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  • フェラーリ、マクラーレンの空力スタッフを引き抜き

    フェラーリ、マクラーレンの空力スタッフを引き抜き

    マクラーレンからフェラーリに移籍したパット・フライが、古巣マクラーレンのエンジニアを勧誘しているという。

    マクラーレンの元チーフエンジニアであるパット・フライは昨年フェラーリに移籍。現在はフェラーリでシャシー・テクニカルディレクターを務めている。

    イタリアの Corriere dello Sport は、パット・フライは、ルパド・ダレカール、ジョナサン・ヒール、イオアニス・ヴェロウディス、ローレンス・ホッジ、ジャコモ・トルトラといったマクラーレンのシニア・スタッフをフェラーリに引き抜いたと報道。

    またフィンランドの Turun Sanomat は、マクラーレンの空力学プロジェクトリーダーであるマルチン・ブドコウスキーもフェラーリに移籍すると報じている。

    しかし、マクラーレンのマネージングディレクターを務めるジョナサン・ニールは、ブドコウスキーは「当然の報いである長期有給休暇」をとっているだけで、2012年後半に復職すると F1Enigma ブログで主張している。

  • ブラウンGP BPG001の空力処理

    ブラウンGP BPG001の空力処理

    ブラウンGPの2009年マシン「BGP001」は、テストデビューで周囲を驚かすパフォーマンスをみせた。

    ロス・ブラウンがオーナーとなったブラウンGPだが、チームのスタッフはホンダF1とほとんど変わっていない。BGP001は、事実上ホンダF1が今年参戦させるはずだったマシン「RA109」である。ホンダF1は、2008年シーズンを早々に“諦め”、ロス・ブラウンの指揮の下、シーズン序盤からRA109に開発リソースを集中させてきた。

    BGP001は、ホンダF1が15か月前から準備をはじめ、世界最高峰といわれる施設で開発された意欲作であるRA109のエンジンを、グリッドで最も非力と言われたホンダエンジンからチャンピオンエンジンであるメルセデスエンジンに載せかえたマシンということになる。

    一見、すっきりとみえるBGP001だが、フロントサスペンションの処理、“雪かき”バージボード、複雑なディフューザなど、詳細にはかなり独自のエアロデザインが採用されている。

    フロントノーズは極端に低い位置に設定された。高さはレギュレーションで許される125mm。2009年マシンでは最も低いノーズを採用していることになる。

    フロントウイングには独自のエアロコンセプトが注がれている。2枚のフラップを採用するウイングには、外側に複雑な形状の特にカスケード部品が装着される。そして、エンドプレートの処理は他チームと大きく異なる。

    2009年のレギュレーションは、2008年の狭いバージョンを使用せず、ウイングの全幅を守るために、エンドプレートの複数のセクションについての最小表面積を規定している。

    BGP001:全チーム中、最も低いフロントノーズを採用 BGP001:独自の解釈がみられるフロントウイング

    BGP001のフロントウイングは、ウイング先端に垂直フェンスを追加してエンドプレートを構成するのではなく、ウイングプレート自体を伸ばしエンドプレートの底面にし、そこに大きなベーンを追加して、側面の表面積をレギュレーションに適合させている。

    エンドプレートをなくすことで、ドラッグを低下させ、ウイング先端の気流を整えることで、幅広となったウイングのマイナス部分を相殺している。

    また、フロントウイングを通過する気流を調整するため、フロントサスペンション部にも巧妙な処理が施されている。ステアリングアームの位置をさげ、ロワー・ウィッシュボーンの位置を平行にすることで、合理化を実現。低いウィングからの気流への干渉を避けている。おそらくこのレイアウトを採用するために低いノーズコーンを採用したと考えられる。

    シャシー部分には先週ウィリアムズが披露したような“雪かき”ソリーションが採用される。2009年のレギュレーションでは、バージボードが禁止されており、ベーンを設置できる唯一の場所はシャシーの立ち上がり部分の下となる。

    このソリーションにより、実質的にBGP001はマシンの両側にバージボードを備えていることになる。またサイドポッド前面にも小型のベーンが装着され、ノーズ下を流れ、スプリッタで左右に分けられた気流をディフューザに効率的に送る。

    サイドミラーの取り付け部分にも工夫がみられる。ミラーの取り付け部は、ウイングレットのような形状の2つの部品で構成され、サイドポッド上面を通過する気流を整える機能を備えている。

    BGP001:“雪かき”ソリュショーンでディフューザーへの気流をコントロール BGP001:整流効果を狙ったサイドミラーの形状

    サイドポッドは非常に小さい。ラジエータの形状はマクラーレンのような同じく高くて幅広いデザイン。下部は深いアンダーカットが施される。

    サイドポッドを小型化した要因として、ブラウンGPがKERSを搭載しないことがあげられる。KERSを搭載しないため、エンジンのみを冷却するだけでよく、KERSに必要な追加ハードウェアを冷却する必要はない。そのためラジエータと配管をコンパクト化できる。

    サイドポッドは非常に短く、排気口も非常に狭い。エギゾーストはサイドポッドのフェアリングの中から出している。また、ギアボックスフェアリングと、ディフューザーの一部を構成する後部衝突構造の下からも熱い空気を排出しているようだ。

    BGP001:サイドポッドの終点 BGP001:ディフューザの形状も凝った造りとなっている

    ディフューザーは二層構造を採用。U字型の中心部分はディフューザーを天井部分を構成せず、単純にセットアップの下側を担当。上側は、衝突構造によって構成されており、175mmよりも数cm高くなっている。

    リアウイングは、エンドプレートと同様、シンプルな形状。下部のビームウイングはエンドプレート全幅まで広がり、その下を衝突構造が通るようになっている。

    土壇場になってエンジン載せ替えが決定したため、メルセデス・エンジンとシャシー、ギアボッスクを統合するのは大きな課題だったと思われる。

    これまでのところ、ブラウンGPはKERSの搭載を予定していない。2009年はKERSの搭載が日無ではないので、限られた予算を考えると懸命な考えといえる。KERSを選択しないことで、約30kgのバラストを効率的に配置することになり、重量配分でアドバンテージを得られることになる。

    ブラウンGPは、オーストラリアでの開幕戦の前に、ヘレスで3日間のテストを予定している。

    主要諸元表:ブラウンGP BGP001

  • フォース・インディア VJM02の空力処理

    フォース・インディア VJM02の空力処理

    フォース・インディア VJM02は、予想に反して独自のエアロコンセプトを採用してきた。

    2009年からマクラーレン・メルセデスと提携し、メルセデス・エンジンとマクラーレンのギアボックスやKERSを搭載し、加えてマクラーレンから技術支援も受けることになったフォース・インディア。

    そのため、マクラーレンのコピーモデルが登場するのではとの憶測もなされていたが、VJM02は随所にフォース・インディア独自の解釈が取り入れられたマシンとして登場した。

    マイク・ガスコインが解雇され、マーク・スミスとジェームズ・キーがマシン設計の指揮を執って出来上がったVJM02。昨年モデルVJM01は、前身チームのマシンであるスパイカー F8-?Bをベースとしていたため、事実上VJM02はフォース・インディアとしてのフルオリジナルモデルとなる。

    明確に役割分担されたフラップ類 ノーズは高く、先端は直線的に伸びている

    フロントウイングは、タイヤ内側のエリアとタイヤ周り、そしてタイヤ外側への空気の流れを明確に切り分けている。プレートはフェンスで仕切られ、内側は1枚、外側は3枚のエレメントで構成される。エンドプレートは外側に向かって湾曲し、ホイールの外側へ気流の逃がす。

    フロントノーズは、ハイノーズタイプを採用。ノーズ先端は、直線的に前へ突き出し、まるでジョーダン EJ11を連想させる形状。フロントサスペンションの直前には垂直にスプリッターが装着されノーズ下の気流を整える。

    深く絞り込まれたサイドポッド前面 サイドミラーにもエアロデザインを採用

    コックピット脇のサイドミラーは、取り付け部にウイングのようなデザインが施され、空力を考慮した形状が採用されている。

    サイドポッドには深めのアンダーカットが施され、フロアから延びたポッドウイングが装着される。ポッドウイングには、スプリッターが装着されている。

    下部がえぐられ、上部が覆いかぶさる形状 リア周りに大きめのスペークがとられている

    サイドポット上面は、コックピット後方から落し込まれる。エギゾーストもサイドポッドの一部としてデザインされている。

    後方はコークボトル上に絞り込まれるが、下部はより深く絞り込まれ、上面が覆いかぶさっている。この処理は、ルノーやBMWも今年のマシンに採用している。リアホイール周辺のフロアには、タイヤ内側へ向けて小さなスプリッタが装着されている。

    リアウイングは、2本の支柱を採用したオーソドックスなウイングが装着されている。

    主要諸元表:フォース・インディア VJM02

  • レッドブル RB5の空力処理

    レッドブル RB5の空力処理

    レッドブル RB5が満を持して登場した。レッドブルは、他チームよりギリギリまで設計に時間をかける戦略をとった。

    エイドリアン・ニューウェイによりデザインされたRB5は、ニューウェイらしい大胆なデザインが特徴だ。

    RB5は、マシン全体の面積を最小限に抑えて重心を低く抑えることで、縮小されたディフューザへの気流に重点を置いて設計されているように思われる。

    RB5は、フロントウイングから非常に複雑な形状を採用している。基本的にメインプレートは、2段にスリッドが入れられ、3つのエレメントで構成されたデザインとなっている。その上に、エンドプレートから2つに分割されたフラップが装着され、部分的に可変する仕組みとなっている。エンドプレートは、外側に湾曲しフロントタイヤ周りの気流を整える。

    RB5:複雑な形状のフロントウイング RB5:ノーズは細く、前方に延ばされている

    細いノーズは、トヨタTF109のように高い位置に設定されるが、RB5はノーズ先端が長く前方に伸びている。丸みを帯びた形状が美しい。

    ノーズ上部の処理は非常に特徴的。中央部がえぐられ、両端が張り出した形状となっている。ある種ホーンウイング的な処理を狙っているように感じられる。

    ノーズ下部は、美しい曲線で絞り込まれ、後方にはゴルフクラブのヘッドのようなツールが装着されているが、これはデータ収集用のセンサーとのこと。ステアリングアームは、上下のウィッシュボーンの間に設置されている。

    RB5:ノーズ上面の処理は個性的 RB5:大型のポッドウイングとターニングベーン

    サイドポッドは、フェラーリF60のように前方を短くし、大型のポッドウイングとタニングベーンが装着される。サイドミラーは、サイドポッドに脚部を取り付け設置。RB4でも初期にこの形を採用したが、その後コックピット脇に移動された。吸気口は広く高い形状。これは冷却よりも整流を重視した形状といえる。

    マシン後半は、どこかマクラーレンを連想させるデザイン。サイドポッド自体は非常に小さく、後方に向かって低く細く絞り込まれ、リアホイールとの間のスペースを最大化している。下部にアンダーカットは施されず、その代わりに床面がリアタイヤ周囲に広げられている。

    RB5:マシン後方は細く絞り込まれ、スペースを最大化 RB5:インダクション下部にはマクラーレン式の支柱を採用

    インダクションボックス下部には、マクラーレンのように下部に2本の支柱が設置される。エンジンカバーにシャークフィンは採用されていないが、後部が極端に落ち込んだ独特の形状を採用している。エンジンカバーの両側には、熱気を逃すための取りはずし可能な2枚のパネルがある。1枚はエンジンカバーの先端近くにあり、もう1枚は排気管上のペイントされていない部分にある。

    RB5のリア部分はかなりコンパクトにまとめられており、リアダンパーにはプルロッドのような解釈が用いられている。アームは、ホイールからエンジンとギアボックスに向けて下向きに通してあり、マシンの重心を低く抑えている。

    RB5:ディフューザの処理はトヨタのとった手法に似ている RB5:リアウイングのエンドプレートの処置は独特

    ディフューザ形状は、上向きに傾斜しており、トヨタと同様の解釈といえる。ビームウイングは、上部ウィッシュボーンの巧妙な形状により補強され、完全にギアボックスの上に位置している。こうすることにより合法的なウイングレットとなり、ビームウイングに対する気流を改善できる。

    リアウイングにも独自の解釈がみられ、エンドプレートはディフューザの高さまで延長されている。

    主要諸元表:レッドブル RB5

  • フェラーリ F60の空力処理

    フェラーリ F60の空力処理

    レギュレーション変更により、2009年はマシンデザインを大きな制約を受けることになるが、フェラーリはF60に独自の解釈で空力処理を施してきた。

    新しいレギュレーションでは、フロントタイヤの中心部より前方450mmからリアタイヤの中心までは、バージボードを含めたウィングレットの装着が禁止される。

    しかし、フェラーリ F60はフロントサスペンション下やフロントタイヤ後方に、制限ぎりぎりの範囲でバージボードを装着している。

    フロントウイングの中央部分は規定の形状となるため、外側の形状が重要となる。フェラーリ F60はシンプルなウイング設計を採用し、エンドプレートに取りつけられた小型のカスケードウィングで補完している。エンドプレートそのものは、フロントタイヤの外側に向けて湾曲しており、それを補助するために小型のフェンスがフットプレートに追加されている。

    フロントサスペンションのマウント下部には2つの小さなウイングが確認でき、それらはサイドポッドの前面下部の大きなウイングへと続いている。

    フェラーリ F60:フロントウイング外側には小さなプレートを装着 フェラーリ F60:フロントサスペンションマウント下部にバージボード風ウイング

    サイドポッドの前面は、規約で側面衝突保護部分として記述されており、空力の自由が認められるエリアとなる。そのためフェラーリは、より多くのウイングを追加するべく、サイドポッド前面を可能な限り短くしている。

    このエリアは、側面衝突保護構造を含む必要があるが、サイドポット前面上部には、興味深い延長パーツが追加されている。サイドミラーとフロアを繋ぐようにポッドウイングが立っており、後半のバージボードと一体化されている。

    フェラーリ F60:サイドミラーからフロアまで繋がるウイング フェラーリ F60:サイドポッド前面は可能な限り短くされている

    F60は、冷却用として規約で許されるサイドポッドの後方を開口部として最大限に活用している。同様に、両方の排気口部分も最大限に開けられている。

    これらの開口部と18,000rpmのエンジン制限にもかかわらず、サイドポッドはさらなる冷却用の排熱口を必要としており、コークボトル形状は後車軸のラインまで延長され、主要の出口を形成している。

    フェラーリ F60:サイドポットの終点には大きな開口部を確保 フェラーリ F60:後車軸まで排熱口を延長

    ディフューザとリアウイングは、単純に新規約を解釈したように見える。しかし、これらはフロントウイングとサイドポッドの前部とともに、テスト継続中に進化していくことが予想される。

    主要諸元表:フェラーリ F60