ナイキが、24年ぶりにF1へ本格復帰する可能性が浮上している。米国のスポーツ用品大手はF1とのスポンサーシップおよびライセンス契約の可能性を検討しており、Formula One Management(FOM)との協議がすでに行われたと報じられている。
さらに、2026年からF1に参戦しているキャデラックとの関係も深まりつつあるという。現時点で正式な契約は成立していないものの、ナイキをめぐる複数の動きから、F1への再参入に向けた検討が具体化していることがうかがえる。
ナイキがFOMとスポンサー・ライセンス契約を協議
『Sports Business Journal』によると、ナイキは最近、FOMと接触し、F1との提携について協議を行ったという。
検討されているのは、スポンサーシップとブランドライセンスを組み合わせた契約だとされる。具体的な契約内容や対象となる権利については明らかになっていない。
ナイキの幹部は5月に開催されたF1マイアミGPにも姿を見せており、F1側との接触がより具体的な段階に入っていることを示す動きとして注目されている。
ただし、現段階では合意には至っていない。『Sports Business Journal』の取材に対し、ナイキとF1はいずれもコメントを控えている。
キャデラックとも「継続的な対話」
ナイキのF1復帰をめぐっては、キャデラックとの関係も重要なポイントとなっている。
キャデラックのF1ドライバーであるバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスは、チーム関連のビジュアルでナイキのシューズを着用している。
さらにマイアミGPでは、キャデラックのダン・トーリスCEOとその妻に、チームカラーを取り入れたカスタム仕様の「Nike Dunk Low」が贈られた。
『Sports Business Journal』が引用した関係者によれば、キャデラックとナイキの間では「継続的な対話」が行われているという。ただし、こちらについても正式なパートナーシップは発表されていない。
こうした動きから、ナイキがF1全体との契約だけでなく、米国メーカーであるキャデラックとの個別提携も視野に入れている可能性がある。

ミハエル・シューマッハ以来24年ぶりのF1復帰へ
ナイキにとってF1は初めて進出する市場ではない。過去にはミハエル・シューマッハとの契約を通じて、F1で大きな露出を獲得していた。
シューマッハはフェラーリ時代の1996年から2002年にかけてナイキを着用。フェラーリで黄金時代を築いていく過程で、ナイキも7度のF1ワールドチャンピオンとなるシューマッハとの結びつきを通じて、モータースポーツ界で強い存在感を示した。
2002年以来となれば、今回の動きはナイキにとって24年ぶりのF1復帰につながることになる。
アディダスやプーマなど大手ブランドがF1市場で競争
ナイキがF1への復帰を検討する背景には、近年急速に拡大しているF1のアパレルおよびライセンス市場がある。
現在はアディダス、プーマ、Castore、New EraなどのブランドがF1や各チームとの関係を構築しており、スポーツウェア企業にとってF1は世界規模でブランドを訴求できる市場となっている。
そのなかでナイキが参入すれば、世界最大級のスポーツブランド同士による競争がF1でもさらに激しくなる可能性がある。
一方で、契約実現に向けた焦点のひとつとなるのが、すでにFOMと直接的な関係を持つプーマとのすみ分けだ。
『Sports Business Journal』によれば、ナイキとの契約はスポンサーシップとライセンス権を組み合わせる可能性がある。ただし、既存のプーマとのグローバルなパートナーシップと、ナイキに付与する権利をどのように両立させるのかは現時点で明確になっていない。
ナイキとFOM、そしてキャデラックのいずれについても契約はまだ成立しておらず、現段階では協議中の案件にとどまる。それでも、FOMとの接触、マイアミGPへの幹部の訪問、キャデラックとの継続的な対話が重なっていることから、ミハエル・シューマッハとの関係が終了した2002年以来となるナイキのF1復帰が現実味を帯び始めている。

