能性は低いと見ている。

    「アストンマーティンの現状を好ましく思う者はいない。我々全員が驚いているが、内部にいない限り何が問題なのか正確には分からない」

    「アストンとエイドリアン・ニューウェイができるだけ早く問題を解決できることを願っているが、どこに解決の糸口があるのかは見えていない」

    「開発の問題であれば時間がかかるだろう。来年の話になる可能性もある。一方で、もし特定の問題があって、それを解決することで突然100馬力を得られるような状況であれば話は別だが、そうであることを願うしかない」

    「なぜこれほど競争力で後れを取っているのか理解するのは難しい」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    一方でクリアは、こうした困難な状況においてアロンソが最適なドライバーではない可能性にも言及した。

    「アロンソとは一緒に仕事をしたことがないし、ほとんど話したこともない。だから彼のことはよく分からない」

    「ただし、彼が非常に優れたドライバーであることは間違いない。マシン以上の結果を出してきた実績もあるし、いまもなお大きな才能を持っている」

    「しかし、このような困難な状況からチームを引き上げるドライバーを選ぶとすれば、彼が第一候補になることはないだろう。それが私の懸念だ」

    「現在の状況は、彼の能力に合ったものではない」

  • アストンマーティン・ホンダF1 日本GPでジャック・クロフォードをFP1に起用

    アストンマーティン・ホンダF1 日本GPでジャック・クロフォードをFP1に起用

    アストンマーティンは、サードドライバーのジャック・クロフォードが2026年F1日本GPのフリー走行1回目に出走すると発表した。鈴鹿ではフェルナンド・アロンソに代わってAMR26をドライブする。

    今回の走行は、クロフォードにとってアストンマーティンのサードドライバーとして初めてのFP1出走となる。チームに義務づけられているルーキー走行枠のひとつを満たす機会でもあり、レースウイーク中の実戦環境でチームとの連携をさらに深める場となる。

    鈴鹿はクロフォードにとって未走行のサーキットだが、これまで担ってきたシミュレーター作業の積み重ねが今回の走行でも重要な意味を持つ。F1を代表する歴史ある難コースで、実車による経験を積むことができるからだ。

    20歳のクロフォードは、すでにF1マシンでの走行経験を持っている。昨季終盤にはFP1を2度経験しており、今回の走行によって6か月足らずで3度目のFP1出走となる。アストンマーティンのF1マシンでは、すでに3000km以上を走破している。

    クロフォード「歴史があり要求の厳しい鈴鹿を走るのが楽しみ」
    「チームのために鈴鹿でマシンを走らせることができて、本当に興奮している」とジャック・クロフォードは語った。

    「鈴鹿はとても歴史がありながら要求の厳しいサーキットだし、シミュレーターで学んだことを実際のコースコンディションに生かすのが待ちきれない。こうした機会を与えてくれたチームに心から感謝している」

    「これまでのFP1セッションと同じように、今回もこの機会を最大限に生かし、できるだけ多くのことを学びたい」

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 日本グランプリ

    マイク・クラック「貴重な経験を積みながらチームにも貢献できる」
    「若い才能を育てていくという我々の継続的な取り組みの一環として、ジャックに再びFP1の機会を与えられるのは素晴らしいことだ」とアストンマーティンのチーフ・トラックサイド・オフィサーであるマイク・クラックは述べた。

    「彼は特にシルバーストンのシミュレーターで懸命に取り組んできたし、今回のセッションは貴重な実走経験をさらに積み重ねる機会になる」

    「彼が成長を続けるうえで重要な機会になると同時に、有益なデータやフィードバックを集めることでチームに貢献する場にもなる」

  • フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1苦境「問題多すぎ制御できない」

    フェルナンド・アロンソ アストンマーティンF1苦境「問題多すぎ制御できない」

    アストンマーティンは2026年シーズン開幕から深刻な苦境に直面している。ホンダ製パワーユニットを搭載するAMR26は、いまだレース距離を完走できておらず、信頼性の問題が続いている。

    中国GPでは一定の改善が見られたものの、走行距離は開幕戦オーストラリアとほぼ同水準にとどまった。フェルナンド・アロンソは、現状が単なる信頼性問題にとどまらないことを認めている。

    「問題はまだ制御できていない」アロンソが現状を説明
    フェルナンド・アロンソは現状について率直に語り、チームが直面している問題の深刻さを認めた。

    「正直なところ分からない。まだ問題が多すぎるし、毎日のように新しい疑問が理由もなく出てくる。つまり、まだ問題をコントロールできていないということだ」

    「だから、いつ改善できるかを予測するのは難しい」

    AMR26はパワーユニット由来の激しい振動により、マシンだけでなくドライバーにも影響を与えている。実際にアロンソは中国GPで手足のしびれに見舞われ、走行を続けることが困難となった。

    ホンダ支援を優先 チーム一体で問題解決へ
    アロンソは、現在の状況では車体開発よりもパワーユニット問題の解決を優先すべきだと説明する。

    「F1では多くのデータがあるし、他チームの分析もできる。だから僕たちはリソースの一部をホンダに割くことができる」

    「彼らが特定の領域に集中するなら、僕たちが他の部分を手伝うこともできる。つまり、僕たちは一つのチームだ」

    「難しいスタートになっているが、長くは続かないことを願っている。ただし、すぐに解決する問題でもない」

    フェルナンド・アロンソ F1 アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    信頼性解決後も課題 山積のパフォーマンス不足
    さらにアロンソは、仮に信頼性問題が解決したとしても、新たな課題が待っていると指摘する。

    「信頼性を解決できたとしても、次はパワー不足で後れを取ることになると思う」

    「つまり段階が2つある。まずは完走できるようにすること、その次に競争力を取り戻すことだ」

    また、チームのポテンシャルについては信頼を示しつつも、競争力回復には時間がかかるとの見方を示した。

    「僕たちはハードに取り組んでいるし、優秀な人材も揃っている。だから数レース以内には普通の週末、つまり周回を重ねてセッションを完了できるようになると思う」

    「ただし競争力という点では、もっと時間がかかるだろう」

    改善は日本GPか それでも本格復活は夏以降
    ホンダは振動問題の解決を日本GPまでに目指しているが、状況は楽観できない。バーレーンとサウジアラビアの開催中止により約1か月のインターバルが生まれるものの、エンジン性能の改善には制約がある。

    パワーユニットのアップグレードは、FIAの許可によるADUO(開発救済メカニズム)発動まで待つ必要があり、それまでは大きな進展は見込みにくい。

    そのため、アストンマーティンが本来のパフォーマンスを取り戻すのは、早くても夏以降になる可能性が高い。現状を踏まえれば、それでも前進といえる状況だ。

  • アストンマーティン・ホンダF1 振動は氷山の一角「本当の問題を覆い隠す」

    アストンマーティン・ホンダF1 振動は氷山の一角「本当の問題を覆い隠す」

    アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは2026年F1中国GP決勝で32周を走行した後にリタイアを喫した。オンボード映像では、ステアリングから手を離して感覚を取り戻す場面も確認されるなど、深刻な振動に見舞われていた。

    上海での一戦は、アロンソにとって今季最長スティントとなったが、マシンはガレージへ戻ることとなった。問題は単なる不快感にとどまらず、マシン全体の信頼性やパフォーマンスにも影響を及ぼしている。

    マイク・クラック(トラックサイドエンジニア)は今回の状況について次のように説明した。

    「アロンソは不快な状態だった。33周を走ったが、これまで連続してその距離を走れたことはなかった。スプリントでも19周だった。もし勝利を争っていれば走り続けることも可能だったかもしれないが、我々はその状況ではなかったため、リタイアの判断は容易だった」

    また、ホンダ側のプロジェクト責任者である折原慎太郎は、振動の問題が依然として解決途上であることを認めた。

    「システム上の振動は改善しているが、依然としてドライバーの快適性に影響を与えている。日本GPに向けて解決すべき重要な領域だ」

    振動問題の裏にある本質的な課題
    アストンマーティンは上海を終え、問題の本質が振動だけではないとの認識を強めている。エンジン由来の信頼性問題は明らかだが、それだけがパフォーマンス不足の原因ではない。

    アロンソ自身も予選Q1敗退後に「これがこのシャシーのポテンシャルだ」と認めており、車体側の限界も浮き彫りとなっている。クラックもこの点について次のように語る。

    「振動は主に信頼性に影響している。我々は複数の分野で改善が必要だが、失っているのは秒単位の差ではない。一部のセットアップでは保守的になっているが、大きなパフォーマンスロスではない」

    つまり、振動と戦闘力不足は独立した問題として存在しており、両面での開発が求められている状況だ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム 本田技研工業

    PU性能とエネルギー回生の遅れ
    現在の最大の制約は内燃機関側にある。アストンマーティンのパワーユニットは他メーカーと比べてエネルギー回生量が少なく、その結果としてレース中の電力供給にも影響が出ている。

    一方で、AMR26は一発の速さ、すなわち予選では比較的競争力を見せており、問題の複雑さを物語っている。

    “空白の1か月”が開発の鍵に
    バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止により、チームには約1か月の開発期間が生まれることになった。これにより、通常のレース週末では難しい集中的な問題解決が可能となる。

    クラックはこの状況を前向きに捉えている。

    「サーキットに行けば多くのことを学べるが、レースがないことでカレンダーの制約を受けずに問題解決に集中できる側面もある」

    また、中国GPでは他チームにも信頼性トラブルが発生しており、問題は特定チームに限らない。クラックは次のように締めくくった。

    「ライバルには大きな敬意を持っている。どのチームも懸命に取り組んでおり、同じような問題を抱えている。グリッドからマシンを下げるような状況は誰にも望ましくない。具体的な原因は分からないが、マクラーレンのようなチームでも起こり得ることを示している」

  • アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ本音 チーム代表職は「少し邪魔」

    アストンマーティン・ホンダF1 ニューウェイ本音 チーム代表職は「少し邪魔」

    アストンマーティンF1のエイドリアン・ニューウェイは、チーム代表としての役割が2026年マシン「AMR26」の設計・開発業務にとって「少し」気を取られるものになっていると認めた。

    その発言が出たのは、アウディF1がジョナサン・ウィートリーの退任を発表し、ニューウェイの後任としてアストンマーティンに加わる流れが一段と現実味を帯びたタイミングだった。

    ニューウェイは昨年3月、マネージング・テクニカル・パートナー兼チーム株主としてアストンマーティンに加わった。さらに2025年シーズン終盤にはチーム代表にも就任し、これがニューウェイにとってF1チーム運営の最前線に立つ最初の機会となった。

    ただ、ここ数か月の発言では、この昇格があくまで暫定的な色合いを持つことを繰り返し示唆してきた。昨年のカタールGPでも、新たな役割が自身の開発業務を損なわないようにしたい考えを明かしていた。

    ウィートリーの加入が現実味
    PlanetF1.comは水曜日、ニューウェイがアストンマーティンの新たなチーム代表探しを主導しており、その最有力候補としてアウディF1のジョナサン・ウィートリーが浮上していると報じていた。

    その後、アウディF1は金曜日にウィートリーの退任を発表し、アストンマーティン移籍への道が開かれた格好となった。

    ニューウェイとウィートリーは、かつてレッドブルで共闘した間柄でもある。セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンとともに黄金期を築いた後、ふたりはそろって2024年にミルトンキーンズを去った。

    PlanetF1.comによると、アストンマーティンの新代表選びにおいて、ウィートリーのスキルセットと人柄がニューウェイに強く評価されていたという。

    元F1メカニックであり、レッドブルでは長年スポーティングディレクターを務めたウィートリーは、優れた組織運営能力で知られる人物だ。特にピットクルーを高水準に引き上げた功績で広く知られている。

    また、2024年に複数のミスがあったチームに加入した後、ザウバーのピットストップ作業は明確に改善された。さらにチームは、2025年イギリスGPでニコ・ヒュルケンベルグが3位に入り、13年ぶりの表彰台も記録している。

    エイドリアン・ニューウェイ アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    ニューウェイ「少し気を取られている」
    ニューウェイは最近のオーストラリアGPで、チーム代表就任以降、その役割が自分の「本来の仕事」から「少し」気を取らせていると認めた。

    開発とマシン性能向上に自分が望むだけの時間を割けているかと問われたニューウェイは、PlanetF1.comを含むメディアに次のように語った。

    「そうしようとはしている」とニューウェイは語った。

    「そのために、私は非常に才能のある上級部門責任者たちに頼っている」

    「新しい人事担当も加わった。彼女は非常に優秀になるはずだ。まだ就任して1週間だが、すぐに状況を把握している」

    「エンリコ・カルディレという非常に才能あるCTOもいる。COOのポール・フィールドも非常に経験豊富で、チームに多くをもたらしてくれている」

    「そうした重要な人々、そしてロバート・ヨーワートのような他のメンバーにも頼ることで、私は自分の時間を非常に効率的に使えている」

    「だから実際、エンジニアリング面では、エンリコと一緒に取り組むうえで、以前レッドブルでやっていた時ほど多くの時間を割く必要はない。いわば文化的なコーチングや、何と呼ぶにせよ、正しい環境や働き方を根づかせるための仕事だ」

    「もちろん、それはレッドブルでも同じだった」

    「初期段階ではかなりの労力が必要だった。だが組織が成熟してくると、より自律的に回るようになる」

    「AMRの現状を見ると、私がレッドブルで最初に働き始めた頃と似た課題がある。働き方、コミュニケーション、縦割り、我々がよく知っていて、何とか打破しようとしているあらゆることだ」

    「私がAMRで見ている人材、スタッフは、本当に、本当に才能のある集団だと思う。ただ、彼らが以前よりもずっと良い形で、お互いに連携しながら働けるようにする必要があっただけだ」

    「それは今、かなり進んでいる。正しい方向にしっかり向かっている。もちろん、まだやるべき仕事はある」

    「では、それが私の本来の仕事、つまり皆と一緒に、あるいは自分ひとりでも、アイデアや開発の方向性などを考え出す仕事の妨げになっていると感じるかと問われれば、少しはそうだ」

    「現時点で特に大きな気を取られる要因になっているのは、ホンダを支援するために我々が注いでいる作業だ」

    「だが全体としては、上級マネジメントの計画、あるいは体制が整ってすべてが落ち着けば、そのことを心配はしていない」

    レッドブル時代の延長線上にある役割
    ニューウェイはまた、自身の現在の立場について、レッドブル時代の仕事を会社全体へ広げたものだと説明している。

    「チーム代表という肩書について言えば、たとえばレッドブルでの私の働き方との違いは、レッドブルでは非常に似た役割を、エンジニアリング部門に限定して担っていたという点だ」

    「今の役割では、それが会社全体に及ぶ。そういう意味では、より大きな役割だ」

    「だが多くの面で、これは私が長年やってきたことの延長線上にある」

    ローレンス・ストロールが火消し
    一方、アストンマーティンのローレンス・ストロールは金曜日、アウディがウィートリーの退任を認めた直後、ニューウェイへの信頼を改めて強調した。

    PlanetF1.comに対してアストンマーティンを通じて出した声明の中で、ストロールは次のように述べている。

    「我々のチームにおけるエイドリアン・ニューウェイの役割を巡って現在さまざまな憶測が出ているので、この機会に事実関係を明確にしておきたい」とストロールは述べた。

    「エグゼクティブ・チェアマンであり支配株主として、エイドリアン・ニューウェイが私のパートナーであり、重要な株主でもあることを改めて確認したい」

    「彼はAMRのマネージング・テクニカル・パートナーであり、我々は会社の成功という共通のビジョンに基づいた本当のパートナーシップを築いている」

    「我々はここで物事を違うやり方で進めている。そして、他チームで見られるような伝統的なチーム代表の役割を現在採用していないのは、意図したものだ」

    「スポーツの歴史上もっとも成功したエンジニアとして、エイドリアンの第一の焦点は、彼が最も力を発揮する戦略面と技術面のリーダーシップにある」

    「彼は、キャンパスでもサーキットでも、事業のあらゆる側面を遂行するための非常に有能なシニア・リーダーシップ・チームに支えられている」

    「我々には他チームの上級幹部たちからアストンマーティン・アラムコに加わりたいという申し出が定期的にあるが、我々の方針に従い、噂や憶測についてコメントすることはない」

    アストンマーティンでは、ニューウェイが技術面に集中する体制へ移る流れがさらに鮮明になってきた。ウィートリーの加入が正式に決まれば、ニューウェイ自身が「少し」妨げになっていると認めたチーム代表業務を手放し、AMR26とホンダとの協業に、より深く軸足を置くことになりそうだ。

  • ニューウェイの“誇張”逆効果 FIAがアストンマーティン・ホンダF1救済を拒否

    ニューウェイの“誇張”逆効果 FIAがアストンマーティン・ホンダF1救済を拒否

    アストンマーティンとホンダが抱えるパワーユニット問題をめぐり、FIAが即時の救済措置に動く気配はないと報じられた。報道では、エイドリアン・ニューウェイが問題の深刻さを強調して早期対応を促そうとしたものの、FIAの判断には大きな影響を与えなかったとされている。

    アストンマーティンはシーズン序盤から厳しい状況に置かれており、ホンダ製パワーユニットのさまざまな問題によって出遅れを強いられているという。

    うしたなか、次戦F1日本GPが行われる鈴鹿で、ホンダが最初の本格的な改善策を投入する可能性も伝えられている。

    FIAはADUO前倒し適用に即応せず
    アストンマーティンはホンダとの関係において難しい立場に置かれているとされる。パワーユニットに発生している数々の問題が、開幕からチームを苦しい状況に追い込んでいるという。

    そのなかで報じられたのは、エイドリアン・ニューウェイの対外的な発言が、チーム内部でも波紋を広げているという点だ。アストンマーティン内には、ニューウェイのコメントがホンダとの関係を悪化させたと見る向きもあるとされた。

    さらに記事では、流れを変えるためにアストンマーティンがエイドリアン・ニューウェイに代えてジョナサン・ウィートリーをチーム代表に据えたとも伝えている。一方で、ニューウェイがFIAに働きかける形で問題の大きさを“誇張”し、ADUOの早期適用を引き出そうとした試みは、思惑通りには進まなかったという。

    英オートスポーツ誌のアンドリュー・ギャリソンの情報として、次のように報じられている。

    「エイドリアン・ニューウェイはメルボルンで、ホンダの問題を誇張して見せることでADUOの早期適用を引き出そうとしたようだが、これはほぼ無視され、FIAもホンダに対してADUOを承認する即時の兆候を示さなかった」

    「ただし、FIAは2戦の中止を受けて、ADUOの初回適用を早めることを検討しているようだ。私はそれは合理的な措置だと思う」

    報道によれば、FIAがアストンマーティンの問題に対して直ちにADUOを認める兆候は見られないという。ただ、バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止を受け、制度全体の初回適用時期を前倒しすることについては検討が進んでいるようだ。

    アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

    鈴鹿でホンダが“最初の本格対応”に動く可能性
    この判断はアストンマーティンにとって大きな痛手になり得るが、次戦のF1日本GPでは状況が変わる可能性もあるようだ。

    同じくギャリソンは、ホンダおよびアストンマーティンの関係者筋の話として、ホンダが鈴鹿でパワーユニットに大きな改善を持ち込む見通しだと伝えている。

    「さくらの施設とシルバーストンをよく知るベテランたちから、ホンダの最初の本格的な一手は母国GPの鈴鹿になる見込みだと聞いている」

    「もしそうなら心強い。一方で、ニューウェイやシャシー側のチームが、たとえ2〜3センチでも余裕を持たせるようなパッケージ変更をホンダのパワーユニットに対して行ったという話は聞こえてきていない」

    もっとも、このホンダ側の見通しがどこまで正確なのかはまだ不透明だ。記事では、ホンダは中国GP前にもパワーユニット問題への対策を約束していたものの、それは実現しなかったとしている。

    実際に、上海でのフェルナンド・アロンソのオンボード映像は、チームが抱える振動問題の深刻さを映し出していたとも報じられた。

    鈴鹿はホンダにとってホームレースであり、ここで大幅な改善を実現できるかどうかは、アストンマーティンの2026年シーズン序盤を左右する大きな焦点になりそうだ。

    Source: F1 OVERSTEER

  • ランス・ストロール アストンマーティンF1「祈ってほしい」ホンダに“魔法”要求

    ランス・ストロール アストンマーティンF1「祈ってほしい」ホンダに“魔法”要求

    アストンマーティンは2026年F1シーズン開幕から深刻な不振に陥っている。ホンダ製パワーユニットのバッテリー関連トラブルが続発し、オーストラリアと中国の両ラウンドで満足な結果を残せていない。

    次戦の日本GPを前に状況打開が急務となるなか、ランス・ストロールは「祈ってほしい」と異例の言葉で改善を要求。ホンダに“魔法”の解決策を求め、苦境脱出への強い危機感をにじませた。

    ストロール「祈ってほしい」ホンダの改善に期待
    ランス・ストロールは、日本GPを前にホンダの問題解決に期待を寄せつつも、状況の厳しさを率直に語った。

    「彼ら(ホンダ)が今後10日間で何か“魔法”を見つけられない限り、どうなるか分からない」

    「祈ってほしい。一緒に祈ってくれ」

    中国GPでも露呈した深刻な信頼性問題
    中国GPではスプリントこそ完走したものの、決勝では2台ともリタイアという結果に終わった。

    ストロールはバッテリー関連の問題により9周でリタイア。フェルナンド・アロンソも、ホンダのバッテリーに起因する振動によって手足のしびれが発生し、32周でレースを終えている。

    ホンダは対策を施したと説明していたが、詳細は明らかにされておらず、中国での結果を受けて再び見直しを迫られることとなった。

    ランス・ストロール アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ

    「今は良い時期ではないがポテンシャルはある」
    現状についてストロールは、チーム全体がフラストレーションを抱えていると認める。

    「チームにとって良い時期ではない。今の状況に誰もがフラストレーションを感じている。こんな形でレースをして、こういう順位で戦いたいわけじゃない」

    「ポテンシャルは間違いなくある。素晴らしい施設があり、非常に優秀な人材が揃っているし、ホンダはここ5年で4度タイトルを獲得している」

    「今は理想的な状況ではないけど、僕たちは前進し続ける。このチームとこのプロジェクト全体を信じている」