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  • WRC | 第7戦 ラリー・ポルトガル:トヨタのオット・タナックが今季3勝目

    WRC | 第7戦 ラリー・ポルトガル:トヨタのオット・タナックが今季3勝目

    2019年 FIA 世界ラリー選手権(WRC) 第7戦 ラリー・ポルトガルの競技最終日となるデイ3が6月2日(日)に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が優勝した。前日のデイリタイアから、ラリー2規定に基づき再出走を果たしたヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は、総合7位で完走した。なお、総合2位につけていたクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)は、最終ステージでリタイアとなり、完走を逃した。

    ラリー・ポルトガルの最終日デイ3は、サービスパークが置かれるマトジニョスの東北エリアで5本、計51.77kmのステージがドライコンディションのグラベル(未舗装路)路面で行なわれた。タナックは、総合2位のミークに対し4.3秒のリードを持ってデイ3をスタートしたが、オープニングのSS16でミークがベストタイムを記録したことにより、差は2.4秒に縮まった。しかし、続くSS17、SS18で連続ベストタイムを刻み、リードを8.1秒に拡大。その後2本の3番手タイムでリードを最後まで守り抜き、今シーズン3勝目を飾った。また、ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージで3番手タイムとなったことで、ボーナスの3ポイントを獲得。その結果、ドライバー/コ・ドライバー選手権における首位との差は、僅か2ポイントに縮まった。

    デイ2でのサスペンショントラブルによるデイリタイア後、ラリー2規定により総合11位で再出走を果たしたラトバラは、落ち着いた走りで順位を上げ、総合7位でフィニッシュ。貴重な選手権ポイントを獲得した。なお、ミークはSS16でベストタイムを記録し、続く2本のSSではタナックに次ぐ2番手タイムで、総合3位の選手に対するリードを10秒に広げた。しかし、SS19でスピンを喫して総合3位に順位を下げ、さらに最終ステージのSS20ではスタート後すぐ、コーナーのイン側にあった切り株に当たってクルマにダメージを負い、残念ながら完走を果たすことができなかった。

    トミ・マキネン(チーム代表)
    オィットとチームにとって、今回もまた素晴らしい勝利となりました。金曜日は不利な2番手スタートだったにも関わらずトップに立ち、難しいコンディションを上手く切り抜けるなど、ラリーを力強く戦い抜きました。オィットとマルティンは、本当に良くやってくれたと思います。また、他の2台も速く、週末を通して我々のパフォーマンスは十分高かったと思います。残念ながらヤリ-マティは昨日トラブルに見舞われ、クリスは今日小さなミスで大きな代償を払うことになりました。とはいえ、ドライバーおよびコ・ドライバー選手権、そしてマニュファクチャラー選手権に関しては、依然良い方向に向かっていますので、この後のラリーも自信を持って戦い続けます。

    オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
    表彰台の1番高い場所に立ち、とても良い気分でした。今週末は本当に長くタフな戦いが続き、これまででもっとも苦労して手に入れた勝利だと断言できます。金曜日は、不利な出走順であったにも関わらず、高いパフォーマンスを発揮しました。土曜日はかなり厳しい戦いを強いられましたが、今日は速さが十分あり、全てが上手く行きました。最初のステージは大量のダストで視界が非常に悪かったため、少し慎重に走りました。しかし、その後はマージンをとりながらも攻め、差を大きく拡げることができました。選手権争いはかなり接戦ですが、次戦サルディニアでは、良い出走順でラリーに臨めると思います。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
    今朝は再出走することができたので、トップ10に入りポイントを獲得することを目標に走りました。パワーステージでは、前を走っていたクルマが道を塞ぎレッドフラッグが出たので、ベストタイムを狙えませんでした。しかし、総合7位に順位が上がり、貴重なポイントを獲得できたのは、特にチームにとって良かったと思います。昨日は本当に速く、良い走りができていたので、個人的には満足できない結果ですが、自分達にスピードがあり、クルマも速かったという事実が何よりも重要です。次のラリーでは、ポジティブに戦えると信じていますので、とても楽しみです。

    クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
    今朝は総合3位の選手との差を拡げることに成功し、良いスタートを切りました。その差を保ち続けようとしたのですが、最後から2番目のステージでスピンをして遅れてしまいました。最終のパワーステージで得られるボーナスポイントは、自分にとってそれほど重要ではなかったので、無理をしてまで狙うつもりはありませんでした。しかし、右コーナー内側の草の中に木の切り株が隠れていたのを見落とし、自分のペースノートに記していなかったため、それに当たってタイヤが外側に開いてしまいました。完全に自分のミスですし、それまでは非常に力強くラリーを戦えていたので、チームに申し訳なく思います。ただし、自分にとっては今までで1番、クルマのポテンシャルを引き出せたラリーでしたので、気持ちを切り替え、今週末の戦いをポジティブに捉えたいと思います。

    ラリー・ポルトガル デイ3の結果
    1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 3h20m22.8s
    2 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +15.9s
    3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +57.1 s
    4 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +2m41.5s
    5 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +7m08.3s
    6 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (シュコダ ファビア R5) +10m34.2s
    7 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +11m28.2s
    8 ヤン・コペツキ/パヴェル・ドレスラー (シュコダ ファビア R5) +11m41.9s
    9 ピエール-ルイ・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (シュコダ ファビア R5) +12m46.3s
    10 エミル・ベルグヴィスト/パトリック・バース (フォード フィエスタ R5) +14m28.4s
    R クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC)

    次回のイベント情報
    WRC次戦は、6月13日(木)から16日(日)にかけて開催される、第8戦ラリー・イタリア サルディニアです。地中海に浮かぶサルディニア島の北部を舞台とするこのイベントは、中高速のステージが続くグラベルラリー。全体的に道幅が狭く、すぐ近くに木々や大きな岩が迫る非常にトリッキーなステージが多いため、精度の高いハンドリングとドライビングが求められる。路面は目が細かい砂に覆われているが、多くのラリーカーが走ると下から硬質な路面や石が露出し、パンクの危険性が高くなる。また、気温もかなり上昇するため、ラリーカー、タイヤ、そして選手にとって非常に過酷なラリーだといえる。

  • WRC | トヨタ 第7戦 ラリー・ポルトガル 2日目 … タナックが首位を堅持

    WRC | トヨタ 第7戦 ラリー・ポルトガル 2日目 … タナックが首位を堅持

    2019年 FIA 世界ラリー選手権(WRC) 第7戦 ラリー・ポルトガルの競技2日目となるデイ2が6月1日(土)に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合1位の座を守った。デイ1総合3位のクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)は、総合2位に上がったが、総合2位につけていたヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は、サスペンショントラブルでデイリタイアとなり、総合11位に順位を下げた。

    ラリー・ポルトガルのデイ2は、サービスパークが置かれるマトジニョスの東北エリアで3本のステージを各2回走行、その合計距離は160.70kmと、3日間で最長の1日だった。前日に続き快晴に恵まれ気温も上昇。路面はドライコンデイションとなった。デイ1で総合2位のラトバラに17.3秒差をつけて首位に立ったタナックは、デイ2オープニングのSS8でブレーキシステムに問題が発生し、遅れをとった。しかし、リエゾン(移動区間)で応急処置を行ない、自力で問題を解決して走行を続けた。午後1本目のSS11ではベストタイムを刻み好調を保ったが、デイ2最後のSS13でサスペンションに不具合が発生。しかし、タナックは遅れを最小限に留め、首位の座を守り切った。

    デイ1で総合3位につけたミークは、デイ2最初のSS8でベストタイムを記録。午後は3ステージ連続でセカンドベストタイムを刻むなど、1日を通して安定した速さを示した。SS12ではラトバラを抜いて総合2位に浮上し、今季初表彰台に大きく近づいた。ラトバラは、午前中のステージで2本のベストタイムを記録し、首位タナックとの差を一時5.1秒まで縮めた。しかし、午後のステージでサスペンションに問題を抱えて大きく遅れ、最終ステージを前に走行を断念。デイリタイアとなったが、総合では11位につけており、明日のデイ3にはラリー2規定に基づき再出走する。

    トミ・マキネン(チーム代表)
    信じられないくらい難しく、色々なことが起きた1日でした。それでも依然ワンツー体制を維持しており、最終日に向けてチームはいい位置につけています。ヤリ-マティは午前中とても速く、彼が良い結果を渇望しているのを知っていたので、本当に残念です。オットもまた同様の問題に遭遇しましたが、彼の場合は幸運にも1日の終わりに近かったので、あまり大きな影響を受けませんでした。彼らのクルマに起きた問題について、これから慎重に調査を進めて原因を究明し、次のサルディニアに向けて再発防止に努めます。現状、ライバルとのタイム差はあまり大きくないですが、我々のドライバーは自信を持っていますし、最後まで戦い続けることを楽しみにしているようです。戦いは、明日もまだ続きます。

    オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
    本当に大変な1日でした。最初のステージでブレーキに問題が起きたので、リエゾンで一生懸命修理に取り組み、ロングステージでは何とか普通に走れるようになりました。そして、日中のサービスではチームが完璧な状態に直してくれました。午後のステージは今回のラリーでもっとも難易度が高く、多くの石がそこら中に転がる、非常に荒れた路面コンディションだったので、クルマに大きな負担がかかりました。残念ながら最後のステージで問題を抱えてしまいましたが、最後まで走り切れたのは不幸中の幸いです。我々は依然ラリーをリードしていますが、油断はできません。日曜日は勝負がほぼ決まり退屈に感じることもあるのですが、今回に関しては最後まで攻め続けなければなりませんし、そのようなバトルをするのが楽しみです。我々のクルマには速さと、勝つ力が備わっていると思います。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
    午前中のステージはハードタイヤを2本使いましたが、その効果は非常に大きく、思い切り攻めることができました。自分の速さに満足でき、クルマのフィーリングが良かったので、リズムを感じながら楽しく走れました。しかし、午後の1本目のステージでクルマのフロントに違和感を覚え、何か問題が起きたと理解しました。自力で応急処置を試み走り続けたのですが、道がとても荒れていたため、最終的には壊れてしまいました。ポディウムを狙える位置につけていたので、とてもフラストレーションを感じます。ただし、少なくとも速さはあったので、それはモチベーションの原動力になりますし、これからも戦い続けます。明日は、少しでもポイントを得られるように、全力を尽くして走ります。

    クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
    今日は自分にとって本当に良い日でした。おそらく、このクルマで走った中では最良の日だったと思います。今朝は運転がとても楽しく、昨日よりもはるかに良いリズムで走れました。これまで、同じステージを2回目に走る際は苦戦しましたが、今日の午後はとても良いペースで走れたので、それについても満足しています。順位を守るため思い切り攻めなくてはならない状況だったので、全力で走りました。ヤリ-マティはとても好調だったので、あのようなことになってしまったのは本当に残念です。今回は、特にクルマにとって非常に過酷なラリーだと思います。気温は高く、路面は乾き、2回目の走行時はこれまで見たことがないくらい酷く荒れ、最悪ともいえるコンディションでした。オットと私が、このままワンツーフィニッシュすることがチームにとって重要なので、明日も全力で戦います。

    ラリー・ポルトガル デイ2の結果
    1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 2h47m23.1s
    2 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +4.3s
    3 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +9.2s
    4 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +21.0 s
    5 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +1m37.5s
    6 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +2m02.7s
    7 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (フォード フィエスタ WRC) +6m10.4s
    8 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (シュコダ ファビア R5) +8m33.8s
    9 ヤン・コペツキ/パヴェル・ドレスラー (シュコダ ファビア R5) +9m35.3s
    10 ピエール-ルイス・ルーベ/ヴィンセント・ランデ (シュコダ ファビア R5) +10m04.8s
    11 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +10m52.5s

    明日のステージ情報
    競技3日目最終日となる6月3日(日)のデイ3は、サービスパークの東北エリアで5本のグラベルステージが行なわれる。そのうち、SS17の再走ステージであるSS20「ファフェ2」は、トップ5タイムを記録したドライバーおよびコ・ドライバーに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。5本のSSの合計距離は51.77km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は276.39kmとなる。

    注目のステージ
    SS17/20 ファフェ 全長11.18km

    ミーカ・アンティラ(ヤリスWRC 10号車 コ・ドライバー)
    ファフェは、ラリー・ポルトガルの象徴ともいえるステージです。路面のコンディションは良く、それほどパンクのリスクを負うことなく走れます。途中、ふたつのジャンプがありますが、最後のジャンプはとても有名で人気があります。直前できちんとブレーキを踏んで減速する必要があり、もしフラットアウトで行ったら、それこそ本当に飛んでしまいます! また、ラリーの最後を飾るパワーステージとしても、非常に良いステージだと思います。

  • WRC | トヨタ 第7戦 ラリー・ポルトガル 初日レポート

    WRC | トヨタ 第7戦 ラリー・ポルトガル 初日レポート

    2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・ポルトガルの競技初日となるデイ1が5月31日(金)に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合1位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が総合2位に、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC 5号車)が総合3位につけ、ヤリスWRCがトップ3を占めた。

    昨晩、古都コインブラで行なわれたセレモニアルスタートで開幕したラリー・ポルトガルは、サービスパークが置かれるマトジニョスの南側エリア、アルガニルの周辺で3本のグラベルステージを各2回走行。1日の最後にはロウサダのラリークロスサーキットで1本のスーパーSSを走り、計7本94.50kmのステージが行なわれた。アルガニル周辺のステージは2001年大会以来の走行となり、マニュファクチャラーチームの全ドライバーにとって、初めて走るステージだった。アルガニルの上空には朝から青空が広がり、ステージコンディションはドライ。そのため、道の表面は「ルーズグラベル」に覆われて滑りやすくなり、出走順が早い選手に不利な走行条件となった。

    しかし、出走順が2番手と前方だったタナックはSS1で、ドライバー選手権の上位を争うライバル達よりも10秒以上速い2番手タイムを記録。SS2と3では連続でベストタイムをマークし、首位に立った。午後に入り路面コンディションが悪化しても安定したタイムで走り続け、首位の座を堅持。総合2位のラトバラに17.3秒差をつけ、首位でデイ1を締めくくった。

    ラトバラは、SS2で2番手タイムを刻み総合3位に。SS3では3番手タイムで、首位タナックに続く総合2位に順位を上げた。その後ラトバラは順位を守り、総合2位でデイ2を走り切った。また、ミークは午前中のステージでじわじわと順位を上げ、SS3で総合3位に浮上。SS5でひとつポジションを落とすも、SS6で挽回し、ラトバラと5.5秒差の総合3位で1日を終え、ヤリスWRCのトップ3独占に貢献した。

    トミ・マキネン(チーム代表)
    我々チームにとって素晴らしい1日でしたが、決して簡単だった訳ではありません。むしろ、予想よりも厳しい1日だったと思います。コンディションは過酷で、多くの選手がトラブルに見舞われました。それでも、ここまで上手く行っています。クルマのパフォーマンスは高く、ドライバーは自信を持って走り、この難しいコンディションにとても上手く対応しています。しかしまだ先は長く、明日は長いステージが控えているので、皆にとって非常に困難な1日になるでしょう。確かに我々は好位置につけていますが、ライバルとの差はあまり大きくないので、この戦いに勝つためにはトップの座を守り続けなければなりません。

    オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
    大変厳しい1日でした。とても暑く、ステージは非常に難しいコンディションでしたが、1日を通してクリーンな走りができたと思います。クルマのフィーリングは素晴らしく、自信を持てたので、攻めの走りができました。明日からのステージを有利な出走順で走りたいと思っていたのですが、その目標は達成できました。そういう意味では、今日はすべて上手く行ったので喜ぶべきでしょう。チームとしても非常に良いポジションにつけていますが、ラリーはほんの一部が終わったに過ぎず、ゴールはまだ先です。明日のステージは、レッキで走った時点でもかなり荒れていたので、きっとタフな1日になるでしょう。集中力を高めて臨まなければなりません。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
    全体的には良い1日でした。クルマの調子はとても良く、楽しんでドライブできました。今朝は自分の運転に満足することができ、午後もスピードは十分にありました。ただし、ポルトガル北部のラリーでは今まで体験したことがないくらい気温が高かったこともあり、タイヤの摩耗に悩まされました。きっと、自分のアグレッシブなドライビングスタイルも摩耗に影響したと思います。明日はもう少し楽に摩耗をコントロールできるように、今晩対策を考えるつもりです。現在のこの良い順位を、何とか守らなければなりません。

    クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
    チームにとって素晴らしい1日になりましたが、今日は気温が非常に高く苦労しました。午前中はインターコムに問題が生じ、あるSSでコ・ドライバーのセブが読み上げるペースノートの情報が聞こえなくなってしまいました。しかし、セブは手で指示をしてくれたので、それに従って走りました。午後も小さな問題が生じましたが、それでも総合3位という結果には満足しています。すぐ後方には速いライバルが迫っていますが、今晩のサービスでクルマのコンディションを整え、明日も全力で戦いに臨みます。

    ラリー・ポルトガル デイ1の結果
    1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 1h03m26.7s
    2 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +17.3s
    3 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +22.8s
    4 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +24.2s
    5 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +25.8s
    6 テーム・スニネン/マルコ・サルミネン (フォード フィエスタ WRC) +1m15.7s
    7 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタWRC) +1m22.1s
    8 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +1m23.7s
    9 オーレ・クリスチャン・ヴェイビー/ヨナス・アンダーソン (フォルクスワーゲン ポロ GTI R5) +3m45.2s
    10 ヤン・コペツキ/パヴェル・ドレスラー (シュコダ ファビア R5) +3m49.3s

    明日のステージ情報
    競技2日目となる6月1日(土)のデイ2は、サービスパークの東北に広がるカブレイラ山脈で3本のステージを各2回走行します。そのうち、SS10とその再送ステージであるSS13「アマランテ」は、全長37.60kmと今大会最長のステージです。6本のSSの合計距離は160.70km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は622.86kmとなります。

    注目のステージ
    SS10/13 アマランテ 全長37.60km

    ミーカ・アンティラ(ヤリスWRC 10号車 コ・ドライバー)
    アマランテは非常に難易度が高いステージです。5つのパートに分かれていて、グラベルと短い舗装路を交互に走ります。選手にも、クルマにも、タイヤにも厳しいステージですが、挑戦し甲斐があり私は気に入っています。暑い中、連続するステージの最後でこのような長いSSを走行するのは、本当に大変です。

  • WRC | トヨタ ラリー・ポルトガル&ラリー・イタリア プレビュー

    WRC | トヨタ ラリー・ポルトガル&ラリー・イタリア プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、5月30日(木)から6月2日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・ポルトガルと、6月13日(木)から16日(日)にかけて開催される第8戦ラリー・イタリア サルディニアの南ヨーロッパ グラベルラリー2連戦に、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC #8号車)、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(#10号車)、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(#5号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。

    2019年のWRCは、第5戦ラリー・アルゼンティーナ、第6戦ラリー・チリと、2戦連続で南米のグラベル(未舗装)ラリーが続いた。そして戦いの舞台は移り、ヨーロッパでの今シーズン最初のグラベルラリーとなるラリー・ポルトガルと、ラリー・イタリア サルディニアが、1週間のインターバルを置いて開催される。

    第7戦ラリー・ポルトガルは、昨年と変わらずポルトガル北部ポルトの近郊、マトジニョスのサービスパークを中心に行われる。テクニカルなセクションを含む中高速のステージが多く、道の表面は「ルーズグラベル」と呼ばれる、目の細かな砂利や砂に覆われている。そのため、出走順が早い選手は滑りやすいルーズグラベルが多い状態の路面を走らなければならず、タイヤのグリップが十分に得られない。また、土質が軟らかい路面も多いため、ステージを2回目に走行する際は下から硬い石が現れ、深い轍(わだち)も刻まれる。

    ラリーはサービスパーク南側の古都コインブラでのセレモニアルスタートで木曜日に開幕。金曜日から競技が始まり、2001年の大会以来久々に、アルガニルの周辺でSSが行なわれる。3本のステージを日中のサービスを挟むことなく各2回走行し、1日の終わりにはロウサダのラリークロスサーキットでスーパーSSが行なわれる。土曜日は多くの選手にとって馴染みのあるエリアで、3本のステージを各2回走行。その中には、カブレイラ山脈の風光明媚なステージも含まれる。最終日の日曜日は5本のステージを走行。そのうちSS17/20ファフェは、大勢の観客が集まるビッグジャンプで有名な、ラリー・ポルトガルの名物ステージ。全20本のSSの合計距離は306.97km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1,433.15kmとなる。

    続く第8戦ラリー・イタリア サルディニアは、地中海に浮かぶイタリアのサルディニア島北部、アルゲーロにサービスパークが置かれる。ラリー全体の構成は昨年と非常に似ており、島北部のグラベルロードを走行する。全体的に道幅の狭い中高速ステージが中心で、路面の多くは目が細かい砂に覆われている。しかし、多くのクルマが走ると表面の砂が掃け、下から硬質な路面や石が現れる。また、同じステージを2回目に走行する際には、深い轍ができるステージもある。道の両側には木々が迫り、大きな石や岩もあるため精度の高いドライビングが求められる。さらに、天候次第では気温がかなり上昇することも多く、クルマにとって非常に厳しいラリーだといえる。

    ラリーは木曜日の晩、アルゲーロ近郊のモトクロスサーキットでスーパーSSが行われ、戦いの火蓋が切られる。金曜日はサービスパークの東北エリアで4本のステージを各2回走行。土曜日は東側で3本のステージを各2回走る。そのうち、SS11/12モンテ・レルノは「ミッキージャンプ」というニックネームで呼ばれる大きなジャンプが有名な、人気ステージ。最終日となる日曜日は、アルゲーロの北側にある美しい海岸地帯で2本のステージを各2回走行。全19本のSSの合計距離は310.52km、リエゾンも含めた総走行距離は1,383.64kmとなる。

    1週間のインターバルを置いて開催されたラリー・アルゼンティーナとラリー・チリと同様、ラリー・ポルトガルとラリー・イタリア サルディニアも「リンクドラリー」と定義され、ワークスチームの選手は、ポルトガルの最終SSを走り終えたクルマでサルディニアを戦わなくてはならない。シャシー、エンジン、トランスミッション(スペアも含む)は、ポルトガルで使ったものをサルディニアで再使用するため、2戦を考えたマネージメントが求められる。

    トミ・マキネン(チーム代表)
    スムーズな路面のチリで良い結果を得ましたが、次の2戦、特に第8戦サルディニアは荒れた路面での戦いとなります。その時々のコンディションによっても違いますが、通常ポルトガルの路面はそれほど悪くなく、むしろハイスピードで良い状態で走れることの方が多いラリーです。金曜日はアルガニルの周辺でステージが行なわれますが、あの辺りは私が優勝した2001年を最後に使われていなかったので、ドライバーにとっては初めて走るステージとなります。ラリーのオーガナイザーはいろいろなタイプの道を使えるので、選手たちは挑み甲斐があります。我々は、荒れた路面でのクルマの性能改善に一生懸命取り組んできました。そして、数日前にポルトガル北部で充実した内容のテストを実施し、来たるべきイベントに向けて良い準備ができました。

    オット・タナック(ヤリスWRC #8号車)
    次の2戦はどちらも好きなラリーですし、自分にとって特別な意味を持つイベントです。ポルトガルは初めて出場したWRCイベントであり、サルディニアは初めてポディウムに上がり、初めて優勝を果たしたラリーでもあります。いずれも非常に高速なステージが含まれますが、それだけでなく、昨年我々が体験したようなとても荒れたステージもあります。チームは一生懸命仕事に取り組んできたので、準備は万端だと信じています。チリでの優勝は非常に重要な意味を持ち、タイトル争いの最前線に戻ることができました。次の2戦で多くのポイントを獲得するため、高い集中力を維持して戦いに臨みます。

    ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
    ポルトガルのステージはいつも、アルゼンチンの砂が多い道を思い出させます。とはいえ、路面はアルゼンチンほど荒れていません。今年は金曜日に、1980~90年代に人気のあったアルガニルのエリアを走行します。あの辺りは根石が埋まっているような道が多く、タイヤに厳しいのが特徴です。一方、サルディニアの道はベースとなる部分が硬く、道幅は狭く、両脇に転がる多くの石を避けて走らなければなりません。先週末のテストはとても上手く行き、荒れたコンディションでクルマはさらに進化したと思います。我々には強くて速いクルマがありますので、これからの2戦がとても楽しみですし、自信もあります。久々に表彰台に復帰できることを期待しています。

    クリス・ミーク(ヤリスWRC #5号車)
    ラリー・ポルトガルをとても楽しみにしています。良く知っているイベントですし、2016年には優勝し、その後も2年連続でラリーをリードするなど、常に強さを示してきました。一方、サルディニアはここ数年はあまり出場していませんでしたが、昔からそれなりに知っているラリーです。今季、ここ数戦は、フラストレーションが溜まるイベントが続きました。表彰台に立てるだけの速さはありましたので、その速さを良い結果に繋げることに集中しなければなりません。今週月曜日に行なったテストは良い内容でした。少しでもクルマを良くしようと力を尽くしてきたので、それがこれからの数戦で結実することを願っています。

  • 【WRC】 トヨタ:第6戦 ラリー・ポルトガル プレビュー

    【WRC】 トヨタ:第6戦 ラリー・ポルトガル プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、5月17日(木)から20日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・ポルトガルに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC 7号車)、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(9号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。

    ラリー・ポルトガルは、ヨーロッパで行われる2018年シーズン最初のグラベル(未舗装路)ラリー。

    ラリーの舞台となるのはポルトガル北部で、大都市ポルトの西北に位置するマトジニョスにサービスパークが置かれる。SS(スペシャルステージ)の路面は全体的に軟らかく、道の表面は「ルーズグラベル」と呼ばれる、目の細かな砂利によって覆われている。出走順が早い選手はルーズグラベルの上を走ることになるため、タイヤが本来のグリップ性能を発揮できずタイムロスを避けることができない。やがて、数台のクルマが走行するとルーズグラベルは徐々に掃けていき、その下から比較的硬質な路面が露出するためグリップ性能が高まる。しかし、多くのマシンが走行すると深い轍(わだち)が刻まれ、地中に埋まっていた岩盤や石が掘り起こされるため、同じステージを2回目に走行する際にはパンクの危険性が高まる。

    ラリーは5月17日(木)の夕方に、ポルトガル王国発祥の地とされる古都ギマランイスでのセレモニアルスタートで開幕し、その後デイ1としてラリークロスサーキットでスーパーSS「ロウサダ」が行なわれ競技がスタート。翌日18日(金)からスペイン国境に近いサービスパークの北側エリアでデイ2として本格的なグラベルSSが始まる。3本のステージを午前と午後で各2回走行し、1日の最後にはポルト中心部で2本の市街地SSが行なわれる。 19日(土)のデイ3はサービスパークの東側カブレイラ山脈周辺で6本のSSが、最終日となる20日(日)のデイ4はサービスパークの東側で5本のSSが行なわれる。SS17とその再走ステージであるSS20「ファフェ」はビッグジャンプで知られ、毎年大勢の観客が集まる名物ステージ。また、SS20はトップ5タイムを記録した選手に対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4日間で20本のSSが行なわれ、その合計距離は358.19km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1583.08kmとなる。

    トミ・マキネン(チーム代表)
    アルゼンチンでの勝利により、チームは大きな自信に満ち溢れており、ラリー・ポルトガルをとても楽しみにしています。また、先週行なった事前テストも非常に上手く行き、万事順調だと思います。ポルトガルとアルゼンチンの路面コンディションは非常に似ているため、ポルトガルでも力強いパフォーマンスを発揮する自信があります。過去に私はドライバーとしてポルトガルで2回勝っていますが、ここはあまり石や岩が多くないコースのため比較的簡単で、少なくともそれほどトリッキーではないラリーだといえます。アルゼンチンもポルトガルも高速なラリーではありますが、アルゼンチンほどはドライビングの正確さが求められませんし、ポルトガルの方がより走りを楽しむことができるはずです。従って、通常であればそれほど難しいラリーではないのですが、優勝を目指して戦う以上、他のラリーと同様、挑戦しがいのある1戦となります。今回もきっと良いラリーになるだろうと私は確信しています。

    ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 7号車)
    私の戦いは序盤に終わってしまいましたが、それでもラリー・アルゼンティーナはポジティブな1戦でした。クルマの仕上がりは本当に素晴らしく、リタイアするまでは私自身にもスピードがありましたので、大きな自信を持ってラリー・ポルトガルに臨むことができます。我々のクルマはポルトガルでも強さを発揮する自信があります。路面がスムーズで、流れるようなコーナーがより多くあるという違いはありますが、ラリー・ポルトガルのコースは、ラリー・アルゼンティーナと非常に良く似ています。ですから、我々のクルマがポルトガルのコースに合わないようなことはあまり考えられません。先週、事前テストをポルトガルで2日間行ない、その内容にはとても満足しています。テストドライバーであるユホ・ハンニネンと一緒にテストをし、クルマにファインチューンを施したところ、非常に良いフィーリングを得ることができました。

    オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
    良いフィーリングでポルトガルを迎えることができそうです。クルマはきっと力強いパフォーマンスを示してくれるはずです。先週の事前テストではさらなる改善と、性能向上に注力しましたが、すべてがとても良好でした。ラリー・ポルトガルは私のお気に入りのラリーのひとつで、あの素晴らしい雰囲気を味わうことをいつも楽しみにしています。また、私にとっては2009年にWRCデビューを飾った思い出深いラリーでもあります。アルゼンチンと同様のパフォーマンスを発揮することが目標ですが、状況を見ながら戦いを進めていくつもりです。デイ2の金曜日は、出走順の関係で我々にとって厳しい1日となることが予想されます。自分たちよりも前に2台が走るので、その走行ライン上を走ることになるでしょうが、とにかくポルトガルは路面のルーズグラベル処理がタイムに大きな影響を及ぼすラリーです。また、選手権争いに関してもポルトガルは重要な1戦となります。アルゼンチンでは上位とのポイント差を少し縮めることができたので、ポルトガルでもそれを目標に置いて戦います。

    エサペッカ・ラッピ (ヤリスWRC 9号車)
    ポルトガルは私が昨年初めてWRカー(ワールドラリーカー)をドライブしたラリーなので、ポルトガル以降のイベントは経験差による不利が少なくなるのではと期待しています。シーズンの序盤浮き沈みが大きかったのは事実ですが、それでもいくつかのラリーでは自分でも驚くほどの速さがありました。ポジティブな要素が多くありましたので、ネガティブな出来事から多くを学び、それをシーズン後半に改善の糧として活かしたいと思います。今後はWRカーでの出場経験があるラリーが続き、特にポルトガルは基本的に去年と同じ道を走るので、自分にとってはチャンスです。アルゼンチンでもクルマのセットアップに関してはかなり満足していましたが、事前テストではさらなる改善をヤリスWRCに施すことができました。ラリー本番ではラリー・アルゼンティーナの時とは違い、最初のステージから全開で行ける自信があります。

  • 【WRC】 トヨタ:WRC 第6戦 ラリー・ポルトガル プレビュー

    【WRC】 トヨタ:WRC 第6戦 ラリー・ポルトガル プレビュー

    TOYOTA GAZOO Racingは、5月18日(木)から21日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第6戦ラリー・ポルトガルに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)と、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)と、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(#12号車)の、3台のヤリスWRCで参戦する。グラベル(未舗装路)ラリーで、できるだけ多くの実戦データを収集しクルマの開発を加速するため、初の3台体制でラリー・ポルトガルに挑む。

    第6戦ラリー・ポルトガルは、今年初めてヨーロッパで開催されるグラベルラリーとなる。ラリー・ポルトガルは1973年のWRC開始初年度からシリーズの1戦に含まれていた伝統あるイベントで、非常に多くの観客が集まる人気の高いラリーである。ラリーの中心となるサービスパークは、ポルトガル北部の大都市であるポルトの北側、マトジニョスに置かれ、そこを中心に5月18日から21日にかけて4日間競技が行われる。

    ラリー・ポルトガルのコースは、砂状の軟らかい路面と、岩盤が露出した硬い路面が合わさった未舗装路が多くを占める。軟らかい砂地ではタイヤのグリップが得にくく、硬い岩盤の上ではタイヤの摩耗が急激に進む。そのためラリー・ポルトガルでは、硬軟どちらのコンパウンドのタイヤを装着するべきか判断が難しく、ドライバーがいかにうまくタイヤを使うかが重要なテーマとなる。また、ドライの未舗装路では「ルーズグラベル」と呼ばれる、細かな砂利や粉塵が道の表面を覆っており、それがタイヤのグリップ力を著しく低下させる。ルーズグラベルは数台のクルマが走行すると弾き飛ばされ、グリップを得やすいしっかりとした未舗装路面が徐々に露出する。そのため、ルーズグラベルに覆われたコースでは、早い出走順の選手は不利な条件で走行することになる。さらに、路面が軟らかいコースでは、2回目の走行時には深い轍が刻まれていることが多く、ラリーカーは車体の下面が地面に当たらないように、1回目の走行時よりも車高をかなり上げて走行する必要がある。

    ラリーは18日(木)の夜に、マトジニョスの東側に位置するロウサダの町でのスーパーSSで競技開始。19日(金)の朝から本格的なグラベルコースでの戦いが始まり、デイ2としてマトジニョスの北~北東エリアで8本のSSが行われる。20日(土)のデイ3は、マトジニョスの東~東北エリアで6本のSSが実施され、21日(日)の競技最終日デイ4は、デイ3に近い地域で4本のSSが予定されている。そして、最終SSとなるSS19、ファフェ2はSSで上位のタイムを記録した選手に対してボーナスの選手権ポイントが付与される、パワーステージに設定されている。ラリー全体でのSSの数は全部で19本、計349.17km。移動区間(リエゾン)を含めた総走行距離は、1529.01kmとなる。

    現在ドライバーズランキング2位につけるラトバラは、ラリー・ポルトガルでの実戦経験が十分にあり、2015年には総合優勝を果たしている。また、ハンニネンは2014年大会で8位に入っているが、同年はポルトガル南部のファロを中心に行われたため、北部のSSはハンニネンにとって初めての経験となる。そして、今回初めて3台目のヤリスWRCのステアリングを握るラッピにとって、ポルトガルは2013年にWRC2カテゴリーで初優勝を遂げたラリーであり、2016年大会ではWRC2で2位を得ている。3名のドライバーはラリー・ポルトガルに向けたプレイベントテストを行ない、グラベルラリーでのヤリスWRCのパフォーマンスを、さらに高めるための改善作業を進めた。

    トミ・マキネン(チーム代表)

    ポルトガルに向けて、サスペンションやその他いくつかの部品について新しいことを試しました。しかし、天気がとても悪かったため、テストの結果がどれほど現実的なのかは分かりません。また、ラリーではその時々の走行条件に大きく左右されることが多いため、どうなるか予想するのは難しいですね。ポルトガルは、高い運転技術が求められるタフな由緒あるイベントです。我々にとっては未知なる部分が多いラリーですが、これまでやってきたように、未舗装路におけるクルマの性能を着実に高めていきたいと思っています。今回はテストを目的に3台目のヤリスWRCを走らせますが、エサペッカとヤンネによってさらに多くの情報を得られると期待しています。

    ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)

    前戦アルゼンチンで、グラベルラリーではその初日の結果がとても重要であるということを学びました。頑張ってトップ5で初日を終えることができれば、翌日は有利な遅い出走順で走ることができるからです。ですから、ポルトガルでは初日に上位につけることが目標です。もしも雨等で初日の路面状態が悪い場合は、選手権ランキング順により初日2番手スタートとなる自分たちは、道が荒れる前に走れるため、有利になるかもしれません。ラリーを前に、我々はダンパーと車高のセッティングに注力し、ラフな路面コンディションでも最大の性能を発揮できるようにクルマを改善しました。

    ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC #11号車)

    私は、天気が良い時にテストを行なうことができました。テスト時はとても暖かく、サスペンションやデファレンシャルに関していくつか新しいことを試しました。ラリー・ポルトガルには以前出場したことがありますが、北部のステージを走るのは今回が初めてです。道はきっとルーズグラベルに覆われていると思うので、初日は私の遅いSS出走順が有利に働くことを期待しています。ポルトガルのコースは、道がそれほどラフではないことを除けばアルゼンチンに少し似ているので、学んだことを活かし進化に役立てたいと思っています。同じコースを2回目に走る際は、きっと路面条件が少し難しくなっていると思うので、注意して走行する必要があるでしょう。

    エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)

    これまでテストを重ねてきましたが、実戦の場は全く違うものになると思います。このような機会を長い間待っていたので、ヤリスWRCで初めてラリーに出場することになり、本当に心が躍っています。しかし、あくまでもチームの仕事として走るわけですから、私がすべきはクルマの開発をさらに進めるため、できるだけ多くのデータを収集すること。そのためには、完走が何よりも重要です。もっとも、ポルトガルのような難しいラリーで完走するのは決して簡単ではありませんが。自分の経験を増やすためにも、すべてのステージを走る必要があると胸に刻んでいます。とにかく冷静な気持ちを保ち、集中してラリーに臨みたいと思っています。